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2007年06月03日

勝納川の水すだれ

 奥沢ダムは水道水の貯水池であり、ここから一定量の水を浄水場に太い管で送っている。しかし、水かさが増しアースダムが決壊する心配を取り除くため、樋門を設けダムへの水を放水路に流すことと、貯水池から余水吐けを設けてこれらの水が勝納川に流れるように工夫が施されている。この余水吐けの部分に水路の階段が設けられている。

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 この水路の階段は水すだれを演出している。11段の階段は石組みで、河床が水流で不均等に削られるのを防ぐために亀張りと呼ばれる石畳を川の中に造って、水流が全川幅に亘って均等に流れるようにしてある。夏にこの水すだれを眺めると、両岸の緑ともあいまって涼感が得られる。銀行のロビーで小樽・石狩秘境写真展が行われているニュースがテレビ放送で流れた時、スポンサー企業がコマーシャルのバックにこの水すだれの映像を使っていた。

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 石の階段は石を置くだけでは水の力でずれて来るので、流れに対する上下の石を鉛でつなぎ合わせている。鉛の蝶番のようなものである。これは上からも観察でき、鉛は経年変化で白くなっているので、写真に撮ってもはっきり写る。この水すだれの仕掛けは1914年に造られているというから、よくぞ長い年月持ち堪えているものである。

 水すだれを効果的に見せるために、他にも工夫が凝らされている。それは階段の部分に石を並べるとき、縦に長いものと短いものを交互に組合わせている。そうすることで水すだれに変化が生じるようにしている。

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 余水吐けからの水はあくまでも余水である。水道の水は鉄管を通して浄水場に運ばれる。その鉄製の水管を見せてもらったが、これも1914年当時のものがそのまま使われているそうで、外側は錆びで赤くなった鉄管である。

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 勝納川の上に架けられた橋の下にこの鉄水管を通しており、外側は新しいペンキが塗られている。外見だけではペンキの効果で新しい施設のように見えるけれど、その中を九十数年前の鉄水管が通っていると思えば歴史の重みを感じる。

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