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2007年09月02日

江別式土器

 札幌には札幌の接頭(接尾)語がつく言葉で全国に通用するものがある。「サッポロビール」、「札幌ラーメン」、最近なら「コンサドーレ札幌」などとある。これに類するもので江別の付く言葉で全国に認められるものはないかと探していて、「江別式土器」というのを見つけた。

 石狩川左岸の対雁(ついしかり)にある坊主山と呼ばれる砂丘に、北電の火力発電所が建設されることになり、建設予定地の発掘調査が行われた。その時、縄文時代から擦文時代にわたる多数の遺物が出土し、なかでも多数の完形土器が発見されている。これらの土器は「江別式土器」と命名され、この言葉は考古学の世界で認められている。さらに、江別式土器は文様から古い順番にA,B,C、Dと分類されている。特殊な世界ではあるけれど全国に通用する江別の接頭辞のつく言葉となっている。

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 江別式土器のコレクションは江別市の郷土資料館内でみることができる。資料館の二階に上ると夥しい数の土器が展示棚の上に置かれている。江別式土器を生み出した人々が東北地方まで勢力を伸ばし、北日本に一つの文化圏を形成し、これを「江別文化」と呼ぶそうであるけれど、こちらの文化の名称は初めて知った。さて、これが考古学界その他で広く認知されている用語なのかどうかは専門家でないので分からない。

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 江別式土器の表面にある幾何学文様がアイヌの文様のルーツになったという説は、実際出土された土器群をみていると説得力がある。土器のなかには彩色が残っているのものあり、他の文様のはっきりした土器とともに見応えのあるものである。

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 展示室とは別の一室に縄文式土器が並んでいる。これは現代の縄文土器造り愛好家(専門家?)が、縄文時代と同様にして粘土をこね、文様をつけて、薪を焚いて土器造りをしたものだそうである。本物と比べても遜色にない土器が棚に並んでいた。一部は焼物市の売り物となっているそうで、確かに土器には値段がついていた。江別式土器を参考にして、現代製の縄文式土器をブランド品に高めることができれば、江別式土器の名前はさらに認知度が高まると思われる。 

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