2007年10月07日
広島村立小中学校門柱
国道36号線で札幌清田区から北広島市に入ると、そこは大曲と呼ばれる地区である。今のところこの大曲の地名がどこから来ているのかは分からない。秋田県の大曲市と関係があるのか、地形的なものなのかなどと推測をしている。
大曲付近では国道36号線は高速道路の道央自動車道と平行に走っていて、大曲工業団地は国道からみて高速道路の反対側に広がっている。この工業団地にさしかかる手前で、国道沿いの高速道路側に大曲中学校がある。この中学校のグラウンドの隅に二つのレンガ積みの門柱が取り残されている。
一方には「広島村立大曲中学校」、もう一方には消えかかった「札幌郡廣島村立大曲小学校」がかろうじて読み取れる。これらの門柱から、ここはこの二つの学校があった跡地であるのが分かる。インターネットで調べると、大曲小学校は1892年(明治25年)、月寒小学校大曲分校として始まり、その後公立大曲尋常小学校、輪厚(わっつ)尋常小学校大曲分校と名前が変わっている。太平洋戦争後の1947年(昭和22年)広島村立大曲小学校と改称された。
一方の中学校の方は、1947年に西部中学校大曲分校が小学校と並置されている。この経緯で小学校と中学校の門柱が並んで置かれ、小中学校の生徒達が同じ校門をくぐることになった。小学校の方は児童数が増えたため1977年に近くの大曲柏葉に移転している。
これらの門柱は本当にとり残されたという表現が適しているようである。史跡というほどの仰々しさでもなく、移転するか取り壊すのを忘れてしまってついつい放っておいた、という感じである。この門柱を見にくるのは、秘境探検のテーマ探しに苦闘している筆者ぐらいなものではなかろうか。
三連休の初日で、門柱の向こうに広がるグラウンドでは秋の日を浴びながら中学生が野球の練習に余念がない。スポーツの秋でもある。今や校門でもないグラウンド脇のこの門柱は、そこを通って登下校する生徒も多分居らず、これからもじっと佇んでいくことになるのだろう。
- by 秘境探検隊長
- at 03:09
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