2008年05月08日
豊幌の三日月湖
暴れ川の石狩川の治水は、北海道開拓の根幹であった。石狩川の蛇行部分をショートカットする(捷水路)工事が中流から下流領域で行われ、切り離された旧石狩川が川や湖として残った。江別の豊幌と旧北村(現岩見沢市)の境界を流れていた石狩川が、この捷水路工事で旧石狩川として残された馬蹄形あるいは三日月形の湖がある。この湖の正式名称が何であるかはっきりしないのだが、一応三日月湖と呼んでおく。
この三日月湖と石狩川で区切られた部分が巴農場である。農産物が巴農場産で売られていて、最初個人の農場名かと思っていたら、これはこの地域の呼び名であり、農場名というよりは土地の名前である。「巴」の字は地主制度時代に三つ巴の地主が居た、地域の形からこの字が当てられた等の説がある。
三日月湖に沿って自転車を走らせてみる。石狩川の堤防の近くに「お茶の水排水機場」がある。排水機場とは地域の排水を大型ポンプによって強制排水するための施設で、大雨などにより石狩川の水位が上昇し、三日月湖の自然排水が困難になった時点で、三日月湖が溢れないようにするため大型ポンプで排水する。この排水機場に「お茶の水」の名前がついているのが何故かは分からない。
湖沿いの道路の中間辺りに石碑が建っている。碑文に「水と稲と我等の護り」の文字が見える。五月の上旬でここら辺は農作業が開始されたばかりである。巴農場側の道路から旧北村側を見ると、春先で雪解け水が増えたせいか、かなりの水量の湖に見える。
湖を一周して旧北村側に抜ける湖の先端辺りで白鳥が一羽いるのに気がついた。近くに居た人に聞くと、仲間の白鳥から離れてここに残った一匹だそうである。この湖は渡り鳥の中継地点で、少し前には白鳥が群来してその鳴き声がうるさい程であるとのことである。居残った白鳥はこれからここに留まるのか、夏場は暑くて困らないのか、少し気がかりであった。
地図上で三日月(馬蹄形)状の湖も湖岸ではその一部しかみることができないので、全体の形は自転車で湖に沿って走った感じで掴み取るより外ない。ただ、旧北村側の見晴らしのよいところからの眺めでは、湖が曲がっていく様子が少しばかり分かる。
- by 秘境探検隊長
- at 03:28
comments
巴農場、非常に私も参考になりました。原稿を書く上で。ありがとうございます。5月は中旬~下旬にかけて田への水入れがされるようですので、その時を撮影しようと考えています。
ところで、白鳥さん、寂しいだろうな。私が行ったときには見かけなかったんですが・・・。しばらく居るのでしょうか。
Kazukyさん 巴農場内で農業を営む農家は多そうです。どこか代表的なところで、ユニークな取り組みをしている農家などを取り上げるのがよいのではないかと思っています。取材の方よろしくお願いします。U氏は東京転勤で、Y氏も転勤の可能性が大で、4,5月は移動の春でもあります。