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2008年11月24日

杜氏の技

 日本清酒のショーウィンドウの役目をしている酒ミュージアムを見学して、少なからず驚いたことがある。杜氏の故津村弥(わたる)氏の技である。ただし、酒造りの技ではない。酒は音痴で、美味いか不味いかも判断できない舌と嗜好の持ち主の当方には、酒については興味はない。

 という状況で、この酒ミュージアムの展示品をみていたら、名杜氏の誉れの高い津村氏のノートが目に留まった。このノートは大吟醸酒をつくる工程での酒母の観察記録が書かれているのだが、その文字の小ささと、几帳面に記録されたノートの紙面である。ノートの見開きの写真と、記載部分の拡大写真をアップしておく。

 現物はルーペを使わないと判読できない。酒造りの現場でどうしてこんな小さな文字で、ラインをそろえた記録を手書きできるのか、その技には驚嘆する。酒造りのことではなく、記録ノートについてのコメントは、西をみて東の話をしているようでもあるけれど、やはり驚いた。

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