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2010年04月10日

売れる本、売れない本

 最近は物書きの末席に連なっているような塩梅で、売れる本、売れない本に関する知識を仕入れている。商品カタログみたいな本が売れていて、何でこんな本を読者(というより購買者)が買うのかというと、一種のガイドブックだからである。物を買うにも、レストランを探すのにも、ウォーキングをするのにも、ガイドブックに頼る生活に慣らされると、ガイドブックの持つ売れる本としての底力は強力である。売れる本を書くならガイドブック、という法則はこれからも生き続けるだろう。
 対する売れない本は小説・詩集・句集・エッセイ等の文芸物。よっぼどの大家でも、売り上げを伸ばすのは至難の業で、苦戦するらしい。一般の人の文芸物は、自費出版しかなく、小部数を知り合いに配り、大部分は自分で抱えることになる(文芸物ではないけれど、自費出版を何回となくやってきていて、状況は理解している)。
 写真集は対象による。鉄ちゃんを相手にした鉄道写真とか、山登りをターゲットにガイド付き山の写真、花や鳥でも写真図鑑のようなものは売れ筋に入る。しかし、芸術的な写真を並べた文芸物の写真集は難しい。ただ、芸術的でも女性の裸は別かもしれない。
 とまあ仕入れた知識で、書店に並ぶ拙著爪句集シリーズの7集目を俎上に乗せると、この爪句集にはガイドブックや図鑑の要素がなくて、爪句集という文芸物で、写真も小さくて芸術的写真が並んでいるわけでもなく(ただの花の写真で)、売れない要素が手を結んでいる。
 もし、この爪句集がそこそこ売れたら、売れる本を制作する戦略上の新知見を得ることになるのだが、果たしてどんなものだろう(土日には書店に並ぶそうなのでブログ用の写真を撮りに行ってこよう)。

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