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2010年07月28日

ソフトコピーとハードコピー

 物事、始めるより撤退する方が難しい。その難しい事のひとつは、撤退するのに整理がつきまとうことが挙げれれる。後は野となれ山となれ、方式もあるけれど、できるなら整理をして撤退したい。人生からの撤退時に、写真のようなハードコピーも、できる限りは整理しておきたい。
 最近はパソコンのメモリもふんだんに使える時代になって、日ごろから整理しておくと、パソコン内のデータで保存できる。これまでならハードコピーが貯まってきて、その整理は物を廃棄するなり、燃やすなりの手間がかかっていたところ、ソフトコピーにしておけば、整理の状況に至れば、消去ボタンをクリックするだけで事は済む。
 高校を卒業してから50年経ち、その同期会の記念写真が送られてきた。田舎の高校なので、高校の同期会でも、集合写真が地方紙の紙面を飾る。その新聞コピーも同封されている。若い頃ならこの類の資料は大事に取っておくところだけれど、今の状況では、一度目を通したら捨てるようにせねば、人生の終わりに向けての整理の大プロジェクトが進まない。で、写真かスキャナーで取り込めば、元のハードコピーは捨てるようにしている。
 一度、ソフトコピーにすれば、それを再度見ることはほとんどない。だから写真も記憶の補助にならない。かくして、同期生のことは記憶の海の底で、浮き上がってくることはない。そのせいか、同期生に関する記憶はきわめて薄い。
 
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