2010年08月26日
NHK番組・札幌IT企業ー実力と課題
かなり以前の話になるけれど、8月上旬にNHK北海道の特集番組として標題のものが放送された。この番組のプロデューサのS氏から取材を受けていて、ブログ子のコメントが放送されたのに見逃していた。今回この番組の録画したDVDがS氏の好意で手に入ったので、再生して視た。2夜連続の特集番組で、2夜目の8月6日放送分のゲーム産業に関するものを視た。
画面のタイトルにサッポロバレーの文字が見え、近年はこの言葉も聞かなくなっている。それは、日本国内における、札幌IT産業の地盤沈下を物語っているのかもしれない。
札幌におけるIT産業の象徴の札幌テクノバークの映像が出てきた。テクノパークにある市の施設の札幌市エレクトロニクスセンターも曲がり角に来ていて、次のステージへ移行する青写真が描けていないままで現状を維持しているみたいである。このテクノパークは1986年に始動しているから、その時からもう四半世紀が経っている。
かつては、札幌市の企業が日本におけるゲーム産業を牽引していたのが、今やその地位を福岡市に譲りつつある。番組でコメントする札幌市と福岡市の行政担当者の、ゲーム産業に対する情熱の差は、この産業の札幌、福岡の逆転を如実に物語っているようである。
ブログ子のコメントが番組の最後で流されていた。テロップにマイコンの文字があって、マイコンの言葉も耳にすることはなくなった。プロデューサのS氏も、大学時代はマイコン世代であったと、取材中にマイコンの話で盛り上がった。
- by 秘境探検隊長
- at 14:01
comments
IT産業は対象が大きすぎるがゲーム産業にならば回想のコメントが有ります。
私の出身地・深川市には戦後Y玩具店が手堅く業績を伸ばしており同期生の俊英S氏は同社の専務として九州にまで商圏を伸ばしゲーム機の頂点N社の有力な代理店に仕上げたと聞いております。
深川市にはこの会社とは別に教育ソフト開発専門のO社が存在し、英単語・地理・算数・理科等の教育ソフト分野では関東地区で売上を伸ばしており、
縁あって平成10年から1年間この会社に財務担当顧問として勤務していた頃、ソフト開発はソニー・NEC・セガエンタープライズなどが凌ぎを削っており、ソフト1本の開発費が3千万円から7千万円位に急騰し、ソフト内容も教育分野からゲーム分野に急激に傾斜し、同社は間もなく資金面で破綻した。
今振り返ると、北海道は拓銀破綻による金融インフラが壊滅直後であり、国としてもゆとり教育に舵を切り替えてゲーム産業優位な環境が整い、このことが、北海道における科学教育ソフト産業もゲームソフト産業も共に地盤沈下を生じた遠因のように思われます。
伊東さん 拓銀破綻やその後の金融機関の統合が、IT業界の生き残りに影響を与えたのは間違いのないことだと思います。大雑把に言いますと、生物界における種の多様性が、弱肉強食の環境下で、ある種だけが繁栄していく流れに、サッポロバレーと称されたIT業界が流された結果が、相対的に札幌(北海道)が他地域(現在は海外も含めて)と比較して、地盤沈下を起こしているのだと思っています。
サッポロバレーが勃興していったのは、種(ビジネスの形態や作り出す物)の多様性にあったと思えるので、その多様性を支える役目を担った拓銀や、金融機関が多様にあった環境が失われ、IT業界の多様性も又消滅の方向に動いている、といった見方をしています。
サッポロバレーの次のステージへ向けての課題は、色々あるのでしょうが、現役世代(ブログ子は引退世代なので)で論じられているのかな、という思いはあります。