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2010年11月27日

農地に囲まれた生振神社の狛犬

 生振神社は1873(明治6)年宮城県からの入植者により小祠が建てられたのが始まりで、1903(明治36)年に神社として認められ、現在地には1908(明治41)年に移っている。祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、誉田別命(ほんだわけのみこと)、大物主命(おおものぬしのみこと)である。
 狛犬は2対あって、鳥居近くのものは古い狛犬の典型的なものである。体毛の表現は風車模様で、阿形犬は玉を口の内に含んでいる。玉を咥える作りというより、開いた口の中に石の玉を入れたか彫り出したようである。鼻の造作が大きい分、彫りの深い貌になって見える。制作年や石工の名前は無い。
 社殿近くの狛犬は、貌の造形が古典的なものをかなりデフォルメした感じである。漫画的な狛犬の貌と表現してもよいくらいである。黒目が生きていて、凄味の表現に成功しているけれど、何かしらユーモラスの感じがする。この一対の狛犬の方には石工の名前は無いものの、昭和10(1935)年9月の奉納の日付が見える。
 境内には石碑が並んでいる。そのうちの一つは「愛知県団体開拓百年記念事業の概要」のタイトルがあって、1894(明治27)年愛知県団体の入植とその後の経緯が記されている。愛知県団体とは抽象的団体名であるけれど、この地の開拓に前述の宮城県の入植者に愛知県の入植者も加わったのであろう。

口の内 舐める飴玉 玉の見え

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目の生きて 凄味はあれど 漫画貌

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