2010年12月04日
白川神社の青目の狛犬
白川地区の大きな施設は、国立病院機構札幌南病院、札幌市の白川(しらいかわ)浄水場、札幌市北方自然教育園がある。このうち、札幌南病院は国立病院機構札幌西病院との統合で2010年3月閉鎖されているので、過去にあった大きな施設になってしまった。浄水場は豊平ダムを水源として、札幌市の水道水の約80%を供給する市の最大の浄水場である。地区名が「しらかわ」の発音なのに、浄水場は「しらいかわ」と発音している経緯はわからない。
北方自然教育園は札幌市教育センター所管の、「市民の教育及び文化の向上に資するための野外教育施設」である。野外教育施設といっても、施設の中心的建物は立派なもので、初めて見ると野外教育施設の施設とは思えない。この建物の横から北の砥石山方向に道が延びていて、その先に白川神社がある。
神社は、1919(大正8)年この地への入植者が祭神を稲荷神として創建している。1986(昭和61)年現在の社殿に改築されている。鳥居から石段が続き、これを登ると一対の狛犬が護る社殿が現れる。狛犬は頭でっかちの、造形の腕は落ちるものである。見習い石工が一生懸命に製作したといった感じがする。
習作か 身体(からだ)虚弱の 貌命
吽形の狛犬は大作りの貌に黒々とした丸い瞳孔に、周囲に青みがかった彩色が残って印象的である。青い目の外国人を狛犬にしたようで、これは渡来の狛犬とでもなろうか。それにしても、目をはっきり描き入れると愛嬌があって、狛犬は番犬よりは愛玩犬の印象に近づく。
見開く目 渡来の犬か 青目なり
鳥居の横に石碑が並んでいて、その一つに1908(明治41)年に建立された碑文のものがある。碑文にはこの地の開拓に功のあった小村亀十郎を讃えるもので、碑文の最後には、碑文をしたためた札幌神社宮司額賀大道による次の短歌が記されていて、「美那もとの きよさを見ればしら川は 千代も濁らぬ 名にこそありけれ」とある。
- by 秘境探検隊長
- at 13:36
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