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2010年12月05日

雑木林に囲まれて稲荷像のある球徳稲荷

 手稲区富岡で、手稲山の山裾を走る札樽自動車道の傍に富岡南公園がある。この公園の横を通り、札樽自動車道の下をくぐると、赤い鳥居が見える。球徳神社の鳥居である。この近くにかつて光風館という温泉旅館があり、手稲山の登山口があったところである。球徳稲荷社はその当時からあったのかどうか、稲荷社の由来の説明が掲示されておらず、インターネットを調べてみても判然としない。
 道路脇にある最初の鳥居をくぐって坂を登ってゆく。坂が折れるところに2番目の鳥居が現れ、鳥居の向こうに鞘堂が見える。お堂の横に「球徳稲荷大明神」の旗が立っているので、これがこの稲荷社の祭神なのであろう。球徳は何を意味し、何を司る神様なのか不明である。

正午の陽 稲荷横照(おうしゃ)の 初冬かな

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 石段の両脇に稲荷像が雑木林に囲まれようにして、滅多に来ないであろう参拝客を迎えている。一対の稲荷像は両方とも耳が割れたか、角なのか、判別のつかない突起が見られる。一方の稲荷像は口を閉じ、何も咥えていないのに対して、他方の稲荷は何か咥えているのはわかるのだが、口にあるものが何であるかは同定できない。稲荷像の台座部分に、奉納年が昭和33(1958)年と彫られているので、半世紀を経ていることになる。

咥え物 何かと見るも 不明なり

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 鳥居の下方に、葉を落とした立木の間から札樽自動車道が見え、ひっきりなしに自動車が行き来している。ここから自動車は見えても、逆に走っている自動車の中からはここに鳥居があるのは見えないだろう。高速道路が無かった時には静かだった稲荷社も、この交通量では、静かな場所とはいえなくなっている。

車行音 届く近さに 赤鳥居

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