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2010年12月16日

ラベンダーも祭神に加わる札幌南沢神社

 硬石山の北側を南の沢川が流れていて、その上流が南の沢、下流が川沿地区となる。南の沢川に沿って中ノ沢南沢通が延びていて、川沿地区で国道230号と合流する。南の沢は山鼻村八垂別(はったりべつ)と呼ばれた屯田兵への給与地であった。山鼻村と円山村が合併して藻岩村八垂別、円山町八垂別と名前を変え、昭和16年円山町と札幌市の合併で南沢、川沿と名前を変更している。
 神社の境内は中ノ沢南沢通が直角に折れる近くの、道路沿いにある。境内の由緒書きを読むと、1897(明治30)年札幌三吉神社の分霊を受け創祀、1913(大正2)年、現在の境内の場所に移っている。現在の社殿は1975(昭和50)年に造営されたものである。祭神は大己貴神(おおなむちのかみ)、少彦名神、藤原三吉神、天満宮である。
 社殿は小高い場所に建っていて、社殿の他には狛犬や手水舎が見当たらないすっきりしたものである。ただ、境内の道路に面した斜面に神社とは関係のない、「ラベンダー発祥の地」碑がある。南フランスからラベンダーの種子を持ち込んで、栽培の適地としてこの南沢を選んで、1940(昭和15)年に栽培を開始した歴史を記念している。

住宅地 境内すっきり 南沢

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 このラベンダー栽培の歴史を生かして、南の沢ではラベンダーによる地区興しのプロジェクトを推進させている。その一環で、神社の境内にもラベンダーの木が植えられている。まるでラベンダーが祭神の一員に加わったみたいである。南の沢にある東海大学札幌キャンパスでも、ラベンダーキャンパスと銘打って、構内にラベンダー畑を整備して、花の季節には市民に開放している。

境内で 神の一員 ラベンダー

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神社の境内に何も無いのは少々淋しいので、今後、新規の神社の守護神狛犬の阿吽のいかつい貌に変えて、人気の高いラベンダーなどがとって替わるのかは無理な想像であるが、もしも石を彫る名工の後継者が居なくなればその可能性は考えられるので、札幌南澤神社のラベンダーの例は、神社と花とセットの嚆矢になるのかな、と思った。
この秋、小樽で花壇のラベンダーの移設作業に関わった時、株を一株づつ抱きかかえて運んだため、帰宅して就寝後もラベンダーの良い香りに包まれた懐かしい思い出が有る。
爪句写真の南澤神社境内のラベンダーは、移設作業で抱えた株の3倍程もある立派なもので(こんなに大きければ多分ヘトヘトで、帰宅後香りを楽しむ余裕はなかったと思うが)宿年草でもあり、観賞に値するから、遠い将来、狛犬との主役交替に適しているのかも知れない。

  • 伊東 裕
  • 2010年12月16日 13:50

 来年は伊東さんが植え替えたラベンダーを見に小樽まで行ってみるつもりです。札幌近郊からさらに足を延ばして、道内の花の名所も回ってみたいものだと思っています。花の季節はどんどん変化していくので、雪の降る季節に、花巡りのスケジュールでも作っておかないと、効率良く回れないとは思いながら、雪の季節もあっという間に過ぎてしまいそうです。

  • 都市秘境作家
  • 2010年12月16日 14:17
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