2010年12月19日
朝日より赤いナナカマドの実
冬道に色を添えるのはナナカマドの実である。雪雲が薄くかかっているのか、朝日の輪郭がはっきりしない。雪玉から赤い実が弾き出されたように見えるナナカマドと、彼方に見える朝日を同時に撮ろうと試みる。霞んだ朝日を浮き立たせようとすると、逆光の関係でナナカマドの実が暗く写る。逆に、明るいナナカマドにして撮影すると、朝日が明るい背景に消えてしまう。なかなか難しいものだと思いながら、何枚か撮ってみる。ナナカマドの実の赤さが朝日に勝っている朝である。
陽を入れて 撮りたる赤実 ナナカマド
赤き実を 朝日を消して 浮立たせ
- by 秘境探検隊長
- at 11:22
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今日の正午頃、バスが赤信号で停止している間に、斜め前方の街路樹を見るとも無く見ていたときのことですが、20メートルほど近くなのですが,目を凝らさないと判らないほどにかすかに、殆ど黒に近いななかまどの赤い見が沢山垂れ下がっておりました。
今朝の「赤き実を旭日を消して浮立たせ」のななかまどを思い起こし比較しますと、雪を冠っていないななかまどは、灰色の雪空のもとでは、色彩を失った他の街路樹同様、黒に近いくすんだ色で、あまりの違和感に帰宅後再度画面を開きました。
朝日を取り込んだななかまどと、朝日を背にしたななかまどとを画面を拡大し双方を同一画面に取り込んで比較してみて、隊長の接写技術の並々ならぬものをあらためて実感致しました。
それにしても,冬のななかまどは雪を冠ってこそ存在感を増すのですね。
朝日を背にして雪を冠ったななかまどを「雪玉から赤い実が弾きはじき出されたように見える」の情景描写は、爪句的韻を醸し出しており、これが秘境フアンにとっての醍醐味であります。
写真はデジイチ(デジタル一眼リフレックスカメラを略するとこういった呼び名になるそうです。初めは何のことかわからりませんでした)で、あなた(カメラ)任せで撮っていて、写真撮影に精通した人がマニュアル設定で撮るのに比べると、イージーなやり方です。でも、それなりの写真が撮れますから、カメラも進化したものだと思っています。
ナナカマドの実は、モノトーンの世界が広がる冬場には、カメラを向けたくなる対象です。