2010年12月28日
先端企業群に囲まれた澄丘神社
札幌市の情報産業基地として、野幌森林公園に隣接する下野幌の丘陵地にテクノパークが造成され、主に地元のIT企業に分譲されたのが1986年である。さらに1988年には最初の第一テクノパークとつなげて、第二テクノパークが拡張され、本州の大企業を主として分譲が行われた。この第二テクノパークに神社が取り残されたように、情報産業の企業群に取り囲まれてあるのは、その対比が面白い。
創祀は1918(大正7)年に遡り、札幌から赤平の地、さらに札幌へと遷座していて、1977(昭和51)年に現在の場所に社殿を新築している。北海道神宮より祭神を受けて、現在は天照皇大御神、天照皇大御神荒御魂、豊受大神が祀られている。
境内は小高い丘にあり、二基の鳥居をつなぐ石段を登ると、社殿がある。神明造の社殿の千木は内削ぎになっているので、女神を祀る神社になっている。社殿の他には狛犬や石碑・石像の類の古い神社には付き物の造作物が無く、すっきりした境内で、先端企業の整備された社屋の周囲の雰囲気でもある。デジタル技術の企業にお付き合いしたか、何もない境内に社殿だけがあるのは0と1を象徴しているようにも見えてくる。
二基の鳥居と参道の石段
デジタルの 境内社殿 0と1
境内から見下ろすと、神社周辺のIT企業の建屋が目に入る。デジタルの先端技術を生業にしている企業と、アナログ世界の神社は意外と相性の良いところもある。先端企業といえども、手に負えない事態に遭遇することはいくらでもある。そのような場合の技術者や経営者の気持ちは、神頼みの場合もある。神社から貰ったお札が先端企業の社内に飾られていたりする。立地から、澄丘神社が先端企業の守護の役目を担っている。
俯瞰する 先端企業 氏子なり
- by 秘境探検隊長
- at 02:54
comments
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最先端企業群と神話時代からの社殿との組み合わせは、これぞ日本的な取り合わせとして、今や和魂洋才の万人が違和感なく納得する不思議な光景と思うのですが、之をさらにデジタルのゼロと1とに対比して爪句で表現する等は、私もこの企業群集積地域へ何度と無く訪れていただけに、凡人から見れば到底及びも付かない都市秘境独特のITスタイルと改めて実感致しました。
伊東さんもテクノパークによく行かれたのですね。澄丘神社の境内の雰囲気は、デジタル世界的です。アナログ世界の、得体の知れないものが潜みそうな境内の雰囲気からほど遠いところです。まあ、周囲のIT企業群が目に入るので、ことさらそう思えるのかも知れません。