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2011年01月16日

灯篭の鹿が護る十軒神明宮

 東区と北区の区境を横切る伏籠川は、南東から北西に流れる直線状の川である。この伏籠川に並行して道道273号の花畔札幌線が延びており、道路に沿って北区上篠路の十軒こまどり団地がある。団地の近くで、道路と伏籠川の中間に神社の十軒神社の境内がある。
 社名の石柱には十軒神社とあるけれど、鳥居のところには神明宮の額があり、十軒神明宮が正式の神社名のようである。神社名に「宮」がつくのは、天満宮はときどき目にするけれど、神明宮は珍しい。創祀は1898(明治31)年に遡り、篠路村十軒地区の入植者が篠路神社の祭神の天照大神の分霊を祀ったことにある。1926(大正15)年に社殿を造営し、現社殿は1981(昭和56)年に新築されてものである。
 境内には「十軒開基120年」碑が建立されてある。碑文には、南部藩士の家族十軒が、1871(明治4)年にこの地へ入植したとある。地名の十軒はこの入植者の軒数に由来している。琴似八軒、二十四軒などにも、入植者の軒数が地名として残っている。

神明宮 鳥居に架かり 上篠路

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 境内には札幌市の保存樹木があって、樹齢90~100年のイチョウ、100年以上のキタコブシがある。保存樹の他に目につくものは、鹿の浮き彫りのある軟石製の石灯籠がある。狛犬の代わりに、鹿が神社を護っているようである。神社に隣接して、地区住民の交流センターになっている十軒会館がある。境内の周囲には畑地が広がっている。

狛犬に 変わりて鹿が 社(しゃ)を護り

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