2011年03月20日
爪句とは何かーその11
次の爪句集豆本「爪句@木のある風景」の原稿整理を行っている。爪句集はこれで11集目になる。各集には「爪句とは何か」の解説を書いている。11集目も同様で、季語と爪句の関係を取り上げている。その解説の一部をここに載せておく。
「 ここで根開けの写真例を挙げてみる。一つはヤマザクラの根元に見える根開けである。さて、これにどんな爪句をつけるか。解けた雪が夜中に固まって積雪が締まり、その上を歩いて行けるようになった朝の庭で、「雪締まり 根開けの進み ヤマザクラ」はどうだろうか。
根開けは幹に沿って雪を取り除いたようにできるのもあれば、すり鉢状に雪解けが進んでいる状態のものもある。庭のオンコの木の根元にはすり鉢状の根開けが見られ、ちょうど日の出がオンコの木にかかって顔を出してきた。そこで、「すり鉢の 根開けに射して 朝日かな」の句作である。
単に根開けの説明写真ではなく、日の出を根開けと組み合わせて写真を撮る工夫を行っている。このような工夫が成功すれば、写真を撮って爪句をつける面白さが出てきて、表現の一ジャンルとしての存在を確かなものにしていくことができると確信している。」
雪締まり 根開けの進み ヤマザクラ
すり鉢の 根開けに射して 朝日かな
- by 秘境探検隊長
- at 11:31
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