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2011年03月13日

大津波のテレビ画面を見ながら

 大学生になるまで海辺の町に住んでいたので、津波のかすかな記憶はある。地震の後に波が退いて行って、それから押し波が戻ってくる。地震の時、波が退いたからといって、磯に小魚やツブを取りに行ってはいけないのは、浜に住む者の常識である。
 しかし、東日本の巨大地震による大津波の映像を見ると、かすかにある津波の記憶など、潮の満ち干みたいな程度にしか感じられない。今回のすさまじい津波の威力が、テレビ映像を通して目の前に展開される。自動車や家が木っ端のように流されてくる。これでは津波に飲み込まれたらひとたまりもないだろう。
 しなければならない仕事もあるのだが、刻々と被害が拡大してくる統計が報道されるテレビ画面に釘づけ状態で、落ち着いて考え事ができなくて、時間だけが経ってしまう。しかし、被災者の方は生活の基盤を押し流されて、落ち着いて考える余裕なんていう問題どころではなく、切羽詰まった状態にあるだろう。

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