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2007年04月25日

小樽のワイン造り

 小樽の寿司屋で地ビールを注文したら、ラベルに「おたるワイナリービール」とあった。ワイナリーならワインを造るところで、何でワイナリーのビールなのかが分からなかった。では製造元の北海道ワインに出向いてみようということで、毛無山の方に向かう国道393号線沿いにある同社の工場を訪問する。

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 時間を合わせると同工場のワイン造りの現場を見学させてくれる。ワインにはとんと知識がなかったのに、耳学問である程度のワインの知識を仕入れることができた。この会社では道産のブドウのみを用いてワイン造りを行っている。北海道のワインと言えば十勝ワインとか富良野ワインが名が通っていて、そちらの方が生産が多いのかと思っていたら、同社の小樽ワインが道内一の生産量を誇り、道内産ブドウの三割を集めてワインにしているとのことである。

 日本のワインといえば甲府と直ぐに結びつくけれど、甲府の気候は暖かくて赤ワインは出来ても白ワイン造りには適していない。ワイン造り(つまりはブドウ栽培)には気候により五区分に分けられていて、冷涼から温暖に向かって第一区分にドイツやフランスの有名なワイン産地と並んで北海道が入っている。甲府は四番目の区分に入る。

 温暖な地方で採れる黒ブドウは糖度がありその分酸が少なく、これからは赤ワインが造られる。赤ワインの場合、ブドウを搾ってから直ぐに醸造に回し、一回の醸造工程でワインが造られる。これに対して、冷涼なところで栽培される白ブドウは酸が多めに含まれ、醸造も二工程で造られる。

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 種と皮を除いて、酵母を用いで大きなステンレスのタンクで発酵したブドウ汁は、フィルターで酵母や雑菌を除いてビン詰めにされ、ビンのなかで熟成が行われる。夏にこの工程で水を使うことになり、この工場では地下水を利用している。その際に水と同じ発酵の工程を含むビールを並行して造っているのが前述のワイナリービールなのだそうである。

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 ワイン工場見学では当然試飲出来るだろうと、運転手同道で訪れたので、心置きなくワインの試飲サービスを受ける。道産ブドウしか使っていないというこだわりのワインであるせいか、当方の舌がいいかげんなせいなのか、次々と飲んでみるワインは美味しかった。これだけ試飲したら、購入するのは礼儀であろうと、ラベルに生葡萄と書いてある(熱殺菌せずフィルターで雑菌や酵母を除いているという意味である)甘口の白とすこし辛口の赤を求めて、直売店のワインギャラリーを後にした。

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