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2011年01月01日

牧草地に囲まれた福移神社

 石狩川に並行するように道道128号が走っていて、道道に垂直の線で、東区の中沼町と北区の篠路町福移が接している。その東区と北区の区境に並行して、道道から分かれた道路が石狩川に向かって延びていて、この道路の先に福移小中学校がある。大都会札幌の辺境のような場所にある小中学校の存在が不思議である。後で知ったのだが、この学校は小規模特認校で、自然環境を生かした特色ある教育を行う目的がある。そのためか、立派な校舎の屋上に、望遠鏡用のドームが見える。この辺りでは夜の光が少なく、夜の闇の中での天体観測に適しているのだろう。

観測の ドームが語る 夜の闇

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 この学校の敷地に隣接するように福移神社がある。福岡県からの移住者がこの地の開拓に当たった意味を地名にしている。神社は福移地区ではなく、中沼町にある。中沼町の地名も、かつて篠路村の中野、沼ノ端、中福移の集落が一つの町になるとき、これらの村落の名前から一文字を取る折衷案で決まった経緯がある。
 神社の創祀ははっきりしない。1966(昭和41)年に篠路神社の飛地境内神社として認証され、天照大神を祀っている。広がる牧草地の中に鳥居と社殿が建っている。境内には「開拓五十年碑」の古い石碑と黒御影石の新しい「福移開拓百年碑」が目につくくらいで、狛犬や石灯籠はない。五角柱が一つ建っていて、台座には明治34(1901)年の年号があり、神社の創祀に関係しているのかもしれない。5角柱に記された神々は、天照皇大神、少彦名命、稲倉魂命、埴安媛命、大己貴命で、これは他の場所にある5角柱と同じである。

福移社の 鳥居と社殿 草地中

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五角柱 神名連ねて 地鎮なり

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都市秘境探険で札幌の辺境とも言える地域の小さな神社とか学校の所在位置を車で探し当てて歴史的ストーリー性に満ち満ちた名文で要約し、爪句で締めくくっても、さらに、其処までの経路を文章で記述し読み手に理解させるのは意外と難しいように思いました。
私などにとっては最大の難問ですが、プログ子先生の記述は簡潔明快です。
今日は少し時間が有りましたので、爪句と記述をじっくり読み込んでから札幌市と石狩市に跨る3万分の一地図上で追跡して見ましたがたが、結果は残念ながら福移神社を探し当てることは出来ませんでした。
しかしお陰さまで今まで考えた事も無い地域を良く知ることが出来ました。
今回、秘境フアンの立場から、都市秘境探険記としての之までの要件四点に第三番目の経路説明を加え、下記の五点に増加要約して見ました。
第一 件名又はテーマの決定。
第二 テーマの故事来歴。
第三 秘境経路の明快な記述。
第四 爪句でピシッと締めくくる。
第五 高度のカメラ技術。
足元に在っても、幾ら高度の記述であっても易々とは解からない場合のあるところが都市秘境の意外な一面なのかも知れません。

  • 伊東 裕
  • 2011年01月01日 21:39

 福移神社を地図の上で探すのは骨が折れるかも知れません。福移小中学校を地図の上で見つけることができれば、神社は学校の敷地に隣接してあるので、場所は見当がつきます。
 実のところ、私は市販の道路地図を頼りに神社巡りをしているのですが、地図によっては福移地区の詳しい道路地図がありません。それほどこの地域は札幌の辺境であるということです。「ふくい」と発音するだけなら、大抵の札幌市民は西区の「福井」を思い浮かべます。札幌に「福移」なる地区があるのを知る市民は少数派だろうと思っています。

  • 都市秘境作家
  • 2011年01月02日 01:31
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