2021年06月27日
爪句集第48集「あとがき」
爪句集シリーズが所期の目的の第50集目に近づいて来た。それに合わせて、北大現役時代の出張の合間や、退職後に描いて来たスケッチをテーマにして、爪句集を1冊出版できないものかと考えていた。しかし、スケッチに関しては既に共同文化社より「私の年賀画廊」(1989)、「旅のスケッチ―『きぼうの虹』原画集」(1997)、「私の卡(カード)画画廊」(2004)、「旅の備忘録…海外編」(2006)を出版している。豆本の爪句集ではサイズの小さなスケッチ集にならざるを得ず、爪句集には不向きなテーマでは、とも思っていた。
ところが空撮パノラマ写真の天空部分に、別撮りの花や野鳥を貼り込んだ第47集「爪句@天空の花と鳥」(2021)を出版してみて、花や野鳥に替えてスケッチを貼り付けたら新しいスタイルのスケッチ集が出版できそうだと思うようになった。
本爪句集の覚え書きにも書いているように、爪句集はネットを介したオンライン・スケッチ展のガイドブックにもなる。スケッチの背景の空撮パノラマ景観は、展覧会場の部屋に見立てる事もできる。爪句集の物理的サイズは小さくとも、QRコードで読み込む全球パノラマ写真の天空部分を、パソコンやスマホ画面で拡大して見ると、大きなスケッチ集として観る事も可能である。
ただ、上記のアイデアは最初にスケッチがあり、次に日々撮影し処理した全球空撮パノラマ写真と組み合わせているので、スケッチと背景の景観は関係がない。背景の景観は自宅庭や近くの散歩道でドローンを飛ばして撮影したものがほとんどである。一方、遠出した機会を利用して撮影した空撮写真も利用していて、その場合は写真中に空撮場所を日付けと共にメモとして記してある。
オンライン展覧会でも展覧会となれば訪問者が多いに超した事はない。爪句集の原稿は元々著者のブログ(http://hikyou.sakura.ne.jp/v2/2016/02/)に投稿したものであり、閲覧者が多ければよいのだが、毎日の訪問者はわずかである。爪句集という紙の媒体にしたところで読者数はあまり期待できない。
事実、これまで出版した爪句集は札幌の主要書店に置かれているけれど、売り切れるほどではないようだ。クラウドファンディング(CF)で出版支援も募っていても反応はあまり無い。それではマスコミに宣伝してもらおうかと、北海道新聞別冊の「さっぽろ10区」の紙面(2021・6・4)で爪句集を取り上げてもらった。これでブログの閲覧者が増えたとは思えないけれど、記事を書かれた小野高秀記者にはお礼申し上げる。CFへの支援者も多いとは言えず、だからこそ支援して頂いた方々に、この「あとがき」の最後にお名前を記してお礼に代えたい。
爪句集も50集に近づいて次のプロジェクトとして今まで出版してきたシリーズをまとめて大学、高校、市町村の図書館、その他公共施設に寄贈することを考えており、前記CFでもプロジェクトの目標の一つとしている。これまでの寄贈先に加えて今回は北星学園大学にも寄贈を行っており、その寄贈手配の労を取っていただいた元北星学園理事長杉本拓氏にお礼申し上げる。
本爪句集出版に際しては、コロナ禍で採用したオンライン校正を行っており、対応されたアイワードの関係者にお礼申し上げる。最後に爪句シリーズの出版を続けてこられたのも妻の支援があったればこそで、妻に感謝の言葉を記しておく。