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2009年06月24日

カクテル

 カクテルはつるバラの一種である。つるバラであるけれど、つるが支えに絡まって咲く感じでなく、自分の茎で立って咲いている。四季咲きで花期が長い。一重の花のところはハマナスの花に似ている。花の名前のカクテルは酒のカクテルと関係があるのか、ないのかはっきりしない。このバラの花びらが色を混ぜたように見えることがあるので、こう呼ばれているのだろうか。酒のカクテルの名前の方は、どのようにして命名されたかは諸説があり、インターネットで拾い読みしてみた。

カクテルは どの色混ぜて 紅の色

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赤と黄を 花弁で混ぜる 一重咲き

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2009年06月18日

散歩道のアマポーラ

 この花の呼び方はバラエティに富んでいる。一番良く知られているのはポピーだろうか。和名ではヒナゲシ(雛罌粟)とも虞美人草とも呼ばれる。虞美人は項羽の愛人(妻?)で戦いに敗れた項羽が逃げる時、虞美人は自殺してこの花になったという言い伝えがある。コクリコ(雛罌粟)の名には与謝野晶子の次の歌が有名である。「ああ皐月 仏蘭西の野は 火の色す 君もコクリコ われもコクリコ」。アマポーラはスペイン語のこの花の名前で、ラカジェが作曲した曲の名でも知られている。

呼び名変え 曲に歌にと 人気花

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花弁から 曲の聞こえて アマポーラ

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2009年06月16日

クレマチスとアブ

 園芸種のクレマチスは多種類ある。この白い十字に見えるクレマチスはモンタナと呼ばれている種類である。クレマチスに似た花にテッセンがある。和名の鉄線は、蔓を木や支えに絡めて伸び花を咲かせ、その蔓が鉄線のように丈夫であることからきている。山地に自生する、風車に似たカザグルマと呼ばれる花もある。白いモンタナの花にアブが止まっていて、白いカンバスに描かれた細密画のように見える。クレマチスは花期が長く、濃くなる緑の中で白さを目立たせて咲いている。

モンタナは クレマチスなり 十字花

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アブ描く 細密画あり 白花弁

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2009年06月13日

セイヨウオダマキと蜂

 セイヨウオダマキの花が下を向いて咲いている。花は蜂や蝶を呼び寄せ、蜜と交換に花粉を運んでもらうなら、上を向いて咲いている方が花の存在を蜂や蝶にアッピールできて良いようにも思えるけれど、下に向い咲いているのは特別な戦略があってのことかと考える。まさか、顔を隠せばよけい見たくなる心理を、花が虫に対して適用しているとも思われないけれど、蜂はオダマキの花にしがみつくようにして蜜を求めている。蜂は大きさや色合いからオオマルハナバチのようである。

戦略で オダマキの花 下向くか

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蜂と花 蜜のかけひき 上と下

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2009年06月11日

ただ咲いている牡丹花

 庭の牡丹が大輪の花をつけている。その見事さを眺めると、花は誰のため、どんな目的で咲いているのだろうかと、答え無き疑問が頭をもたげてくる。見る人が居ようが居まいが、牡丹は毎年同じ木に違った花を咲かせる。たまたま目に留まった花を写真に撮ってみるけれど、写真に撮られたからといって、牡丹に何か変わった事が起こる訳でもなければ、他の花との差が生まれる訳でもない。写真を撮る方が、この見事さが誰の目にも留まらないのはもったいないと感じるだけである。

ふと見ると 思い思いに 咲く牡丹

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誰のため 何のため咲く 牡丹かな

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2009年06月09日

宇宙を連想するアリウム

 アリウムの名はニンニクのラテン名を語源にしていて、茎の先にボール状の丸い花の固まりをつける種類をアリウム・ギガンチュームと呼んでいる。和名では花葱とも呼ばれ、確かに葱坊主が花を咲かせているように見える。この花を見ていると、小さな花が一つの星を構成しているように見える。宇宙が爆発して星の固まりになって広がっているようにも見えてくる。二、三個のアリウムが咲いていると、庭の一画にもかかわれず、日の光の中で広がる銀河系を見ているようでもある。

爆発で 花星飛び散る 宇宙かな

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花星雲 銀河となりて 庭に有り

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2009年06月02日

朴の花

庭の朴の木が花をつけている。まず外側が外皮で覆われた花芽が成長し、その外皮が開き、見方によってはのっぺらぼうの顔のように、閉じた白い蕾が大きな緑の葉の上に現れてくる。そのうちこの蕾が開き、大きな花弁が広がってくる。この頃、朴の木に近づくと良い匂いがする。葉が大きく、夏の間は陽を遮り、よい木陰をつくる。しかし、落葉は色が褐色できれいとはいえず、大きな葉が庭を覆って厄介である。朴の落ち葉は火に強いので食べ物をくるんで火に炙る朴葉焼きがある。

化粧した 白い顔かと 朴の花

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天然の 香水つけて 開花なり

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2009年05月23日

庭のタイツリソウ

 形の面白い花である。さらに名前も面白く、鯛釣草である。鯛が次々と釣り上げられた形を連想することからきている。確かに鯛といわれると似ていなくもない。仏殿の天井から下がっている華鬘(けまん)に似ているのでケマンソウの名前もある。花の形が心臓形にも見え、英名では血を流している心臓の意味でbleeding heartと呼ばれるそうである。国によって花の形から連想するものがかくも異なる。寒さに強く、札幌でも春に早々と咲く花で、気がつくと庭で鯛をぶら下げている。

鯛の群れ 竿に下がりて 春釣果

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心臓が 流す血にして 英語名

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2009年05月18日

ニリンソウ

  ニリンソウとサンリンソウの見分けがつかない。花が茎の同じ場所から二つ咲くのがニリンソウ、三つ咲くのがサンリンソウで見分けるなら事は簡単である。しかし、ニリンソウでも花が一つだったり、三つだったりして、これでは葉の形も参考にするしかない。花数からサンリンソウと思われるものを採ってきて、図鑑を参照して調べ、どうもニリンソウではないだろうかと思っている。ついでに花瓶を変えて、マリモの入っているコーヒーカップにニリンソウを入れて写真撮影である。

花数は 決め手にならず ニリンソウ

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カップ内 マリモ認めて ニリンソウ

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2009年05月13日

ミヤマオダマキ

 オダマキの漢字名は苧環で、これは機織に際して糸を巻いたものを指している。その形に似ていることから、この花の名前になったそうである。山野草であるけれど、園芸種も多く、庭に咲いているミヤマオダマキは原産種のようである。一番外の花弁状のものを花弁かと思っていたところ、これは花の萼であると知る。花弁は内側の筒状のもので、萼と花弁で何が違うのか、専門家でないのでわからない。そこに植えた訳でもないのに、石の間に潜り込んで毎年咲きだしてくものがある。

オダマキの 外側花弁 萼(がく)と知る

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石の間に ミヤマオダマキ 顔を出し

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2009年05月11日

庭のチューリップ

 球根を移植したのでもないのに、庭のあちらこちらに不思議なくらい増えて咲いている。種から増える実生なのかもしれないが、実生は花が咲くまで五年はかかるといわれていて、花が増えているのはそれだけの年月が経っているのだろうか。オスマン朝トルコからヨーロッパに伝えられてとき、誤ってチュルバン(ターバン)といわれたため、チューリップになった話がある。庭の狭い範囲に固まって咲いていても見応えがあるので、公園や農園の一面のチューリップ畑は見事であろう。

実生か 年毎に増え 球根花

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サクランボ 雪曲がり木に チューリップ

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2009年05月10日

美少年が変身した水仙

 水仙の学名はNarcissusでこれはギリシャ神話の美少年ナルキッソスからきているそうである。自分の美貌を鼻にかけたため、復讐の女神に呪いをかけられ、水面に写った自分の虚像に恋してしまう。挙句の果てに、死んで水辺に咲くこの花に変わってしまったという話である。水面の写る自分の姿を見続けたので、花は下向きに咲くのだそうである。漢字名の水仙は、水世界の仙人を意味している。春先に水辺でなくても咲き出してくる。花の感じから思いもよらないけれど、毒がある。

枯れ草に 我が身写せず ナルシスト

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身の内に 毒秘め咲きて 春の花

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2009年05月05日

庭のニリンソウ

  山道で採ってきて庭に植えたニリンソウが春先に花を咲かせている。一ヶ所から茎別れして三輪の花がついているのでサンリンソウかとも思われるのだが、ニリンソウでも花が一輪だったり、三輪だったりするから、花や葉の形を図鑑で見てニリンソウだろうと思っている。注意して見ていると、時期を合わせて三輪の花が同時に咲くのではなく、咲く順番があるようで、一輪が代表して咲いている状況の時がある。イチゲの花も加えて、白いスプリングエフェメラルの仲間達である。

一輪が 代表するや ニリンソウ

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各株の 一番花が 揃い踏み

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2009年04月29日

クリスマスローズの花の中

 この花は背たけが低く、下を向いて咲いているので、切花にでもしないと、花の中を覗くことができない。大抵の花は上に顔を向け、魅力を他にアピールする花本来の戦略を取っているのに、この花は素顔を隠すように咲いている。そうなれば花の素顔にカメラで写したくなる。しかし、地面の近くで下を向いていてはカメラを上に向けて差し込み、どんな画面になっているのかわからないまま、見当でシャッターを切ってみる。花の中はまるで柄模様のカーテンのある部屋のようである。

戦略で 顔を隠すか 降誕花

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カーテンで 内装されたり 花の部屋

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2009年04月28日

キバナノアマナ

 クロッカスと入れ替わるように、黄色の六花弁の花が咲き出す。キバナノアマナである。春先に雑草が生長する前に咲き出すので、小さな花であるけれど黄色の花の群れが目立っていて、土色の地面に春色を蒔いたように見える。花名を漢字で書くと黄花甘菜で、文字通り黄色の花をつける甘菜の意味である。アマナ(甘菜)はユリ科の白い花で、球根が甘いのでこの名前がついている。キバナノアマナの球根も甘いのだろうか。花名からスイーツの店に飾ったら似合っていると思われる。

土色に 春色蒔くや 黄色花

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甘菜なら 手折(たお)りて飾る スイーツ店

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2009年04月27日

春の雪と朝日

 GWの始まりだというのに、昨夜からは雪に変わっている。明け方、テーブルの上のノートパソコンで仕事をしていると窓の外が急に明るくなる。日の出である。雪雲が北東の空で切れていて、朝日が顔を出している。朝日は一瞬のように消えてしまう時があるので、あわててカメラを持って外に出る。雪でうっすら覆われた庭はやはり寒い。雪にツツジ花と朝日と三題噺仕立てにした写真を撮りたいと思っても、三つはうまく収まらない。それぞれ二つの組み合わせの写真を撮ってみた。

雪雲に 一瞬顔出す 朝日かな

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屋根に雪 庭にツツジの 春異変

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2009年04月25日

春の小路のナニワズ(難波津)

 春先に開花を争っているのはナニワズとコブシ(辛夷)である。コブシは高い木の枝に白い花が葉の出る前に咲くので目立つ。一方、ナニワズの方は低木で、地面に近いところに緑の葉に黄色の花をつけるので、草花かと思ってしまう。ナニワズの漢名は難波津で、難波の地名がどうしてこの木花についたのかわからない。夏に葉が落ちるのでナツボウズの別名もあるそうである。北海道ではエゾナツボウズとも呼ばれると聞く。蝦夷地で難波津の花の名前では、ミスマッチというところか。

足元に ナニワズの花 春小路

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難波津の 花名どこから 蝦夷の春

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2009年04月24日

春の小路のエンレイソウ

 宮丘公園に春の小路と名づけられた遊歩道がある。名前の通り、春先にはこの小路には春のエフェメラル(妖精)と呼ばれる花が、周囲の木々の緑に先立って咲き始める。一番早いのはエンレイソウで、雪解けの間もない湿った道のあちらこちらに咲き出している。赤紫の三枚の花弁のようなガクを広げて、下向きに咲いている。葉も三枚で、葉の大きさに比べて、花は小さいけれど、頭部の小さな美人とでも形容できそうである。写真に撮ってよく見ると、引き込まれそうな雰囲気の色である。

エンレイソウ 頭部小さき 美人なり

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写り良き 春の妖精 魅惑色

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2009年04月20日

福寿草

 縁起良い名前と、春の到来を象徴する花なので庭に植えているけれど、なかなか増えない花である。種子から花が咲くようになるまで五年以上はかかるという説明に出会うと、増えない訳も納得する。増えなくても減らねばよい、と思っているのに株が減って今年は一株だけになってしまったようである。花がほころびる頃は、周囲はまだ冬の名残を残していて、花を開くのを周囲に遠慮している風情である。しかし、陽が強まると黄金色の花が開いてきて、一株でも存在感を示している。

冬名残 開花遠慮か 福寿草

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一株の 存在感を 示し咲き

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追記:ブログ「ワンワンの会社勤務」の受付嬢チョコが亡くなった記事が出ています。この受付嬢は本ブログにも記事にしてあります。ペットを飼った経験がないので、ペットが死んだ時の愛犬家や愛猫家の気持ちは正直わかりませんが、ペットを擬人化(アバター化)して(人の)死を最後までレポートされるのを、日々読むというブログの機能を体験させてもらいました。

2009年04月19日

クリスマスローズ

 クリスマスローズとひとくくりで呼んでいるこの花は、クリスマス頃咲く原種のものと、イースター前の40日間のキリスト教のレントの頃に咲くレンテンローズがあるとのことである。いずれにしても寒さに強く、北海道ではスプリングエフェメラルと一緒に春先の庭を飾ってくれる。しかし、背の低い花で下向きに咲いて、加えて日陰を好むので目立たない存在である。4月の半ばに雪が降った時に、カメラを地面につけ、花が写るようにして撮影するのは少々厄介な作業であった。

雪ありて クリスマスの名 似合いたり

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恥らうか 見上げるアングル 花弁閉じ

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2009年04月16日

待雪草-スノードロップ

 スノードロップは別名待雪草とも呼ばれる。春先の花で、これから冬に向かう訳でもないので、雪を待つとは、どうしてこの花の名前になったのかいぶかしい。しかし、4月の半ばだというのに朝から雪で、スノードロップの周囲の地面が雪で覆われている。花の名前が雪を呼んだようにさえ思える。雪を「招待」する熟語のもう一方の漢字を当てて、「招雪草」の方が合っていそうである。花は下向きに咲いていて、花の下の雪の粒が、この花から落ちて散らばった種のようにも見える。

花の名で 雪を呼びたり 待雪草

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待雪草 種の落ちたか 雪の粒

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2009年04月15日

春の朝日の花診断

 家の中に朝日が射し込んでくる時間が日ごとに早まり、その光も強まってきているようで、春の進行が視覚的に感じられる。白いランの花も輝く朝日で、赤みが差して見える。朝日の中で健康診断を受けて、血色がよいと診断されているかのようである。花弁を朝日に透かし、花の内部の透視診断である。透視画像が鮮明になるように、朝日を捉える位置を微調整して写真を撮る。何かレントゲン技師の所作を真似しているような気にもなる。この時ランの花は健康診断の受診者となる。

血色の 良きが如くに 赤み差し

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透視する 朝日の位置の 微調整

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クロッカス

 寒さに強い花で、雪が解けると待ち構えていたように咲き出す。球根の花であるけれど、球根を移し換えた覚えもないのに、庭にどんどん広がって咲いて、春先の庭はこの花の天下である。色も白、紫、橙と文字通り色々で、目を楽しませてくれる。花弁だけの花に見えるほどで、葉の部分が申し訳程度にある。咲き出すと観賞に値する分、花の時期が過ぎるとだらりと地にへたり込んでしまうところが興ざめである。秋に咲くサフランとの対照で春サフラン、花サフランの別名がある。

咲き競争 春一番の 入賞者

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春の色 誇示して庭で 展示会

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2009年04月14日

カタクリの花

 庭の雪が解けたと思っていると、もうカタクリのつぼみが枯葉の間から現れている。花だからつがいということはないのだろうけれど、二株で頑張って冬を越し、雪解けを待つのももどかしく地面から顔を出した様子である。カタクリはスプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つに数えられる山野草で、花びらが開くと確かに羽衣を身にまとった妖精の趣である。株が増えていく様子もなく、消えてしまうのではないかとの心配をよそに、毎年春一番の庭の花で咲き出すとほっとする。

顔見せた 春エフェメラル つがいなり

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羽衣を 春妖精が 身にまとい

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2009年04月13日

スノードロップ

 スノードロップをそのまま訳せば「雪の雫(しずく)」とでもなるのだろうが、はて雪雫とは何なのか思い浮かばない。雨の雫なら、雨が葉などで受け止められて、さらに雫となって落ちるような状況に対応するのはわかるとしても、雪は雫になって落ちることは北海道では考えられない。春先一番で庭に咲く花で、寒い朝には霜柱と一緒になって花が咲いている。日を浴びて咲いているよりは、日陰にあった方が花の名前からして溶けてしまわないように思えてくる三花弁の花である。

雪消えて 雪雫花 霜柱

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日差し避け 隠れるように 三花弁

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2009年04月11日

残雪の山道

 宮丘公園の山道に雪は残るものの、春の陽光は強まって、残雪が頑張っても陽の強さに力負けである。後数日もすれば、山道の陽の当たる部分から雪は消えてしまうだろう。朝日を背負って見ると、自分の影が長く伸び、ところどころ切れて残る雪をつないでいるかのようである。枯れ枝ばかりなのに、小鳥の姿が見え、鳴き声が聞こえる。これらの木に緑が戻ってくるのももう直ぐである。緑が戻ると同期するように、散歩する人、野鳥を撮る人、犬を連れて歩く人が目立つようになる。

陽光に 力負けして 残り雪

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長き影 残雪つなぎ 道に伸び

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2009年04月02日

生き伸びた胡蝶蘭

 祝い事で頂いた花はその場で終わり、という考え方が鉢植えの花にも及んで、鉢植えの花も咲き終われば枯らしてしまっているのが常である。しかし、鉢植えの花を買って長持ちさせている家人には、花の推定値段を考えるとこのまま枯らせてはもったいないと思ったか、緑葉しかない鉢にせっせと水をやっていた甲斐があって、一年後も生き延びて花をつけている。形は最初の姿を想像できないほどであるけれど、花自体は紛れも無く胡蝶蘭で、窓外にある残雪よりは白く見える。

祝い花 一年生きて 開花なり

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窓外の 残雪よりも 白きラン

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2009年04月01日

ふきのとう

 四月に入った日に山道の散歩を開始である。陽は暖かく感じられるけれど大地にはまだ冬の名残があり、霜柱を踏んでところどころ固まった残り雪の上を歩いてみる。土肌が出た山の斜面に、春一番で芽を出してくるのは毎年ふきのとうである。ふきのとうは花をブーケにまとめたような形でそこここに咲いている。海岸で波が引いていくと、砂浜に貝殻が現れてくるように、雪の波が山肌から後退していくと、ふきのとうが現れてくる。ふきのとうが出てくれば本格的春はすぐそこにある。

ふきのとう 春一番の ブーケなり

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雪の波 引いた土浜 ふきのとう

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