2023年01月03日
爪句集51集 あとがき
シリーズで出版してきた爪句集は2008年に第1集が、2022年に第50集が出版されて14年間で50集を数えている。従って1年間で平均3.5集の出版となっている。出版部数は毎集1000冊で平均300冊程度が書店での販売と寄贈で捌かれている。しかし、残りは在庫となって溜まってくる。この在庫分の圧力は相当なものである。
この圧力が効いたせいもあり、節目の第50集を出版してから第51集の出版には1年間を要していて、2022年からの出版回数は激減している。出版された爪句集はテーマがあり、そのテーマが枯渇した訳ではなく、これからも爪句集として出版して行きたいテーマは多々ある。出版のペースが落ちたのはやはり前述の在庫の圧力と出版費用の赤字の増加である。
出版費用の赤字は、元々趣味(道楽)の範囲内でのプロジェクトなので、老後に備えた資金を取り崩して対処しようとの心づもりがある。老い先がそれほど長くないと思えば爪句集出版に散財しても惜しくない。しかし、A7判の豆本とはいっても、在庫の圧力は物理的なもので、気持ちの持ちようだけでは如何ともし難い。
この圧力を和らげようと第50集の出版を契機に全50巻をまとめて大学や高校の図書施設、市町村の図書館に寄贈するプロジェクトを考え実行に移してみた。本の寄贈は無償の贈呈であっても受け入れる側の意向次第で成否が決まってくる。最初は著者が知り合いを介して寄贈先を探していたけれど、それなりの数の寄贈先を確保するには組織の力を借りるしかない。
札幌市民の著者は町田隆敏現札幌市副市長を以前から知っており、町田副市長にこの件を頼み込んだ。副市長から札幌市の図書関係者へ爪句集寄贈の話が伝えられ、札幌市中央図書館の関係者が世話役となり、札幌市中央図書館を始めとして札幌市図書・情報館、札幌市各区の図書館、各地区センターの図書施設等計20施設に寄贈が行われた経緯がある。これらの寄贈に関してお骨折りいただいた町田副市長を始め札幌市中央図書館の関係者にお礼申し上げる。
爪句集全50巻寄贈プロジェクトは北海道新聞社が勧進元のクラウドファンディング(CF)find-Hでも公開して行った。公開プロジェクトでは「爪句集寄贈会」も立ち上げていて、会のメンバーは著者に加えて、齋藤清氏(元旭川高等専門学校教授)、三橋龍一氏(北海道科学大学教授)、渡部浩士氏(北海道学校図書館協会理事・新川西中学校長)、奥山敏康氏(アイワード・共同文化社社長)、里見英樹氏(メディア・マジック社長)の諸氏である。これらの方々には寄贈プロジェクト推進でお世話になっておりここにお礼申し上げる。なおこのCFへの支援者はこの「あとがき」の末尾にお名前を記してお礼としたい。
市町村の図書館や学校の図書施設と個々のやり取りでご協力いただいた図書関係者(司書)の方々もおられる。寄贈本の宣伝や配架に工夫された写真等も寄せていただき感謝している。特に旭川藤星高校の関係者のお手紙やメールから、同校生が著者になった爪句集が実現できるのではないかと考えたりもしている。爪句集はこれまで著者一人が作品作りから出版までを行って来たけれど、爪句集の形式は残して、多くの著者による爪句集出版が行われると、あるいは次の節目の第100集出版も可能かも知れないと思っている。
この第51集は2022年1年間のブログに投稿した毎日の写真から選択を行い編集したものである。1年間には著者個人にも何が起こるか分からないものである。9月頃には食欲不振で体重が減り始め、11月に入ると体調不良が顕著になり、12月に入り病院での診察があり、その後12月末には市立札幌病院で手術を受けた。手術前後でもブログ投稿は続けていて、闘病ブログの趣にもなってきた。これらの闘病ブログを本爪句集に採用するかは、あまりにも個人的なテーマで迷ってしまう。しかし、個人的な記録として本の形で残しておきたくもあり、「あとがき」に続く1ページに院内の記事を載せた。
本爪句集出版にはCFの支援者の外にもお世話になった方々もおられ、お名前は割愛してこれらの方々にお礼申しあげる。最後に爪句集出版でも闘病でも惜しみなく手助けしてくれた妻に感謝の言葉を書き残しておきたい。