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2023年01月03日

爪句集51集 あとがき

 シリーズで出版してきた爪句集は2008年に第1集が、2022年に第50集が出版されて14年間で50集を数えている。従って1年間で平均3.5集の出版となっている。出版部数は毎集1000冊で平均300冊程度が書店での販売と寄贈で捌かれている。しかし、残りは在庫となって溜まってくる。この在庫分の圧力は相当なものである。
 この圧力が効いたせいもあり、節目の第50集を出版してから第51集の出版には1年間を要していて、2022年からの出版回数は激減している。出版された爪句集はテーマがあり、そのテーマが枯渇した訳ではなく、これからも爪句集として出版して行きたいテーマは多々ある。出版のペースが落ちたのはやはり前述の在庫の圧力と出版費用の赤字の増加である。
 出版費用の赤字は、元々趣味(道楽)の範囲内でのプロジェクトなので、老後に備えた資金を取り崩して対処しようとの心づもりがある。老い先がそれほど長くないと思えば爪句集出版に散財しても惜しくない。しかし、A7判の豆本とはいっても、在庫の圧力は物理的なもので、気持ちの持ちようだけでは如何ともし難い。
 この圧力を和らげようと第50集の出版を契機に全50巻をまとめて大学や高校の図書施設、市町村の図書館に寄贈するプロジェクトを考え実行に移してみた。本の寄贈は無償の贈呈であっても受け入れる側の意向次第で成否が決まってくる。最初は著者が知り合いを介して寄贈先を探していたけれど、それなりの数の寄贈先を確保するには組織の力を借りるしかない。
 札幌市民の著者は町田隆敏現札幌市副市長を以前から知っており、町田副市長にこの件を頼み込んだ。副市長から札幌市の図書関係者へ爪句集寄贈の話が伝えられ、札幌市中央図書館の関係者が世話役となり、札幌市中央図書館を始めとして札幌市図書・情報館、札幌市各区の図書館、各地区センターの図書施設等計20施設に寄贈が行われた経緯がある。これらの寄贈に関してお骨折りいただいた町田副市長を始め札幌市中央図書館の関係者にお礼申し上げる。
 爪句集全50巻寄贈プロジェクトは北海道新聞社が勧進元のクラウドファンディング(CF)find-Hでも公開して行った。公開プロジェクトでは「爪句集寄贈会」も立ち上げていて、会のメンバーは著者に加えて、齋藤清氏(元旭川高等専門学校教授)、三橋龍一氏(北海道科学大学教授)、渡部浩士氏(北海道学校図書館協会理事・新川西中学校長)、奥山敏康氏(アイワード・共同文化社社長)、里見英樹氏(メディア・マジック社長)の諸氏である。これらの方々には寄贈プロジェクト推進でお世話になっておりここにお礼申し上げる。なおこのCFへの支援者はこの「あとがき」の末尾にお名前を記してお礼としたい。
 市町村の図書館や学校の図書施設と個々のやり取りでご協力いただいた図書関係者(司書)の方々もおられる。寄贈本の宣伝や配架に工夫された写真等も寄せていただき感謝している。特に旭川藤星高校の関係者のお手紙やメールから、同校生が著者になった爪句集が実現できるのではないかと考えたりもしている。爪句集はこれまで著者一人が作品作りから出版までを行って来たけれど、爪句集の形式は残して、多くの著者による爪句集出版が行われると、あるいは次の節目の第100集出版も可能かも知れないと思っている。
 この第51集は2022年1年間のブログに投稿した毎日の写真から選択を行い編集したものである。1年間には著者個人にも何が起こるか分からないものである。9月頃には食欲不振で体重が減り始め、11月に入ると体調不良が顕著になり、12月に入り病院での診察があり、その後12月末には市立札幌病院で手術を受けた。手術前後でもブログ投稿は続けていて、闘病ブログの趣にもなってきた。これらの闘病ブログを本爪句集に採用するかは、あまりにも個人的なテーマで迷ってしまう。しかし、個人的な記録として本の形で残しておきたくもあり、「あとがき」に続く1ページに院内の記事を載せた。
 本爪句集出版にはCFの支援者の外にもお世話になった方々もおられ、お名前は割愛してこれらの方々にお礼申しあげる。最後に爪句集出版でも闘病でも惜しみなく手助けしてくれた妻に感謝の言葉を書き残しておきたい。

2023年01月01日

爪句集覚え書き-51集

 本爪句集はシリーズで出版してきており2022年2月に第50集「爪句@今日の一枚―2021」を出版してから1年後の出版となる第51集目である。第51集の体裁は第50集とほぼ同じで、年が2021年から2022年に変わっているので、爪句集の書名は第50集の2021を2022に変えるだけでもよかった。しかし、1年も経つと変化を求めたい気持ちも高じて「爪句@空撮日記」にしている。
 本爪句集は毎日投稿しているブログの記事から月毎に17日の記事を選んでいる。ブログはインターネットを利用した写真を主体にした電子日記でもある。この写真に空撮写真を取り入れていて、ドローンでは撮影出来ない天空部分に別撮りした写真を貼り合わせている。こうする事で複数枚の写真を1枚の空撮写真に貼り込めている。これは空撮写真を背景にした複数枚の写真展示であり、爪句集にした時1ページ1枚の写真として表示でき、印刷ページを節約できる利点がある。これが書名を「空撮」日記にした理由になっている。
 さて造語「爪句」についてここでも解説しておきたい。「札幌市もいわ地区センター」から依頼されて爪句に関する講演を行う予定だった。これがコロナ禍で中止となった。この時、講演のために作ったスライド(目次に続くページの写真のQRコードを読み取るとパノラマ表示で見ることが可能)に写真と俳句を組み合わせた「フォト俳句」と「爪句」の違いとして「フォト俳句=写真x俳句」、「爪句=写真+俳句」としている。
 これは説明を要する。フォト俳句も爪句も写真に俳句(川柳)を添えた形式は同じである。しかし、目的とするところは少し違っている。俳句は17文字のテキストデータで閉じられた世界で、そこで感性を表現し想像を広げていく。フォト俳句は俳句の17文字の世界に写真という視覚の世界を重ねて俳句の世界とは異なる次元の世界を作り出すものである。従って写真の説明で終始するのではなく俳句のみでは表現し難い部分を写真で補間するとか、写真には込められなかった自分の気持ちをより的確に17文字で表現する事を目指している。写真と俳句の掛け算効果が期待されている。
 これに対して爪句は写真のキャプション(説明)と捉えるのがより適切と思われる。つまり写真に俳句を足したものである。爪句の造語がパソコンによる写真整理技法-サムネイル(親指の爪)に由来することからも本来的に写真検索ための句といった意味合いが強い。これは爪句集作り(出版)のための作業が背後に控えている事を意味している。フォト俳句は写真や絵画の1枚の作品に焦点を合わせるので、写真と俳句のダブりを嫌う。一方爪句は多数の作品(写真)の区別に主眼が置かれ、効率良くその作品に辿り着ければよい。
 前述の中止になった講演会では参加者がそれぞれ爪句を付けた写真を持ち寄り披露する「実践」が主催者側で企画されていた。しかし、これはフォト俳句の実践で厳密な意味での爪句の実践ではない。爪句はパソコンによる画像データ処理を経て出版まで行って初めて実践となる。だから爪句は写真のキャプション作りで敷居が低いけれど出版まで行くにはハードルが高い。
 空撮写真に別撮りの写真を貼り込む技法は空撮写真をギャラリーにした写真展を開いているともみなせる。本爪句集の空撮写真は自宅の上空で撮影したものが多い。季節や天候の変化はあるとしても毎日同じような空撮写真が並び、そこに貼り付ける日々の新しい写真にとっては、写真を展示する変わらぬ背景のようにも見える。この状態で爪句は写真展の各室の案内ともみなせる。ブログを介して爪句が表現するテーマの写真展を日々行ってきたとも考えられる。なお、自宅庭上空は人口密集地でここでのドローン飛行は「無人航空機の飛行に係る許可・承認書」(東空運第23917号)を国交省(東京航空局長)から得て行っている。
 空撮写真は日の出を狙って撮影している。日の出が上手く撮れる日もそうでない日もある。日の出の定点観察空撮写真になっている。これが気象の研究につながるものがないか考える事がある。そうなれば爪句は研究データの記録ともなる。研究と限定しなくとも写真に付けられた爪句を並べると、何か新しいつながりや発見に辿り着けそうだ思ったりしている。今のところはっきりしたイメージを持てないけれど、爪句の発展につなげられるものではないかと考えている。

           雪曇りで初日の出を拝めない2023年1月元日に

2022年01月07日

爪句集覚え書き-50集

 本爪句集シリーズは2008年1月1日出版の第1集から数えて、本集で50集目になった。第1集からほぼ13年経っているので、年に4集近くの割合で出版してきた事になる。各集には200を超す枚数の写真と爪句が収められているので、出版当初公言していた1万句(と写真)の制作が達成できた。
 第50集を出版するに当たって改めて「爪句」とは何かと考える。「爪句」は画像データ処理用語のサムネイル(thumb nail:親指の爪)に因んだ造語で、パソコン画面に“親指の爪”大に並べた写真画像のファイル名を5 7 5の句形式にし、その句を「爪句」と呼んでいる。その出自から爪句は写真のキャプションでもある。キャプションへ少し文芸的趣を持たせ、俳句の領域に近づけようとしている。こうなると本爪句集は句集ともいえる。
 17文字のキャプションだけでは写真を撮影した状況が説明できないだろうと、100文字強の説明文を加えている。その説明文も撮影時の感想を入れ込んで少しは読み物風にもしている。爪句集は毎日のブログ記事を編集していて、短文の日記文芸の感じを出そうとしている。この意図が上手く行けば爪句集は写真を主体にした日記形式の読み物ともいえる。
 これまで出版してきた爪句集はテーマ毎に作品をまとめていて、花、野鳥、植物、彫刻、鉄道、景観、行事、気象と多くのテーマの図鑑形式にもなっている。俳句と短文で読ませる図鑑といったところか。北海道の全駅を巡って撮影した全球パノラマ写真集にもなっており、俳句付鉄道ガイドブックでもある。もっと大風呂敷を広げると「爪句北海道百科事典」にも発展させ得るものだ。
 さて、文芸でも研究でも世間の認知度が仕事を発展させて行く上で影響してくる。足掛け14年間続けてきて50巻の爪句集を出版した“爪句”プロジェクトがどのくらい世間に認知されているかは、著者にしてみれば過敏なほどに気になる。著者からみても“爪句”の世間の認知度はかなり低い。写真とか俳句のように既成のカテゴリーにはまった趣味や仕事に対する世間の認知が高いのは当然である。しかし、写真(地上や空撮の全球パノラマ写真も含んで)・俳句・短文とキメラのような“爪句”やそれを記事にしたブログに興味を示す人はあまりいないようだ。
 これまで共著の形式での爪句集の出版も試みた。しかし、そこからの展開はなかった。豆本の爪句集の出版は、著者は面白いと思っていても、他の人には出版費用が高いハードルになっているのだろう。そのハードルを少しでもクリアしようと爪句集出版のためのクラウドファンディング(CF)を何回か行っている。しかし、見ず知らずの支援者はほとんどおらず、一般の大衆(クラウド)を巻き込む点では低調であった。
 自費出版では本の宣伝に限りがあり、前記CFのリターン(返礼品)に出版した爪句集を当てているけれど、もともと支援者の数が少ないので爪句集が拡散せず、この点も“爪句”の認知度を高めるのにCFはあまり貢献していない。捌けない全50巻の爪句集の在庫も山をなしてくる。こうなれば只での寄贈を考える。しかし、寄贈といっても受け入れてくれる図書館施設を探すのが大変である。
 写真撮影に始まって写真に対応する爪句の作句というカメラマンと作家の役、日々ブログに投稿し、ある時期に編集し、印刷会社へ渡して戻ってくる校正原稿を吟味する編集者の役、出版費用にいくばくか足しになるように行うCFも含んだ営業活動、最終的には爪句集寄贈という企業でいえば社会貢献的な役割等々を一人でこなしての全50巻の出版である。確かにこれは他人が真似するにはハードルの高いプロジェクトである。そのハードルを越えて来たのはやはり“爪句”が面白かったからである。
 第50集を出版したのを機に爪句を止めてしまえば世間から忘れ去られてしまう事柄なのか。それとも後に評価を得る事になる仕事だったのか、今の著者にはわからない。しかし、全50巻の爪句集出版の実績は北海道の出版史の隅ににおい記録に残される事になる、と希望的に思っている。

2021年03月13日

爪句集覚え書き-47集

 爪句集のシリーズの出版を続けて来て、いつ頃からだろうか、50集目まで出版しようと思うようになった。その目標を他にも公言してきている。本爪句集は47集目になり、50集目の出版が指呼の間に入ってきている。多分著者が今年80歳になり、その歳のうちに実現できるのではないかと予想している。この状態になると早く目標が達成できないかと、爪句集の製作を急ぐようになっているところがある。その作業を急ぐあまり、雑な仕事になっているのではないかとも危惧している。
 爪句は「画像処理法サムネイル(thumbnail:親指の爪)に付けたファイル名の句」に由来し、写真のキャプションから出発している。写真を検索するためのファイル名を単なる通し番号や日付から、少し手の込んだ俳句形式にしておく。こうすると写真集の出版を考えた時、写真に関する説明を膨らませる事ができそうだ。さらに爪句を文芸の域にまで高める事も可能かもしれない、と思いながら50集目が視界に入ってくる。すると、作品を乱造気味に創り出す作業に入ってしまう。
 本爪句集のテーマでは、空撮パノラマ写真と花や野鳥の写真の組み合わせる妙を追い求めている。この点も爪句作りの焦点をボケさせる結果につながっているかもしれない。空撮パノラマ写真は写真家としての感性が要求されるものではない。ドローンを飛ばし、ドローンが収集する写真データを処理しているだけで、もし写真家の立場を強調するとすれば、写真データ収集に関連して、景観の場所と時の選択に留意するぐらいだろう。その空撮パノラマ写真の天空部分に貼り付ける花や野鳥の写真であってみれば、1枚の大写しの写真で読者の共感を得る、といった芸当を披露する事は難しい。
 一方、空撮パノラマ写真の処理と別撮りの花や野鳥の写真の合成処理にはかなりの時間がかかる。その処理を終えて爪句と説明文を書く段階になると、仕事を早く終えたいという心理的状況も加わり、写真の説明になっていればそれでよし、の方針に軸足を移す。従って、本爪句集のように200枚もの多数の作品を揃えなければならぬ状況に立ち至っては、単なる写真のキャプションから抜け出したような爪句を創る意欲が薄れる。
 本爪句集のテーマを思い付かせた宗谷岬の日の出時の空撮パノラマ写真と、日の出を待つ間に撮影した海中の岩場に止まっているサギの写真を組み合わせた作品を示しておく。爪句は「日の出待つ 宗谷岬の 岩場サギ」にしている。写真の説明を5 7 5で行えばこのようなものになるだろう。爪句を写真のキャプションと割り切ればこれでよい。しかし、爪句に写真家としての印象を文字として表現しようとすればこれは物足りない。それは重々承知の上で、本爪句集はこの例に挙げたような作品を並べる事になった。
 爪句集の出版を続けて来て、新しい作品制作の展開につながる事を期待しながら、爪句発想の原点に回帰しているのは著者としては不満である。しかしながら、50集出版を目の前にして、この爪句集シリーズ出版をここまで続けてこれた事には満足している。

日の出待つ 宗谷岬の 岩場サギ
 ドローンを利用して撮影した全球パノラマ写真では、カメラが機体に邪魔され天空部分が写せず黒くなる。黒く抜けた部分に空撮を行った場所で撮った野鳥を貼り付ける写真法を開発中で、過去に撮影した写真を創り直し、新しい作品を加えている。



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2021年01月30日

爪句集第46集「あとがき」

 本爪句集の原型になった「爪句@今朝の一枚」(第12集)を出版したのが2011年9月である。その後「爪句@今日の一枚」として毎日投稿しているブログの、1か月分の記事から17日を選び、1月から12月までその年のブログ記事をまとめた爪句集を毎年出版してきている。従って、この形式の爪句集出版は本爪句集で10年続いている事になる。
 毎日の出来事で記録に残しておきたいと思った事柄についてのブログ記事なので、本爪句集は一種の自分史のようになっている。個人的な自分史なら、ブログに投稿しても読者は限られていて、豆本といえども書籍の体裁にして出版しても、購読者は多くはないのは最初から予想できる。
 そこで、ここ数年の爪句集出版に際しては、クラウドファンディング(CF)を利用して、少しでも購読者を増やそうとしている。爪句集出版前に支援者を募ってリターン(返礼品)として出版した爪句集を郵送し、CFによる爪句集の予約販売の形を取っている。しかし、支援者の数は両手に収まる程度である。CFは手続きが最初はかなり面倒な事も難点の一つとして挙げられる。
 そこで本爪句集ではスマホでQRコードを読み込み、爪句集の代金を著者の口座に入金してもらう事を試みる。入金とは別に、メールで指定された住所に爪句集を郵送して仕事は終わる。この爪句集代金決済はPayPayの利用を考えた。爪句集代金500円に郵送代84円の計584円に設定した振り込み先口座のQRコードをこの「あとがき」に印刷しておく。PayPayを利用していて、本爪句集の「あとがき」を目にして購入してみようかと思った読者がおられる事を期待している。
 爪句集代金の振り込みをビットコイン(BTC)の口座を利用して行うため、爪句集第34集「爪句@彫刻のある風景―札幌編」、第35集「爪句@今日の一枚―2017」のそれぞれの「あとがき」にもBTCの口座のQRコードを印刷した事がある。しかし、この試みは完全に失敗だった。当時のBTCの相場で爪句集代500円を換算して0.00033 BTC、0.00063BTCと設定した爪句集代は、現在の1 BTCが300万円を超す相場ではそれぞれ990円、1890円を超している。本の定価の意味がない。
 今回は日本円での支払いなのでビットコインの相場のような変動を気にする事はない。読者がPayPayを利用していて本爪句集を購入する気になればこれで事は済む、と考えていて落とし穴があるのに気がついた。
 支払いのためのPayPayのQRコードは爪句集に印刷されている。爪句集を購入した後でこのコードを読み取ってもすでに爪句集を購入しているのだから、代金を振り込む意味がない。2冊目を購入する場合には良いかもしれないが、そのような読者は皆無だろう。
 精々考えられる対応策は、爪句集購入前のPayPayコードの取得法として、著者の「秘境100選―ver2」のブログの2021年1月27日の記事にアクセスして、記事の画像をクリックして全球パノラマ写真モード実行後に、天空に貼りつけられたPayPayのQRコードを読み取ってもらえると、爪句集の購入以前に振り込みコードにたどり着ける。そこで件のブログの画像をここに載せておく。画像にはめ込まれたQRコードを読み込んでブログ記事につないでから、上記のように全球パノラマ写真表示にする。そのパノラマ写真の画面から、PayPayのコードを読み取る実験が出来る。ただし、この実験ではスマホ2台かスマホ+タブレットが必要になる。
 PayPayに関しては最初北海道科学大学の三橋龍一教授に利用の仕方を教わり今回のアイデアとして生かしている。三橋教授とは、本爪句集にも取り上げている札沼線廃止に際して、偶然の最終ランにも同道できた事も思い出され、同教授に感謝する。同教授が指導する「北科大宇宙開発研究同好会」のメンバー、特に芳賀和輝君にはレーザ彫刻でCFのリターンを製作してくれた事やオンライン会議のやり方を教えていただいた事にお礼申し上げる。
 福本工業(福本義隆社長)社員の山本修知氏は著者の外付けディスクの調子が悪くなった時20日間もパソコンを動かし、データのレスキュー作業を行って頂いた事に感謝する。また、ドローンによる撮影にも同道していただき、お世話になった。
 爪句集出版のCFはこれまで出版した爪句集の寄贈プロジェクトも兼ねていて、北海道大学大学院情報科学研究院の荒木健治教授には、同情報科学院図書室への爪句集寄贈に際してご尽力頂いた事に感謝する。本爪句集のCF支援者のお名前は「あとがき」の最後に記し、お礼としたい。本爪句集の製作に関わっていただいた㈱アイワードの関係者にはいつものようにお礼申し上げる。今回オンライン会議を利用して校正を行ったのも最初の試みで、オンラインの便利さを認識した。最後に、毎回の爪句集出版に際して妻の支援は欠かせないもので、妻の協力に感謝の言葉を記しておきたい。

本爪句集出版と寄贈CF支援者のお名前(敬称略、寄付順、2021年1月31日現在)

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2020年03月26日

爪句集覚え書き―43集

 シリーズで出版してきている爪句集の表題(書名あるいは句集名)を決めるのに頭を使う。野鳥の写真を集めた爪句集としては、最初は「札幌の野鳥」続いては「日替わり野鳥」と、それほど考えなくても済んでいた。しかし、同じテーマの爪句集が3集を重ねるようになると、既刊のものとあまり重ならない書名を選びたい。
 本爪句集は「365日の鳥果」としている。ここで「鳥果」は著者の造語である。釣りを趣味としない著者は最初「釣果」の熟語を見て「ちょうか」と読めなかった。「釣」を音読みにした熟語は他にも「釣竿(ちょうかん)」、「釣行(ちょうこう)」、「釣鉤(ちょうこう)」、「漁釣(ぎょちょう)」、「垂釣(すいちょう)」等とある。これらの熟語で一番目について使われるのが「釣果」である。
 「釣果」の意味は文字通り「釣りの成果」である。しかし、普通の会話には出てこない言葉だろう。「釣れましたか」とか「成果はどうですか」ぐらいを会話で話しても、「釣果はいかがですか」はほとんど耳にしない。したがって「釣果」を目にしても読めなかった、といった経験は著者だけに特別のものでもなさそうである。
 さて、話を野鳥の撮影に戻す。時たまカメラを持った野鳥撮影と思われる人に出合うと「野鳥(とり)居ましたか」、「撮れましたか」、ぐらいの会話になる。野鳥が上手く撮れて成果があっても、それを短く表す言葉がない。そこで野鳥撮影の成果を表現する言葉として「鳥果(ちょうか)」としてみた。呼び方も「釣果」と同じで、野鳥撮影の成果の感じが出る。
 爪句17文字に詠み込む熟語としても便利である。「野鳥撮影の成果があった」と表現する代わりに「鳥果あり」と5文字に納まり、爪句向きの熟語である。これを使わない手はない、と本爪句集では書名からしてこの造語を利用している。ただ、勝手に造語を使うのもいかかなものかという声が聞こえないでもない。第一造語の「爪句」からしてそうだろう。
 言葉(造語)は発案者のものだけのものではない。言葉は相手に意味や感情を伝える道具であるから、発案者だけが納得しているだけなら意味がない。そこでこの覚え書きに解説を書いている。ただ、表意文字の漢字を使うと、なんとなく造語の意味は伝わっていく。正確ではなくても「爪句」は「俳句」と同類のものらしい、とか「鳥果」は野鳥を相手にした成果らしい、と受け取ってもらえる。
 そうではあるとしても、発案者としては、造語を目にする人が直ぐに正確な意味を理解するまでになり、造語の市民権が得られるようにしたいものだと思っている。しかし、閲覧される事の少ないブログ書きや、販売数がごく限られた爪句集の出版では、過去から現在にわたっての言葉がひしめく表現の世界での市民権を得るのは至難の技である。その困難さはあるにせよ、世の中に認められるためには造語に関する説明や話題の積分値を増やしていくより他に方法はないだろう。本爪句集が「鳥果」の言葉を文字にした最初の書籍で、これからその言葉を使い続ける努力が、この造語の市民権を得る事につながるのではないか、と希望的観測を持っている。
 ただ、造語が市民権を得られなくても、それを使用している発案者が便利だと思えばそれで十分との考えもある。この点「鳥果」は著者にとっては使い勝手の良い言葉である。この一点に集中して、造語の市民権とかいった事に気を取らわれず、著者なりなに造語の利用の場を広げていこうかとも思っている。

2018年01月31日

爪句集覚え書き―35集

 日記はどうして書き残すのだろうか。ノートに書く日記と、電子日記といわれているブログはどう違うのだろうか。ブログ記事を編集して本にした、この爪句集出版に際して考えてみた。
 日記は日々の記録で、記録は以前の状況をチェックしてこれからの行動の参考にする実用性の側面がある。手帳のメモよりは詳しく、後で見返して役立つ程度に書いておく。対象によっては、数年の積み重ねが貴重な資料になっているかもしれない。
 上記と重なるかもしれないけれど、自分の行動の証明としての記録簿にもなる。もし何か自分のアリバイを示さねばならぬような時に役に立つ。研究者が研究ノートを残すのも、研究に疑義が持たれた時、確かにあの時はこの実験を行っていた、といった最低限の(場合によっては最強の)証明になる。
 ある瞬間、あるいはその1日に抱いた感情や思いを書き残さねば、それは永久に消えてしまうような場合、日記として残しておくのは有効である。あの時はこんな風に考えて、この事をやり過ごしたのだ、と後になって振り返る手繰り縄になる。
 自分にとって大きな事件は日記に記さなくても、記憶の中にしまわれる。記憶は徐々に薄れて行くとしても、何かのきっかけや写真、思い出の品々で蘇る。
 これに対して、日常の繰り返しの事柄は、数日も経てば記憶の深海に沈んでしまう。特に齢を取ってくるとその沈み方の速度は速い。その平凡な日常を書き残すに値するものかとの疑義は確かにある。文字だけの日記なら、創作活動でもしていない限り、同じ事の繰り返しに対する思いを書いていても、作文の練習に終わってしまうだけだろう。
 この点、ブログでは多かれ少なかれ作品を制作している意識が働く。この爪句集のように1日1枚(日によっては数枚)の写真を撮り、句を付け、文字数の決まった短文を書くのは、日記の体裁にはなっているけれど、作品を日々創作しているところがある。ネットに投稿すれば目に見えない読者も予想される。応答の無い読者ではあるにしても、その評価にも耐えるように、と写真を撮り記事を書く。さらにブログ記事を編集して爪句集で出版する心積もりがあるから、書きっぱなしという事にもならない。
 もしノートに記した日記を印刷して本にする場合を考えると、ノートと印刷本の間には距離がある。壁と表現してもよいだろう。この壁を超えて本の形にした時の達成感はかなりのものである。本の体裁にする点では、ブログ記事と印刷本との見た目の段差は低い。実際に本にする壁を高くしているのは印刷経費だろう。ブログ記事をプリントして綴じても結構印刷本に近づく。ノートの日記とブログの電子日記の違いがここにある。
 印刷本に近い形式のブログなら、手間と経費をかけて印刷本にするまでもないだろう、という考えもある。ただ、ブログは読み捨てられる運命にある。自分のブログ記事でさえ、何か調べる必要性が生じない限り、過去の記事を見返すのはめったにない。これが印刷本になれば手に取ってパラパラめくる事ができ、又実際そうしている。
 本爪句集は、これまでの爪句集同様毎日「今日の一枚」のタイトルで書いているブログ記事から抜粋したものである。爪句集出版の編集作業で、2017年という一年も、私的にはこんな事柄があったのか、と改めて振り返る機会を得る事にもなった。本爪句集が単なる著者の日常のメモに留まらず、読者を得る写文集(画文集に対応させて)になっているなら、印刷本にした甲斐があるというものである。
 2011年の「爪句@今朝の一枚」(第12集)から始まって、その後「爪句@きょうの一枚-20xx年」としてもう7年もブログの電子日記を印刷本として出版してきている。その原動力は、やはり日が改まる毎に新しい対象を見つけ写真に撮り、作句し短文を書くのが面白いからであり、印刷本にする充実感があるためである。

2010年07月08日

爪句とは何か-その8

 これまで出版してきた爪句集豆本に「爪句とは何か」の解説を行ってきている。その解説6で、「爪句とは 写真散文 見出しなり」と書いている。これは、写真に加えて散文、つまり写真に関する文章があって、その文章の内容の見出しを5 7 5で表現したものを爪句と捉えることもできる、と解説している。今回は、爪句集でのこの散文について考えてみる。
 爪句集は写真集に重きを置くのか、それとも句集がその本質なのか、と問われると、的確に答えられない。そのどちらでもある、といったあいまいな答えしかない。それに、爪句集には200文字程度の文章、これを爪句文としておく、がつく。これは爪句集の写真、爪句と一体となって欠かせないものにしている。
 写真、爪句、爪句文と並べて、制作の難度を問われると、筆者の場合、この順番は逆となる。つまり、写真撮影が最も簡単で、爪句文を書くのが、一番頭と時間を使う。爪句の句作は、その中間に位置する難度となる。
 写真は思考作業の産物ではなく、感性に頼った画像の記録である。撮影の現場に行くまで時間がかかるとしても、現場ではカメラのシャッターを押す一瞬の行為があるだけで、文章における推敲作業のような、頭を使う作業が残ることはない。爪句の句作も、文芸性などとだいそれた事を考えなければ、5 7 5の単語の並びを適当に考えればよい。
 本爪句集の爪句文は200文字程度である。これは、最初は印刷のレイアウトから決まってきた経緯があるけれど、この文字数に後づけの理屈をつけたくなった。屁理屈には違いないのだけれど、200文字の根拠である。そこで、文字の作る空間(次元)というものを考えてみた。
 データの観点から、文章は1次元で、写真は2次元と表現される場合がある。文字を2次元空間に正方形に準じて並べて、文章を視覚的に表現することを考えてみる。2x2、3x3、4x4、5x5という字数で文章の音(文字)を格子状にして並べてみる。例として、「君・誰」「名前・何と・言うの」「お名前・漢字で・お書き・ください」「ご氏名は・空欄に・右詰めで・記入-お願いします」といったような視覚的文字の正方形を作ってみる。
 一般に、短い文章では、短いことばをつなげて終わる。文章の全体の文字空間が小さいと、文字空間の正方形の縦横が小さい。文章が長くなるほど、区切りの語句が長くなり、句の数が増える傾向にある。そこで、語句の区切り(爪句の5音、7音)の説明に要する文字空間として、正方形を仮定して、5音であれば5行、7音であれば7行の文字空間を考えて、この空間内に爪句文を納めてみることにする。
 つまり、爪句の5文字を5倍し、7文字を7倍したものを合わせた文章空間を仮定して、5x5+7x7+5x5=99(文字)で一句の爪句文の文字数にする。2句あればその2倍の200文字をもって爪句文の文字数にする。
 この文字数を割り出してくる根拠は、最初に書いたように何もない。文字空間など屁理屈である。しかし、屁理屈でも文章と写真のデータの次元に関連して、爪句文の文字数を200文字に合わすことができた点に満足している。
 最初の創作の難易度の話に戻ると、爪句制作の作業の順番は、まず写真が最初にくる。次に簡単な処理を考えて、爪句を作り、爪句だけでは説明の足りない部分を爪句文で補う、といった作業の流れになるだろう。しかし、爪句文を先に書いていくと、爪句は自ずと出てくるのも事実である。
 さらに、最初に写真ありきも、爪句文を書き、爪句を作っておいてから、それに合う写真を撮る制作過程も考えられる。漫然と写真を撮るより、爪句文の骨格が頭の中にあって、爪句の素案に添いながら写真を撮る方法である。こうなると、風景の切り取り方、強調したい部分、対象の組み合わせ方と、あらかじめシナリオに添った、考える写真撮影ということになり、爪句写真撮影の手法として進化させてよいテーマである。

2009年03月01日

ブログの紹介

 二月の終わりに出版した爪句集豆本「爪句@北大の四季」を紹介してくれているブログがあるので画面をコピーして使わせてもらう。

 ブログのタイトルは「81歳の日常生活 老いに向かって」で、コピーした画面のものには次の句も載っている。
 「さむ空に 立ち向かえない 昨日今日(きのうきょう)
 実感が出ている句である。

 お付き合いで当方の爪句
 「老いの身の ブログに綴る 5・7・5
 老いの身は、当然私も含まれている。

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2008年11月18日

文語と口語

 爪句集出版のため爪句の原稿を整理していて、文語と口語の問題に足を捕られている。写真に爪句「新しい 歌碑秋の日に 輝いて」は口語体。「新しき 歌碑秋の日に 輝きて」は文語体。「新しき 歌碑秋の日に 輝いて」は文語と口語のちゃんぽん。さて、どれを選ぼうか、という問題である(このように問題を設定するのが正しいのか、そうでないのか確信は持てないのだが)。

 口語で国語を習ってきても、頭に刻まれた詩歌の類は文語体のものも多く、文語はそれはそれで調子がよい。さりとて、文語で押し通すと古臭い感じもする。第一文語を正確に使えない。

 こうなると、自分の言語感覚に頼るしかないのだけれど、「爪句」作品などと身構えて考え出すとこの点が気になってくる。こういうところにトラップされると物事は進まなくなる。なんでもお手本をなぞるやり方は、お手本というトラップ集から抜け出られなくなる。

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2008年10月27日

スールストロミング

 当別町にスウェーデンヒルズと名づけられた地域がある。スウェーデンハウスと呼ばれる、北欧を連想させる住宅と芝生の庭で統一した家々が造られた団地から命名されている。スウェーデンの名で同国とのつながりがあり、秋にはスールストロミングの試食会などもある。この食べ物はニシンの発酵食品で、その臭さが話題になるものである。怖いもの見たさ、いや食べたさで集まった参加者は、庭で缶詰を開けるところを先ず撮影している。噂に違わない臭いが辺りに漂ってくる。

缶の中 発酵ニシン 出番待ち

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食すより 撮るが先なり この臭さ

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 人間達の行動はとても理解できないし、試食会の行われている庭のこの寒さでは、バッグの中で静かにしているのが一番、という参加者もいました。

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2008年04月09日

守ってくだサイクル

 自転車に関する交通規則が新しくなり、それに関連して地下鉄の駅に注意項目が掲示されていた。掲示のコピーが「守ってくだサイクル」と駄洒落なのだが、なかなか面白いので写真を撮っておいた。丁度折りたたみ式自転車を地下鉄で運ぼうとしていたので、タイミングが良かった。

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 自動車ばかり乗っているとメタボ検診にもひっかkりそうなので(確実にひっかるだろう)、道の雪も解けたことでもあるし、自転車で街まで行くように心がけ出している。少し高いところに住んでいるので、街の中心部まで出るのは下り坂でよいのだが、帰りがこわい(北海道方言)。で、地下鉄で自転車を運ぶことになるのだが、自転車を折りたたんで携行バックに入れるのが面倒である。ヨーロッパのように列車や市電に自転車をそのまま持ち込める車両があれば便利なのだが・・・

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2008年02月24日

爪句論

 狸小路で托鉢僧が立っていました。一枚の写真からはこれだけです。この写真が生きてくるのは、これがテーマ性を持つ時です。森羅万象を膨大な枚数の写真(あるいは動画)で記録したからといって、テーマ性がなければガラクタ箱をかき混ぜただけです。テーマの世界線(相対論みたいですが)が時空間の一瞬の記録である写真を貫く状況を考えると、無数の世界線が一枚の写真を貫いています。それぞれの世界線の方向は一枚の写真からだけなら推測するより他にありません。

 修行、僧、繁華街、狸小路の一日、天蓋、照明、衣装、etcと世界線(テーマ)が設定されていて、そのある一枚が提示されている、ということであればこの一枚の写真は他の写真(あるいは文章)との関わりで生きてきます。そうでなければ、これは何ということもないただの写真です。

 爪句も写真と一緒になりテーマ性が少しは出せるとよいのですが、一枚、一句ではこれは難しい。普通の俳句では5・7・5の文字だけでこれを行っているのは、文芸というテーマ性にくくられた創作活動というところにあるのかな、と思っています。いくらでも5・7・5の並びの句なぞ作れるのに、これは俳句ではないといった漠然とした基準がどこにあるかといえば、このテーマ性を感じとれるかどうかにあるのかもしれません。

 近い将来、この写真を生かした(生かせないかもしれないが)爪句集の出版を考えています。それは編集することにつながります。爪句は写真の整理が根底にあり、編集とは整理が最初のステップです。爪句は最終的には出版までを含む創作活動と捕らえています。最終的な出版で表現したテーマが読者に納得してもらえるなら、表現者(最近の言葉ではクリエータか)として成功しているし、そうでなければ失敗していることになります。

天蓋の 下に僧居て 修行の場

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2008年02月09日

宇宙船 着陸したかと 札幌ドーム

 昨日(2月8日)の道新(夕刊)に爪句集「爪句@札幌&近郊百景」の紹介記事が載りました。記者氏は今年の初め「2008年初夢物語」の企画記事を担当していただいた方で、著者の周辺情報も紹介した記事で、カラーのものでした。記事には爪句が2句紹介されていて、表題のものはそのうちの一句です。他紙には取材されてもその後紙面に載っていないので、今回の記事は世の中に爪句とは何ぞやを知ってもらう上では大変よかったと思っています。

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 先の句の対象(札幌ドーム)の雪像が今開催中の雪祭り会場にありましたので、ついでに一句。

 雪祭り 機体雪製 宇宙船

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2008年01月27日

ベゴニアの 会話の外は 白世界

 昨日は大雪で朝から雪かきでした。冬場は散歩もしないので、ちょうどよい運動ではありますが、それにしても降りしきる雪を見ていると、日常の事とは思えません。外の雪を見て、一日爪句の整理(つまりは画像の整理)を行っています。

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2008年01月23日

現代の チャン・フン・ダオは ビル率(ひき)い

 ホーチミン市内で巨大なブロンズ像が目に付く。サイゴン川の傍のメリン広場にある像に名前にTran Hung Daoの文字が見える。しかし、ベトナム語に通じていないのでこの名前が発音できない。インターネットで調べるとチャン・フン・ダオ(陳興道)将軍(1266~1300)で元軍が攻めて来たいわゆる元寇からベトナムを守った英雄である。ベトナムの一体性のシンボルとして建てられているとの話を聞いた。現代の将軍の像は大きなビルを率いているように見える。

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今もなお 元寇見張り 越南地

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2008年01月22日

売り娘(こ)まで ベンタイン市(いち)は 花に見せ

 ホーチミン市で泊まったニュー・ワールド・ホテルから歩いて5分ほどのところにあるベンタイン市場は1914年にフランス人により建てられたものである。市場の正面入口には時計塔があって、これが市内最大のこの市場のシンボルとなっている。建物内に入るとありとあらゆるものが並んでいる。品物が通路を狭め、ところによっては人一人しか通れないほどまでになっている。裏に面した入口には花屋が並んでいて、バラやユリの定番の花に混じり、南国の花が並んでいる。

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溢れ花 人吸い寄せて 市(いち)の道

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2008年01月18日

大連は 朝靄(あさもや)の中 陽の弱き

 ホテルの窓から見下ろす大連の街はうっすらと雪化粧です。昇る太陽も朝靄の中で光が弱く、北国の都会が目の前にあります。ここで情景の写真を載せることができればこの投稿は完了するのですが、PCに画像処理ソフトがインストールされていないので帰国後に写真を加えることにして、爪句だけの投稿です。

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2008年01月17日

史跡なり eシルクロードの ロゴありて

 この言葉で表されるプロジェクトは2000年の11月の韓国からの札幌IT産業視察団への対応にその端緒があり、本格的には2001年に開始されている。「サッポロバレー」発でアジアのIT先進都市を結んで現代の交易路を開拓するのをこの言葉に込めている。2001年にJR札幌駅前に進出してきたビックカメラ・ビックピーカン店がこの理念を店の内装に取り入れた。プロジェクトが終了してもこの内装は残っていて、札幌の情報産業史の史跡のようにも思えてくる。

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IT店 eシルクロードの 文字の見え

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2008年01月14日

住宅街 奏でる乙女 一人弾き

 中央区宮の森の札幌彫刻美術館と別館の本郷新記念館に続く住宅地街の道が宮の森モール~彫刻の道として整備されたのが1988年で、これに合わせて本郷新の「奏でる乙女」のブロンズ像が、道の分かれるところの木の下に設置されている。道路は一部赤レンガを使って舗装されていて、住宅の赤レンガの塀と調和を取っている。この道は1989年に第4回札幌市都市景観賞を受賞している。受賞記念のプレートがブロンズ像の近くに設置されているけれど、文字は消えかかっている。

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風化する 彫刻の道 景観賞

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2008年01月13日

ビルの上 空間開け 貸し画廊

 JR札幌駅南口から延びる西3丁目の大通りに面して北3条の角に円筒形の大同生命ビルがある。このビルのらせん状階段を登っていくと、テラスが開けている。都会のど真中に人影の無いこんな空間があるのは驚きである。テラスには大同ギャラリーの入口があって、近くに本郷新の「鳥を抱く女」のブロンズ像がある。本郷新はこのモチーフの彫刻を色々形を変えながら制作している。本郷新記念館の前に置かれている「鳥の碑」もこの連作につながるものの一つであろう。

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鳥を抱く 女迎えて 画廊前

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2008年01月12日

穴の中 過ぎる姿に 夢の妙

 JR札幌駅東コンコースの南口に安田侃(かん)の「妙無」と題された白大理石の彫刻がある。安田は1945年に美唄市に生まれて、イタリア政府招待の留学生としてローマ・アカデミア美術学校で勉強している。安田の作品はイタリア産の白大理石を使った丸みのある造形に特徴があり、知事公館の庭の「意心帰」、中島公園の「相聞」などがある。これらの作品名は意味が理解できない。場所指定に利用する場合などは作品名ではなく、「穴の空いた石」などの言い回しとなる。

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場所指定 穴空き石と 便利なり

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2008年01月11日

お天気で 外出ませんか 猫誘い

 近所の家で野良猫に餌を与えていた時期があった。町内会の回覧板に、野良猫に餌を与えないで下さいと書かれていてもこの餌やりは続いていて、常時3、4匹の猫が辺りを俳諧していた。猫は家の前に佇むと餌にありつける習慣を身につけたせいか、ベランダのドアを開けておくと家の中を覗き込む。しかし、野良猫なので人が居ると家の中には入ってこない。冬には餌にありつけないせいか、窓の半分まで積もった雪の上から室内を覗いて、唸り声を上げていた。

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大雪で 食べるもの無く 猫唸り

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養蚕の 研究建屋 最古なり

 北大のキャンパスは1901年(明治34年)都心にある時計台周辺から現在の敷地に移転している。その時に建て替えられた校舎で最古のものがこの木造平屋建ての建物で、札幌農学校昆虫及養蚕学教室であった。国指定の有形文化財に指定されており、現在は「エルムの森」の愛称を持つ、北大訪問者への情報提供を行う交流プラザとして利用されている。今の時代平屋建ての建築物が利用されるのは敷地等の余裕がなければ出来ないことで、この点北大は恵まれているといえる。

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2008年01月09日

ゼラニウム 赤白混ぜて 茜色

 窓の外の景色は季節で変わる。それも同じ場所とは思えないくらいの変わり様である。窓の棚に置かれた草花もこの変わり様には驚かされるだろう。遠くから朝日が建物を茜色に染めて一日が始まる頃、それを窓越しに眺めている様子のゼラニウムの花の赤と白を混ぜ合わせると茜色に近づくのだろうか、と思ってみる。茜色に変わる街を見た窓が、雪の多い年には白で覆われるようになる。窓際の鉢植えの草花の緑が、かろうじてこの雪の白の猛威をガラス越しに押し止めている。

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迫る白 鉢の緑が 押しとどめ

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2008年01月08日

建物も 紅白合戦 駅近く

 JR琴似駅北口にあるこの赤レンガの建物は1929年に日本食品製造合資会社(日食)の缶詰工場として建てられました。「日食コンカリーニョ」の名前のフリースペースで演劇活動に利用されていて、JR琴似駅周辺の再開発で一時移転されていたものが地上40階のマンションの完成に合わせて現在のところに戻されています。レンガ館には三角山放送局のスタジオが入っています。レンガ館から見上げる136mのマンションはさすがに高く、西野の拙宅からも遠望できます。

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2008年01月03日

爪句集-軽川

 昨日は本格的な雪で、これから3,4ヶ月は雪との生活です。まあ、そのうち春が来ますし、爪句集から春のテーマを拾って転載しておきます。爪句は凡作とは思いますが・・・

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 軽川の桜つつみには桜をデザインした車止があります。冬の間は雪に埋まっていることだろうと思っています。

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2008年01月02日

パノラマ写真

 前日に掲載した北大博物館の建物を含むパノラマ写真は、水平方向に直線状に合成できません。手持ちのカメラで方向を変えながら撮った写真を合成する場合、水平方向の上下のずれが影響して合成写真が蛇行するためだろうと思っています。ただ、蛇行するパノラマ写真も面白いと思って、三脚を使わず撮影しています。

 地平線がはっきりする風景では、この地平線を基準に手持ちのカメラの方向を変えて行けるので、蛇行しないパノラマ写真が撮れます。その例を北大農場のポプラ並木の風景で示します。なお、ポプラ並木は2004年秋の風台風で倒れたものは若木のポプラに代えられて、並木が片側にしかないように見えます。

 陽の低く 影絵並木に 凍る道

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 名声も 片肺飛行 倒木後

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2008年01月01日

大晦日 見学者無く 博物館

 今日から新しい年なのだけれど、昨日と変わることもなし、といったところです。身近な秘境を歩こうの講座で尋ねた北大の博物館の写真を大晦日に撮りに行ってきました。
 
 北大の博物館は2001年秋に北大創基125周年にあわせて創設されています。建物は元々理学部に属していて、北大の中では農学部と並んで格調の高い建物です。建物を入った正面に階段があり、二階に上るとアインシュタイン塔と呼ばれる部分があり、その名前の由来の説明が掲げられています。昔は廊下に研究活動に関連した色々なものが置かれて、狭くて暗い廊下だった記憶がありましたが、博物館に衣替えした現在は展示物が廊下にあるものの、すっきりした感じがします。

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2007年12月30日

爪句集の最初の見開きページ

 出版した(出版日は元旦ですが)爪句集の最初の見開きページを画像データでアップしておきます。1テーマ(ここの例ではサクシュコトニ川で1景)で2ページ(つまり写真2枚)を使い、この2ページでハガキ1枚分の大きさです。豆本で小さなため、ポケットに入れておいて知った顔に出会うとついつい只で進呈してしまいます(もらう方も小さいものだから気楽でしょう)。しかし、値段は1冊400円(高くはないと思っています)なので、10冊も配れば4千円になって、出版の経費の回収を気にするとこれは問題かと思っています。

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2007年12月26日

爪句とは何か

 「爪句@札幌&近郊百景」の豆本を出版しようとしていて、この「爪句」とは何かの説明を豆本に書いてあります。その説明のページを画像データで載せておきます。
 
 本(豆本でも)の出版で頭が痛いのは在庫が残ること(つまり売れないこと)です。少しでも在庫を減らすべく、このブログに宣伝がてら爪句の話題を出しています(適切な喩えはが浮かばないのですが、この努力は、蟷螂の斧のような感もあります)。

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2007年12月20日

爪句の校正

 爪句の最終校正(色校)を終わりました。後は印刷を待つだけです。本のタイトルは先にブログに出した「爪句@景観百選」から「爪句@札幌&近郊百選」に変えています。漠然と景観とするより地名が入った方が本を買ってもらう読者に訴えるものがある、の意見に従いこの書名にしました。

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 最終校正(色校)の段階での校正刷です。豆本であるため、ハガキ半分が1ページのものが並んでいます。出版日は1月1日にしました。本屋に並ぶのは1月10日頃になる予定です。

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 昨日10回目で最終回の秘境を歩こう講座の受講者がにの爪句集を一番最初に手にするはずです。秘境を歩こう講座の受講者の皆さんが最後に昼食会に招待してくれたので、そのお礼も込めて爪句集を送る予定です。
 それにしても、毎回8割以上の方々が参加していて、最後には昼食会を企画していただくとは、現在只で行っている勉強会の出席率が5割を切って、私の方が最後のパーティを企画することになるのと比較して随分違っていることだな、と思っています。
 秘境を歩こう講座は文化教室から4月からの講座企画の依頼があって、今回行けなかった札幌の秘境に加えて、小樽、江別あたりを加えてたコースを設定してみようかと考えています。「札幌&近郊」の秘境を歩こう講座です。私も結構この講座を楽しんだところがあるので、春から夏にかけての秘境巡りは又面白いだろうと思っています。
 

2007年11月25日

北を指し 冬の翼で 飛ぶ少女

 「爪句@景観百景」に採録した爪句です。JRタワーが背景になっていて、面白い構成の写真となっているとは思うのですが・・・

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2007年11月04日

地下街で だるま仕立てが 晴れ舞台

 文化の日(11月3日)にオーロラタウンを歩くと菊祭りが行われていました。丹精を込めて作られた大輪の菊が並んでいました。だるま仕立て、福助仕立てと分類されているのは、だるまや福助人形に似ていることから来ているようです。いわれるとそんな気もしますが、形が似ているかなあ、とい感想も出てきます。菊の場合、だるまと福助の違いは花の背の高さと三本仕立てか一本かにあるようです。

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 菊の栽培を行っている農家では、菊展に出品しなかった(あるいはし終わった)菊は花を摘んでしまうようです。摘み取られてた花球を捨てないで、一時観賞用にか畑に刺しておかれるのを目にします。見方によれば晒し首のようにも見えて、花が見事な分異様な感じもします。摘み取った花は惜しまず捨ててしまう方がよいのかもしれません。何か人の身の処し方にも通じるところがあるような気もします。

 役目終え 花球(はなだま)だけが 畑に咲き

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2007年11月03日

爪句

 札幌の秘境を歩こうの担当講座ではツアーコンダクターのような役目で、それなりに事前準備を行います。次回は大通の彫刻巡りを予定していて、彫刻の写真を拾い出してレジュメ作りを行っています。それに利用している画面の一部のコピーです。ここで、画像のファイル名に句があります。これを造語で「爪句」と呼んでいます。何で爪句なのかは次に出版を予定している(多分年内に出版できると思っています)爪句集に説明を書こうと思っています。

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2007年11月02日

学生時 止まり見上げた 記憶なし

 北大13条門から工学部まで続くイチョウ並木の写真が新聞に出ていたので、写真を撮ってきました。生憎天気は良くなかったのですが、イチョウ並木を見物に来たり、写真を撮りに来ている市民を見かけました。テレビにでも放送されていて、昔からこの見事なイチョウ並木があったと取材者が言ってましたが、学生の頃この並木に人が集まっていた記憶はありません。

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 イチョウ並木が黄色い頃に雪がふったりすると、これは見事です。以前は写真にはあまり興味がなかったのに、以前撮った写真が一枚残っていました。

イチョウの黄 残る緑に 雪の白

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2007年10月31日

この季節 普段着景色 黄金(こがね)織り

 朝の散歩道の景色です。普段は単なる山道なのですが、う~む今朝はきれいだった。

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2007年10月29日

プリズムの 分光するか 色並び

 紅葉、黄葉の季節はもう終盤を迎えています。自宅の周りの秋を記録しておこうと、散歩時にカメラをポケットに入れて気に入ったところで立ち止まり、一時の写真家になっています。

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 早朝は犬の散歩の人をちらほら見かけます。朝の気分を壊さないように、他の散歩者に飛びかかったり、糞を残していったりしないように、と犬を飼っていない側の者の願いです。

 犬は地に 人は木の葉に 泳がす目

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 「霜葉は二月の花より紅なり」と詠われていますが、霜が降りずとも、この紅色は花に勝ります。

 紅葉は 色花に勝ち 霜無くて

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2007年10月26日

アカナラは 夏着のままで 秋深く

 植物園はやはり木について書いておかねば、と巨木なんかの写真を載せておきます。30mはあるだろうアカナラの大木は、葉がまだ緑でした。周囲の木は紅葉が始まっているのに、寒さを感じるのが遅いのかな、と思ってしまいます。

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 これは「ムラサキセイヨウブナ」の木です。木肌が滑らかな巨木ですが、ブナの木の仲間はいずれもこんな木肌でしたか。木の名前を分解して

ムラサキに セイヨウ加わり ブナ科の木

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 この季節紅葉が見事な木は晴れ着姿のようで、そこにばかり目がゆきます。街の中で晴れ着姿を目にすると、その空間が誇張されて見えるのと同じです。もっとも人間の場合、着ているものより人そのものに目が行くというのも事実なのですが・・・

 取りまく木 晴れ着姿に 場所を空け

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2007年10月24日

溶岩の 飛び散ったかと カメラ向け

 今年の紅葉は見事です。例年とあまり変らないのかもしれませんが、周囲の紅葉から判断する限りでは、昨年よりはきれいです。

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 落ち葉もどんどん地面を埋めて、やがて土に戻っていきます。落ち葉にとっては一夏の思い出だけだったでしょうが。 

 一夏の 記憶を土に 戻しけり

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2007年10月20日

輝きは 木の間の隙間 穴(あな)一穴

 今日の天気は荒れ気味で、これでは朝の散歩は無理のようです。昨日の朝は良い天気だったのに。天気の良い時に採った散歩道での日の出です。

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2007年10月19日

レンガ焼く 火が木を燃やし グリーンモール

 江別のグリーンモールはレンガの歩道が続いています。グリーンの文字がありますが、この季節ここの木々は赤く染まっています。写真の木は坪松一郎の「子供盆おどり唄」の歌碑のすぐ近くにあります。

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2007年10月17日

秋深く 菌も演出 天狗色

 散歩道で目にしたきのこです。ベニテングダケではないかと思うのですが、はっきりしません。いかにも毒きのこ風で、当然食べもしません。

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 きのこはよく目につきますが、名前になると調べてみる気も起きません。きのこの写真を撮っていた人に出会ったのですが、きのこには名前のついていないものが沢山あると言っていました。本当かな。

 落下傘 下りたところが 木屑道

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2007年10月13日

この季節 三原色は アールジーワイ(RGY)

 朝の散歩道宮丘公園の紅葉も始まって、まだ紅葉していない緑の葉とのコントラストの見事な季節です。色の三原色はRGB(赤、緑、青)と言っていますが、紅葉の季節ではRGY(赤、緑、黄)がよいようです。

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2007年09月27日

オンコの実 宝石かなと つまんで見

 秋はすぐそこまで、という感じです。気温が急に低くなる日が現れてます。リンゴのような成り物の木が目立ちますが、オンコの実も日光の当たり具合で鮮やかです。

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 道路脇にあったほうき草から鶏頭(紐鶏頭らしい)がはみ出している様は、天狗の面のようにも見えます。

鶏頭は 天狗の鼻に 擬態して

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2007年09月12日

登りたる 山を朝日で 確かめつ

 朝散歩しているところから西野の街と、それを取り巻く山々を撮っています。三角山とか五天山などの登った山を推定していますが、山の形からは確信が持てません。

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 我が家の屋根も見えるのでズームの写真です。小型のデジカメですが、ズーム、接写、パノラマと種々の写真が撮れて、デジカメもここまで機能が揃っているか、と感心するばかりです。

我が家に 朝の射光の やわらかく

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2007年09月07日

陽(ひ)を真似て 花弁はコロナ 種光球

 台風が北海道にも接近中で、雨風の前に明るい陽のもとの写真です。

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2007年09月06日

新川を 下るもみじ葉 上る鮭

 橋の欄干の飾りです。札幌市の新川に架かっている橋です。この他にも色々あります。

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 石狩市庁舎の近くの樽川橋のものです。

 樽川の 土手のハマナス 橋に乗り

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 札幌市の新川に架かっている天狗橋のものです。

 天狗橋 鼻高き人 名を残し

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2007年08月28日

島松の ここが駅逓 蓮一輪

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 蓮の花が散った後に残る実が蜂の巣に似ているので「ハチス」と呼ばれれることを知りました。「はちす」とカナ漢字変換をすると「蓮」が出てきます。

 駅逓で トンボ休むか ハチスの実
 
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2007年08月22日

サギ草の 羽ばたくのかと じっと待ち

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2007年07月28日

探検お休み

 今朝は久しぶりに雨です。週末の秘境探検に出かけずデータ整理です。天気の良い日に撮った花の写真です。 

コスモスの 咲く夏の朝 秋の息

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夏の青 花から空へ 色の染む

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延焼の 花火炎あり 狭き土地

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