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2009年12月09日

都市散策講座の今期の終了

 道新文化センターの「身近な都市秘境を歩いてみよう」の今期の講座は、本日(12月9日)が最終日である。最終日なので、座学にして、これまで歩いたところを振り返り、都市秘境探索に関する話題などを、パワーポイントを用いて説明する。
 講座の参加者は16名で、皆勤の参加者は2名居られる。最終日ということで、昼食会となる。しかし、昼食会の様子の写真を撮るのを失念した。で、昼食会のレストランの入口の写真だけをアップしておく。

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 この講座、最初は1,2期で終わるかと思っていたけれど、5期まで続いている。次回の6期目は来年の4月からである。講師の方としては、4月までに見て歩く場所の下調べを行うことになる。この講座は「都市秘境作家」としての著作の取材も兼ねていて、講師役としては得るものが多い。さて、参加者の方は講座を通して得たものがあっただろうか。

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2009年12月03日

寺巡り

 都市秘境散策講座の9回目(12月2日)はススキノのお寺巡りである。まず、新善光寺から開始で、浄土宗のこの寺の境内にある、天然石菩薩像を見る。境内には石庭もあり、このお寺の境内は石が売りのようである。

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 本堂や阿弥陀像を見せてもらう。阿弥陀像は平安時代の作といわれていて、仏師の名前がわかれば、国の重要文化財として登録できる代物である。三面六脾の阿修羅像や骨仏けの像も見学する。

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 続いて、曹洞宗の中央寺の本堂を見学する。立派な本堂である。このお寺の山門には仁王像が安置されている。
 中央寺から真言宗の成田山新栄寺に行く。愛染(あいぜん)明王の像や大師堂を見る。この大師堂は、北海道八十八か所の九番目札所である。札所の大師堂前で記念撮影である。写真を撮っているのは筆者であるので、写真には写っていない。

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 新栄寺の地下の光明殿には、四国八十八か所を擬した周り通路があり、蓮の花の踏み円を踏んで、八十八か所巡りである。光明殿の中央には、極楽を模して仏像の集めて安置した蓮の台が置かれている。

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 お寺巡りの最後は豊川稲荷札幌別院である。ここは曹洞宗玉宝禅寺というお寺なのだが、お稲荷さんを祀ってあって、寺というより神社である。奉納されていたお神酒にはご神前と書かれていたので、これは神社である。でもお寺である点がよくわからない。本堂の天井には円が描かれていて、中に干支の動物がいる。

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 天井全体の図があるけれど、円は11個しかない。干支のうちどれが欠けているか、参加者に問題をだす。全員でしばらく見ていて、馬との答えが返ってくる。筆者も最初に見た時は馬が居ないことに気がついた。しかし、干支の天井絵を紹介していて、馬だけが居ないのは、それでよいのだろうか。で、この問題の正解は別のところにあって、最終的には参加者もそれに気がついた。これは面白いことを見つけたと思っている。

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2009年11月26日

札幌秘境探索8回目講座

 この講座の8回目は11月25日で、大通公園に沿ったコースを選んだ。地下鉄大通バスセンター前駅に集合で、ここから内田洋行のショウルームを見学である。参加者は、展示されているオフィスの机や椅子に興味を持ったみたいで、予定の時間を少々超過である。

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 展示ルームの撮影禁止マークが、当方の定義では禁止逆マークになっていたので、このマークの写真撮影である。このショウルームは一般市民にも開放されていて、一見の価値がある。

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 ショウルームから現在行われている地下通路での500m美術館を歩きながら見学する。
 大通公園に出て、豊平川水位表示塔、テレビ塔のモニュメント、その他の彫刻などを見ながら西に進む。
 途中、聖恩碑で噴水の面が、蘭陵王(らんりょうおう)の故事からきていることなど説明をする。聖恩碑に彫りこまれた文字「聖恩無彊」を、天皇の恩は無窮を意味していると説明したけれど、参加者から「彊」が中国の「新彊」の文字と同じである点の質問がある。「彊」は境の意味があって、これは天皇の恩には境が無く、どこまでも広がっている、と解釈した方がよいのではないかと気がついた。
 大通公園に面した小学館ビル前にはガラスのピラミッドがあって、その底辺が正確に東西(南北)を向いていて、大通の東西方向が少しずれているのがわかるようになっている。コンパスを置いて方向を調べてみたけれど、大通と直角の方向に磁針が向いて、ピラミッドの東西の方が不正確なように見える。多分、これは地下の電気設備等からの磁場が影響しているのではなかろうかと思えた。なお、ピラミッドの中には安田侃の大理石の彫刻が設置されている。

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 コースの最後は今やボーかロイド「初音ミク」で全国(いや全アジアというべきか)に社名が広まっているクリプトン・フューチャー・メディア社の見学である。説明は同社の伊藤博之社長で、音をビジネスにしている点のわかり易い話をしてもらう。その後、ボーカロイドのさわりのデモンストレーションがあった。大通公園に面した、ビルのワンフロアーで、こんな技術の会社があるのは、一般の市民には秘境に見えるだろう。

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 爪句の豆本を参加者全員の配っていて(参加者の多くが共著者であるので)、講座終了後に、この豆本爪句集が紀伊国屋書店札幌本店で棚に並べられているのを確かめてきた。毎回出版時に平積みで並べてもらえ、爪句豆本コーナーも出来ているので、売れずとも(売れなければ書店側は困るだろうけれど)満足である。そのうち爪句の家元になろうかな、と夢想している。
 なお、共著者のお一人の方のブログにこの爪句集豆本が記事になっている。このブログには、毎日大量の記事が書かれていて、ブロガー種族(当方も属するのかも知れないけれど)という、ある種の生活習慣を持った種族として分類できそうである。その種族の分類の定義は、となると考察も必要なのだが、まあそのうちに。

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2009年11月19日

秘境探索講座7回目

 この講座ももう7回目である。今回(11月18日)は地下鉄南北線の北24条駅集合で、ここから歩く。旧札幌飛行場の正門跡と坂坦道の「風雪」碑を見学する。確か、この辺りに坂のアトリエがあったと聞いていたけれど、坂の苗字の家もない。坂の娘さんが陶芸家と聞いていたので、「風雪」碑の近くに陶芸教室があるので、あるいはそれなのかなどと話をしていると、件の家から人が顔を出す。

 話してみると、これが坂家の加藤和何子さんである。アポイント無しだったのだけれど、陶芸教室の「陶工房 空」の中を見せてもらった。陶芸の作品の小物が売られていて、皆さんまたまた買い物モードに入る。つられて当方も一輪差を買い求める。

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 かつて、この家のアトリエには坂の作品が保管されていたのが、坂の石川県の郷里の町に寄贈されてしまって、現在は作品は何も残っていない。唯一、残っているものとして見せてもらったものが、羊ヶ丘のクラーク像の制作過程での、手の部分の石膏の型を樹脂で固めたものである。新聞紙にくるめられていた。

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 次に北大第二農場の一画にある北大馬術部に寄ってみる。部員は誰もいなくて、馬だけが厩舎から顔を出していた。馬場近くに擦文文化に関わる竪穴式住居の遺跡がある。

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 さらに歩いて、札幌工業高校の同窓会の会館、札工会館を見学する。歴代の同校の校長の油絵が並んでいる部屋で、同校の歴史などについての説明を聞く。

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 札工会館には、同校のOBの西田信一元衆議院議員の資料室がある。同氏は札幌冬季オリンピック大会では担当国務大臣を務めている。

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 札工会館からは、エルムトンネルの上を通り、遠友学舎を見て、ここで散会となる。雪もぱらついて、寒い午前中の散策であった。

2009年11月12日

都市秘境散策6回目講座

 都市秘境散策の6回目は11月11日で、地下鉄東西線の豊平公園駅に集合、ここから出発です。駅から地下通路を通り、きたえーるに出て、南部忠平コーナーなどを見ました。南部が、ロサンゼルスオリンピックの三段跳びで優勝して得た金メダルが展示されていましたが、錆びついたのか、金色ではありませんでした。

 続いて、豊平公園で、黄葉の盛りは過ぎていましたが、紅葉のきれいなモミジが残っていて、公園に来ていた写真愛好家達も、巨大なレンズつきのカメラで盛んに写真を撮っていました。

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 豊平公園内にある緑のセンターを見学で、雪の降った屋外とは一変して、室内に色々な花が咲いていました。ポインセチア等の鉢物の花も販売されていましたが、さすがに抱えて歩く訳にもゆかず、あきらめ顔の参加者も居ました。

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 札幌一面積が小さな公園(91㎡)の銀河公園を見ました。名前は銀河公園と広大なものが付けられているところが面白い。二番目に小さな公園は西区にある中立北公園で、こちらは95㎡です。こちらも取材していますが、機会があればアップします。

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 デジタル創造プラザ(ICC)に行き、札幌経済局と民間の共同運営のこの施設が取り組んでいる、札幌のメディア産業振興の話を聞きました。説明は同施設のチーフコーディネーターの久保俊哉氏で、同氏は札幌国際短編映画祭の元締めでもあり、同映画祭の紹介もありました。クリエーター養成やメディア産業振興に関するホットな話が聞けました。

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 ICC内の施設をざっと案内してもらいました。図書室には映画に関する雑誌のバックナンバーなどがそろっていて、ここは図書施設の秘境です。料理番組撮影のスタジオで説明する久保氏(右)です。

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 ICCからは歩いて白石サイクリングロードを横切り、地下鉄東西線の東札幌駅に出て、ここで散会です。札幌もいよいよ雪の季節に入りました。

2009年11月05日

都市秘境探検講座5回目

 第5回目の今回は、地下鉄南北線澄川駅集合で、歩いて札幌大学まで行きました。大学では新装なったばかりの、埋蔵文化財展示室を見せてもらいました。第3回目で、道の埋蔵文化財センターを見学しているので、その時仕入れた知識もあり、展示された文埋蔵化財の解説を学芸員の方から聞きました。

 写真の手前に写っている頭蓋骨はレプリカで、本物ではあrません。

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 黒曜石の原石を用いて、同大の学生が作った石器などの展示もありました。縄文時代や続縄文時代の土器も展示されてあります。

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 続いて、山口文庫の見学です。この文庫は、同大で教えておられた、山口昌男教授が寄贈した書籍を基に作られたものです。4,5万冊の本があって、現在リスト作りが行われています。

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 雑多な本があって、「少女世界」の本を取り出して見ていた参加者がおりました。

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 本が部屋いっぱいにあり、通路が狭いところに、10名ほどの参加者が入ると、身動きが取れませんでした。

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 札幌大学からは、月寒川沿いに歩いて、途中、私が調べたところでは、札幌で3番目に小さな西岡大和南ちびっこ公園(96㎡)を見ながら、地下鉄東豊線の福住駅に出て、ここで散会です。

2009年10月29日

秘境散策講座

 10月28日の秘境を歩こうの講座は、JR学園都市線の拓北駅集合です。今回は藍の道を巡るコースでしたが、何かショッピング・ツアーのようになってしまいました。

 参加者の一人のAさんが、この辺りの住人で、名前のそれなりに知られたパン屋がある、との紹介で、このパン屋に寄ったのが手始めでした。皆さんパンを買っていました。パン屋は伊久里といいます。

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 次に、農家の野菜の直販の前を通ってここに寄り、各自何やら購入です。産地直売だけあって、安いそうです。私はここでは何も買わなかった。

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 目的の藍の道の看板のある通りに出て、この地に藍の生産を導入した滝本五郎の顕彰碑や農民歌人の雨宮頼母の歌碑などを見ました。北区に多く見られる、五角柱を目の前にして、解説を行いました。台風も通過後の晴れた日で、終わりかけている黄葉もきれいに見える日でした。

 近くの興産社の馬頭観音像も見ました。

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 途中、ぺけレット湖があるのですが、これはレストランの私有地内にあり、レストランで食事を摂らねば見ることができないので、レストランの前を見学しただけで移動です。

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 今度は、また農家の直販店にひっかかってしまいました。とうきび、食べるホオズキ、菊芋なんがが売られている。ここでまたまた皆さん買い物に走る。とうきび一本40円では、私も手がのびる。とうきびは茹でなくても、電子レンジで調理できると教わって、帰宅して実践です(実践者は私ではないけれど)。

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 狭い直販の小屋がいっぱいになり、農家は急に現れた買い物客集団に面食らったのではなかったかと思っています。

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 帰りは田園都市線の教育大学前駅から乗りましたが、一駅間を歩いたことになります。しかし、札幌~拓北260円に対して、1駅遠くなっただけで、教育大学前駅~札幌350円とは、何か釈然としませんでした。

2009年10月22日

道立埋蔵文化財センター

 10月21日(水)の都市秘境散策の講座は、江別市にある表題の施設の見学である。JR大麻駅から歩いて、同センターまで行く。今回の世話役は同センターの倉橋直孝氏で、同氏からこの施設の概要を説明してもらう。

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 見学対象は、このセンターのバックヤードで行われている、埋蔵文化財の整理や修復作業の現場である。今回は、黒曜石、骨、土器の3テーマで見学させてもらった。黒曜石については、鏃や斧を作った後に残された破片をつなぎ合わせて、もとの原石の形を復元する作業が行われている。

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 どの石塊からの破片かを判別して、これを組み立てると、加工前の黒曜石の復元に成功するものがあり、その例を見せてもらった。気の遠くなる作業である。

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 黒曜石の破片は、一つひとつがデータとしてラベル付けされ、コンピュータに記録されている。その記録のパソコンの画面を見せてもらった。以前このセンターを取材して記事にした拙著「江別・北広島秘境100選」がパソコンの傍に置かれてあった。帰り際、この本の署名を頼まれ、ちょっと作家気分になって署名である。

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 動物の骨から、かつて北海道で捕れた魚や動物を推定する作業が行われている。あごの骨の小片から、全体(魚)を推定する。壁に大きなひらめの骨格図があって、その顎の骨であると、重ねて見せてくれた。骨のような有機物は、酸性土に埋っていると、消えてしまうので、資料として残るものが少ないとのことである。

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 土器の復元は、土器片から行うことになり、膨大な数の土器片から同一の土器のものを選び出し、これを立体的に復元していく。これも又根気の要る作業である。土器の表面の模様を、魚拓ならぬ、土器片拓にして記録する作業も行われていた。復元した土器の小物やアクセサリーと思われるものが、実際どのように使われていたのかを推測していく考察過程に、古代へのロマンを感じる。

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 このようにして復元された埋蔵文化財のごく一部が、一般の見学のために展示されている。こちらは何時行っても見学できる。

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 今回の見学は、普通にはなかなか覗くことのできない、秘境の作業現場で、興味深く、面白ものであった。今回の見学で説明等を行っていただいた関係者に、この欄からお礼申し上げる。

2009年10月15日

三角山登山

 「身近な都市秘境を歩こう」講座の2回目は三角山登山である。地下鉄東西線琴似駅から歩き始め、山の手の登山口まで30分で着く。登山口のところにストックがあるので、希望者はこれを手にして登山開始である。この日は曇ったり、晴れたりで、秋の天気であったが、雨にはならず、引率者としては、よかった、よかった、である。

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 ゆっくり歩いて40分程度で山頂である。登山途中は先頭で歩いたので、写真も撮らずに山頂に着く。曇りなので、山頂からは、登山の証拠写真程度の写真しか撮らなかった。

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 最初、登山をしないとか、途中で引き返すとか言っていた参加者もいたけれど、全員が山頂まで登る。山頂で記念撮影である。

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 下山時に山ろくのリンゴ園に寄って、即売のリンゴを買い求めた。この時の写真も撮りそびれてしまった。

2009年10月08日

都市秘境講座ー阿部邸

 道新文化センターの「身近な都市秘境を歩いてみよう」の2009年秋の講座が始まった。現在の仕事は、と聞かれると、「都市秘境探検家」か「都市秘境作家」と答えているので、都市秘境探検家としては、道新文化センターの講座の講師は、現在の職業みたいなものである。

 講座も今回で5回目で、受講生(継続生が多い)が居るので続いている。今回は、最初に偕楽園緑地、清華亭を回った。清華亭の中を見学しているところで撮った写真である。

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 今回のメインのテーマは、北大構内に接してある、阿部邸の見学である。阿部邸の当主の阿部わか子さんが、由緒あるこの家とその祖先について詳しく解説してくれた。阿部邸の玄関を入ったところで説明する阿部わか子さんである。

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 応接室で、この家の由来等について、古い写真で説明していただいた。この邸宅は、木造の古い家が無くなっていく状況で、文化財の指定を受けてもよいものであると感じた。

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 拓北で藍の栽培と生産を行った滝本五郎(阿部五郎)が興した「興産社」の貴重は写真が披露され、阿部家が札幌開拓に深く関わった点に話が及んだ。テーブルの上にあるのは、市民グループが復活させた藍染の作品である。

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 阿部家当主の二代目に当たる阿部宇之八氏は「北海道新聞」のルーツ紙の一つ「北海新聞」の創刊に関わって、札幌区長(今の市長)を勤めている。市庁舎に阿部氏の肖像画が飾ってある。北海道新聞の社長を務めていた阿部氏の葬儀のビデオも見せていただいて、古い札幌の街並みを動画で見ることができた。