2007年08月31日
達磨寺巨大数珠
都市秘境探検のテーマ探しでは、大きな物というキーワードに副ったものを見つけるのが定石の一つになったようなところがある。札幌市では大鏧(だいきん)、小樽市では木魚のそれぞれ巨大なものを見つけて秘境に選んだ。今回、偶然にも巨大数珠というのを見つけた。
数珠があったのは北広島市富ヶ岡にある曹洞宗のお寺、正法山達磨寺である。北広島市の市街地のはずれを音江別川が流れていて、この川の両岸にゴルフコースが広がっている。このゴルフコースに行く道沿いにこのお寺がある。初めての訪問者が迷わず来るようにとの配慮のためか、道路脇に達磨の絵の案内看板が間隔を置いて立てられている。これらの看板に導かれて、お寺に辿り着く。
このお寺は元々は札幌市の中央寺とつながっていて、1998年に寺号公称の許可を得たとあるので、新しいお寺である。境内にプレハブを少し大きくしたような本堂があるので、覗いてみることにする。玄関を開けて内に入っても誰もいない。仏間には何故かビニールで包んだ達磨の置物が並べられている。お土産のようである。そこで達磨の置物と一緒に目にしたのが巨大な数珠である。
この数珠には製作年月が入っていて、平成18年12月吉日の文字があるので、作られたばかりのもののようである。数珠をつなぐ紐も見るからに新しいものである。これほど大きいと仏事に使われることはないだろうから、見世物用であろう。境内に大きな達磨の張子もあって、見世物グッズを揃えたお寺である。
境内には達磨庵という達磨のコレクションを納めた建屋があって、ここを覗いても人が居ない。しかし、あるはあるは達磨の置物で棚やケースが埋め尽くされている。このコレクションの小屋の横には「だるまじ寺子屋」の看板もかかっている。ここにも人は居ない。一体お寺の関係者はどこに行ってしまったのだろう。
人を見つけたのは「整体院一休さん」の看板が架かった小屋で、整体をやる男性が居た。どうしてここにこんな達磨のコレクションがあるのか聞いてみると、達磨の置物のコレクターが亡くなって、達磨の名前のあるこの寺にコレクションを引き取ってもらったとのことである。
整体院がどうしてお寺の境内にあるのかも疑問で、客は誰なのかも聞いて見たかったけれど、この質問をすると、言外に客の来そうもないこんなところでどうして開業しているのかと質問しているようで、これは遠慮して聞かなかった。近くのゴルフ場でプレーすると体を痛めて整体の注文があるのかも知れない。しかし、本当のところは分からない。