2013年06月30日
大学の付属施設のような北海道医療大学駅
利用客 見えぬ駅舎に 我が愛車
JR北海道の駅舎はあっても、駅名が示すようにここは北海道医療大学の付属の駅の観がある。乗降客もほとんど学生や大学関係者である。客は大学の建屋に直結する立派な通路を利用するので、駅舎に利用客は見当たらない。(2012・9)
- Permalink
- by 秘境探検隊長
- at 13:40
- in 爪句 ≫ 爪句@北海道の駅 ≫ 爪句@北海道の駅ー札沼線
- Comments (0)
2013年06月30日
利用客 見えぬ駅舎に 我が愛車
JR北海道の駅舎はあっても、駅名が示すようにここは北海道医療大学の付属の駅の観がある。乗降客もほとんど学生や大学関係者である。客は大学の建屋に直結する立派な通路を利用するので、駅舎に利用客は見当たらない。(2012・9)
駅員の 監視の目あり 線路脇
札沼線は桑園から北海道医療大学駅までは学園都市線の線路名があるように、学生や大学関係者の利用客が多い。しかし、石狩金沢から終点新十津川までは利用客は少なく、この区間で列車交換の出来る石狩月形駅で写真撮影である。(2012・9)
豆本に パノラマ写真 塩谷駅
塩谷丸山登山のためJR塩谷駅に降りる。出版ほやほやの爪句集豆本を同行のF氏に持ってもらい撮影である。F氏は、この豆本の謝辞でも触れているように、北海道全駅のパノラマ写真撮影プロジェクトの旗振り役である。(2013・6)
2013年06月29日
行く夏や 難読駅を 訪ねけり
この駅名を最初に目にすると、精々「ばんせいない」ぐらいしか読みが思いつかない。読みは「おそきない」である。三角巾の屋根を乗せた駅舎は、この路線の古い駅舎に共通のスタイルである。空の雲は夏も終わりを告げている。(2012・9)
2013年06月28日
歩く足 残像重ね 巨大なり
JR札幌駅1階の東コンコースに「Legs“旅人の残像”」と題された赤い直方体を組み合わせた造形がある。この作品名を知って初めてこれが歩いている足がテーマであることがわかった。作者は浅見和司で、公募に応じて採用された作品である。
人物の 呼び名確かめ 今裕(こんゆたか)
今裕は北大が帝国大学と称された最後の第4代目の総長である。胸像銘にあるように医学博士で、北大の医学部創設にも尽力した。加藤顕清作の胸像が医学部正面玄関横の草地にある。医学部関係者は別にして、胸像の存在は知られていない。
2013年06月27日
2013年06月26日
道新文化センターの「身近な都市秘境を歩いてみよう」の講座も10回目で、今年の最終回となる。最終回は「弥永北海道博物館」の見学である。
(「弥永北海道博物館」前の看板)
この博物館は館長の弥永芳子さんが創設されたもので、御歳94歳になる弥永さんから説明を受ける。頭脳明晰、言語明瞭で、どう見ても94歳には見えない。参加者は弥永さんの孫みたいな年齢と言われてみると、確かにその通りである。
この博物館に展示されているものは、弥永さんの研究資料として集めたものであるとのことで、単なる蒐集の結果ではない点が強調されていた。
(説明中の弥永館長)
元は貨幣の研究から出発していて、貨幣の収集品が多い。造られたけれど終戦で使われなかった貨幣などの珍しいものもある。終戦当時、金属も紙も不足して、焼き物の貨幣が造られた証拠品もあり、興味深い。
(貨幣について説明する弥永さん)
弥永北海道博物館見学終了後は北大構内のファカルティ・ハウスに行く。2Fの会議室にある新渡戸稲造の揮毫した扁額を見る。最終回なので、同施設の1Fにある「エンレイソウ」で昼食会となる。来年も講座がされば参加したい、という人が多かったけれど、さて体力と気力が年を跨いで持続するかどうか・・・
2013年06月25日
鹿討は 教会風で 待合所
鹿討という荒っぽい駅名でも、周囲は富良野の田園地帯が広がる。ホーム横の駅待合所は小さな小屋のようであるけれど、塔に似せた造りがあり、教会のミニアチュアのようである。ホームに置かれた花が好風景の助っ人である。(2013・6)
2013年06月24日
道新文化センターの講座も6月26日が最後で、その配布資料に載せるパノラマ写真をブログにアップしている(ブログに載せないとスマホで見ることができないので)。季節に合ったパノラマ写真がないと、季節はずれのパノラマ写真になってしまう。さて、ここはどこ。
愛車止め 教会然の 駅舎撮り
自転車の駅巡りでは、遠目で駅舎らしいものを見つけ出そうとする。富良野線に沿って国道237号を走っていて、小さな教会のような建物が目に入る。近づいて確かめると鹿討駅で、愛車を畑の脇に止めて撮影である。(2013・6)
(パノラマ写真)
2013年06月23日
降りる客 我一人なり 金華(かねはな)地
特急オホーツクに乗って石北本線の北見駅で下車。乗客の姿の見えない普通列車で折り返し駅の金華駅まで行く。この駅の北側に常紋トンネルがあり、撮り鉄の撮影スポットらしく、駅近くの線路脇で撮影する人の姿があった。(2012・10)
(パノラマ写真)
2013年06月22日
パノラマと ビデオの撮り合い 北一已
札幌テレビ放送(STV)の番組の「D!アンビシャス」の取材を受けたことがある。駅のパノラマ写真を撮る様子の録画のため、留萌本線に出向く。北一已駅のホームでのパノラマ写真にはテレビ局のスタッフも写っている。(2012・2)
10$(どる)を 持ちて旅して 良き日なり
田舎の駅は殺風景であるとの先入観を覆す駅である。10$札の大きな看板がある。似た字体から$(ドル)に漢字「弗」が当てはめられ、十弗駅を10$紙幣で宣伝しようと大きな看板が駅ホームにあり初めての客の目を惹く。
2013年06月21日
幾寅は 記憶に残り ロケの駅
アイヌ語の発音に漢字を当てはめた駅名は記憶に残る。この駅は幌舞駅の名前もあり、こちらは浅田次郎原作の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ用に造られた架空の駅名である。ビデオに主演の高倉健の顔が映っている。(2013・6)
2013年06月20日
金滴は 徳富(とっぷ)の水の 変化(へんげ)なり
新十津川町にある創業1906(明治39)年の老舗の酒蔵である。創業者の一人がピンネシリ山麓の砂金川の水を掬い、「金滴」の名前が生み出された。近年、研究熱心な杜氏が加わり、良質な徳富の水を用い、2012年全国新酒鑑評会の金賞受賞となる。
2013年06月19日
今回の街歩きは宮の森地区の彫刻巡りでした。地下鉄円山駅に集合で、ここから円山公園を抜けて歩く。途中市長公邸跡地に設置されているワグナー・ナンドールの「母子像・ふるさと」を見る。続いて円山公園内の佐藤忠良作の「岩村通俊之像」を見上げて、この北海道初代長官について短く解説。
円山公園では若いリス2匹が追いかけっこをしているので、その動き見物でしばらく足止めである。彫刻よりはこちらの方が面白かった。
円山公園から宮の森まちつくりセンターまで歩き、建物横の本郷新の「鳥を抱く女」を見る。そこから少し歩いて宮の森美術館の玄関前で合わせ鏡に写る様子をみる。建物には入らないで次の目的地の「かんてんぱぱショップ」へ行く。
伊那食品工業の「かんてんぱぱ」の各種商品の販売も行っている同社札幌営業所で寒天の講義を聞く。講師は同営業所の中谷所長である。最初は15分程度のお話をお願いしていたが、話に熱が入って大幅に講義時間が伸びた。寒天の歴史から製法、種々の寒天、食べ方、新しい商品など、寒天に関する知識は深まって、話は有益だった。
講義中「寒天」と「ゼラチン」の食べ比べなどもあって、その微妙に異なる食感から正しく言い当てるのは少々困難であった。講義後はお買い物時間で、ショップ内で参加者の多くが、かなりの量の寒天商品を買い求めていた。
「かんてんぱぱショップ」を後に、宮の森緑地の入口まで歩き、本郷新の「太陽の母子」を見る。ここから札幌西高校の彫刻のプロムナードに行き、同校の卒業の著名な作家本郷新、佐藤忠良、本田明二、山内壮夫、永野光一の彫刻を見る。地下鉄東西線西28丁目駅で解散となる。
予想せぬ 歓迎太鼓 駅園児
札沼線の終着駅新十津川駅では始発になる列車を降りると、園児たちが太鼓と踊りで迎えてくれる。駅に隣接する空知中央病院の保育所の園児たちである。これは予想もしなかった歓迎で、パノラマ写真撮影に熱が入る。(2012・9)
北帰行 ここが終わりか 列車止め
線路が列車止めで終わっていると、終着駅であることを実感する。稚内駅の列車止めは線路が駅舎を貫いて、駅前広場にある。日本最北端の駅に降りた客は、列車止めのある広場から稚内港北防波堤ドームに歩いて行く。(2012・9)
(パノラマ写真)
2013年06月18日
2013年06月17日
2013年06月16日
母と子に 緑地で会いて 宮の森
宮の森緑地は、北1条・宮の沢通から南に少し行ったところから本郷新のアトリのあったところまでの登りで続く細長い緑地である。その緑地の北側の入口のところに本郷新作の「太陽の母子像」があり、母が幼子をあやしている像が目を惹く。
2013年06月15日
街角を 反射して見せ 結晶体
JR札幌駅近くのホテル、ポールスター札幌の玄関脇に堀木淳平の金属を素材にした彫刻がある。作品名「結晶体・4+1/4」で、結晶の4個分と1/4の部分に対応した造形になっている。近づいて見ると、街角の風景が金属に反射している。
2013年06月14日
河童居て 「君に」と花を 奉げたり
定山渓の街を国道230号が貫いている。国道に面して定山渓まちづくりセンターがあり、建物の前に永野光一の「君に」がある。河童の若者が花束を差し出している。花束の花は何かわからない。像の背後にある青紫の花はデルフィニュームである。
2013年06月13日
手にするは 何の花束 五輪橋
五輪大橋の東端に本郷新の「花束」がある。道の両側に一対で置かれている。オリンピック競技での勝者に女性が花束を渡すのを念頭に置いた作品のようである。人物像はデフォルメされていて、黄銅色のブロンズ像でモダンな感じがする。
何を見て 上機嫌かな 串団子
ススキノの南北に伸びるメインストリートの両側に彫刻が置かれている。南5条西4丁目のところには丸山隆の「上機嫌な星」がある。抽象的作品で、作品名も何を意味しているのかは不明である。串団子ならばまだ作品と作品名が合っている。
2013年06月12日
道新文化センターの都市秘境散策講座の8回目は小樽である。JR小樽駅集合で、歩いて小樽ハリストス正教会にゆく。教会は緑町の住宅街にあり、十字架があるので教会とわかる。十字架はキリスト教会のものとは異なっている。この十字架の意味するところなどを教会内で聞く。因みにハリストスとはギリシャ正教でキリストを意味する。
見学を依頼してあったので、教会の礼拝堂で信者の方々が出迎えてくれる。礼拝堂にはイコンが飾られてある。イコンはハリストス正教会の特徴を表している。信者の方が説明しているところをパノラマ写真撮影である。
イコン画家で有名な山下リンの作品も飾られている。
(山下リンの制作のイコン)
教会を辞して、すぐ近くにある「森ヒロコ・スタシス美術館」を見学する。休館日であったが、森先生は以前から知っており、森先生に館内の作品や、美術館になっている昔の質屋の石蔵を説明してもらう。森先生はこの石蔵の質屋で育って、生家の有効利用で、質草に代えて、ご自分の作品を展示する美術館を開いている。
美術館の玄関ホールにはこの美術館で展覧会を開いた造形作家のヴィルコンが残していった(美術館が購入した)作品が並べられていて、見ていて面白い。
石蔵の1階と2階が展示室になっていて、スロバキアの天才画家ブルノフスキの作品も展示されている。ブルノスキは故人となっており、この作家の作品がこれだけまとまって所蔵しているのが、この美術館の売りでもある。
作品を一通り見た後で、森先生が銅版画の作り方を講義してくれる。お話を聞くと銅版画をしてみたくなる。
美術館からさほど遠くないところにある小樽市能楽堂を見学する。この能楽堂は元は岡崎家のものであったのが、小樽市に寄贈され、能楽愛好家らによって使われている。この後はJR小樽駅で解散であるが、小樽観光につなげた参加者は、それぞれ思い思いのところに行ったようである。
校庭で 桜花(おうか)に合掌 童子居り
彫刻そのものは変化しないけれど、周囲の景観が変わり、その彫刻を見る季節がある。手稲中学校の校庭にある蝦名良治の「童子ニ寄ス」は桜の季節が鑑賞に最適で、古の仏弟子の童子なのだろうか、合掌する姿に咲き誇る桜花が合っている。
2013年06月11日
四季の神 二体が残り 画廊なり
札幌時計台の近くの中小路にある時計台ギャラリーの柱に、坂坦道のブロンズの作品が取り付けられてある。柱は4本あり、当初4体の人物像があったのが、現在は2体しかない。作品名は不明でも「四季」の神々をモデルにしているらしい。
数えれば ひとつがみっつ 円(まる)みなり
札幌ドームの駐車場近くに安田侃の「ひとつがふたつ」の作品がある。円みを帯びた柱状物体に、楕円体が取り付けられた抽象彫刻である。確かに作品名の造形になっていて、背後のドームの屋根の円みにお付き合いしているかのようである。
2013年06月10日
聖恩は 死語の文字なり 花フェスタ
田嶼碩朗の名前は、北大中央ローンのところにあるクラーク博士の胸像につながる。大通公園で水を噴く蘭陵王の面のある聖恩碑がある。田嶼の制作によるものとは長いこと知らなかった。花フェスタの会場では「聖恩」は死語になっている。
像姿 和顔愛語の 校是なり
札幌龍谷学園高校の玄関前に「和顔愛語」の言葉が台座に刻まれた坂坦道のブロンズ像がある。この言葉は同校の校是で、校舎の壁にも看板がある。彫刻の前方の校門の外から西方向に延びる道の両側にアカバナトチノキの赤い花が咲いている。
2013年06月09日
2013年06月08日
目に見えぬ 風の如くに 希薄感
何度その通りを歩いても目に入って来ない彫刻がある。アスティ45のガラス張りの建物の前に少しばかりのスペースがあり、大貝滝雄の作品「風45」がある。金属のポールの上に石が乗ったもので、高層ビル街を吹き抜ける風を表現している。
単純な 顔で伝わる 母子の情
中島公園には山内壮夫の彫刻が多い。「母と子の像」は子を抱えた母親の像で、単純化された母子の顔が印象的な作品である。目の窪みと鼻のわずかな盛り上がりで親子の表情を伝えている。野外彫刻の作品としては小さいけれど親しみが湧く。
2013年06月07日
鉄と化す 空庭園の 駅の風
2011年商業施設エスタの屋上に「そらのガーデン」が造られ、冬季を除いて無料で市民に開放されている。この屋上庭園に國松明日香の「テルミヌスの風」の黒い鉄製のオブジェが置かれ、風にゆれる草花の中で対照的な硬さを演出している。
早朝は ライオン一匹 一番街
以前札幌の都心部での待ち合わせ場所の最右翼を占めたのが三越デパートのライオン像であった。作家としてランドシャーとメリーフィールドが併記されているところをみると、原作と複製の関係のようであるけれど、正確なことはわからない。
2013年06月06日
ホテル名 首都の文字入り リカの像
東京ドームホテル札幌は2011年に札幌後楽園ホテルから名前を変えた。ホテルの建物の壁際に佐藤忠良の「リカ・立像」がある。佐藤忠良は具象の大家で、この作品のように均整の取れた女性の作品が多い。佐藤忠良は2012年3月に亡くなった。
美しき 肢体連想 ピリカなり
JRタワーのオフィスプラザさっぽろの1Fのエレベータに向かう通路に、流政之の「PIRIKA」がある。アイヌ語の「美しい(娘)」を作品名にしたようだ。黒御影石の造形は抽象的なものであるけれど、美しい女性の肢体の部分を連想する。
2013年06月05日
講座の7回目は「ばんけい峠のワイナリー」である。地下鉄東西線円山駅に集合で、ここから盤渓バスで行く。峠のワイナリーのバス停で降りるのを間違い、盤渓小学校のところで降りて、バスの1区間を歩いて戻る。
札幌にある三つのワイナリーの一つであるこのワイナリーは、田村修二御夫妻が経営する、札幌における個人規模のワイナリーの嚆矢となるものである。まずはブドウ畑を見学させてもらう。
田村氏がブドウ畑で色々説明される。毎年雪でブドウの木が折れたりするので、春にはそのケアが大変だ、との話である。ブドウの木を支える支柱が雪で傾いている。
(ばんけい峠のワイナリーのブドウ畑)
ブドウの木の剪定や剪定をしないブドウの木はどうなるか、等々の説明がある。ハスカップやアロニアの栽培も行われていて、これらからも果実酒が造られている。ブドウ畑近くに自生する山ブドウの木もワイン用に利用されている。
ブドウの木の大敵は野ネズミだそうで、冬の間雪のトンネルを掘ってネズミがブドウの木の皮を食べてしまい、木が枯れる被害に合っている、とのことである。
サニールームのテラスでワインの試飲やワイナリーで作られているチーズの試食である。チーズは、これもワイナリーで作っているライ麦のパンと合わせて参加者全員で食べる。素朴な味である。
このワイナリーで造られていて、2種類のチーズの食べ比べである。チーズ通であれば何か書けるのだろうが、書くほどの知識を持ち合わせていない。チーズはワインに合っている、ぐらいのコメントは書ける。
山ブドウの系統の木から造られてた赤ワインやリンゴ酒であるシードルを皆で試飲する。飲むことばかり考えていて、ワインの写真を撮るのを忘れてしまった。空になったボトルとグラスを撮る。田村夫人手製のガレットなどが出される。旬の山菜が挟み込まれたもので、ここでなければ味わえない一品である。
峠のワイナリーを辞して、バスの1区間を歩いて大乗院に行く。ここで世界一の大鏧を見る。参加者は、この巨大鏧を釣鐘を突く要領で打ち鳴らしていた。一度鳴らすと1分30秒ほど音を出し続ける。
大乗院のバス停から盤渓バスに乗り込み、朝の集合場所の地下鉄円山駅に戻る。
画廊前 鳥抱く人は 女性なり
大同生命ビルの螺旋階段を上っていくと大同ギャラリーの入口に出る。周囲は回廊になっており、植栽があり、開けた空間から地上を見下ろせる。本郷新の「鳥を抱く女」が入口付近にある。同作家のシリーズの作品で、市内の他所にもある。
裸婦像は 電線ヒモで 不運なり
自治労会館横に本田明二の「朔風」の裸婦像が高い台座の上に置かれている。裸婦の頭上には電線が走り、どの角度から撮っても電線が写り込んできて邪魔になる。電線が女性にヒモのように取り付いている。作品にとって不運な場所である。
2013年06月04日
現役から遠ざかって名刺交換をする場面に居合わせることも無くなってきている。会う人は大抵顔見知りで、その範囲が広がる訳でもなく、たとえ初対面の人に遭遇しても、名刺を持っていない、というと当方の様子から納得してくれる。
しかし、見ず知らずの人が名刺を出してきて、こちらが名刺を出さないと、なんとなく借りができたような気持ちにもなる。明日は某パーティに出席の予定で、多分幾人かは名刺を出してくるだろう。
そこで名刺交換に備えて、パソコンでの名刺作成を行ってみる。ネットでフリーの名刺作成ソフトをダウンロードである。この種のフリーソフトは数多くあり、便利になったものである。試行錯誤で文字と画像データでデザインする。あまり凝ったものにはしないで、シンプルなものを作る。印刷は名刺用のプリントカードを買ってきて、プリントする。
身分に「爪句作家」と入れておく。自称作家(写真家&俳諧師)である。これはNHK報道番組「ネットワーク北海道」の写真俳句の取材があったので、ちょっと使ってみたくなった(放送は6月5日の同番組の6:10~7:00の間の2分間程度と聞いている)。
自分のブログのURLのQRコードを名刺に印刷してみる。自分のスマホでは読み取ることができる。しかし、スマホの利用者数がガラ系の携帯を上回ったと聞いているにしては、身近ではQRコードは利用されていないようだ。毎週の都市秘境巡りに際して資料を作り、訪問先のパノラマ写真がスマホ見られるようにQRコードをプリントして手渡していても、これはほとんど利用されていないようである。
さらに考えさせられたのは、QRコードを刷り込んだ爪句集出版で、出版をチェックする担当者やその周囲で、正しい場所にアクセスされるかどうかをスマホでチェックできないことを見て、爪句集に刷り込んででも、この状況から推測して、一般の読者に利用されることは皆無に近いのではなかろうか。
しかし、である。スマホをかざしただけで、サイトを見ることができる便利さは広まるだろう(なんかスマホ利用者には当たり前の日常茶飯事のことを言っているようだけれど・・・)という訳で自分の名刺に自分のブログのQRコードを刷り込んで自己満足に浸っている。
晴れた日に 嵐の中の 母と子ら
道立近代美術館の庭に札幌に縁の大家の彫刻が設置されている。本郷新の作品は「嵐の中の母子像」である。制作の動機は不明であるけれど、作品名通り、母親が一人の幼児を抱き、風を遮って後ろにもう一人の子どもを連れて進む母がいる。
この道で 出逢いはあるか デアイバチ
エルプラザの建物はJR札幌駅北口に面してある。ガラス張りのこの建物の前に流政之の黒御影石製の「デアイバチ」が設置されている。見て一目瞭然、巨大な三味線の撥である。大家ともなると、小物の道具を大きくしても作品として通用する。
2013年06月03日
農機具は 仕事中なり 壁の中
札幌駅近くのJA(全農)共済ビルの1階ロビーの壁に大きな金属製レリーフがある。箕原正の「耕作されつつある大自然」である。農業関連団体のビルなので農業機械が作品のテーマに選ばれている。作家は東京美術学校卒業の洋画家でもある。
軍人の 屋敷和らげ 母子の像
屯田兵の父と称された永山武四郎の旧邸が永山記念公園に保存されている。建物内に、山形阿利一作の母子像が見学者を迎えるように置かれている。この母子像がここにある経緯は不明であるけれど、軍人の屋敷に柔和な母子像の対比が面白い。
2013年06月02日
端正な 顔が迎えて 文学館
北海道立文学館の玄関ロビーに佐藤忠良の「帽子‘92」が置かれてある。設置場所や採光の関係から、パノラマ写真が撮り難い彫刻である。彫刻の置かれた近くのソファーにはいつも年配者が雑誌や本を見ていて、その様子が写るのも不都合である。
リンゴ園 記憶を残す 手のリンゴ
平岸通に面した平岸小学校の校庭に本田明二の「みのり」像がある。平岸開基110年を記念して設置された。往時の平岸のリンゴ園を偲ばせるように、女性はリンゴの木を背にリンゴを持っている。校舎の正面に開校122年(2012年)の文字がある。
2013年06月01日
逞しき 農村婦人 ロビー立ち
北農ビルのロビーに松田与一の「大地に立つ」の農村婦人をモデルにした木彫がある。農民彫刻家と呼ばれた松田は、東川町で農業のかたわら独学で作品を生み出してきた。北海道文化賞、地域文化功労賞を受賞し、2012年に88歳で亡くなった。
「キタラ」内 大理石(いし)もこだまし 音楽堂
中島公園のコンサートホール「キタラ」のホールに安田侃の「相響」がある。作品名は英語にも訳されていて、“The echoes”とある。大理石の彫刻も音楽に「こだま」で応える意味がありそうだ。床に大理石タイルが張られ錯視現象が見られる。