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2014年12月18日

PCR1・米坂ヒデノリ・立

 米坂ヒデノリの「立」のあるここはどこ。


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2012年05月29日

道の駅「たきかわ」横の裸婦像

 国道12号に面して道の駅「たきかわ」がある。JR江部乙駅に降りて、自転車で菜の花畑の写真を撮りに行った時、立ち寄ってみた。家庭菜園を始める時期だったので、苗物が道の駅の玄関部分で販売されていた。建物の横に裸婦像があり、作品名は「姉妹像」で、作家は鈴木吾郎である。姉妹ということで、髪型と顔立ちが似ている感じである。ブロンズ像からは姉と妹の区別はつかない。二体の裸婦像は身振り、手振りで語り合っているポーズで、会話の内容は推測するより他にない。

江部乙の 大空抱え 裸婦立てり

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裸婦姉妹 何を語るか 道の駅

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2011年11月24日

黄葉をバックにした「朔風」裸婦像

 本田明二の「朔風」と題された裸婦像が、北6条西7丁目の斜め道路と、真直ぐな道路で切り取られたような三角形の狭い土地に立っている。高い台座の上にこのブロンズ像があるので、見上げるようになり、像自体を遮るものはない。しかし、周囲にビルがあり、さらに不細工な電柱や電線が視界に入ってくる。写真を撮ると背景が良くない。彫刻の良さは周囲の環境が生かしもし、殺しもする。救いは黄葉の季節で、道路脇の黄葉が写真を撮ると目障りなものを少し和らげてくれる。

電柱を 外せぬ景に イチョウ入れ

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電線を 消したき意図の イチョウ撮り

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2011年08月05日

ビルのエレベータ横のアフリカ女性像

 大通西20丁目にアスピアビルがある。ビルの1階のエレベータの横に民芸品の置物がある。黒い肌に首や脚につけた金輪の装飾から、アフリカのどこかの国の女性がモデルのようである。この女性像は身体のデフォルメが強く、胴体は弓なりである。胸が出て、尻が出てと身体の美をある見方で強調表現するとこのようになるのかな、と思ってみる。彫刻の大家たちの裸婦像が街角や室内に置かれてあるけれど、一目見てのインパクトの強さは、この民芸品の裸婦像には敵わないようだ。

弓なりの 身体(からだ)誇示して 女立ち

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表情を 読み取れるかと 顔を撮り

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2011年07月29日

宮の森緑地の「鳥を抱く女」

 宮の森緑地は北東から南西に延びる細長い林地で、遊歩道が緑地内を貫いている。この緑地の南西側の端と本郷新記念札幌彫刻美術館がつながるような位置関係にある。南西側の緑地入口には本郷新の「鳥を抱く女」の作品がある。本郷新にはこの作品名の彫刻がいくつもあり、女も鳥も造形がかなり変化している。そのなかで、緑地入口の像が一番具象的である。鳥は鶏冠があるので鶏だろう。どうして鶏と女性の組み合わせなのか、その由来は知る由もないけれど、面白い作品である。

女居て 鳥抱き迎え 遊歩道

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雄鶏(おんどり)を 示す鶏冠(とさか)の 抱かれ鳥

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2011年07月26日

戻ってきたBIANCA像

 駅前通の地下歩行者空間(チカホコ)の工事のため、地上の歩道部分に置かれていた小野紀子作のBIANCA像が一時姿を消していた。チカホコの工事も終わり、この像が元の場所に戻ってきている。最初ちらっと目をやった時、成人の女性像かと思っていたけれど、写真を撮ってよく見ると、乳房の大きさからして、これは少女の像である。作品名は像の少女の名前なのだろうが、その由来はわからない。黒い肌のブロンズ像が朝日に中にあり、背景のデパートだった建物が改装中である。

BIANCA(ビアンカ)は 少女の名前 黒き肌

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早朝で ビアンカ一人 歩道立ち

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2011年05月02日

銀行ロビーの「ライラックをかざす乙女」

 大通西4丁目に北海道銀行本店があり、その1階に本郷新の「ライラックをかざす乙女」の作品がある。大きな裸婦のブロンズ像で、銀行の窓口が並んでいるところに設置されているのが少々場違いかな、と思える。体型が10頭身ぐらいあって、足がかなり長く見える。日本人の女性ということであれば、これは誇張の体型か。ライラックをかざした方の二の腕が細すぎるような感じも受ける。彫刻家が理想の体型の女性像を創り出そうとして、現実のモデルから離れたのではなかろうか。

足長き 女性測りて 10頭身

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ロビー客 視線送らず 乙女像

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2010年09月25日

ノースシティ内の乙女の像

 ホテルノースシティの一階ロビーに、「乙女の像」の作品名の裸婦像がある。作者は小金丸幾久である。小金丸は長崎県壱岐市出身の彫刻家で、東京大学建築学科講師を勤め、2003年に亡くなっている。彫刻の裸婦像は、アングルの「泉」の絵にある裸婦像を題材にして制作したようである。アングルの描く裸婦はふくよかであるけれど、彫刻の裸婦もまた肉付きが良い。「泉」の絵では、裸婦の大きな目がこちらを見ているのに対して、彫刻の目は下向きで、閉じられていように見える。

アングルの 絵から抜け出て 乙女居り

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乙女居て ロビーの泉 水を汲み

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2010年08月08日

新千歳空港ロビーの「緑」像

 新千歳空港の空港ビル2階の出発ロビーの一部が3階、4階と吹抜けになっている。この2階ロビーの吹抜け部分の一画に、佐藤忠良の「緑」と題された作品が置かれてある。上半身に肩掛けのようなものを羽織っていても、全体的には、腹部の肉付きがよい裸婦像である。彫刻の作品名は、一般に彫刻そのものと関係がなさそうである。しかし、こじつけて考えれば、北海道の玄関口の空港で客を迎えている彫刻なので、北海道の緑の大自然を裸婦像と結びつけているのかもしれない。

連想は 緑の大地 作品名

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客迎え 飾りの下がる 像の上

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2010年07月31日

JR石狩当別駅コンコースの「自然」像

 この駅の跨線橋を兼ねたコンコースは広く、彫刻やステンドグラスがあって、駅舎にしては芸術の香りが漂ってくる。コンコースに沿って設置されているいくつかの彫刻に両足を抱えて、佇む裸婦像がある。田端優子の作品名「自然」である。作品の説明に、「水辺のほとりにたたずむ姿で、流れるようなフォルムは、優しく穏やかな印象を感じさせます」とある。少女とも思える人物が持っている球が、何を具体的に意味するのかわからないけれど、大切なものの象徴なのだろう。

コンコース 佇む像は 「自然」なり

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当別の 自然拓きて 像のあり

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2010年07月30日

小樽市民センター内のYUKA像

 小樽の駅前通に沿って、マリンセンターの愛称のある小樽市民センターがある。その玄関ホールの中二階のロビーに「YUKA」の作品名の裸婦像がある。作者は鈴木吾郎である。鈴木は北海道学芸大学(現北海道教育大学)札幌分校特設美術科を卒業して、長らく小樽で教鞭を取っていた。道展彫刻会員でもある。モデルは若い女性らしく、均整の取れた裸身でロビーに佇んでいる。窓からの光で明るいロビーでは、像の正面は逆光になり、フラッシュ撮影では像の人工感が増してくる。

ロビー内 光溢れて YUKAの像

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逆光で フラッシュ増したり 人工感

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2010年07月23日

道産子を連想する裸婦像

 旭川市の歩行者天国の買い物公園は、JR旭川駅からほぼ北に延びている。その終端付近の7条通のところに、通りに沿って東西に公園の造りの場所がある。買い物公園を北に歩いてくると、この道路公園の中央に立つことになり、その東西に加藤顕清の婦人像がある。西側は着衣像で、東側が裸婦像である。加藤は岐阜県生まれであるけれど、旭川出身の彫刻である。近づいて裸婦像を見ると、肉付きの良い身体に粗い造りの肌で、道産子(馬)に通じるものがある力強い裸婦像である。

日を背負い 裸婦の立ちたり 小公園

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道産子の 力連想 裸婦の像

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2010年06月18日

JR滝川駅前広場の三裸婦像

 JR滝川駅前の広場に裸婦像が置かれている。ブロンズ像は円形の花壇の中にあって、作品に対応して文字が花壇の壁に記されている。「理想」、「青春」、「情熱」とあり、これらの裸婦像の作品名のようである。作者名を探してみたのだが、作者名を見つけることができなかった。漢字の意味が裸婦像に投影されているのかどうかは、判断がつきかねる。しかし、青春の物思いや情熱を表すポーズ、さらに理想の追求を身体で表現しているといわれたら、そのような感じもしてくるのだろう。

青春の 思いと情熱 並びおり

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前見つめ 理想に向かう ポーズなり

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2010年03月21日

北方圏センター「エチュード」像

 本郷新制作のこの彫刻は、北方圏センターのロビーにあって、「エチュード」の作品名がついている。ここでエチュードとは、彫刻の制作過程における習作のことである。音楽や演劇でも用いられる言葉で、技巧の向上のための基礎訓練をいっている。基礎訓練でも、本番と同じく精魂を込めて行う。彫刻でも同様に、真剣に作品作りを行うので、特定のテーマを決めずに制作した彫刻といった意味なのか。あるいはエチュードの所作のモデルを作品化したのか、どちらかはっきりしない。

各国の 贈り物横 裸婦の像

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エチュードは モデルの所作か 基礎訓練

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2010年02月20日

三人の像“Lesson”

 札幌グランドホテルの1階ロビーの隅にある本郷新のこの作品は、大通公園の「泉」の三人娘像と同じモチーフである。作品名に“Lesson”とあり、バレーのレッスンらしい。しかし、像の娘たちはトウシューズを履いていない。この点、大通の像の方はトウシューズを履いていて、こちらの方が明らかにレッスンである。大通の像は大きくて、像から離れての撮影となるところ、“Lesson”像は近づいて、アップの写真を撮ることができ、彫刻家の制作に立ち会っている感じがする。

トウシューズ “Lesson”(レッスン)娘の 足になく

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近づきて 作家の造形 臨場感

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2010年02月16日

真駒内公園の「雪華の舞」

 「風景印でめぐる札幌の秘境」(北海道新聞社、2009)の中で、真駒内上町郵便局の風景印にデザインされている、本郷新制作の二人の裸婦像の写真を載せておいた。像を「雪華の像」と前出の本に記述したけれど、作品名は「雪華の舞」である。札幌オリンピック冬季大会を記念して、大会の前年の1971(昭和46)年に制作され、真駒内公園内の高さ12 mのコンクリートの台の上に設置されている。風景印に描かれた像は、この方向から見たものかと、角度を探して撮影を試みた。

高みには 雪華の舞の 裸婦のいて

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雪華の舞 この角度かと ズーム像

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2010年02月15日

北洋銀行応接室の裸婦像

 北洋銀行の頭取室の横に応接室があって、本郷新の「裸婦」と題された像がある。当然ながら、裸婦像を撮りに応接室まで出向いたのではなく、たまたまそこで目にしたものである。とりあえず、手持ちのデジカメで、十分とはいえない照明の中で、ブロンズ像を素早撮ってみる。この応接室の来客は、多分重要案件が頭にあって、裸婦像に目をくれている余裕はないだろう。もっとも、この場所を訪れる人はそれほど多いとも思われず、この裸婦像は人目につかず、密やかに立っている。

デジカメで 光を拾い 裸婦の像

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目を合わす 来客も無く 応接間

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2009年08月30日

uhb本社ロビーの「響」

 北海道文化放送(uhb)のテレビ番組「ゆうゆう金曜日」のコメンテータを頼まれてこの会社に行った時、ロビーで目についたのが佐藤忠良の「響」と題された裸婦像である。この像のポーズは、耳元で何かを聴いている姿のようで、「響」は耳を澄まして聞こえる音のことなのだろう。このテレビ放送のマスコットキャラクターは「ともだっち」と呼ばれ、その一つの「みちゅ」の顔が大きく描かれていて、像の方を向いている。こちらの視線は像よりは、背後の壁の出演者向けられる。

キャラの目が こちらに迫り テレビ局

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視線先 裸婦像抜けて 出演者

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2009年06月28日

平和祈念像-大地

 砂川市の公民館と図書館の建物の前庭に設置されている像である。作者は小川幸造で、小川は1953年山口県生れである。東京造形大学造形学部美術学科を卒業し、同大学の教授を勤めている。砂川市のような地方都市では、市街地でも高いビルは見られず、空が広く感じられる。その広い青空の下に立つ女性の手に鳩が留まった構図で、像の題名から、手にした鳩が平和の象徴なのだろう。平和を手元に手繰り寄せたことを表現している。気を抜くと平和の鳩は手から飛び去ってしまう。

伸ばす手に 平和の留まり 広き空

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気を抜けば 飛び去る平和 今手元

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2009年06月22日

メタル人とツツジ

 このメタル人(びと)の写真がブログに取り上げられていた。以前出版した「爪句@札幌&近郊百景」にこのオブジェの写真を載せていて、この像自体は目新しいものではなかった。像が女性であるなどと気づきもしなかったのに、前述のブログではこの点が写真で示されていて、妙にリアルである。視点を変えると、対象はガラリと変わった様相を呈するものだと気づかされた。像の前にすでに盛りの過ぎたツツジの植え込みがあって、これに焦点を合わせて、無難な写真を撮ってみる。

花は過ぎ 歩は進まずに メタル人

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花開き メタル娘の 足飾り

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2009年04月06日

フラッシュの有無で変わる裸婦像

 ホテル・ライフォート札幌での、ある表彰式に出席したとき、一階のロビーで小野健寿の「鏡の前」という作品が目に留まった。ホテルのロビーの照明は、写真を撮るとき室内照明に頼るか、あるいはフラッシュにするかの微妙な明るさであることが多い。室内の柔らかい光の中では、裸身はより生身の人間に近づいて見え、息をしているかのようである。フラッシュ撮影では裸身が驚いて、輝いているように見える。その分硬さが現れ、人工のものであることが強調されるともいえる。

柔光(にゅうこう)の 中で息する 裸身かな

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フラッシュに 驚く裸身が 輝身変(きしんへん)

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2009年02月17日

鳥の次の動きがつかめない鳥人譜

 像は平和通買物公園にあり、作品名は「鳥人譜」である。作者は一色邦彦で、1935年に茨城県で生まれ、東京芸術大学彫刻科を卒業している。正面で像を見ると、女性と鳥は何か同じものを見ているようである。それが何であるかは、像の視線の先を追ってもわからない。背後から見ると、鳥が女性の肩に止まる瞬間なのか、肩から飛び立とうとしているのか判然としない。女性と鳥の視線が同じ方向なので、鳥は女性の意を受けてその方向に飛び立とうしているのではなかろうか。

鳥と人 何を見つめる 視線先

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この形 飛び立つ鳥か 鳥人譜

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2009年02月15日

平和通買物公園の婦人像

 JR旭川駅から伸びる平和通買物公園のほぼ北方向の端に、婦人像と題された裸婦像がある。制作者は加藤顕清(1894-1966)で、加藤は旭川出身の彫刻家である。加藤は、北大にあるクラーク像を原作から再現した作者でもある。今年(2009年)50回目を迎えた旭川の冬まつりも加藤の発案だといわれている。買物公園では氷彫刻世界大会が行われていて、数日で消える氷像にも裸婦のテーマが取り上げられている。加藤が氷像コンクールの審査員なら、どんな講評をするだろうか。

氷像と 主役交代 冬まつり

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枝も身も 飾るものなく 冬景色

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2009年02月12日

旭川平和通買物公園の若い女

 駅前の平和通買物公園は、歩行者天国や冬まつりのイベントで買い物客を集める。世界的な金融危機から景気が急速に落ち込んで、2009年の1月には、丸井今井デパートの経営破綻が報じられた。買物公園に面している丸井今井の支店が閉店になるかどうかの瀬戸際に立たされていて、折しも同じ通にある旭川西武も撤退するらしい。佐藤忠良作の「若い女」は、買物での思案のポーズみたくもあり、構えた腕の中を通して、買物公園の命運を左右するデパートのロゴのMが見えてくる。

買物を 曲げた姿態で 思案かな

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駅前の 命運かかる M(エム)のロゴ

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2009年01月27日

小樽市民会館内「凝視」像

 小樽市民大学講座の講師を務めた関係で、小樽市民センターに出向いたことがあった。会場入り口で講座受講生の受付が始まり、その写真を撮ったとき、受付の横に裸婦像があった。小樽出身の彫刻家斉藤吉郎(1911~2000年)の「凝視」と題された像である。市民センターの一階のロビーにはこの像の他に見るべきものもなく、来館者の方がこの像を凝視することがあっても、裸婦の方は凝視するものもない。この時の講座のテーマは「小樽の秘境」と「爪句」であった。

出迎えは 受付人と 「凝視」像

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ビルの内 見るもの無くも 凝視して

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2009年01月25日

苫小牧駅前「緑の環」像

 苫小牧駅の南側広場は再整備が行われ、「緑の環」像が駅舎の正面のところに置かれている。像の正式名称は台座に彫り込まれている「人間環境都市像」で、言葉自体は単語を並べただけで、意味が曖昧である。寄贈者の王子製紙と緑の環を合わせて、樹木を核とした都市環境の象徴の像であることの察しがつく。緑青が、手にした枝の茂る葉のイメージに合っている。ただ、シルエットになった手の枝は、この季節周囲の葉を落とした枝から枯れ枝に見える。像の製作者は不明である。

緑青の 色で示すか 緑の環

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冬の陽に 手にする枝も 枯れ木なり

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2009年01月22日

江別市情報図書館前「陽」像

 江別市情報図書館の前庭のところに「陽」と題された像がある。作品名の下に1989年と彫刻家のサイン名も彫られているのだが、この名前が読めない。インターネットで調べると秋山沙武走とあり、名前の「沙武走」は「すすむ」と読む。漢字を見ただけでは読めない名前である。長いお下げ髪を手にしたポーズで、若さの象徴を髪に込め、「陽」に曝している印象である。冬には雪がこの像の周りに積もり、丁度下半身を隠しているようで、乙女の雰囲気を醸し出している。

お下げ髪 若さの印 陽に曝し

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下半身 雪が隠して 乙女なり

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2009年01月19日

写真の撮り難い「朔風」像

 清華亭の方へ行く小路へ折れ曲がる近くの三角形の土地に、本田明二の「朔風」と題された像が、高い台座の上に設置されている。街中の彫刻は、辺りの景観も鑑賞上重要な要素で、特に写真に収める場合決定的な影響を及ぼす場合がある。この像のある場所には電柱が立っていて、写真の取り方では電柱や電線が写ってくる。それを避けようとすると、撮るアングルが決まってきて、裸婦は顔を逸らせてようになってしまう。見上げると裸婦の臀部の肉の盛り上がりが気になる。

朔風に 顔を逸らせて ビルの壁

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見上げれば 臀部の肉の 気になりて

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2009年01月15日

銀行の内の裸婦像

 北海道銀行のロビーに大きな像がある。本郷新の「ライラックの像」と銘打たれた作品である。作品名から注意して見ると、裸婦の手元にライラックの一房がある。銀行に来る客の目的は明確で、裸婦像に視線を送る人は皆無である。まして、裸婦の手元にライラックの花があるとは、こんな解説もどきを書くことでもなければ気がつかない。日本銀行の札幌支店長室に、これも本郷新の裸婦像がある。身体の向きと顔の向きや頭部と身体のバランスが気になって、何頭身か写真で測ってみた。

行内で 目線届かず ライラック

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幾代の 支店長見て 七頭身

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2008年10月19日

ポプラの詩

 野幌公民館の横のグリーンモールを抜け、三番通横切って湯川公園に到る小道に「ポプラの詩」と題された裸婦像が立っている。人通りもなく、ライラックの花が咲いていて、のんびりと彫刻とその周囲を眺める。ブロンズ像を見ると、モデルの目はライラックを見つめているようでもなく、他のところに視線が行っている。見上げるアングルで写真を撮るとブロンズ像の肉感が迫ってきて少々艶かしい。制作者の名前を探して西村栄一を見つける。ここからは湯川公園は目の先にある。

眼差しは どこに泳ぐか リラの花

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コメントしたついでに

見上げると 肉感迫る ポプラの詩

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2008年08月03日

江別水道庁舎少女像

 R江別駅を出ると江別市水道庁舎の赤レンガの建物が目に入る。建物の横に佐藤忠良作の「少女」像がある。このブロンズ像は元の銅色が緑青に変わりつつある状態にある。元の銅色は少し赤みがかっていて、建物のレンガ色を反映させたようにも見える。曇り空で空の明るさに合わせるとブロンズ像が暗く写るので、ブロンズ像に合わせて明るさを調整して写真を撮ると、曇り空が白く抜けたような写真になる。何か少女の無垢な状態を、色のない空が象徴的に表しているようである。

少女像 レンガの色を 身に残し

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少女像 浮き立たせ見せ 無垢(むく)の空

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