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2008年11月16日

月寒公園の紅葉

 取材のため月寒小学校に出向いた時、月寒公園を横切った。十一月の半ばで、紅葉の季節は過ぎていると思っていたら、公園内の若木の紅葉は、葉を落とした後見人のような木をバックにして、まだ見ごろであった。陽が射したり、雲に隠れたりで、生憎の陽の陰りになったところでの紅葉の撮影となる。それでも写真に撮ると、紅葉は緑の柳と色の対比の妙を見せている。柳の木の傍を流れているのは望月寒川で、その水源は西岡公園の近くにあり、豊平川近くで月寒川と合流する。

紅若木 後見する木 葉を落とし

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陽の陰り 紅緑対比 彩度落ち

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2008年11月03日

散歩道の朝日

 顔を出す頃の朝日は、大気の状況では、直接見ることができる赤い光の円になって東の空にある。朝日にカメラの露出を合わせると、家々は薄暗いモヤの中にあるように写る。しかし、その屋根の下では一日の始まりで活動のマグマが激しく動き出しているのだろう。朝日に背を向け、朝日の照らし出す方向に目を向けると、明るい朝の風景となる。家々のガラス窓に朝日が反射して、住宅地に朝日が移ってきているように見える。しかし、それも太陽が高くなると早々に消えていく。

屋根の下(もと) 活動マグマ 動き出し

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太陽が 移り住んでか 住宅地

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2008年11月01日

菊の花言葉

 地下の商店街で恒例の菊祭りが開かれている。丹精込めて作られた菊花が通路に並べられる。その菊花の向こうの店先で男女が装身具の品定めをしている。白菊の花言葉は「誠実」で、店先でお互いに誠実を示すべく精魂を込めている様子は、菊作りの場合と二重写しとなる。菊の花列は下着の店先前にも伸びる。黄色の菊の花言葉は「高潔」とある。花言葉が「清潔」なら下着と無難な取り合わせだけれど、下着に「高潔」は、エロスとロゴスの同居かと、連想は勝手な方向に伸びてゆく。

誠実の 精魂込めて 品定め

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高潔は 下着にありや 店の内

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菊まつり

 地下街のオーロラタウンを通ったら、丁度菊まつりの初日であった。地下街の通路の中央に丹精の込められた菊が並べられている。達磨仕立や三本仕立て、一本仕立てなどの菊花の咲かせ方毎にまとめて並べられている。開会式で入賞者の表彰があるのか、人が集まっている。達磨仕立ての菊達も、並んで開会式を待っているようである。花びらが細長く伸びた大輪の菊花もある。伸びた花びらが触手のようにも見え、それを見つめる人はこの触手にからみ捕られたかのようにも見える。

開会を 達磨も待ちて 菊まつり

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菊展で 触手を伸ばし 人捕らえ

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2008年10月20日

ハロウィンの季節

 欧米ではポピュラーなハロウィンの行事が、日本でも浸透してきているのかな、と思ってみる。今風に言えばスイーツの店、つまりはケーキ屋あるいはお菓子屋の店頭に、十月末日のハロウィンの飾りつけがしてある。ハロウィンには仮装して、手にする行灯はかぼちゃを刳りぬいて内にローソクを点したものが典型のようである。大きなかぼちゃなら置物用になる。花屋の店先にそんなかぼちゃが置かれてあって、刳り抜く所の指定か、黒く目や口を表面に描いたものが置かれている。

ハロウィンの 飾りに惹かれ 菓子を買い

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行灯の 刳り抜く場所か 黒目口

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2008年10月18日

東に朝日、西に月

 雨上がりの朝散歩に出かける。東の空にある朝日は霞んだ大気の中に赤い円になって見える。朝日の様子から今日の天気を予測してみたりする。赤い太陽は次第に輝く太陽に変化してゆく。この様子なら今日は晴れの一日かと思う。西の方に目を転じると月が山際にかかっている。十五夜を過ぎているので月は欠けて来ている。蕪村の「菜の花や 月は東に 日は西に」の句が浮かんでくる。この句は春の夕暮れであるけれど、目の前の光景は秋の朝であるので、句の情景には合っていない。

東空 朝日かすみて 雨上がり

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西の空 月が欠けゆき 秋深く

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定山渓の秋

 秋の定山渓に遊ぶ。錦秋は陳腐な言葉であるけれど、錦が溢れる定山渓の秋の表現として、錦秋に代わる言葉もみつからない。ならば、錦の字でも並べて一句作ってみようか。錦橋では文字通り谷の両側の紅葉や黄葉が錦を織り成している。狭い橋の上で行き交う自動車に気を配りながら写真を撮る。渓流橋では、彼方の定山渓ダムに貯えられた水が放水される迫力の光景を見る。水しぶきが橋の上に飛んできて、橋の周囲だけに霧が湧いているような中で写真を撮りながら歩いて渡った。

錦秋に 錦溢れる 錦橋

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しぶき霧 渓流橋を 渡り終え

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2008年10月16日

仁王像

 苗穂地区にある大覚寺の山門に仁王像が立っている。仁王の赤い身体に白いものが張り付いていて、最初鳥の糞かと思った。案内役の僧に聞いてみると、これは唾や水で濡らした紙つぶてが乾いたものだそうである。自分の身体の悪いところに対応する仁王の身体に、濡らした紙つぶてを投げて当て、直るように祈願する。こうなると仁王も医者の役目を果たしている。手稲地区の祥龍寺の山門の仁王像は筋肉隆々の身体つきで、仁王もボディビルで身体を鍛えているのかと思ってしまう。

身体(からだ)張り 仁王医者なり 紙つぶて

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ボディビル 成果は仁王の この身体(からだ)

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2008年10月15日

宮丘公園の秋

 公園が枯葉で覆われる光景は何回見たことだろうか。デジャビユゥを毎年経験している。木の葉の枝との別れは何千万回、何億回繰り返されてきたことだろうか。散った葉は土に還り、又枝から新しい葉が生まれる。透明で見えない春夏秋冬の季節の精達が、誰も座っていない公園のベンチに腰をかけて、ゲームをしている。カードを表にすると木々の葉の色が変わっていくのではないだろうか。今度は私が親だと、秋の精がカードを配り、そのカードが木々の葉を色付かせているようだ。

デジャビユゥ 億万回の 葉の別れ

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ベンチには 春夏秋冬 精座り

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2008年10月13日

朝の山道の物語

 雨の降らない朝であれば、宮丘公園につながる山道を散歩する。朝日が林の木の間から顔を出す。朝日に当たった木々は明るく輝く。朝日と朝日で輝く周囲の写真を撮ると、光を発するものが地中にあって、ここから光が漏れてきているようにも見える。地中に何か光輝くものが埋まっていて、光に近づいてみると、それは…といった物語の最初のシーンのようでもある。種々の色に変化して重なる木の葉は日本画の色調で、物語の挿絵を空に広げた和紙に岩絵の具で描いているようだ。

光あり ここから始まる 物語

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天空の 和紙に描(か)きたる 挿絵なり

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2008年10月12日

鉄道の日

 十月に入っての三連休の初日、十一日は鉄道の日(十四日)に代えてJR北海道苗穂工場の公開日となった。家族連れが普段は入れない工場に集まって来る。見学用に置かれた列車の横でフリーマーケットも開かれている。本物のSLもミニチュアのSLも人を乗せて走るサービスを行っている。アトラクションもあって、苗穂小学校の生徒が和太鼓演奏を披露している。構内に置かれているSLの駆動輪は和太鼓の音を昔レールの上を走った時の音に重ねて思い出しているようでもある。

賑わいは 鉄道の日の 自由市

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和太鼓の 音の思い出 駆動輪

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2008年10月10日

八窓庵

 徳川家に仕えた大名の小堀遠州の作といわれている八窓庵は、二〇〇五年に雪の重みで覆いのプレハブが倒壊し全壊した。その後復元工事が行われ、建物自体の工事が終了して、二〇〇八年の十月に覆いの建物を造る作業の前の一週間程一般公開された。その機会を捉えて見学してきた。窓が八つあることから八窓庵と呼ばれる茶室の切妻部分に「忘筌」(筌は魚を捕る道具で手段は忘れよの意味)の扁額が架かっている。三分庵と呼ばれる部分は八窓庵が札幌に移築時に加えられている。

忘筌(ぼうせん)の 教え見下ろす 八窓庵

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札幌で 付け加えたり 三分庵

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2008年10月06日

屯田防風林

 開拓時代、石狩湾から吹き込んで来る冷たい風や吹雪を防ぐため、防風林が造られ、今でも残っている。現在では周囲の宅地化が進んで住宅に囲まれた防風林は、役目を防風から市民が憩う緑地提供に変わってきている。北区の屯田地区にある防風林内には遊歩道が延び、散歩している人を見かける。防風林内の写真を見ると、カメラを傾けて撮っている印象である。これは風を受けた木が傾いているせいで、今でも防風林が本来の役目を果たしているのを証明しているかのようである。

大都会 防風転じ 遊歩道

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風受ける 木の傾きて 防風林

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五天山公園

 五天山公園は、採石場があった五天山の削られた山肌に緑を戻して、一帯を公園にする計画によって造園工事が進められている。工事は現在も進行中で、パークゴルフ場は既に利用されている。完成は来年(二〇〇九年)に見込まれ、市民も公園化に参加である。この公園をツツジの名所にしようと、秋も深まった日曜日にツツジの植樹会が行われていた。採石跡の階段状の山肌に緑が戻るのはこれからである。ピラミッドのような五天山の上を流れる雲は深まる秋情報の掲示板のようである。

採石山 ツツジで覆うか 植樹会

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流れ雲 深まる秋の 掲示板

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2008年10月04日

軽川(がるがわ)

 軽川と書いて「がるがわ」と発音するそうである。それにしても、最初この呼び方を教えてもらわないとこうは発音できない。細い川で源は手稲山にある。堤防に川に関する案内版があり、飾りには桜とサケがデザインされている。この川幅でも秋にサケが遡ってくるのを見ることができるのを説明しているようだ。しかし、その機会を捉えるためには終日川面を見張っている必要がありそうで、特に今年は川を遡るサケは少なく、その機会を得ることは難しそうである。

細き川 サケ遡(のぼ)るかと 川面見

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軽川の 飾りにサケ居て 遡上見ず

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2008年10月03日

リンゴ園で

 三角山の麓にリンゴ園がある。秋になると採れたリンゴの直売を行っている。宣伝しないリンゴ園のようで、知る人ぞ知る、といった感じである。リンゴを買うついでに、広くもないリンゴ園で、赤く色づいたリンゴを撮る。変わり易い秋空は、青色に白い雲が貼り付けられていて、雲の部分がどんどん変化している。太陽の光を受けて実ったリンゴは、まるで空から赤色を吸い取ってしまったかのようである。写真の撮り方では、リンゴは実物というよりCGで描かれたようにも見える。

天空の 色を吸い取り この赤さ

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CG(シージー)で 描いた如き リンゴの実

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2008年10月02日

北海道鉄道技術館

JR北海道の苗穂工場内に鉄道技術館がある。レンガ造りの建物の横に、昔の停車場のプラットホームを連想させる造りがあり、SLが置かれている。鉄路を驀進したこの巨体は、技術の粋を集めて作られた。SLがその技術史を乗せて、現代の北海道の鉄道新技術開発に挑んでいるこの工場内に止まっているのは象徴的である。模擬プラットホームには腕木式信号機があり、紅白の格子状に塗られた信号版が見える。昔はプラットホームで駅長が紅白の二本の旗で安全確認を行っていた。

この巨体 技術史乗せて 停車中

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紅白は 信号の色 腕木式

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2008年10月01日

手稲山のヤマハハコ

 平和の滝の登山口からの手稲山登山道は山頂の手前でガレ場が続く。やっとの思いでガレ場を抜けて一息つく。秋が足早にやって来るこの季節、山頂付近は紅葉や黄葉で色づいているかと期待していたが、緑の方が未だ優勢で紅葉はところどころに顔を出す程度である。全山が色づくのはもう少し先のようで、その時期の前後には手稲山の山頂に初冠雪が報じられる。山頂近くでは色づいた葉の代わりに、白い花が咲いている。帰宅して図鑑で調べるとヤマハハコの花のようである。

ガレ場抜け 一息ついて ヤマハハコ

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紅葉と 白き花見て 山頂に

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2008年09月30日

大覚寺五百羅漢堂

 東区苗穂地区にある大覚寺は曹洞宗の寺で五百羅漢像がある。境内に立派な五百羅漢堂があり、社務所で対応してくれた若い僧に堂を開けてもらい内に入ってみる。堂の中央に般若心経を収めた回せる経堂があり、周囲の壁に五百羅漢が置かれている。五段のひな壇に五百体の羅漢像が並んでいて、仏像というより人形展に並ぶ人形のようである。表情も姿も異なっていても、背丈が皆同じで派手な彩色の像が並んでいると、人形の在庫品を見ているようで、有り難さは感じられなかった。

お堂内 羅漢おわすや 大覚寺

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羅漢像 ひな壇並び 人形展

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札幌村郷土資料館の初雪草

 札幌村郷土資料館は普通の住宅を転用して資料館としているので、庭も普通の住宅のもので広くはない。ここに大友亀太郎の腰掛けたブロンズ像と玉葱記念碑が置かれている。創成川の元となった大友堀は亀太郎が指揮して開削したもので、これに因んで創成川の岸に置かれてあった像が、創成川のアンダーパスの工事のため、亀太郎の役宅があった元町のこの地に一時的に移動して置かれている。この辺りは札幌の玉葱栽培の始まった場所でもあり、玉葱記念碑も庭に設置されている。

亀太郎 役宅で見る 初雪草

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玉葱の 始まる地での 初雪草

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2008年09月29日

招かざる客

 朝散歩する公園の招かざる客の筆頭は熊公である。しかし、今年は訪れる気配がない。昨年人間様の都合で成仏してもらったので、新たな転入者がいないと、秋の散歩道の安全は確保されている。と思っていると、今度はスズメバチが散歩の邪魔をする。駆除中で危険の掲示があっても、立ち入り禁止を無視で入っていく人・犬もいる。かく言う筆者だって、”大”スズメバチというからには見てみたいものだとロープを越えて散歩の続行である。

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2008年09月28日

手稲山登山

 手稲山に源のある琴似発寒川の平和の滝と、その上流の布敷の滝の写真を撮りに行く。平和の滝までは自動車で、平和の滝にある手稲山登山口からは登山道を徒歩で行く。布敷の滝で写真を撮り終わり、ポツリポツリとやって来る登山者に釣られる格好でついて行く。そのうちガレ場が現れ、これが登山道かと思われる重なった岩を登って行く。こうなると行き着くところまで行くしかない。やっとの思いで辿り着いた頂上付近に、ピリカメノコの石のレリーフが置かれたケルンがあった。

このガレ場 登山道なり 手稲山

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登り着き ピリカメノコの ケルンあり

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2008年09月26日

発寒川のアオサギ

 発寒川沿いのサイクリングロードを走っていると、アオサギが一羽川の中に立っている。カメラを向けて撮っていると、アオサギは早々に対岸に移動してしまう。警戒心の強い鳥のようである。アオサギは集団で行動する鳥なのに、秋が深まるこの時期一羽で居るのはどうしたことだろうか。岸辺に立つアオサギは、孤独に耐えているかのようである。発寒川の水面に映る我が身を見て、仲間と一緒だと思っているのだろうか。飛んでいくアオサギは、夏を追いかけているようにも見える。

孤独耐え 我が身を川面(かわも)に 映し見て

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夏を追い アオサギ飛びて 発寒川

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2008年09月25日

白石神社の枝折門.(しおりもん)

 白石神社に木で出来た門がある。門の傍に枝折門.製作協力者一覧が掲示されている。枝折とは山道などで木の枝などを折って道しるべとすること、また、そのもので、枝折戸は折った木の枝や竹をそのまま使った簡単な開き戸で多く庭の出入り口などに設ける、と辞書にある。枝折門は鳥居のような正門とは異なり、神社の庭への簡単な門ということにでもなろうか。枝折門に透かしであった文様は何を意味しているのか不明であるが、顔文字 (>_ ) を表しているようで面白い。

枝折門. これは神社の 勝手口

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枝折門. 顔文字の見え ウィンクか

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花屋で

 花屋、雑貨屋、喫茶店が合わさった洒落た店に入る。花屋のところで買う気もないのに花の品定めをしていると、小さな虫が花の近くの空中で止まったように浮いている。ヘリコプターのホバーリングのようである。逃げないように気を遣って接写を試みるけれど、小さい虫なので大きく写らない。花屋から続く喫茶店のテラス部分には、テーブルと椅子が並んでいても客の姿がない。秋が深まるこの時期に、テーブルの近くで咲いていた花を撮ったけれど、花の名前はわからない。

花屋では 虫も客なり 気を遣い

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テーブルに 客姿無く 花迎え

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2008年09月24日

二百万都市の中の牧場

 北区新川に近藤牧場があり、サイロが二基建っている。人口が二百万に近づいている札幌市の、街の中ともいうべきところにこの牧場の景観が広がるとは驚きである。元々牧場があった都市郊外まで札幌の街が拡大して来て、この景観が街の中に取り込まれたというのが実情なのであろう。サイロは軟石造りと木造で、異なる建材のサイロが並んでいるのも面白い。北区の歴史と文化の八十八ヶ所の一つにも選定されていて、歩道にそのパネルが描かれていて、絵の中に牛を見つけた。

この景観 二百万都市 抱えたり

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サイロ撮る 足元見れば 牛の居て

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つなぎトンボ

 遊水池の柵のところにつなぎトンボが休んでいる。その形は、休んでいてもこれではお互い苦しかろうと思うほどである。どうしてこのような形になるのか、初め目にした時疑問に思った。この疑問は遊水池でのトンボの産卵を見ていて解けたと思った。産卵のため、トンボの雄が尾の先の部分で雌の首を支え、雌がぶら下がった状態で尾から卵を水面に落としていく。このつなぎの状態で止まると、雌の頭が下向きに抑え込まれてしまうので、雌が頭を上げるとこの状態となるのである。

遊水池 雌(めす)が顔上げ この形

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産卵は 雄(おす)が支えて 雌(めす)下がり

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2008年09月23日

発寒川と市境界

 札幌市と石狩市の境界は発寒川である。原始河川であった頃この川は蛇行していた。最初川筋に沿って両市の境界線が引かれたので、地図上では両市の境界は蛇行している。しかし、河川の改修工事で川筋が真直ぐになり、地図上では石狩市になっているところでも、管理上は札幌市であったりする。遊水池と発寒川に架かる橋は地図上では石狩市であるけれど、実質的管理は札幌市が行っているようである。この辺りのトンボが婚姻届を出す段で、どちらの市にするかは迷うだろう。

この橋は どの市の管理 発寒川

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婚姻の 届けはどの市 市の境

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2008年09月18日

定山渓ダム

 小天狗岳の登山口は定山渓ダムの脇辺りにあるので、登山の前後に定山渓ダムの威容を間近に見ることになる。季節は秋に入ったと思われるのに、ダムの周りの木々は未だ夏の装いである。しかし、空の色や雲から受ける感じは秋である。雲が降らせた雨水は、森が地中に貯め、地表に溢れ出た川水はダムが貯めている。白い雲を見ると、登山に携帯するペットボトルの水との連鎖が頭をかすめる。接写するとダムより巨大に見える秋トンボも、この辺りの水場で水の恩恵を受けている。

森が貯め ダムが貯めての 雲の水

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近づけば ダムより巨大 秋トンボ

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2008年09月17日

ラウネナイ川

 ラウネナイ川とは妙な名前である。多分アイヌ語の名前なのであろう。川の源は北海道農業研究センターの敷地内の調整池である。この敷地を流れて、札幌ドームの横から国道36号線の下をくぐり、ウラウチナイ川と合流して、八紘学園の広い実習農地に入る。八紘学園のリンゴ園の脇を流れて月寒川と合流して月寒川になる。月寒川の合流点では、水量もあまりないこの時期、動かない水面が水鏡となっていて、秋空を写している。赤トンボもこの水鏡に我が身を写して飛んでいる。

月寒と ラウネナイ川 水鏡

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水鏡 我身写すか 赤トンボ

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2008年09月16日

菜洗(なあらい)神社

 地下鉄東豊線の終点福住駅から八紘学園の農地に向かって歩いてゆくと、菜洗神社と社名が書かれた石柱のある神社が目に留まった。珍しい名前だと思っても読み方が分からない。インターネットで調べると、野菜を漬物として漬ける前に水で良く洗うことを「お菜洗い」といって、この名前の地名もある。北海道では野菜を洗うことはあっても、お菜洗いの言葉は聞かない。狭い神社の境内には彫りの見事は狛犬が居て、辺りにトンボが飛んでいて、もうすぐ本格的な秋を迎える。

神様も 漬物用に お菜洗(なあら)い

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菜洗(なあらい)の 作業も見ずに 秋に入り

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2008年09月15日

小天狗岳

 小天狗岳に始めて登ってみた。小樽内川が定山渓ダムで堰き止められてできたダム湖の「さっぽろ湖」に迫るようにして小天狗岳はある。標高七百六十五mでは低山の部類に入るのだろうが、急な登山道が続く。頂上近くの切り立った崖では、ダムとダム湖の景観が眼下に広がる。頂上の空き地は狭く、歩を止めて案内板に描かれた周囲の山々と実物の対応を行う。今年は寒くなるのが遅く、九月の中日だというのに黄葉も見られず、夏の流れがダムに堰き止められているようである。

小天狗の 頂上狭く 歩の止まり

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このダムは 夏の流れを 堰き止めて

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2008年09月14日

赤トンボと滝

 南区の滝野は名前の通り滝が集まった場所である。半日、有明の滝、有明の小滝、樽見の滝、アシリベツの滝、不老の滝、白帆の滝と巡ってみる。秋がそこまで来ていることの証で、どの滝の傍でもトンボが飛んでいる。トンボと背景に滝がある構図の写真を撮ることを試みる。樽見の滝はこの時期でも水量があって、見応えがある。アシリベツの滝は日本の滝百選に選ばれていて、滝に向かって赤トンボが列を作って止まっている。その目の中には滝の水飛沫も写っているのだろう。

捉えたり 鱒見の滝と 赤トンボ

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複眼の 中に飛び散る 水飛沫(しぶき)

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尺取虫

 滝野の滝巡りに出掛けた時、白帆の滝の近くで尺取虫を見つけた。蛾の幼虫である尺取虫は手のような前足と後足しかなく、この両足で身体を移動させていく。まず身体を伸ばして前足を固定し、身体を曲げて後足を前足に揃える。次に前足を浮かして身体を前方に伸ばして前足を固定し、後足を移動させる動作を繰り返して前進する。この歩行は意外と早い。進路に隙間があっても、その間隔が身長を越えなければ、簡単に越えていく。その身体移動の技は美技と表現できるものである。

尺を取る 歩み速くて 滝野森

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足がかり 手がかりあれば 移動美技

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2008年09月13日

百合が原公園のトンボ

 百合が原公園にサイロが残っている。サイロの中は螺旋階段になっていて、登ると五十段ほどある。サイロの上からの眺めはまだ夏である。しかし、秋の気配はサイロの周りを飛び交うトンボからうかがえる。トンボはサイロの屋根の高さまでには飛ばぬようで、低いところで飛び、止まっている。園内にある寄贈された中国庭園にもトンボが飛んでいて、庭園の岩に止まっている。中国庭園には朱塗りの柱の東屋があって、赤トンボが朱色の乏しいところに朱色を運んでいるようである。

この高さ サイロの屋根を トンボ避け

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赤トンボ 庭園朱色 運びたり

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2008年09月10日

おいらん淵

 豊平川は藻南公園内を流れる辺りで淵を作っている。明治の末、身請けされ札幌に連れて来られた花魁が、淋しさのあまりこの淵に身投げした言い伝えから、淵と急流のある場所に「おいらん淵」の名がついた。秋に入ったのだろうと思われる頃、このおいらん淵に立ってみると川水が少ない。水の流れない岩場に赤トンボが止まっていて、花魁の生まれ変わりかとも思えてくる。生徒達が先生に連れられて地質の勉強である。岩石から太古の昔の勉強で、明治は極々近い過去の話である。

花魁の 生まれ変わりか 赤トンボ

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河水無く おいらん淵は 学びの場

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2008年09月09日

札幌台の三角点

 三角測量の基準点になった三角点には等級と点名がついていて、札幌の一等三角点の一つに点名が「月寒」というものがある。これは札幌台にあるものを指しているようで、現在の豊平区月寒地区とは離れていて清田区の白旗山の近くにある。札幌台は二百九十二mの高さの山で、三角点のある高台は二百四十mである。三角点の礎石の近くには白い小さな花が咲いていたけれど、花の名前は分からない。三角点から下りたところに「営林事業所(真栄入口)」への看板があった。

三角点 白き小花が 傍に咲き

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真栄の 入口ここと 赤トンボ

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オンコの実

 散歩道にオンコの生垣があり、赤い実のつく季節に入っている。年中緑の葉をつけているこの木が、かくも赤い実をつけるのが不思議なくらいである。鳥に啄ばんでもらい、種を運んでもらう生命拡張の戦略の上の赤い実なのだろうけれど、鳥にこの赤さが認識されているのだろうか。甘さが口に入るのが不足していた子供の頃、オンコの実をつまんで食べた記憶があって、口に含んでみる。この甘さは昔感じた甘さだったろうかと、味覚を鋭くさせて口の中で記憶を確かめようとする。

鳥たちは 認識するや この赤さ

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口にして 甘さの記憶 確かめて

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