2014年07月31日
古河記念講堂玄関ホール
目に入るは 円柱手摺 格子窓
「林」の文字 林学教室 名残なり
古河記念講堂は北大のシンボル的建物である。しかし、その出自は暗い影を引きずっている。古河工業が足尾銅山鉱毒事件を引き起こし糾弾され、その贖罪を込めて古河虎之助が当時の帝国大に100万円を寄付する。その寄付金の一部で1909年林学教室としてこの建物が建てられた。林学なので玄関のホール部分の欄間の窓は「林」の字がデザインされている。円柱をデザインした手摺の階段があり、洋風の造りである。教養課程の学生時にこの建物の教室で講義を受けている。(2012.2.3)
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今日(7月31日)の一枚
飾り花 白き女神と コラボなり
あちらこちらの家の庭に紫陽花の花を見る季節である。紫陽花の花を玄関先に置かれたヴィーナス像を背景に撮ってみる。萼紫陽花で周辺に白い飾り花があり、中心部の青い花を囲んでいる。飾り花とヴィーナス像のコラボレーションである。
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情報基盤センターのスーパーコンピュータ室
スパコンが 鎮座まします 科学殿
瞬(まばた)き間 百兆計算 箱の中
道新文化センターの「身近な都市秘境を歩いてみよう」講座の講師を勤めていて、見学先に北大情報基盤センターを見学する。一般市民は見る機会の無いスーパーコンピュータ(スパコン)を見せてもらう。スパコンはメーカーからのリースでリース料は年間10億円というから大学内の研究予算としては突出している。気象予測、天体の動きから海水の温度分布のシミュレーション、化学実験や製薬と科学技術研究には無くてはならないものになっているのを説明してもらう(2014.6.18)
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シリーズ1277・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月30日
今日(7月30日・その2)の一枚
人文・社会科学総合教育研究棟玄関ホールの遺跡
建屋内 遺跡を生かし 学舎なり
遺跡撮る 我が姿あり 研究棟
人文・社会科学総合教育研究棟の建築時に、敷地内で遺跡が発見された。約千年前の擦文文化と約二千年前の続縄文文化が重なった地層の出土である。研究棟の玄関ホールには出土した屋外炉跡などを平面の状態で見られるように、床にガラス張りの部分を作り足元で覗き込めるようにした。壁の部分には遺跡の地層の断面を、地表から3 m以上も深く切り取りはめこんで展示している。この建物に出入りする人は目にすることがあっても、良く知られていない遺跡である。(2014.3.17-14)
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2014年07月29日
クラーク像前で赤褌姿のストーム
赤褌(あかふん)の 姿が吟じ クラーク氏
口ずさむ 醒めよ迷いの 夢醒めよ
構内の早咲きの桜を撮りに行くと、クラーク像前で服を脱ぎ、赤褌姿に早変わりした学生達がストームを始めた。昔寮内での赤褌姿のストームはあっても、この姿で屋外でした記憶はない。女子学生がストームに加わることも無かった。ストームは参加者が輪になって「醒めよ迷いの夢さめよ」の口上を高吟し、それから少人数になり「札幌農学校は蝦夷ケ島 熊が棲む 荒野に建てたる大校舎 コチャエルムの木陰で真理解く コチャエ コチャエ」と歌う。伝統が生きているのに驚く。(2013.5.12)
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育ってきている平成のポプラ並木
平成に 生まれし並木 育ちたり
幹天に 影雪に伸び 新並木
平成のポプラ並木は2001年に北大創基125周年を記念して植えられた。農場にある元祖のポプラ並木の枝から育てて新並木に育てている。北大のシンボルのポプラ並木の老齢化が進み、2004年の風台風で多くが倒壊したため、新2代目の並木が育つことが期待されている。並木は第一農場の外れで順調に大きくなってきている。構内の中心から外れた場所にあり、学外からの来訪者がこの並木を近くで目にする機会は少ないけれど、見晴しの良い場所で空に向かって伸びている。(2012.1.30-10)
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2014年07月28日
女子学生の袴姿が目立つ卒業式
卒業景 全周で撮り 記念なり
くすむ景 袴に着物 切り絵なり
卒業式は学生にとって晴れ舞台である。女子学生が袴姿や着物姿で校舎の前に並ぶと、演出効果は一段と強まる。雪が残り木々の緑が戻って来ていないこの時期、くすんだ構内の風景に、袴や着物の絵を切り取って貼り付けたように見えてくる。年配者の姿もある。こちらは父兄のようである。学位記は総代が受け取って授与式が終わり、その後学科や研究室に分かれて学位記が手渡され、祝賀会が行われる。毎年のように祝賀会に出ていたのに、その記憶も薄れてきている。(2014.3.25-10)
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六華のデザインの恵迪寮
六華棟 微細構造 蔦線画
向学心 雪に一筋 道拓き
恵迪寮は1905年に学生の寄宿舎として建てられ、木造2階建で南、中、北、新寮の4棟からなっていた。建物の老朽化が進み、1983年に現在の建物が環状通と石山通の交差する近くに建てられた。5階建の建物は全体が雪の結晶を象っていて、上から見ると6方向に放射状に棟が延び六華のデザインとなっている。玄関を挟む2棟の壁を蔦が覆い、葉の落ちた冬には壁をキャンバスにして、線画で描いた壁画のように見える。夏や秋にはこの線画は緑や赤の彩色が施される。(2014・3・23-9)
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今日(7月28日・その2)の一枚
寺の池 檀家が鯉に 化身なり
寺の収入は基本的にはお布施であり、境内に日本庭園を造ったり、池に緋鯉を放ったりする費用は檀家から出ていることになる。整備された庭の池が狭く見えるほどの数の緋鯉を見ると、檀家からの収入が多くて、鯉に化けたかと思ってしまう。(パノラマ写真)
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年毎に変わり行く構内
この景色 パノラマ写真 残したり
写真撮る 間に来て過ぎて 女子学生
工学部の駐車場の横で撮影したこのパノラマ写真の風景は変わってしまう。駐車場のところにフロンティア応用科学研究棟が建築予定である。駐車場は筆者が学生の頃、構内の各施設の冬期暖房用石炭の貯炭場であった。当時の貯炭場の写真を撮っておけば貴重な資料となったのにと思う。駐車場は研究棟の建築のため、情報科学研究科と第一農場に挟まれた空地に移されることになる。年々構内のどこかの風景が変わっていく。それをパノラマ写真に残そうとしている。(2012.1.30-10)
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2014年07月27日
雪解けのホッケー場開き
ホッケー場 雪に代わりて 人模様
新緑を 待たず練習 開始なり
パノラマ写真を撮った屋外球技場は、1か月前には雪で覆われていた。4月下旬にはさしもの積雪も解け、球技場開きである。学生達が集まって練習の準備に入っている。手にした用具を見るとホッケーである。マネージャーらしき女子学生がホイッスルを吹いている。冬の間鈍った身体を解きほぐすことから始めているようである。ここから見える藻岩山や手稲山の山頂部分は残雪による白い斑模様である。これらの残雪が消える頃、練習は試合に向けて本格的になる。(2014・4・20-09)
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雪に埋もれた球技場
雪原に 人踏み跡や 球技場
サッカー場 人影の無く 藻岩見る
3月の下旬だというのに球技場は厚い雪で覆われていて人影が無い。雪が解ければサッカーやラグビーが行われる場所である。雪を漕いで球技場の入口近くでパノラマ写真を撮る。身体を回転させて撮った跡がパノラマ写真にはっきりと写っている。少し離れたところに人の踏み跡らしきものが雪で消えかかっている。動物の足跡のようなものも見える。農場に隣接し、周囲に大きな建物がなく、眺望が良い。札幌の西から南にかけての山並みが見え、藻岩山が眼前にある。(2014.3.23)
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シリーズ1283・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月26日
シリーズ1275・「パノラマ写真」ここはどこ
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今日(7月26日・その2)の一枚
見上げれば 飛天見下ろし 養福寺
朝の散歩も写真撮影も不足で、改めて養福寺まで行き本堂に入り込みパノラマ写真を撮影する。正信山の山号を持つ曹洞宗の寺である。大きな寺ではないけれど檀家がそれなりにあるようで、本堂の装飾も立派である。天井に飛天が見えている。 (パノラマ写真)
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シリーズ1246・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月25日
シリーズ1282・「パノラマ写真」ここはどこ
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シリーズ1280・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月24日
シリーズ1281・「パノラマ写真」ここはどこ
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シリーズ1261・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月23日
今日(7月23日・その2)の一枚
大テント 客を飲み込み 雨上がり
ホテルで講演会があり出掛ける。講演会の帰路、朝の雨が上がっているので大通公園を歩く。公園ではビアガーデンが開かれていて、雨上がりの日中で客はそれほど多くない。それでも蒸し暑い日で、大テント内でビールを楽しむ客の姿がある。(パノラマ写真)
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2014年07月22日
今日(7月22日・その2)の一枚
今日(7月22日)の一枚
雲海の これ絶景なりと 日の出前
齢を取ると少しの事に満足しようとする心の状態になってくる。窓から日の出前の雲が広がっている。見ようによっては、雲海を見ているかのようでもある。山頂の高級ホテルに居て、窓から眼前に広がる雲海を見ている贅沢と思って満足する。
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2014年07月21日
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今日(7月21日・番外)の一枚
集う人 写真技法で 比較なり
朝刊に昨日の「札幌航空ページェント」の記事が出ている。5万人の来場者で、多分広角レンズで撮影した写真が掲載されている。パノラマ写真と比較して、パノラマ写真は解像度の点では引けを取るけれど、臨場感では勝っていると評価する。(パノラマ写真)
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今日(7月21日)の一枚
坂の上 客を呼び込み タチアオイ
坂道を登って行くと喫茶店がある。こんなところに客が来るものかと思う場所である。一度も入ったことがないけれど、我が家から推定して眺望は良いだろう。店の入り口のところに一群れのタチアオイが咲いていて、客を呼び込むかのようだ。
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2014年07月20日
今日(7月20日・番外2)の一枚
青空に 翼で描く 線画なり
丘珠飛行場での航空ページェントでグライダーのデモンストレーション飛行を見る。動力の無いグライダーが飛行機で上空まで運ばれ、飛行機から切り離された後滑空しながら、急上昇、急下降、宙返りを見せてくれる。まさに曲芸飛行である。
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今日(月日。番外)の一枚
人群れる 物議を醸す 機体撮り
朝刊第1面にオスプレイが丘珠飛行場に到着した記事が出ている。「第28回札幌航空ページェント」で一般公開される。同飛行場まで行き、この物議を醸している飛行機のパノラマ写真を撮る。駐機して物騒な感じは消えても、考えさせられる。(パノラマ写真)
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2014年07月19日
今日(7月19日・番外2)の一枚
今日(7月19日)の一枚
烏害(からすがい) 及ぶ懸念の フロックス
庭にフロックスの一種と思われる花が咲いている。家人の話ではカラスが嘴で花を折ろうとしていたそうである。カラスはトマトの実を突く悪さをするけれど、花まで烏害が及ぶとは想定外である。花がカラスに折られない前に撮っておく。
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2014年07月18日
HPFhito85・札幌の自然の豊かさを実感する毎日新聞北海道支社長川口裕之氏
ホテルでの朝食会に新しく加わったメンバーと隣り合わせになり、名刺交換となる。名刺の主の川口裕之氏は毎日新聞の北海道支社長として6月に札幌赴任で、赴任後未だ1か月も経っていないとのことである。札幌については知らないだろうと話し掛けると、新聞記者になって最初の勤務先が札幌だったそうで、その後も札幌で仕事をされているので、こちらが札幌の説明をあれこれする状況でもなさそうだ。話の流れで、初対面の当日にパノラマ写真撮影とインタビューを申し込み、即実行である。
毎日新聞北海道支社は道庁の北側のビルの2Fにある。通された応接室から道庁の庭と建物が良く見える。川口氏に道庁の見える窓際に立ってもらいパノラマ写真を撮る。撮影後、短いインタビューとなる。筆者の方は、現役時代には新聞記者からインタビューを受けるのが普通だったのに、最近は新聞人を相手にインタビューし、ブログの記事を書いている。
川口氏は神奈川県伊勢原市出身で、1956年生まれである。伊勢原市は大山(1252 m)がシンボルとなっていて、大山詣りで知られている。落語の演目にも「大山詣り」がある。川口氏は落語好きであり、この演目も鑑賞しているかも知れない。伊勢原市縁の太田道灌の話などが出て来て、道灌が詠んだ歌「七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」が話に織り込まれる。
秦野高校から明治大学に進学して法律を専攻する。卒業後の1981年に毎日新聞社に入社する。どうして新聞社を就職先に選んだかを聞いてみると、中学生の頃新聞に投稿して記事として掲載され、新聞には興味があったことを語ってくれた。入社後の最初の勤務地が札幌となる。
札幌では中央警察署が持ち場で2年間勤め、その後小樽、また札幌に戻り道庁回りをして、計6年間の北海道勤務となる。本社に戻り、社会部の記者として仕事を続け、48歳の時報道部長として再び札幌勤務となっている。
本社では環境庁での仕事に携わったことで、環境問題をテーマとするようになる。本社に「水と緑の地球環境本部」が創設され、その本部長を勤め、ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイ女史の「MOTTAINAI」キャンペーンに賛同する。これは同女史が日本語の「もったいない」を取り込んだ環境保全の運動である。
川口氏に仕事以外にする事などを聞いてみる。前述のように落語が好きで、谷中界隈に出向き、鈴本演芸場で落語をよく聴くそうである。札幌には常設の演芸場はないけれど、来札の落語家の興行があれば足を運ぶことになるのだろう。
以前の勤務時代と比べて、札幌の印象を聞いてみる。街の変化はそれほどでもない一方、夏の緑が東京より鮮やかに感じられるとのことである。札幌での住居のある中ノ島から中島公園を通って、歩いて職場まで来ることもあり、その時目にする札幌の景観は札幌の自然の豊かさを実感させてくれ、環境問題を考える上でも示唆に富むものであると語られた。
(毎日新聞北海道支社応接室の川口裕之氏 2014・7・17)
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2014年07月17日
シリーズ1265・「パノラマ写真」ここはどこ
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シリーズ1240・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月16日
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HPFhito84・ベロタクシーを運行させる「エコ・モビリティ サッポロ」代表栗田敬子さん
パノラマ写真風土記の人物編の取材を続けていると、女性パワー、それも主婦の新しいものへの挑戦が目立つと感じる。札幌の街角で時折目につくベロタクシー(VeloTaxi、Velo=ラテン語で自転車)の運行を行っている運営組織代表者が女性であると知って、意表を突かれた。その運営組織のNPO法人「エコ・モビリティ サッポロ」の代表が栗田敬子さんで、栗田さんがどんな経緯でこの事業を始めたのか取材に出向く。
三輪自転車とはいえ客を運ぶタクシー業であり、営業終了後は車庫に駐輪させておく。車庫は札幌卸センター1号館にあり、事務所もそこにある。朝9時半、仕事に向かうベロタクシーのドライバーたちとミーティングがあるので、その前に栗田さんのパノラマ写真撮影とインタビューを行う。9時前に出勤してきた栗田さんは(主婦+キャリアウーマン)/2といった、感じの良い方である。
栗田さんは1964年の札幌生まれである。静修短期大学(現札幌国際大学)に進学する。専攻は大多数の学生が専攻する秘書科、幼児教育学科等ではなく、ごく少数が選ぶ心理学科だったそうである。大方の人がやることから距離を置くやり方のようである。
心理学がその後役に立ったか聞いてみる。内心役に立たなかったとの答えが返ってくるかと思ったら、役に立ったとのことである。大学卒業後住宅メーカーの営業に就き、客にセールスを行う時、心理学で学んだことが生きたそうである。この営業の仕事は2年間ほどで、その後人材派遣業のコンサルタントなどを経て、主婦業に転職である。
主婦になり立ての頃の28歳の年に、夫君と一緒にJICA(国際協力機構)の仕事で2年間ケニアに滞在したのが、現在の環境問題に取り組む原点になっている。自然と野生を想像して同国を訪れると、首都のナイロビは近代的なビルが立ち並ぶ。その一方でスラム街が広がる。近代文明の産物のプラスチックは土に還らず、消えないゴミとなって地面に散乱する。それを目の当たりにして環境問題が帰国後のメインテーマとなる。
環境問題のサークルを立ち上げ、天ぷら油の廃油から石鹸を作ること、エコバックの普及、コンポスト利用の生ごみ処理等々に取り組む。CO2排出が北海道では全国平均の1.3倍であることを知り、少しでも排出削減につながる交通手段として、ドイツが発祥の自転車タクシーに目をつける。
普通のビジネス感覚では、積雪で約半年は営業ができない札幌で自転車タクシーを導入するのは、最初から問題外で処理されるだろう。そこが主婦の底力なのか、実現してしまう。ベロタクシーを営業車として走らせるための組織を2007年に立ち上げ、2008年には前記NPO法人の認可を取得し、同年
から営業を開始している。
日本での需要が少ないため国産メーカの車体が手に入らず、輸入する車体は1台170万円する。現在は5台保有して営業を行っている。年間(約半年)の利用客は約8000人で、利用客は観光客を想定して始めた。しかし、現在の利用客の半数は札幌市民で、これはうれしい誤算となった。さらに最近は介護で利用されるケースも目立ってきていて、高齢者向きに、かつての生活した場をたどるコースを設定し、認知症予防にも役立てるメニュー等を用意している。
このようなメニューでは、ドライバーは体力の他にコミュニケーション能力も要求される。雪が無く、寒さもまあまあな4月末から10月末までがドライバーとしての仕事の期間で、残りの半年は別の仕事をする必要がある。こうなるとドライバーとして仕事に就ける人に制約が加わり、経験を積んだドライバーが育っていかなければ、新しいメニューの利用が拡大しないだろう。事業展開の将来的課題でもある。
営業を軌道に乗せてここまでくるには大変なこともあったようである。ある意味車の流れを悪くする新種の交通手段の登場に対する車の運転者からのクレームなどもある。それに対処する栗田さんは、昔取った杵柄の心理学を活用しているのかどうか、そこら辺を聞きそびれてしまった。
(エコ・モビリティ サッポロのオフィスでの栗田敬子さん 2014・7・15)
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2014年07月15日
今日(7月15日・番外)の一枚
今日(7月15日)の一枚
被写体を 待ちて撮りたり 犬の道
散歩させる犬の糞尿の注意看板がよく目につく中で、犬の散歩歓迎のような看板がある。犬の絵があしらわれ、犬の道と銘打たれている。犬を連れて散歩する人を入れた犬の道を、丁度通りかかった犬連れが後姿になるのを待って撮ってみる。
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2014年07月14日
シリーズ1259・「パノラマ写真」ここはどこ
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今日(7月14日)の一枚
焦げる花 異国の夏と ルドベキア
開いた花の中央部が焦げたような色になっているルドベキアは、いかにも異国の花という感じがする。この花は北アメリカ原産で明治中期に渡来している。住宅街の小道に沿って咲いているのを撮って、異国の夏を旅行している気分に浸る。
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2014年07月13日
今日(7月13日・番外)の一枚
シリーズ1254・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月12日
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2014年07月11日
HPFhito83・自転車と二人三脚のサッポロバイクプロジェクト代表太田明子氏
太田明子さんは「私設北海道開拓使の会」事務局長や「札幌BizCafe」事務局長を歴任されている事もあり、旧知である。しかし、ここ数年は会う機会も無いと思っていたら、最近自転車製造と販売を行っていると小耳に挟んだので、時間を合わせパノラマ写真取材に出向く。場所は新車モデルのSapporoBikeが展示されている東急ハンズである。
太田さんは大阪市生まれで、名古屋女子大学短期大学部を1983年に卒業して伊藤萬に入社し、1993年に北海道に移住している。札幌を活動の舞台にして前記の仕事に携わり、2002年には「太田明子ビジネス工房」を立ち上げている。女性起業家支援の仕事などで講演のため全道を回った経験の持ち主である。蛇足ながら、出身地の関係で阪神タイガーズの熱烈ファンである。このような経歴で、何で自転車に関わるようになったのか聞いてみる。
太田さんはここ3年ばかり変形性股関節症で入退院を繰り返してきた。この病気は女性に多い疾患で、先天性のものであるらしい。病状が悪化すると、股関節の痛みで歩くのがままならなくなる。大学病院で手術とリハビリを終え、股関節に負担がかからないようにと自転車を利用するようになる。嘘みたい話であるけれど、自転車の振動で患部の軟骨組織が増えている珍しいケースだと、かかりつけの医者から言われたそうである。
病気から健常者の生活戻るための自転車利用で、自転車がママチャリに代表される低価格の実用車と機能性とデザインを重視した高価格のロードバイクの二極化に気付く。太田さんはこの二極化にあって、その中間の自分に合った自転車作りを考えた。考えるだけでなく、自転車のメーカーとなり販売を行ってみようとしたところに、これまで女性起業家に指南してきた事を自ら実践することになる。価格が手ごろで、機能性とデザインに満足でき、都市生活者の足として愛用できるものを試作する。価格は3万円台(約4万円)で、100台限定販売で、販売に先立ち東急ハンズにデモ車を展示している。
東急ハンズの売り場担当者に頼んで、デモ車を店の前に置き、太田さんに立ってもらいパノラマ写真撮影を行う。宣伝のパネルも一緒に並べての撮影である。店に出入りする客が写らないようにするため、手早く撮影を済ませる。
東急ハンズにデモ車を展示できたのがラッキーで、インタビュー時には約6割の注文が来ているとの事である。この分では完売の見込みは出てきたようである。新しい商品を開発・販売する苦労話もインタビューの節々に語られる。これまでの仕事の人脈を生かしてプロジェクトのメンバーに多方面の人に加わってもらっており、プロジェクト成功への原動力になっている。病気を逆手にとって、自転車と二人三脚で、女性起業家の道を走り続けている。
(東急ハンズ前で 2014.7.10)
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シリーズ1234・「パノラマ写真」ここはどこ
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シリーズ1249・「パノラマ写真」ここはどこ
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アポイ岳固有種のブランドの花アポイハハコ
地名のついた固有種となればそれが育つ場所のブランド植物である。アポイハハコはアポイ岳の固有種と言われている。ハハコグサは漢字名では母子草で、御形の別名があり春の七草の一つである。アポイハハコは白い花で葉や茎に綿毛が密生している。タカネヤハズハハコと同じとも言われているけれど、アポイ岳の固有種のブランドを背負った種とも紹介されている。植物を専門にしているのではないので、そこら辺には目を瞑り、岩場に咲くこの花をアポイ岳固有種として眺める。
ブランドの アポイ固有種 ハハコグサ
花を見て どこが母子か 不明なり
2014年07月10日
HPFhito82・脳と身体の動きの関連を語る北海道練功十八法協会代表師範藤岡龍峰氏
円山公園で行われた「練功」の練習を近くで見たことがある。指導者は藤岡龍峰氏で、氏は道新文化センター講座「練功十八法」でも教えている。同センターで講座のある日に予約無しで訪ねて、パノラマ写真撮影とインタビューを行う。
「練功」とは中国武術の流れを汲む健康体操と表現してよいだろう。良く知られた少林寺拳法等は長い歴史があるけれど、練功は比較的新しく、文化大革命が終息した後の1975年に始まっている。発祥の地中国では、「中国ラジオ体操」、「太極拳」と共に中国三大国民体操とされている。藤岡氏は上海に本部がある上海市練功十八法協会の理事で国際指導員でもある。道新文化センターのスタジオでの講座終了後、スタジオで藤岡氏のパノラマ写真を撮影してから色々聞いてみる。
藤岡氏は岩手県洋野町で1956年に生まれている。生家は曹洞宗の寺で、氏は一等教師の資格を持つ僧である。しかし、僧を職業にはしておらず練功を教えることで生計を立てている。そこら辺の事情を聞くと、現状の仏教とは距離を置いて、生活者の健康な暮らしに役立つことの実践を、宗教活動に優先させていためであるとの答えである。練功を教える毎日で、生徒数は400名台にのぼるだろうとのことである。
練功の神髄は何かと聞いてみる。健康のため自分の身体を知る事だとの答えである。運動を介しての医療行為でもあるようだ。身体がどんなメカニズムの下にあるのかをちょっとした身体動作で確かめさせてくれる。指相撲で藤岡氏の親指を抑えつける。一生懸命抑えているつもりなのに親指を抜かれてしまう。筆者が逆の立場で同じように親指を抜こうとしても駄目である。今度は両手で相手を引っ張る。藤岡氏は筆者を自分の方に引っ張ることができるのに対して、筆者はそれができない。力の差ということでなく、何かコツのようなものがある。藤岡氏の解説では、人間力を入れる時と力を抜く時があり、その力の抜く時を狙って相手に自分の力を伝える。
力を入れたり抜いたりするのは脳の働きで、この働きが筋肉に伝わるにはタイムラグがあり、訓練によりそのタイムラグを利用できるようになるのだそうである。このような話になると理解が及ばない。しかし、実際に力で相手に負けてしまう。ここら辺が武術の神髄に通じるものがあるらしく、指一本で相手を倒したりできる例があるらしい。
氏は1987年に練功を初めて、57歳になる現在も毎日訓練している。それでも新しい事に気付く日々であるそうだ。人間65歳ぐらいまでは成長するそうで、氏の練功も現在成長の過程にあるようだ。
(道新文化センタースタジオで 2014・7・10)
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シリーズ1241・「パノラマ写真」ここはどこ
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北国を感じさせるチシマフウロ
園芸種のフウロソウは良く見かける花で、自宅の庭にも咲いている。野原で見かけるゲンノショウコも同じフウロソウ科の花である。チシマフウロは高山に自生する花ということで評価を得ていて、登山時に観賞されたり撮影の対象になったりする。アポイ岳でも見ることのできる花で、一輪で咲いていても花の青紫色で見つけ出すことができる。霧の中でこの花を見つけると、霧に加えて花の色の寒色系、チシマの語感が重なって夏に入っているとはいえ、北国を感じさせる花である。
咲き残る 花一輪の フウロソウ
寒色と チシマの語感 北の花
2014年07月09日
シリーズ1245・「パノラマ写真」ここはどこ
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群落が縮小しているアポイ岳のシャクナゲ
アポイ岳は岩場にでるまで森林の中を登山道が続く。森林の登山道は、以前はシャクナゲの群落を横切っていたけれど、最近は群落が縮小していると同行の登山経験者から聞く。ここのシャクナゲはハクサンシャクナゲかその変種のエゾシャクナゲであるらしいけれど、両者の区別はつかない。岩場に出てからハイマツが茂る中にも丈の低いシャクナゲが散見できる。真っ白ものから、すこしピンクがかったものもある。シャクナゲの咲いているところが、霧の中で明るくなっている。
シャクナゲの 少なくなりて アポイ岳
白き花 周囲明るく 霧の山
区別のつかないエゾコウゾリナとエゾタカネニガナ
登山の第一の目的が頂上まで辿り着くことにあると、途中で目にする高山植物は取りあえず写真を撮っておいて、後で花の名前を調べようとする。しかし、似たような花であれば写真で同定するのが難しい。その場で花の特徴などを調べておくべきではあるけれど、前に足を運ぶ事が優先で、現場での観察が抜け落ちる。エゾタカネニガナとエゾコウゾリナは数枚の写真だけからは素人目には判別が難しい。ネットの画像や花図鑑を参考に両者を区別してみるが、当然ながら自信はない。
花びらが 霧で湿りて コウゾリナ
自信無く タカネニガナと 定めたり
シリーズ1236・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月08日
アポイキンバイに似たキンロバイ
アポイ岳に登ったからにはアポイの名が冠された花を撮ってみたい。黄色い花が咲いていて、その場で口から出た花名はアポイキンバイである。しかし、帰宅後気になって調べてみるとキンロバイ(金露梅)のようである。登山は6月下旬で、アポイキンバイは5月が花期ということで、アポイキンバイではなさそうである。キジムシロも似たような黄色の花であるけれど、こちらは葉がかなり変わっているので見分けがつき易い。花も似たようなものがあって、調べ出すと時間がかかる。
期待する アポイ名付かず キンロバイ
キンロバイ 登山者倣い 岩登り
霧の中のアポイアズマギク
アポイ岳登山では荷物をなるべく軽くしたかったので、花撮影用のマクロレンズ等は持たず、200 mmの望遠レンズとパノラマ写真撮影の魚眼レンズの2本だけで撮影を済まそうとした。望遠レンズのため、花にあまり寄って撮影できず、生憎の霧ですこし霞んだ花の写真となる。アポイアズマギクが岩の傍に咲いている。消滅を危惧して地元住民団体が苗を育てて山に戻している花の一種である。家茎が長く伸びて先に花が開いているものもあり、岩場ではいかにも高山植物の趣がある。
山名付く 霧に霞んだ アズマギク
茎伸ばし ここ高山と 高さ誇示
今日(7月8日)の一枚
紅色に 足の止まりて 豆の花
ベニバナインゲンの花が咲いている。見事な紅色に足を止めカメラを向ける。豆を採る目的で育てられているけれど、観賞用でも通用する。事実、観賞用として育てられているのもある。この豆は食べたことがあるのかどうか、記憶にない。
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シリーズ1230・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月07日
いつまでも 居ると思うな 森ヒロコ
アポイ岳のアポイヤマブキショウマ
アポイ岳登山では景観とお花畑の写真を期待したのだが、生憎の霧とハイマツがはびこり出した登山道では、ちらほらと高山植物の花が見られる程度である。それでも花を見つけては撮ってみる。アポイヤマブキショウマがやや多く目についた。サラシナショウマに比べると小ぶりな花で、名の通り山吹色である。何の虫かは同定できないけれど、つがいが花の上で重なっていて、性の営みが霧の中行われている。霧が水滴となって花に付いているのが、寄生している生き物みたいである。
ショウマ花 山吹色に 虫を乗せ
水滴が 花に寄生の 霧アポイ
シリーズ1228・「パノラマ写真」ここはどこ
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シリーズ1237・「パノラマ写真」ここはどこ
生き延びる 努力続ける 駅のあり
車掌車改造駅舎が背後に鉄道林を背負って設置されている。1面のホームに1線が延びている。線路の北東側に集落がある。駅の維持を自治体負担にするか廃止の提案があったのに対して、町が負担の方向で推移していて駅舎の外壁を新しくした。
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2014年07月06日
シリーズ1231・「パノラマ写真」ここはどこ
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今日(7月6日・番外)の一枚
山頂に 花無かりけり アポイ岳
道新の新企画「知究人(ちきゅうじん)」にアポイ岳の高山植物を絶滅から救う活動をしている「アポイ岳ファンクラブ」の記事を目にする。先月下旬にアポイ岳に登っているので、頂上で撮ったパノラマ写真を合成して、記事と重ねて撮ってみる。(パノラマ写真)
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2014年07月05日
シリーズ1227N・「パノラマ写真」ここはどこ
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今日(7月5日)の一枚
独り身に 取り残されて ラベンダー
家人は朝早く手作りの食べ物を抱えてA市へ出掛ける。朝の忙しさで散歩は休み、庭のラベンダーが今日の一枚となる。ラベンダーは小低木なので毎年同じところに咲いても不思議ではないのだけれど、消えもせずよく咲き出すものだと思う。
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シリーズ1226N・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月04日
HPFhito81・立ちながら仕事をするムラタオフィス社長村田利文氏
北海道新聞(2014・7・2)に「札幌ビズカフェ15年目の挑戦-先駆者たちのその後」の記事が掲載されていて、ビズカフェ(BizCafe)初代代表の村田利文氏の顔写真も載っている。早速パノラマ写真取材を申し込む。3代目ビズカフェのオフィスと村田氏の「ムラタオフィス」のある都心部の「日の出ビル」の9階のコワーキングスペース「ドリノキ」を訪ねる。
出迎えてくれた村田氏は立ったままで、オフィスには椅子が無い。村田氏は立ったままパソコンを操作している。自宅でも立ったまま仕事をするらしい。これは最初見るとかなり驚く。どうして立ったまま仕事をするか聞いてみる。店の売り場やその他作業場では立ち仕事は普通に行われていて、デスクワークは必ずしも座ってする必要はない。座って眠くなるより立って仕事をする方が、能率が向上する。最初は疲れるけれど、馴れれば身体にも良い。言われてみるとそんな気もする。しかし、真似する気にはならない。
札幌ビズカフェは村田氏らが中心になって1999年に札幌北口のプレハブの建物内に開設された。ビズカフェの精神は「New business from new style」で、この言葉を筆字で書いた看板が掲げられていた。この看板は現在も引き継がれていて、ドリノキの別の場所に置かれてあった看板を運んでもらい、村田氏と一緒にパノラマ写真撮影である。
ビズカフェは設立当時全国的に知られる存在となり、2001年には平成13年度の情報化促進貢献企業・団体として経済産業大臣表彰を受賞している。2代目ビズカフェは伊藤組110年記念ビルにオフィスが移り、3代目が現在の場所に移っている。
村田氏は1956年江別市の酪農家に生まれている。札幌南校から北大に進学し、学部は電子工学科に移行している。学部と修士課程でマイクロコンピュータと出合い、同学年の3名と一緒に修士課程の時ベンチャー企業「ビー・ユー・ジー」を興している。この会社は札幌の情報産業勃興期の成功譚として語られた。
その後ビー・ユー・ジーを離れ、VoIP技術の開発を手掛け1997年「ソフトフロント」を設立している。この会社はナスダック・ジャパン(現ジャスダック)に上場した。村田氏は同社の社長、会長を勤め、現在は最高技術顧問となっている。2009年に「ムラタオフィス」を設立してプロジェクト・マネジメントやコンサルタント業を行っている。札幌のIT企業数社の社外取締役も兼務している。
仕事以外の趣味を聞いてみると、意外にも彫刻である。安田侃氏の彫刻講座に参加したのがきっかけで、石彫を手掛けている。石彫は時間がかかるので、最近はワイヤーアートにも手を伸ばしている、とのことである。作品展でもやらないのかと聞いてみると、まだそこまでする自信はないとのことである。
村田氏は本を集めることも好きなようで、自宅を新築した時書庫を造った。現在、この書庫は5千冊の本で埋まっているとのことである。そろそろいっぱいになるのではないかと聞いてみると、1万冊の蔵書にも耐えられるとのことで、蔵書の点から言えば人生折り返し点に居ることになる。(2014・7・4)
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今日(7月4日)の一枚
力作の 案山子狭めて 庭の畑(はた)
庭を畑にしている家がある。カラス対策なのか、案山子が二体置かれている。力作の案山子で、遠目には人が居るみたいである。家庭菜園の作物より案山子の方に力が入っているようである。案山子が目立って、畑の方が狭まって見えてくる。
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2014年07月03日
HPFhito80・銀行員から転職し仕事に恵まれた北海道公営企業管理者伊藤邦宏氏
旧北海道拓殖銀行(拓銀)が主催し、1986年に結成された「米国先端産業集積地域調査団」に筆者はコーディネータという役回りで参加したことがある。団長は拓銀副頭取加藤忠義氏(故人)、企画・立案は団員の拓銀常務石黒直文氏で、事務員として拓銀行員の伊藤邦宏氏が加わった。1986年には、新しい情報産業団地札幌テクノパークの中核施設となるサッポロエレクトロニクスセンターが同団地内に竣工している。当時拓銀は今後発展が期待されるIT産業に関わる地元企業を育成する目的のため、30名からなる同調査団でアメリカ各地で視察旅行を行った。
札幌におけるIT企業は、黎明期からいくつもの成功譚が語られて成長していった。しかし、1997年バブル崩壊で拓銀が破綻する。同行の行員の多くは、拓銀の営業権を引き継いだ北洋銀行に移ることになった。その他の同行転職者のため、北海道も行員の受け皿として社会人枠を増やして道職員として採用した。ただし、原則40歳以下の採用で、採用年の1998年当時44歳であった伊藤氏の採用は稀なケースであった。
伊藤氏は道に採用された後、課長登用試験に合格、IT産業推進、食と観光産業振興、企業誘致と、その時々の道の産業政策の要となるところで仕事をして、2013年には道の特別職の北海道公営企業管理者になっている。転職後仕事に恵まれたといえる。2013年「北海道功労賞」を受賞した筆者の祝賀会で、伊藤氏に挨拶をしていただいた。
伊藤氏は1953年の札幌生まれで、札幌西高から京大に進学している。同大法学部卒業後拓銀に入行している。どうして拓銀を選んだかを聞いてみると、戻りたかった札幌に軸足を置いて、東京や海外での仕事ができる職場としての拓銀に期待したためとの答えである。願い通りニューヨークや東京での勤務が続き、東京では大蔵省を相手にしたモフタン(MOF坦)を勤め、企画・調査がメインの仕事であった。その行員生活は前述の拓銀破綻で終わりを告げた。
伊藤氏に趣味の事なども聞いてみる。山登りだそうで、今でも暇を見つけて登っている。登山するようになったのは、運動部所属の息子と藻岩山に登った時に体力の無さに気づいたのがきっかけとのことである。道内の山はテントや自動車で寝泊まりしながらかなりの座数を登っている。登山することで森林とか地質等にも興味の対象は広がった。
アメリカ旅行で伊藤氏と初めてご縁が出来てからもう30年近くになろうとしている。札幌における情報産業の企業と人も随分変わってしまった。これからも変わっていくだろうと思いながら、最後に伊藤氏の執務室でパノラマ写真撮影を行い、取材を終えた。(2014・7・3)
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シリーズ1224N・「パノラマ写真」ここはどこ
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2014年07月02日
今日(7月2日・番外)の一枚
2014年07月01日
HPFhito79・仕事・スポーツ・合唱と充実した生活を送る遠藤興産社長遠藤隆三氏
ススキノの中心南6条西5丁目に塀を巡らせた大邸宅がある。門には「愚象庵」の表札が掛かっている。その家の現当主が遠藤興産社長の遠藤隆三氏である。同社の初代は隆三氏の父の象三氏で、名前の「象」を採って表札にしたそうだが、意味や謂れはよくわからないと隆三氏の言である。親子の名前に「三」がついているけれど、遠藤家の命名の流儀らしく、隆三氏は長男である。
この屋敷は外側から内の様子がわからないので、通りすがり人は色々推測するようである。以前、道新文化センターの都市秘境巡り講座で、参加者と共に屋敷の内を見学させてもらったことがある。1919(大正8)年に完成したと伝えられている家屋は、北海道の住宅には見られない造りがあり、見学者には都市の中の秘境として記憶に残ったはずである。
この「愚象庵」内で隆三氏のパノラマ写真を撮り、インタビューをする。隆三氏は1976年にこの家で生まれている。北海学園大学法学部に進み、卒業後不動産の仲介業の三井リハウスに4年間勤め、遠藤興産に入社する。遠藤家は木材、ゴムなどを扱う仕事から象三氏の時に不動産業の現会社を興している。隆三氏が同社の社長に就任したのは、東日本大震災の起こった2011年で、当時35歳の若さであった。
遠藤興産の本社は道銀ビルの9Fにあり、隆三氏はこの自宅から毎日本社に通う。会社の方は社員が10名前後、パートも同数程度居る。若くて社長に就任して大変だろうと推測してみるけれど、本人の口から大変そうな話は出てこない。それよりも、このままの人口減少が続けば、不動産業を始め北海道の経済に与える未来が話題になる。しかし、深刻な未来をそれほど気にする様子でもなく、楽天的な性格のようでもある。
仕事以外に話題を向けると、趣味の範囲が広い。スポーツが好きなようで、大学時代はラクビーとスキーをやっていた。大学生以前には水泳、剣道を、社会人になってからはサーフィンやスノウボードをやっている。サーフィンは、夏は苫小牧の海岸、秋には留萌近辺の海に行くそうである。自宅庭にサーフィンのスーツが干してあり、頻繁に出かけている様子である。
全くの体育会系かと思っていると、オペラが好きで大学時代にはミュージカルにも出演しているというから、体育会系でも毛色が変わっている。現在は合唱団に加わっていて、札響の合唱団や男性合唱団「ススキーノ」のメンバーでもある。それにしても仕事と掛け持ちでこれだけのことをするのは若さのなせる業である。趣味に打ち込む経済人が多くなれば、札幌の経済や産業の厚みが増すと感じた。(2014・7・1)
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シリーズ1222N・「パノラマ写真」ここはどこ
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