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2011年12月06日

木の幹に棲む大嘴の鳥

 木に棲みついて、木と一体になった鳥がいる。鳥の種類ははっきりしないけれど、その大きな嘴が特徴的である。この嘴で何か餌を捕りたいように見えても、木の幹から離れられないのでは、ひたすら上から落ちてくるものを待つしかない。しかし、餌になるようなものは期待できないようで、雪が嘴にかかる程度である。横から見ると、立派な嘴が木の幹から飛び出していて、この嘴に勝てる他の鳥はいないだろう。冬を迎えると木の葉も消えて、大嘴の鳥たちが嘴を誇示している。

幹鳥は 嘴伸ばし 雪被り

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冬空に 大嘴を 誇示したり

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2011年12月05日

朝の水滴イルミネーション

 梅の枝に積もって解けた雪の水滴が朝日で光っている。イルミネーションで枝を飾っているようである。この季節恒例の冬のイベント、ホワイトイルミネーションが都心部で行われている。このイベントでは、様々な色の電球やLEDが、札幌の夜を飾る。これに対して、朝日に輝く水滴イルミネーションは白色一色で、素朴なものである。電気代もかからず、エコロジカルな飾りである。難点はいつも見ることができない点で、雪が解ける気温と朝日が顔を出す条件が満足される必要がある。

豆電球 点るが如く 梅の枝

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水滴で エコ電飾の 雪の朝

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2011年12月01日

カシワの幹の顔

 NHKの生放送に出演のため出向く。約束の時間前に着いたので、局の建物の前の広場で写真を撮って時間の調整である。初冬のこの時期、撮りたくなるような朝の景色は視界に入ってこない。茶色の葉が残っているカシワの木の幹に顔が浮き出ている。シラカバの木の幹にはこの種の顔を見つけることがあるけれど、カシワの木に見るのは珍しい。両目と口があり、鼻に相当する造作がないけれど、鼻があるとすれば長い顔や短い顔がある。木の幹の顔を喜怒哀楽のどれにするかは難しい。

鼻長き 顔を見つけて カシワの木

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難しき 喜怒哀楽の 顔判定

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2011年07月10日

連れクリオネに似たツレサギソウ

 道端に面した庭に、小さな鳥が飛んでいると表現してよさそうな花が咲いている。この花の鳥を鷺に見立てて、連れて飛んでいる様子からツレサギソウ(連鷺草)の名前が付けられている。ラン科の花で、場所によっては自生しているものが激減している花である。花を接写してみると、鷺よりはオホーツクの海に居るクリオネの姿の方に近い。花の名前をつけた人がクリオネを知っていたら、クリオネソウと命名したかもしれない。初夏に咲き出し、比較的長く咲いている花である。

見つけたり 鷺の群れ飛び 夏の入り

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鷺よりは クリオネに似て ラン科花

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2011年07月07日

長い舌を出したニオイハンゲ

 ニオイハンゲを漢字に直すと、匂半夏となる。半夏は薬草のカラスビシャクを指す。半夏生(はんげしょう)の略でもあり、夏至から11目頃になる。サトイモ科の花で、良い匂いがするそうで、匂いを嗅いでみたけれど、風の吹く道路脇であったせいか、匂いはしなかった。蛇の頭のように見えるのは花を包む苞で、この苞に隠れて肉穂花序と呼ばれる細かな花が密集している。苞の外に長い舌を伸ばし奇怪な形で、舌は画面を突き抜けている。同じサトイモ科のウラシマソウに似ている。

奇怪な ニオイハンゲの 長き舌

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名につられ 鼻近づけて 匂い嗅ぐ

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2011年07月04日

円山公園で見かけた幹顔

 円山登山のため、円山公園を横切った。公園にはポプラの大木が並んである。幹は瘤(こぶ)が重なるように出来ていて、これらの瘤が顔の造作や髪に見えてくる。写真のポプラの幹顔は、髪の豊かな人である。髪は巻き毛で、鼻や口の造りも大きくて、日本人より外国人の感じである。顔のところどころに緑の葉が出ている。松の幹にある顔は何かに驚いているようである。視線の先には特段変わったものは見られないけれど、木特有の感覚で何かを感じ取っているのかも知れない。

髪形 外人に似て ポプラの木

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口開き 何に驚く 松の顔

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2011年06月20日

マツの幹の顔と貌

 宮丘公園の入口のところにマツの植え込みがある。このマツは木肌の表面がガサガサで、人の顔を当てはめるのが、白樺の幹などに比べて難しい。それでも枝の痕がうまく組み合わさると、人の顔、あるいは動物の貌に見えてくる。両の目はおいて、その下の突起を尖らかせた口と見るか、鼻と見るかで、顔は人間か動物に分かれる。動物とすればこの貌は何に似ているだろうか。尖った口では目と口の間に間隔があって、鼻があるとすれば、それが長い顔の部分をトリミング撮影する。

この貌は 何の動物 思案なり

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無い鼻を 長くした顔 トリミング

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2011年05月27日

西野緑道の白樺の顔

 西区緑道の、眩しいばかりの新緑の白樺並木を歩いていて、いつもの癖で白樺の幹に顔を捜している。大抵の白樺の幹に見つかる典型的顔があり、写真に記録するまでもないと思う。しかし、傍に桜の花があるのが珍しいので撮ってみる。髪のある顔を見つける。雰囲気からこれは女性とする。最近の日本人女性はほとんど髪を染めているので、髪を染めない女性を見ると、日本人ではないのではないかと錯覚する。この点、白樺幹の女性の顔は黒っぽい髪で、本来の日本人女性である。

幹の顔 桜花(おうか)囲みて 得意顔

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髪染めず 黒髪気づき 日本人

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2011年05月02日

キスをする木

 キスは人間だけが行う愛情を示す動作かと思っていたら、木同士でもこの行為に及んでいるのを目にした。二本の幹が寄り添って伸び、お互い好意を持ったか、それぞれが幹から出っ張りを出し、つながっている。根の異なる幹や枝がつながるのはあり得ないのだが、つながって見える。これは木同士のキスである。キスをしても一時的なつながりで、一つの連結体になる訳ではない。キスする木を目にしてから注意してみると、人目も憚らずにキスを見せている木があるのに気がつく。

愛情を 込めたキス見せ 遊歩道

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おおらかに 人歩く道 キス披露

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2011年04月28日

叫ぶ木肌顔

 札幌の街路樹のご三家には、プラタナスが入る。プラタナスはスズカケノキの和名もあり、並木のプラタナスを見上げると、鈴をぶら下げたような実が見える。プラタナスの木肌は滑らかである。しかし、木によっては、枝のとれた痕や幹の瘤が目立つ。そんな中に、大きな口を開けて叫んでいるような顔に見えるものがある。片目がつぶれた顔で何を叫んでいるのだろうか。幹から細い枝が出ているものは、頬髯のある顔に見える。車道を横断する歩行者に危ないと叫んでいるようでもある。

プラタナス 叫ぶ顔あり 片目なり

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危ないと ひげ(髯)顔叫び 車道脇

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2011年04月27日

眼鏡の顔

 木肌の顔集めを続けている。将来の豆本出版が頭にあって、同じテーマの写真が2枚揃うと句作に入る。今回は眼鏡をかけた顔が2枚揃った。目の大きな顔でもよいのだけれど、眼鏡をかけた顔の表現の方が面白い。見つけた場所は、散歩で良く訪れる宮丘公園で、白樺の木があれば木肌にチェックの視線を向けた結果である。木肌の枝の痕なので、パターンは似たものが並び、テーマに合う顔はなかなか見つからない。そんな事もあって、眼鏡の顔が揃った時には新発見の気分になる。

眼鏡(がんきょう)は 顔に似合いて 雪公園

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眼鏡(めがね)する 顔に出会いて 早き朝

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2011年04月22日

歯をむき出した顔

 木なので「は」とくれは「葉」のところ、ここでは「歯」なのである。白樺の幹の顔には、歯をむき出して笑っているか、あるいは怒っているかに見えるものがある。表情が笑っているか怒っているかは、枝のとれた跡の形が半円形に見えるか、顔の中心に向かった下がる斜めの線に見えるかで決まってくる。歩いている時の気分が、木の表情を決めるのに反映することもあり、気持ちに余裕があればどの顔も笑っているようにも見え、気掛かりなことがあれば、脅す顔にも見えてくる。

歯を出した 笑い顔見て 秋の道

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雪道で 歯をむき出して 脅すなり

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2011年04月16日

ストローと爪楊枝

 ドロヤナギの幹から枝が出ていて、この枝が十分に成長しないと、幹から落ちるか落とされてしまうようだ。幹が太くなれるよう、木自身が自分の枝の剪定を行っているようである。枝の落ちた跡が目にも口にもなり、人の顔が現れてくる。口の部分に未だ枝があるか新しい枝が出てくると、ストローをくわえているようにも、くわえタバコのようにも見る。枝が細いとくわえているものは爪楊枝といったところか。ドロヤナギの木肌は滑らかなので、顔になぞらえるのに適している。

ストローで 吸い尽くそうと 口尖り

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爪楊枝 口にくわえて 食後なり

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白樺の幹のテレビ父さん

 白樺の幹にあるとぼけた雰囲気の顔が何かに似ている。思い付くのはさっぽろテレビ塔のゆるキャラの「テレビ父さん」である。線を引いたような細い目の感じが似ている。テレビ塔の公式キャラクターはタワッキーというのが先に設定され、2002年に生まれたテレビ父さんは非公式のキャラクターである。しかし、今や公式のものは姿を消し、非公式キャラが大手を振って観光客へのサービス活動を行っている。テレビ塔の展望台にはテレビ父さんの置物のある、テレビ父さん神社まである。

挨拶す テレビ父さん 朝の道

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ゆるキャラが 神社にもなり テレビ塔

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2011年04月13日

伐採木の断面に現れた顔

 伐採された木が積まれてあった。よく見ると、年輪が顔に似ているのに気がついた。見開いた目と長く伸びる唇は、映画「スター・ウォーズ」に出てくる架空のエイリアンの長のヨーダに似ている。ただし、耳の部分は除いてである。この映画はジョージ・ルーカスが監督で、シリーズで作られている。あごが細くなった年輪の顔は、ステーヴン・スピルバーグ監督の映画「E.T.」の主人公の地球外生命体に似ていなくもない。この映画は当時の映画史上、最大の興行収入を記録している。

耳除き ヨーダの顔なり 伐採木

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地球外 生命体が 木に隠れ

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2011年04月12日

氷に閉じ込められた落葉

 雪解けが進んでいるとはいえ、夜中は氷点下の気温になるらしく、早朝の道路に氷が残されている。氷に閉じ込められて落ち葉が見える。地面に現れた小さな模様で、見過ごしてしまいそうである。しかし、氷の表面に小さな気泡が無数にあって、自然の力でなければ生み出せないデザインである。氷が波のように成長して、枯葉を覆って、氷が枯葉の形を真似しているかのようである。ごく狭いところに出来た氷の世界ではあるけれど、作り出されたデザインは芸術家を凌いでいる。

気泡あり 枯葉の息の 凍りたり

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デザインは 落葉真似たり 道氷(みちごおり)

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2011年04月05日

顔の造作の整い加減

 白樺の枝が幹から出て、偶然それが幹からとれ、結果として思いがけない顔が幹に現れる。この状況では、幹の顔の造作が整わないのは至極当然である。それでも目鼻立ちの整った顔を見かけることがある。目が大きく、小さなおちょぼ口が白い木肌に並んでいると美人顔に見えてきて、散歩の足が止まる。白樺の幹にある顔でも、人間の顔の評価が反映される。アイシャドウと口紅が濃く、目と口がばらばらの顔は性悪女のイメージである。白樺には預かり知らぬことではあるけれど。

気を惹かれ 足の止まりて 美人顔

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口がずれ 性悪女 睨むなり

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2011年04月04日

朝日の中の白樺人

 白樺の白い木肌は朝日を反射して、他の木に比べると見栄えがする。木の幹に顔のある白樺人が、朝日の中で異なる表情を見せている。口を開け、鼻を赤くして叫んでいるような顔がある。春先の日の光が強まって、それに合わせて声を出しているように見える。朝日の中ですまし顔をしているものもある。濃い眉毛にあるかなおかの目である。日の出と競争するかのような早朝の散歩で、雑木林を抜ける遊歩道で出会う人も無く、じっとたたずんでいる白樺人にカメラを向けてみる。

朝日浴び 白樺人が 叫びおり

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濃き眉毛 目は小さくて すまし顔

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2011年04月02日

口に特徴のある白樺の顔

 白樺の木を目にすると、人の顔がないか探す癖がついてしまった。枝のとれた跡が目や口になって顔を作りだすので、同じような顔になる。その中で、変わった表情を見せる顔に出会うと、珍しい人にでも出会った気分になる。顔の分類をして、口に特徴がある顔などとしてみる。北大構内の生協の建物の横の白樺の幹に傷ができていて、これが口に見え、鼻の下が長い顔に見える。西区の宮丘公園の雑木林にあったものは、片目を閉じて、口をすぼめてウィンクしているようである。

目の下の 長鼻隠し 喋る口

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口すぼめ ウィンクしたり 雪野原

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2011年04月01日

木肌にある仮面と顔

 遊歩道を歩いていて、白樺の幹に目だけがある顔を見つけた。顔というより、口を塞がれ、目だけが見えている鉄仮面のようでもある。媼(おうな)の能面の口を隠したものにも似ている。自然界の偶然が生み出す、木の幹にある顔や仮面探しは面白い。薄緑がかった滑らかな木肌の幹に顔がある。顔の造作が崩れているけれど、芸術家の手になる個性的な顔である。この木はドロノキあるいはドロヤナギであり、高さ30 mにもなる落葉高木で、遊歩道の始まりのところに数本並んでいた。

口の無き 媼(おうな)の面あり 遊歩道

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ドロヤナギ 滑らか肌に 個性顔

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2011年03月31日

朝日に照らされたオニグルミの葉痕

 雪が降った日の翌朝の散歩時に、雪を被ったオニグルミの若木が、雪原に一本立っているのが目についた。猿か羊の貌をいくつも並べて彫り込んだ棒が、雪の上に突き立てられている。朝日が地平線を隠す雲の上に顔を出してきて、オニグルミの細い幹に並んだ顔を照らしている。早朝の朝日には、木の上に被さっている雪を解かす力は未だない。一本木に積もった雪が解けて、オニグルミの若木がすっきりとした貌を見せてくるまでには、もう少し日が高くなるのを待つ必要がある。

動物の 貌彫り込んで オニグルミ

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一本木 朝日解かす間 雪被り

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2011年03月30日

雪原の動物の足跡

 雑木林のはずれの開けた雪原に、動物の足跡が続いている。足跡から歩いていた動物を推定する知識は持ち合わせていない。インターネットで調べると、キタキツネの足跡は犬と比べて直線に近いそうで、写真に撮ったものはキタキツネのものかと思ってみる。ツルが他の木に巻きついて上に張っている葛の木の根元で足跡が消えているものがある。葛の根元で雪に潜ったか、ツルを伝って他の木の上に道を選んだからしい。木の上と雪原を行き来するなら、これはエゾリスかもしれない。

線上の 足跡候補 キタキツネ

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エゾリスか 葛の根元で 跡の消え

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2011年03月25日

松ぼっくりの語源

 松の木があったので、松葉の中を覗いてみる。松ぼっくりの出来立ての小さなものから、成長したものまで針状の葉に隠れたようにしてある。これは毬果(球果)と呼ばれる松の実で、ここに種が成長する。松かさとも呼ばれ、さらに成長すると、傘が開くように松かさが開き、そこから種が散布される仕組みである。この松ぼっくりは、松陰嚢(まつふぐり)が転訛した語であるのを初めて知った。この語を考えつき、言い伝えてきた人たちの想像力とユーモアはたいしたものである。

松葉中 生まれたてなり 松ぼっくり

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ぼっくり語 ふぐりに似ての 転訛なり

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2011年03月21日

積雪表面に現れた金平糖

 積雪の表面に模様が浮き出ている。よく見ると、表面に凹凸が出来ている。まるで金平糖を敷き詰めたような構造である。どうしてこのような状態になったのか考えてみても、これといった適当な説明に辿りつけない。強いていえば、表面の雪解けが一様でなく、先に解けた部分の水が積雪表面を浸食した結果といったところか。いずれにせよ、積雪が解け出してきているのは間違いなく、この表面の侵食状態が進めば積雪の厚さはどんどん薄くなり、地面との境では小氷河のようである。

表面に 並べて見せて 金平糖

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積雪の 侵食進み 小氷河

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2011年03月18日

白樺の幹のフクロウとコウモリ

 福島第1原子力発電所の刻々と変わっていく危機的状況の報道に引きつけられて、いつもなら日中は視ることのないテレビの前に座っている。一週間にもなると、歩くことが少なくなってきていて、これは体によろしくないと、雪のある雑木林を歩いてくる。途中見かけた白樺の幹の模様を、フクロウに見立ててみる。獲物を狙ってか、羽を広げて降りてくる瞬間みたいである。昼間だというのに、雪の上の白樺の幹にコウモリも居る。雪でまぶしいのか、目をつぶった状態で飛んでいる。

フクロウは 獲物狙いて 急降下

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コウモリの 雪上飛んで 昼間なり

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2011年03月11日

木肌顔に見る表情

 雪の季節の雑木林では、木を見ても幹と葉の無い枝しかないので、勢い木肌に視線が向く。面白い木肌顔に出会うと立止まって、人の顔を見るようにまじまじと見つめてしまう。人の顔に表れる表情のように、木肌に現れる顔にも、喜怒哀楽の表情を当てはめることができる。目を吊り上げ、口をへの字にした怒り顔があるかと思えば、きついアイシャドウに口紅で唇を整えてすましたような顔も見える。自然の偶然の産物には違いないけれど、顔を持って成長して来たように見えてくる。

口への字 目吊り上げて 怒り顔

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口紅に 濃いアイシャドウ 化粧顔

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2011年03月10日

ガラス窓で解けて貼りつく雪の水滴

 吹雪きでガラス窓に吹きつけられた雪が解け、ガラス面伝いにゆっくりと下ってくる。その水滴が合体して、不規則な模様を作る。じっと見ていると、その形の変化が面白い。種々の力が働いてこの形になっていて、その形成過程のコンピュータシミュレーションを考えれば、とてつもない計算が必要そうである。一番簡単な形は一個の水滴の場合で、円形がガラスに張り付いている。ガラス窓なので、ガラスを通して外の風景が見えているのだが、マクロ撮影で水滴しか写っていない。

解け雪の 水滴下り ガラス窓

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逃げ足の 疾(は)やき円形 接写なり

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2011年01月24日

雪の林で木の幹に現れる顔

 雪で笹や藪の覆われた林の中では、積雪の上に高く伸びた木が目に入る。木の葉は落ちているので、夏には見過ごしている、幹の木肌に注意が行く。幹の木肌に、枝のとれた跡や亀裂などがうまい具合に組み合わさって人の顔が現れる。人の顔が様々であるように、幹に表れる顔も様々である。白樺の幹の顔は、白い木肌が白粉で化粧した女性の顔である。木の種類ははっきりしない、縦の皺が目立つ木肌にある顔は、男性の顔である。それも顔の皺から森に棲む仙人の顔にも見えてくる。

白粉を つけたる如き 女性顔

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仙人が 幹に現れ 顔の皺

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