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2011年03月31日

グラデーションのある朝日

 晴れた日の朝日は眩しくて、太陽全体が日の玉でまともに見ることはない。それが、霞んだ朝の陽は、薄布のような大気の幕に遮られて印象的である。太陽にグラデーションが見られるのもこんな朝で、円形の陽の下側から上に向かって明るさが滑らかに変化している。太陽が地平に近い時には太陽全体が赤い色だったものが、陽が上るにしたがって、陽の輝く黄色から赤への変化がはっきりしてくる。朝日の下に広がる街のシルエットも、遠近でねずみ色のグラデーションがついている。

大気幕 上がりきらずに 陽の昇り

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陽の上下 赤色沈み 黄の浮かび

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雪を被ったフキノトウ

 積雪が解けて、土の出た崖にフキノトウが顔を出している。このまま雪解けが進んで春に突入すれば、フキノトウは春の使者の一番手の名誉を不動のものにできる。しかし、物事そう簡単には進まない。春先でも雪は降る。直ぐに解けてしまう雪でも、フキノトウに被さり、薄緑の色を消してしまう。フキノトウの上に残った雪が花のようである。朝の気温が低いと、雪の布団の無くなった表土中の水分が凍り、霜柱が土を持ち上げる。フキノトウは霜柱との戦いも必要となってくる。

降る雪の 隠す緑が フキノトウ

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寒き朝 雪の花咲き フキノトウ

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今朝(3月31日)の一枚

訃報あり 大家(たいか)の娘 歳とらず

 昨日の夕刊に彫刻家佐藤忠良氏の訃報が載っていた。老衰のため30日に亡くなり、98歳であった。同氏の「ジーンズ」の作品名の若い女性のブロンズ像が我が家にある。新聞社の賞の記念品であり、モデルは10年間歳をとらず若いままである。

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朝日に照らされたオニグルミの葉痕

 雪が降った日の翌朝の散歩時に、雪を被ったオニグルミの若木が、雪原に一本立っているのが目についた。猿か羊の貌をいくつも並べて彫り込んだ棒が、雪の上に突き立てられている。朝日が地平線を隠す雲の上に顔を出してきて、オニグルミの細い幹に並んだ顔を照らしている。早朝の朝日には、木の上に被さっている雪を解かす力は未だない。一本木に積もった雪が解けて、オニグルミの若木がすっきりとした貌を見せてくるまでには、もう少し日が高くなるのを待つ必要がある。

動物の 貌彫り込んで オニグルミ

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一本木 朝日解かす間 雪被り

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2011年03月30日

雪原の動物の足跡

 雑木林のはずれの開けた雪原に、動物の足跡が続いている。足跡から歩いていた動物を推定する知識は持ち合わせていない。インターネットで調べると、キタキツネの足跡は犬と比べて直線に近いそうで、写真に撮ったものはキタキツネのものかと思ってみる。ツルが他の木に巻きついて上に張っている葛の木の根元で足跡が消えているものがある。葛の根元で雪に潜ったか、ツルを伝って他の木の上に道を選んだからしい。木の上と雪原を行き来するなら、これはエゾリスかもしれない。

線上の 足跡候補 キタキツネ

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エゾリスか 葛の根元で 跡の消え

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消えてゆく都市秘境空間-北1条駐車場歩道

 「札幌秘境100選」(マップショップ社)を2006年に出版した時、北1条の地下駐車場歩道を札幌の都市秘境の一つとして取り上げた。地下宮殿のような豪華な歩道は、通る人がほとんど見られず、都心部に秘境空間がひっそりと広がっていた。地下鉄大通り駅からさっぽろ駅まで地下歩行空間(チカホコ)が新しく開通して、この秘境の歩道もチカホコと連絡して、人の流れが出てきた。以前の秘境空間と変わらず造りは立派ではあるけれど、普通の通路になって、秘境空間は消えてしまった。

人見えず 秘境空間 豪華なり

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チカホコの 人流れ来て 秘境消え

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今朝(3月30日)の一枚

ハンノキの 雄花の咲きて 春一番

 春一番に咲く木花はコブシかと思っていた。しかし、コブシの前に咲く木花があった。ハンノキ(榛の木)の花である。周囲に積雪があるところで、実のように垂れ下がっている。花びらがないので、普通の花のイメージからはほど遠い。

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積雪の下の手稲神社奥宮

 手稲山の山頂には手稲神社の奥宮がある。北海道で一番高いところにある神社の宣伝もある。神社の祠の近くには、狛犬と稲荷像が置かれている。雪の季節に奥宮や狛犬がどんな景観の中にあるのか、その写真を撮る目的で手稲山登山を狙っていた。3月も終わりに近づいて、初めての雪の季節の手稲山登山が実現した。しかし、頂上の奥宮は厚い積雪の下で、場所の見当がつかない。雪の山頂に一本の白樺の木があって、この辺りが奥宮の場所なのかと、白い世界を切り撮ってみた。

奥宮は 雪の下なり 手稲山

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白樺を 入れて切り撮る 雪山頂

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2011年03月29日

手稲山山頂のアンテナ記念碑

 山頂に各放送会社のアンテナが林立する手稲山は、日本の放送技術史において記念すべき場所である。東北帝国大学の八木秀次教授と宇多新太郎講師により発明された八木・宇多アンテナを、1957(昭和32)年国内最初の実用機として北海道放送(HBC)が採用し、手稲山の山頂に設置した。その記念碑が山頂にあり、実物の1/2に縮尺したスーパーターンスタイルの1段部分が、雪の上に突き出ている。彼方の建屋にHBCの文字が見える。冬山登山で設営した黄色のテントも目に入る。

記念碑の アンテナの見え 雪山頂

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アンテナ見 設営テント 黄色なり

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今朝(3月29日)の一枚

パソコンで 拡大して見 月の末

 未だ暗い窓の外に、三日月に近づいた月がある。今朝の月が特別の意味がある訳でもないのに、ガラス窓越しに撮ってみる。望遠レンズを使っていても、高倍率のものではなく、小さく写った月をパソコンで拡大して見る。3月も終わりに近い。

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春の兆しを見せる日の出

 日の出時刻は5時台になっている。朝が明るくなる時間がどんどん早まってきている。積雪が残っていて、その上を新雪が覆うことがあっても、新雪の解けるのも速い。大都会札幌の街並みのシルエットで天地を分けて昇る朝日は、積雪があっても、春の兆しを感じさせるものである。寒さがゆるんできていることも手伝っているためだろう。日の出の場所がどんどん北にずれてきているのも確認できる。暦ではもう4月に近づいていて、一日毎に朝日の照らす景色が変わってきている。

雪あるも 春の兆しの 日の出かな

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春めいて ビルの稜線 天地分け

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2011年03月28日

手稲山登山道で見かけたコゲラ

 雪で滑る手稲山の登山道を降りていた時、白黒の横縞模様の鳥が木に止まっているのが目に飛び込んできた。足場の悪い道に気を配っていて、野鳥を撮る用意などしていなかったので、鳥の居る方向に向かってシャッターを押すのが精一杯で、鳥はすぐに飛び去ってしまった。元のサイズの写真では鳥の姿を見つけるのが難しい。写真を拡大して見ると、背中の縞模様に特徴のある鳥が写っている。コゲラのようである。キツツキの仲間で、山道でドラミング音の主にもなっている。

下山道 鳥を写して 姿なし

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拡大で 姿現し コゲラかな

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今朝(3月28日)の一枚

放射能 輝く街を 無人にし

 新聞一面の見出しは「放射能炉内の10万倍」である。「震災当日に「溶融」予測」とも。その状況で菅首相と原子力安全委員会班目委員長が現地視察で対応が半日遅れたとのこと。朝日に輝く街を放射能が無人化にして、災害は今も続いている。

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春を知らせるバッコヤナギ(跋扈柳)

 山の斜面の積雪が朝日に輝いて、歩くのを誘っている。雪が解ければ、斜面は深い笹薮となって歩けない。笹薮が雪の下にあるので、積雪の上を歩けそうなのだが、この時期積雪はその下が解けているかもしれない。積雪の表面が夜中の低温で固まっているらしいので、体重を片足にかけないように歩いてみる。白い冬芽が目に飛び込んでくる。バッコヤナギの冬芽のようである。冬芽の殻が割れ、白い毛で覆われた新芽が顔を出してきて、春がすぐそこまで来ていることを告げている。

積雪に 埋まらぬように 冬芽撮り

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殻割れて バッコヤナギの 身繕い

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2011年03月27日

雪の手稲山登山

 今日(3月27日)は懸案の手稲山登山である。当初の目的は山頂にある手稲神社奥宮の狛犬撮影だったのだけれど、これは前日に本日の調査登山を行ってくれたF氏N氏のブログの報告にもあるように、雪の下にあって、5月を過ぎて山頂の雪が消えなければ撮影は無理とのことである。しかし、雪の手稲山登山の計画は残ったままで、今回決行である。
 参加者は前述のF氏、N氏の他にSさんにブログ子である。平和の滝の登山口から入山し、少し歩いたところで一休みで、急坂を登るための準備である。

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 S氏はアイゼンを忘れたとのことで、爪が2本の簡易滑り止めを装着での登山である。急斜面の続く雪の登山道ではどうなることかと心配したけれど、滑落事故も無くてよかった、よかったである。

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 カメラを提げてはいるものの、登るのに精一杯で景色を見たり、写真を撮る余裕がない。それでも天気は良くて登山途中で目にした光景は絶景かな、である。

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 山頂付近で竜巻があって、雪を巻き上げ、傍を抜けて行ったのをどうにか写真に撮った。こんな近くを竜巻を見たのは初めてである。日曜日で山頂はスキー客がリフトで次々と上がってきては滑り降りていた。山頂の手稲神社奥宮も狛犬も厚い積雪の下である。

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 頂上の各社のアンテナが林立している場所の平らなところを選んで、いつもの通りテントの設営である。テントはものの数分で設営完了である。

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 テントの内で焼肉や焼き魚で体力回復である。雪の手稲山まで小型ストーブを運んで小宴会をしているグループは他には居ないのではないだろうか。下山は滑る雪道を慎重に降り、無事懸案の手稲山の冬山登山を終えた。同行の皆さんご苦労様でした。

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今朝(3月27日)の一枚

陽が上り 我も登るか 手稲山

 今朝は良い天気である。新雪が街を覆っているところに陽が上る瞬間の写真を撮ってみる。今日は午前中に手稲山登山を予定している。手稲山の冬山登山は初めての経験で、さて山頂まで登ることができるのか、自信は確固としたものではない。

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春に先立って咲く雪の花

 3月もそろそろ終わるというのに、雪が降ると立ち木に雪の花が咲く。雪の花は樹種を選ばず、ヤマザクラの冬芽が膨らんでいる木に咲いているかと思えば、秋に見事な紅葉を見せるカエデの木も白く飾られる。雪の花は、陽が照ると大抵午後までには解けてしまう。雪の花が無くなってしまわないうちにと、ガラスの窓越しに写真を撮る。春の花見とか秋の観楓とかがあるけれど、雪の花見というのも北国の楽しみ方である。それを家の中で見るか、外に出て観賞かは各自の好みによる。

ヤマザクラ 咲き急ぎたり 雪の花

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カエデ木に 雪花咲いて 花見なり

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追記:TANAKA様 お葉書拝見。ブログをご覧になられているそうですので、お葉書落手の返事です。文字を書くのが面倒になってきていて、ブログを利用します。ご病気が良くなりますように。

2011年03月26日

北洋大通センター地階のアンモナイトの化石

 新しく出来た地下歩行空間(チカホコ)が、地下鉄大通駅からさっぽろ駅に向かう起点の場所に、北洋大通りセンターの地階がつながっている。元は北海道拓殖銀行、同行が破綻後は北洋銀行大通り支店の地階部分があったところで、地下の金庫室にもつながっていた。その記憶を残そうと、かつて利用されていた大金庫室の化石になった扉が、人目につくように展示されている。展示場所の近くの柱は、大理石板で化粧が施されていて、表面にアンモナイトの化石が顔を出している。

化石見る 金庫扉は 仲間なり

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チカホコを アンモナイトと 収め撮り

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今朝(3月26日)の一枚

脱原発 過去の知見を 再確認

 巨大地震発生から2週間が過ぎても福島第1原発の事故は収束しそうにもない。この状況では脱原発の入口に居る。脱原発後のエネルギーをどのように賄うか。本棚から30年以上も前の「ソフト・エネルギー・パス」を取り出して再読である。

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巨大な赤瓢箪に見えるTorch

 地下鉄南北線のさっぽろ駅から大通駅まで地下歩行空間(チカホコ)が開通した。基本的には地下通路で、通路の両側に休息や時にはイベントを行う空間が設けられている。このチカホコから日本生命札幌ビルの横に出る階段部分にTorchと題された豊嶋敦史作のオブジェが吊り下げられている。未来を照らす松明の意味を込め、赤い炎をイメージしている。制作者の意図とは別に、巨大な赤い瓢箪をぶら下げたように見える。ビルの壁の平面のガラスと、赤い楕円体の部分の対比が面白い。

面白き 形強調 ガラス壁

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松明を 意図する形 赤瓢箪

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2011年03月25日

地下歩行空間につながる床のアンモナイトの化石

 地下鉄さっぽろ駅から延びる地下歩行空間を南方向に少し歩いて行くと、日本生命札幌ビルへの接続通路がある。通路はこのビルの吹き抜け空間の最下部のフロアーにつながっている。その床に赤味がかった大理石の化粧板が敷かれていて、その表面にアンモナイトの化石が見える。かなり大きなアンモナイトで、化石が現れるように加工したかのようである。このフロアーにはテーブルと椅子を並べた喫茶店がある。しかし、このアンモナイトの化石に気が付く客はいないようである。

開通の 祝いの床に 化石見え

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身を屈(かが)め アンモナイトの 化石撮り

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今朝(3月25日)の一枚

スーパームーン 撮り損ないて 夏椿

 3月19日は過去18年間で月が一番地球に接近する「スーパームーン」の日であったのを耳にした。新聞で大震災の記事ばかりが目について、この天体ショーの報道は目にしなかった。夏椿の枝にかかった今朝の月の写真は、焦点がぼけている。

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松ぼっくりの語源

 松の木があったので、松葉の中を覗いてみる。松ぼっくりの出来立ての小さなものから、成長したものまで針状の葉に隠れたようにしてある。これは毬果(球果)と呼ばれる松の実で、ここに種が成長する。松かさとも呼ばれ、さらに成長すると、傘が開くように松かさが開き、そこから種が散布される仕組みである。この松ぼっくりは、松陰嚢(まつふぐり)が転訛した語であるのを初めて知った。この語を考えつき、言い伝えてきた人たちの想像力とユーモアはたいしたものである。

松葉中 生まれたてなり 松ぼっくり

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ぼっくり語 ふぐりに似ての 転訛なり

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2011年03月24日

春の雪の上の蜘蛛

 雪が解け、それが所々で凍って氷になって光っている。その雪の上を、黒いものが動いている。蜘蛛である。土の中の凍結が解けて、蜘蛛も土から出て動き出したようである。雪の無くなったところから間違って雪の上に出てしまったのだろう、土とは勝手が違う雪の上では歩き難そうである。蜘蛛を追いかけてマクロ撮影を試みるが、相手もレンズから逃れようと必死の様子で、うまく画面内に捕らえることができない。4月に入れば雪も解け、山道に蜘蛛たちの巣も見られるだろう。

間違いて 雪の上出て 歩行難

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レンズから 必死に逃げる 4脚対

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今朝(3月24日)の一枚

チカホコは ラッシュの前の ゆとりなり

 地下鉄南北線のさっぽろ駅から大通駅までの全長500 m余りの地下歩行空間(チカホコ)が3月13に開通した。今朝はチカホコ沿いのホテルで朝食兼勉強会に出席するついでに、ラッシュ前の通行人の少ないゆとりの通路の写真を撮ってきた。

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冬芽と枯花のフラワーアレンジメント

 雪の遊歩道を歩いていると、ノリウツギの枯れた花と実が落ちている。目的があったわけでもないのに拾って、雪道を進む。今度はオニグルミの二股に分かれた小木が、雪の上に伸びている。オニグルミの両枝の先には、よく見かける猿か羊に似た顔の葉痕と冬芽がある。二股の付け根の部分に、小枝を挿すのに都合のよいくぼみがあったので、そこにノリウツギの枯花を挿してみる。ノリウツギはうまく収まって、フラワーアレンジメントの作品を遊歩道に展示したような気分になる。

オニグルミ 顔の誘いで 足止まり

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オニグルミ 活ける枯れ花 ノリウツギ

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2011年03月23日

朝日に照らされたハリギリの冬芽

 春めいてきた山道は、腐れ雪とでも表現したくなる状態にある。表面は固そうに見えても、表面の下は雪解けが進んでいて、足が膝ほどまで埋まる場所がある。そんな山道は、気温の高くなる日中に歩くのを避けている。しかし、明け方の気温の低い時には、積雪表面が凍りついた状態で、気をつけて歩くと積雪に足を取られず歩いてゆける。朝日が顔を出し、かなり大きくなったハリギリ(針桐)の木を照らしている。棘に守られたようにハリギリの冬芽が、朝日の中で威嚇している。

ハリギリの 幹に朝日の 冬芽かな

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陽の射して ハリギリ冬芽 威嚇せり

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今朝(3月23日)の一枚

フキノトウ 春の使者役 女神なり

 崖のところの雪が早々と解けて土が出ている。そこにフキノトウが顔を出して、春一番の使者である。フキノトウは雌花と雄花がある。マクロ撮影したフキノトウをパソコンで拡大してみると、細い蘂が並んでいて雌花で、春の女神役である。

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To the Future(未来へ)

 JR札幌駅と隣接して、大丸デパートの札幌店が開店し、駅構内の商店街と一緒になってその集客効果が著しい。売り場が広く、加えてこれだけ店が集まっていると、かえって足が遠のいて、ほとんど店内を歩いたことがない。その大丸デパートの6階のエスカレータのところに浅原千代治作「To the Future」と題された作品がある。制作者は小樽を拠点としているガラス工芸家である。緑色のガラスが透けたり、反射したりで周囲の様子を取り込んで、複雑な光の世界を作り出している。

未来への 文字の彫られて 台座なり

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反射して 透過して見せ ガラスなり

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2011年03月22日

雪を被ったヤマザクラの冬芽

 朝起きてみると外は新雪で覆われている。3月も下旬に入っての雪はすぐに解けてしまうので、朝のうちにヤマザクラの冬芽と積もった雪を撮ってみる。もう1ヶ月もすればほころび始めるヤマザクラの冬芽はかなり大きくなっている。いつもなら日の出の時刻なのに、雲が朝日を隠している。そのせいもあり、遠目には冬芽のある枝には雪の花が咲いたように見える。ヤマザクラが咲けばソメイヨシノが後を追い、ヤエザクラで桜の季節は終わる。さて、今年の桜はどんな具合だろうか。

ヤマザクラ 冬芽の育ち 雪帽子

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早々と 冬芽に咲いて 雪の花

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今朝(3月22日)の一枚

雪の花 一日花で 夏椿

 朝起きてみると新雪で覆われている。季節が冬に後戻りである。庭の夏椿の実の殻も雪を背負って、重そうである。3月も残り少なくなってからの雪なので、すぐには解けてしまうだろう。それにしても、今年は雪解けが遅いような気がする。

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樹芸を見せられたような剪定木

 何の木か同定できないけれど、剪定後の木が広い敷地の家の横にある。細い枝が3本ほど残されただけで、曲がりくねった幹には太い枝がない。残されて水平に伸びた枝は先端で垂れ下がっている。木全体を何かの形にしたくて剪定を繰り返して、結果として自然に伸びる木の形から大きくずれて、奇妙な形の木になっている。盆栽に見られるように、木の形を人為的に変えていく、一種の樹芸なのだろう。この形を何かに喩えてみたいのだが、これといって適当なものが思い浮かばない。

幹ばかり 自然離れて 樹芸なり

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剪定後 喩えに窮し 冬の空

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2011年03月21日

春を感じるセンサのマリモ

 数年前、ほくでん総合研究所のマリモ培養研究を取材した。この時研究所で培養したマリモをもらい、コップの水の中に入れておいた。マリモは生きているのか死んでいるのか、コップの底にかたまって動かない。それが春めいてきた光に誘われたか、表面に泡を生じ、水面に浮かんできた。生きているようで、藻の活動が盛んになってきたように見える。水道水を時たま換える他にはこれといったケアもしていないのに、コップの中で生き続け、春到来のセンサの役目を果たしている。

生きている 証拠の気泡 マリモ吐き

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コップ内 マリモの浮かび 春センサ

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今朝(3月21日)の一枚

店員の 目の気になりて 小銭入れ

 朝、明るくなる時刻がどんどん早まってきた。気温も上がれば本格的な早朝散歩の復活である。途中コンビニがあって寄り道である。今回の大震災への募金箱がレジの近くにあり、つり銭が小額なので、店員の目を気にしながら募金箱に入れる。

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積雪表面に現れた金平糖

 積雪の表面に模様が浮き出ている。よく見ると、表面に凹凸が出来ている。まるで金平糖を敷き詰めたような構造である。どうしてこのような状態になったのか考えてみても、これといった適当な説明に辿りつけない。強いていえば、表面の雪解けが一様でなく、先に解けた部分の水が積雪表面を浸食した結果といったところか。いずれにせよ、積雪が解け出してきているのは間違いなく、この表面の侵食状態が進めば積雪の厚さはどんどん薄くなり、地面との境では小氷河のようである。

表面に 並べて見せて 金平糖

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積雪の 侵食進み 小氷河

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2011年03月20日

爪句とは何かーその11

 次の爪句集豆本「爪句@木のある風景」の原稿整理を行っている。爪句集はこれで11集目になる。各集には「爪句とは何か」の解説を書いている。11集目も同様で、季語と爪句の関係を取り上げている。その解説の一部をここに載せておく。

「 ここで根開けの写真例を挙げてみる。一つはヤマザクラの根元に見える根開けである。さて、これにどんな爪句をつけるか。解けた雪が夜中に固まって積雪が締まり、その上を歩いて行けるようになった朝の庭で、「雪締まり 根開けの進み ヤマザクラ」はどうだろうか。
 根開けは幹に沿って雪を取り除いたようにできるのもあれば、すり鉢状に雪解けが進んでいる状態のものもある。庭のオンコの木の根元にはすり鉢状の根開けが見られ、ちょうど日の出がオンコの木にかかって顔を出してきた。そこで、「すり鉢の 根開けに射して 朝日かな」の句作である。
 単に根開けの説明写真ではなく、日の出を根開けと組み合わせて写真を撮る工夫を行っている。このような工夫が成功すれば、写真を撮って爪句をつける面白さが出てきて、表現の一ジャンルとしての存在を確かなものにしていくことができると確信している。」

雪締まり 根開けの進み ヤマザクラ

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すり鉢の 根開けに射して 朝日かな

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今朝(3月20日)の一枚

カタカナの 名前善意の 津波なり

 北海道新聞社が今回の東日本大震災の見舞金を集めていて、寄託者の名前を紙面に載せている。累計があって、約1万2千件で3億7千万円である。新聞は津波の被害の報道の連続だったけれど、紙上のカタカナ名は善意の津波に見えてくる。

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ネコヤナギの白銀色の冬芽

 ネコヤナギは水辺にある木だと思っていたので、水の流れのない山裾を拓いて造った遊歩道に見かけたものが、ネコヤナギであると自信を持てない。ネコヤナギでなくても、ヤナギの仲間には間違いない。ネコヤナギの冬芽は白銀色の毛に覆われていて、名前の通り猫の尻尾を彷彿とさせる。他に見るべきものもないこの季節に、ネコヤナギの冬芽はそこだけが光輝いているように見える。手を伸ばして触ってみたかったけれど、猫に逃げられるように、高い枝ではそれはかなわなかった。

遊歩道 冬芽光りて ネコヤナギ

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手届かず 猫に逃げられ ネコヤナギ

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2011年03月19日

自炊してます

 北海道新聞の「朝の食卓」の執筆者の一人で、1・5ヶ月程度の間隔でこのコラムに原稿を書いている。各執筆者はスケジュールに従って10日前とか、2週間前に原稿を仕上げる。ニュースとは違い、近々の世の中の流れとは関係なく原稿を用意する。
 ただし、コラムとはいえ、原稿はその日に新聞に載るニュースと一緒になる。普段であれば大きなニュースがあっても、執筆者としては特段気にもしない。しかし、今回の東北関東大震災のように、次々と悲惨なニュースが紙面に溢れかえっているところに、その事態が起こる以前に書いた原稿が紙面に掲載されると、執筆者としては引っかかるものがある。
 ニュースに対するコメントのコラムではないとは重々承知していても、世の中のこれほどの激動に、能天気なことを書いているのではないかという思いがある。
 本日(19日)掲載分は「自炊してます」のテーマで書いていて、本来の自炊ではないのだが、この2、3日は自分で食事を用意する、本当の自炊生活を送る羽目になっていて、捻った文章が自分に返ってきたみたいである。

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今朝(3月19日)の一枚

気がつけば 五輪に増えて 大震災

 巨大地震が起きてから1週間を越した。気がつくとコチョウランの花が5輪に増えている。福島第1原発の方は相変わらず予断を許さない状況が続いているけれど、朝刊1面の大見出しがこれまでのものより小さくなり、その分希望が出ている。

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狸小路西6丁目のPONSA像

 最初この石の彫刻を見た時、これが何を象ったものかわからなかった。作品名がPONSAとあっても、意味するものが判然としない。後で気がついたのだが、作品の設置場所が狸小路であり、これは狸がモデルなのである。制作は流政之で、市内にある他の作品にも通じる、黒御影石を磨いた球体を主体にしていて、球は狸の腹である。頭部が梟のようにも見えるので、最初に見た時狸にすぐには結びつかない。雪の季節に雪のマントを羽織ったような姿になると、ますます狸から遠ざかる。

反射する 己の姿 ポンサ(PONSA)撮り

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雪マント 羽織る姿の 狸像

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2011年03月18日

白樺の幹のフクロウとコウモリ

 福島第1原子力発電所の刻々と変わっていく危機的状況の報道に引きつけられて、いつもなら日中は視ることのないテレビの前に座っている。一週間にもなると、歩くことが少なくなってきていて、これは体によろしくないと、雪のある雑木林を歩いてくる。途中見かけた白樺の幹の模様を、フクロウに見立ててみる。獲物を狙ってか、羽を広げて降りてくる瞬間みたいである。昼間だというのに、雪の上の白樺の幹にコウモリも居る。雪でまぶしいのか、目をつぶった状態で飛んでいる。

フクロウは 獲物狙いて 急降下

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コウモリの 雪上飛んで 昼間なり

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今朝(3月18日)の一枚

原子炉を 食い尽くしたし 豆腐食べ

 朝刊は相変わらず福島原発の深刻な状況の大見出しである。家人が2、3日家を空け、朝食は自分で用意せねばならず、余った豆腐を温めて食べる。パック容器の豆腐の残りが、問題になっている原子炉にも、燃料の水プールにも見えてくる。

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ロビー内に立つ農村女性像

 地下鉄東豊線のさっぽろ駅の上に北農会館の大きなビルがある。このビルの1階の広いロビーに松田与一作「大地に立つ」の農村女性像がある。JA(全国農業協同組合連合会)北海道女性協議会が同会創立50周年を記念して建立したものである。彫刻は木彫りで、農村の若い女性のたくましさを表現している。松田は東川町にアトリエを持つ現役の農民彫刻家である。地下のバイパスと連動して整備がなされた創成河畔に、大友亀太郎のブロンズ像が再設置で、これも松田の作品である。

立つ場所は 大地に代わり ロビー内

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たくましさ 伝わる姿 木彫りなり

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2011年03月17日

お偉方の発言

 今朝(3月17日)の新聞に、日本経団連の米倉弘昌会長の発言として「原発「津波に耐え素晴らしい」」、「原子力行政「胸を張るべきだ」」があったとの記事である。はて、原子炉が溶解の危機にあって、環境に放射線物質を放出し始めた原発が、津波に耐えたのかな。国民を不安に陥れた原子炉行政が胸を張れるものかな。発言の真意は原子力発電を続けたい希望を早々と表明したかったのだろうけれど、現在起きていることを捻じ曲げてでも世間に意見表明するとは、大した方である。

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 2日前(15日)には石原東京都知事の「津波は天罰」発言である。天罰は悪いことをした人に下るもので、これなら被災者が悪者だ。発言には「被災者の方々はかわいそうですよ」と付け加えられていて、理屈が破綻している。石原知事の方は、発言について陳謝した報道が後であった。しかし、ポロリと口から出たところに本音があるもので、お偉方の考え見たりといったところである。

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今朝(3月17日)の一枚

天災が 人災部屋の 壁破壊

 東北関東大震災をもたらした巨大地震が起きてから、今日で1週間が経つ。災害は終わりそうもなく、今朝も新聞の報道やテレビニュースは福島原発の危機的状況を伝えている。人災を閉じ込めていた部屋が、天災で爆発したかのようである。

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南9条緑地で春風にうたう

 石山通と旭山公園米里線が交差するところにちょっとした緑地がある。南9条緑地である。ここに山内壮夫の「春風にうたう」の作品名の石の彫刻がある。具象と抽象の中間の彫刻で、女性が衣をなびかせている構図に見える。女性の滑らかな身体の線が表現されていて、作品名から春の女神なのかも知れない。この場所は車で通る機会はあっても、車を停める場所もなく、車窓から見るだけである。たまたま、近くを歩いて撮った写真は春ではなく、夏や冬で、作品名に合っていない。

無風でも 衣の裾の 吹流れ

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雪を抱き 春風吹かぬ 緑地なり

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2011年03月16日

一難去らずに又一難

 物事は、大抵一難去ってまた一難の表現が当てはまるのだが、今回の福島第一原発の状況は一難去らずに又一難である。今朝は第3号機と第4号機の間辺りから白煙が上がり、それに関して東電の記者会見である。破壊された原発の写真を手にしての説明となる。

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 テレビ画面に映る写真は第3号機(手前)と第4号機(奥)である。無残なものである。その後の枝野官房長官の記者会見では、白煙は3号機の圧力制御室のどこかが欠損して、そこからの水蒸気漏れの可能性が高い、との見解である。第2号機と同じ状況になっているらしく、大気中への放射能汚染物質の放出の可能性が大である。
 第4号機は点検中で、最初から燃料棒が原子炉から抜き取られていて、当初は問題がないと思われていたのに、ここも問題が生じているらしい。使用済み燃料を冷やしているプールの水が蒸発してしまっているのではないか、というのである。格納容器外にもこんな危険なものが貯蔵されていたとは知らなかった。

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 テレビで4号機の図が画面に出て説明されていたが、仕様済み燃料は原子炉から取り出された後は、水の満たされたプールで冷却が続けられるのである。冷却に要する時間が3年とかの、普通に物を冷ますことでは考えられない長時間が必要とされる。この間水を流していなければ、燃料棒の熱で燃料棒が破損して、放射能物質と猛毒物質が外部に拡散する可能性がある。
 今回のような災害になって、初めて原子力発電が思った以上の危険を抱えての操業であることが明らかになる。明らかになった時点では手遅れなのだが、この危険性に充分な対処をせず、目を瞑ってきて、想定外のことが起こったので対処のしようがないと言い訳している原子力発電を推進してきた関係者の責任は重い。原子力発電も含め、エネルギーの生産やその無駄の少ない利用法について、根本的に考え直すところきている。

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今朝(3月16日)の一枚

禍々し 黒枠見出し 今朝もまた

 新聞の見出しやレイアウトは手に取るまで予想がつかないのが普通である。しかし、この数日は、大きな黒枠に白抜きの見出しで、前日のテレビ報道で一番ショッキングなニュースと予め予想がつき、禍々しい報道が連日紙面を占拠している。

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北大構内のハルニレ

 ハルニレは英語名のエルム名でも呼ばれていて、構内に多くのハルニレの大木があることから北大はエルムの学園の別称がある。エルムでは何か渡来木のように思えるが、学名にjaponiaも付けられていて、本州や北海道に自生している樹木である。落葉高木で、夏にこの木が葉を茂らせ、眩しいばかりの緑の芝生にある景観が、北大を札幌の観光名所にしている。冬には一転して、周囲の白い雪の世界に、黒々とした幹と枝で存在感を示す。冬に堂々と立ち向かっている勇姿そのものである。

眩しきは エルムの梢 緑芝

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雪構内 雄々しく聳え エルムかな

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2011年03月15日

お粗末な記者会見

 福島第一原発2号機で燃料棒が露出して、炉心溶融の懸念があると、朝から新聞やテレビでの報道が続いている。さらにこの2号機の付近で爆発音があり、圧力制御室の一部が欠損したのではないか、と懸念が広がっている。テレビの解説から、圧力制御室は放射線物質を閉じ込める最後の砦で、ここに欠損が生ずれば、下部のサプレッション・プールの放射能汚染水、あるいは水の上の放射能汚染気体が外部に漏れる重大事故につながる。

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 この事態を受けて、東電の記者会見が行われたのだが、現場からの詳しいデータもないまま、記者会見を行ったというアリバイ作りのような会見である。記者からの質問にも的確な返答ができず、少ない事実の繰り返しばかりである。知っていても、何かの事情で情報の小出しということも考えられるのだが、本当に現場の状況を把握していないみたいである。日本の代表的企業の危機管理はこの程度なものなのだろうか。

 国の機関の原子力安全・保安院という初めて聞くような役所の記者会見もあったが、東電からの情報を土台にしているので、東電の記者会見とかわらない。高給取りの役人が何人もいるのだろうけれど、危機的状況に際しては何の役にも立っていない感じである。テレビのコメンテータに役変えにした方が、当たり外れはあっても、もっと歯切れの良い応対が出来るのではなかろうか。 

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 11時から原発事故に関して菅総理の談話発表があったけれど、原発の炉ごとのコメントがあっても、現在一番緊急の危機的事態にある2号機について何の言及もない。質問を受ける記者会見ではないのに、たまりかねたか記者席から2号機について言及がないのはどうしてか、の声が飛んでいた。菅総理はその場を取り繕っていたけれど、頭の中は錯綜していて、事柄の重大性の整理がついていない様子である。総理からして、とりあえず国民に語りかけておけばよろしいか、との思惑が垣間見えていた感じである。これで日本は大丈夫なのだろうか。

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今朝(3月15日)の一枚

追いつかぬ 見出し大きさ 大震災

 今朝の新聞の一面の大見出しは原発の炉心溶融に関してである。最近の新聞はスポーツ紙みたく毎日大見出しで、大震災の危機的現状の報道である。スポーツ紙は娯楽テーマを針小棒大に書くけれど、大震災報道は棒大針小の部分も多いだろう。

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治療中のプラタナスの並木

 木も生き物だから病気になる。地下鉄東豊線のさっぽろ駅の上で、地下鉄の路線に沿った道路にプラタナスの並木がある。枝がほとんど残っていないぐらいに刈り込まれた木の幹に「治療中」の文字のある木札が掛かっている。炭そ病という病気に罹っていて、治療のため枝を切り詰めて病原菌が広がらないようにして、新しい枝が出てくるのを待っているとの説明である。炭そ病はプラタナスに限らず、他の木や草でも発病する。病気と知ると、幹ばかりの木の闘病の姿が痛々しい。

治療中 幹ばかりなり プラタナス

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炭そ病 同病木あり 並木道

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2011年03月14日

計画停電

 朝のテレビで、計画停電のニュースが流れていた。計画通りなら午前6時20分からである。しかし、6時30分になっても停電は行われず、結局第1グループの停電は避けられた。第2グループの停電も行われないようである。それにしても、東電の発表は二転、三転していて、輪番停電に設定された地域では、やきもきの連続だろう。放射能もそうだけれど、電気も目に見えない相手で、インフラに甚大な被害をもたらす大災害時では、取り扱いが難しい。記者会見での対応に苦慮しているのは、巨大地震の規模が想定の範囲を大きく越えた証明でもある。

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今朝(3月14日)の一枚

東電は 満身創痍 電気止め

 東日本巨大地震により日ごとに深刻な新しい問題が起こってきている。福島第1原発の3号機も炉心溶融を起こしているらしく、東電は満身創痍状態で、週明けの今日から初の計画停電である。日本の中心部に巨大地震の影響が及び始めている。

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書店に並んだ最新爪句集豆本

 爪句集豆本「爪句@マクロ撮影花世界」が書店の棚にあるのを確かめに行く。JR札幌駅の商店街にある弘栄堂書店の棚を、周囲を気にしながらの撮影である。新しく出版されたものは表紙を出しての展示で、それなりに売り方の配慮があるようである。次の爪句集の原稿をまとめる作業もあるのだが、東日本の巨大地震がこの作業にも影響していて、遅れ気味である。

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2011年03月13日

大津波のテレビ画面を見ながら

 大学生になるまで海辺の町に住んでいたので、津波のかすかな記憶はある。地震の後に波が退いて行って、それから押し波が戻ってくる。地震の時、波が退いたからといって、磯に小魚やツブを取りに行ってはいけないのは、浜に住む者の常識である。
 しかし、東日本の巨大地震による大津波の映像を見ると、かすかにある津波の記憶など、潮の満ち干みたいな程度にしか感じられない。今回のすさまじい津波の威力が、テレビ映像を通して目の前に展開される。自動車や家が木っ端のように流されてくる。これでは津波に飲み込まれたらひとたまりもないだろう。
 しなければならない仕事もあるのだが、刻々と被害が拡大してくる統計が報道されるテレビ画面に釘づけ状態で、落ち着いて考え事ができなくて、時間だけが経ってしまう。しかし、被災者の方は生活の基盤を押し流されて、落ち着いて考える余裕なんていう問題どころではなく、切羽詰まった状態にあるだろう。

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今朝(3月13日)の一枚

朝起き目 炉心溶融 記事を追う

 炉心溶融の言葉が現実の報道に使われている。炉心爆発、放射能拡散、ヨウ素剤配布、とこれは報道ではなく映画なのだと錯覚するほどの言葉がニュース報道でも出てきて恐ろしい。地震国日本での原子力発電は、今後見直しが必至だろう。

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ビル前にある作品「時空翼」

 彫刻の作品名には、何を意味するのかわからないような凝ったものがある一方、ありきたりの名前のものもある。前者は抽象的な作品に多く、後者は具象的な作品でよく見かける。抽象的な作品には具体的名前を、具象的な作品には捻りを利かした作品名にした方がよいと思われるのだが、どうも彫刻家は作品名に過度に敏感だったり、逆に鈍感だったりするようである。平田まどかのサンメモリアビル前の作品は抽象的なもので、作品名は時空を越えて飛ぶ翼、といった意味なのだろう。

プラタナス 一葉飛んで 時空翼

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ビル前に 時空を越える 翼あり

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2011年03月12日

札幌駅前通地下歩行空間開通

 今日は札幌駅前通地下歩行空間の市民への開放初日である。地下鉄の札幌駅から大通駅までの幅20 m、長さ680 mの歩行空間がオープンした。地下歩行空間を約めて、チカホコとも呼ばれるらしい。この開通初日に合わせて、記念式典も計画されていたのだが、昨日の東北地方太平洋沖地震のことを考慮して、記念式典を取り止めた旨の張り紙があった。

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 初日ということもあって、大勢の人がチカホコを歩いたり、途中のオープンテラスで休んでいたりしている。
 これからは札幌駅からすすきの駅まで地下通路で結ばれ、その距離は1700 mになり、地下鉄に乗らず、歩く人も増えそうである。ただ、チカホコには店への入り口はあっても、店が並んではおらず、ショッピングを楽しむような空間ではなく、あくまでも歩くための空間である。

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東北地方太平洋沖巨大地震と続く地震

 新聞の1面と40面が合わさった二面通しの見開きページに、「巨大地震 死者数百人」の大見出しである。紙面の折りも通常の左側から右側に変わって、異常さが伝わってくる。巨大地震と大津波のニュースは、最初は被害情報が入ってこないので、この程度かと思っていると、まとまった新聞情報を目にして、大災害を初めて知らされたような感じである。巨大地震の余震なのか、ラジオやテレビに頻繁に緊急地震速報が流れていて、日本列島の地底から発せられる唸りのように聞こえる。

大文字の 大見開きは 大地震

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メディアには 地底の唸り 後絶たず

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今朝(3月12日)の一枚

列島の 壊れる如く 地の震え

 昨日の東北地方太平洋沖の巨大地震の直後からテレビでは地震報道が続いている。早朝のテレビでも、3時59分に甲信越地方で地震があり、緊急地震情報が出された。その後も茨城県や新潟県で地震が続き、日本列島が壊れていく感じである。

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2011年03月11日

山の日の三角山登山

 三角山の標高は311 mである。数字合わせで3月11日を三角山の日にしている。市街地に接している山で、低山であっても、いや低山であるがゆえにか、市民に人気の山で登山者が多い。山の日ともなれば多くの登山者がいるかと行ってみると、登り時にはほとんど人を見ない。平日の朝ということも影響しているのかも知れない。山頂にも誰もいない。頂上からは雪で覆われた札幌の市街地を足下に見下ろせる。この時期、木の葉に邪魔されることも無く、広がる眺望を目にすることができる。

山の日の 山頂確かむ 標高値

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山頂の 足下広がる 雪の都市

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今朝(3月11日)の一枚

山頂で ケータイ日付 撮る難事

 3月11日の数字を並べると311となり、これは三角山の標高である。この数字合わせで、今日は三角山の日となっている。午前中に三角山に登って写真を撮る。ケータイの日付と山の標識を合わせた写真にしようと試みるのだが、これは難しい。

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木肌顔に見る表情

 雪の季節の雑木林では、木を見ても幹と葉の無い枝しかないので、勢い木肌に視線が向く。面白い木肌顔に出会うと立止まって、人の顔を見るようにまじまじと見つめてしまう。人の顔に表れる表情のように、木肌に現れる顔にも、喜怒哀楽の表情を当てはめることができる。目を吊り上げ、口をへの字にした怒り顔があるかと思えば、きついアイシャドウに口紅で唇を整えてすましたような顔も見える。自然の偶然の産物には違いないけれど、顔を持って成長して来たように見えてくる。

口への字 目吊り上げて 怒り顔

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口紅に 濃いアイシャドウ 化粧顔

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2011年03月10日

ガラス窓で解けて貼りつく雪の水滴

 吹雪きでガラス窓に吹きつけられた雪が解け、ガラス面伝いにゆっくりと下ってくる。その水滴が合体して、不規則な模様を作る。じっと見ていると、その形の変化が面白い。種々の力が働いてこの形になっていて、その形成過程のコンピュータシミュレーションを考えれば、とてつもない計算が必要そうである。一番簡単な形は一個の水滴の場合で、円形がガラスに張り付いている。ガラス窓なので、ガラスを通して外の風景が見えているのだが、マクロ撮影で水滴しか写っていない。

解け雪の 水滴下り ガラス窓

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逃げ足の 疾(は)やき円形 接写なり

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今朝(3月10日)の一枚

舞う雪が 流星群成り 吹雪く朝

 今朝は吹雪で、冬に逆戻りである。こんな朝は外に出る気分にもならない。窓を少し開け、雪景色を撮る。フラッシュ撮影では、飛んでいる雪が、白い玉が尾を引く流星のように写っている。薄暗いなかで雪粒の流星群を観察する朝である。

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宮丘公園のバッコヤナギの冬芽と花

 宮丘公園の雪の林の中に春の兆しはないかと探しにゆく。バッコヤナギ(跋扈柳)の冬芽が膨らんでいる。バッコヤナギとは奇妙な名前である。アイヌ語のpakko(老婦)が語源の説も目に留めたけれど、正確なところはわからない。山に生える大きなネコヤナギといったところである。硬い殻が割れて、毛で覆われた冬芽が顔を出している。あと1ヶ月もすれば冬芽は花に変化する。その花は細いもやしのような花茎の先に、黄色の柱頭を載せたものが密に並んでいる形のものである。

春兆し バッコヤナギの 芽膨らみ

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山道で 黄信号見て 立止まり

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2011年03月09日

茶色を凝縮したようなノリウツギの実

 春が近づいて雪が締まってくると、夏には藪になっているところにも足を踏み入れる。色の乏しい雑木林に、茶色の房になった実と白い枯花が葉の無い枝にからまってある。ノリウツギの実と枯花のようである。雪の山道に落ちているノリウツギのものと比べると、かなり大きく見えるけれど、この時期枝に残っている花実としては他に思い当たるものがない。周囲の茶色を濃縮したようなこげ茶色の実の上に、青空が雲の間から顔を出す。枝の隙間を通して、下に広がる町並みが見える。

枯れ色の 茶色凝縮 ノリウツギ

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雪残る 町並み見えて 枯れ花実

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今朝(3月9日)の一枚

胡蝶蘭 三輪咲いて 新豆本

 時間が経てば物事は変化する。逆に言えば、物事が変化することが時間の定義ともいえる。蕾だった胡蝶蘭も3輪開花である。爪句集豆本も陽の目を見た。外は雪がちらついているけれど、変化の大原則で、春に向かって雪も消えてしまう。

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爪句集「爪句@マクロ撮影花世界」

 表題の爪句集が出版され、昨日届きました。発行日は雛祭りに合わせて3月3日にしています。

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 内容は花のマクロ撮影を集めています。清田有明にある「市民ふれあいの森」で見つけたコケイランも収めています。

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 この爪句集で10集目で、今まで出版したものを一緒にして撮ってみました。爪句集を出版するため毎日ブログを投稿していて、コメントが有ろうが無かろうが、この生活の基本パターンになっていることは、今後も続くことになりそうです。

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2011年03月08日

雪景色の中の朝焼け

 手稲山の東側に住んでいため、日は早々と山に隠れるので夕焼けを見る機会がない。その代わりに、東側の平野部に日が昇る時の朝焼けをよく見ることができる。写真を撮りたくなるような朝焼けの兆候が現れると、カメラを持って見晴らしのよいところに足を運ぶ。手前に雪を屋根に載せた家々があり、その向こうにビル群の凹凸が並び、さらに背景に遠くの山々のシルエットがある。山際から茜色に塗られた空が広がっている。近くの木々を入れて撮ると、朝焼けが滲んで写る。

山の端を なぞり塗りたり 茜色

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朝焼けは 木の間を通し 滲み見え

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今朝(3月8日)の一枚

看板に 暁天座禅 禅寺なり

 春が近づいていても寒い朝である。朝日に誘われるように散歩の足を延ばす。お寺が見えてきて、雪で埋まった門の入り口に曹洞宗正信山養福寺の看板が懸かっている。暁天座禅の文字も見え、禅寺なので早朝の座禅が行われているようである。

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締まる雪の遊歩道

 札幌の冬の紹介ブログに「雪がゆるむ月」の表現があったけれど、「寒さがゆるむ」ようになれば雪は締まるのである。雪の季節の山歩きでは、春に近づいて雪が締まってくると、寒いときにはゆるんでいる雪に足を取られることもなく、歩き易くなる。歩き易くなった遊歩道の利用者が増えるせいで、雪道はさらに固まって、一本の雪道が遊歩道に渡された長い橋のように現れてくる。この細い雪道を、どうしたことか大きな雪の塊が塞いでいて、まるで門番の雪だるまのようである。

締まる雪 長橋延ばし 遊歩道

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雪道に 門番の居て 雪だるま

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2011年03月07日

遊歩道の枝に残ったカシワの枯葉

 雪の季節の雑木林は殺風景である。葉が落ちて愛想のない木々の間を、踏み固められた遊歩道が続いている。こんな景観の中では、枝に枯葉が残っているだけで、風景が少し華やいで見えてくる。近寄って枯葉を一枚取ってみると、葉の周囲が鋸歯状で、歯の部分が丸みを帯びている。カシワの葉のようである。枯葉なので、丸まって枝から垂れてる一枚いちまいは威勢がなくても、景色の賑わいには貢献している。葉の落ちた雑木林は見通しが良く、木々の間から下に広がる街が見る。

枯葉でも 賑わい演じ カシワの葉

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遊歩道 標識代行 カシワの葉

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今朝(3月7日)の一枚

人見えず 街区公園 寒き朝

 公園には、街区公園に分類される街角の小さな公園がある。立ち木があって、砂場があり遊具が置かれている。このような公園は、大抵雪で埋まっていて、この季節開店休業である。公園に足を踏み入れることができるのはまだ先のようである。

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冬の北大構内のモミジバスズカケノキの並木

 北大構内のメインストリートから付属図書館、生協の北部食堂横を通る道が分かれていき、この道脇にモミジバスズカケノキの並木がある。スズカケノキとアメリカスズカケノキの自然交配種で、大きな木に育っている。構内にあるポプラ並木やイチョウ並木の知名度もなく、どんな経緯でここに植えられたのかは知らない。しかし、いつもは見過ごしてしまうこの木は、よく見ると風格のある木である。道が曲がっているので、並木の感じが薄いけれど、雪の中に太い幹が並んでいる。

風格は 雪が高めて 鈴懸け木

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雪道に 知名度低き 木が並び

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2011年03月06日

雪の北大第一農場から見る札幌の山

 雪の季節、北大第一農場は一面の雪原に変わる。雪原の農場に立つと見通しが良く、南から西にかけて札幌を取り巻く山々を眺めることができる。南の方角には桑園のビル群が見え、その背後に少し高い山頂が見えるのが藻岩山である。藻岩山から西の方向に連なる山並みがあり、低山の大倉山や三角山を確認できる。さらに西の方に目をやると、山頂部分が平らな手稲山が見える。農場の雪原には一本の踏み跡道が出来ていて、学生が農場を横切って、桑園地区から通う雪道である。

農場の 彼方顔出し 藻岩山

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手稲見て 延びる雪道 学路なり

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今朝(3月6日)の一枚

雪壁は 守勢の冬の 砦なり 

 今日は穏やかな朝である。高台への道は高い雪の壁で取り囲まれているものの、これから春の使者の往来で、この道の雪壁もどんどん低くなっていく。雪壁の向こうに西野の街が朝日の中に広がり、さらにその向こうに盤渓のスキー場も見える。

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雪の花が咲く北大イチョウ並木

 北大の北13条通のイチョウ並木は、今やしっかりと札幌観光名所に納まっている。多くの見物客を魅了するのはその見事な黄葉なのだが、雪の季節にはすっかりその姿を消し、幹と梢しか残っていない。大雪になると、この並木に雪の花が咲き、黄葉とはまた別の見応えのある景観を呈している。ただ、大雪の日に、わざわざイチョウ並木だけを見に行く人も居らず、雪の花の並木は仕事のための車が通るか、学生や教職員が歩いて行くだけである。それも早朝であれば、その姿も少ない。

名並木 黄葉代わり 雪の花

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早朝で 通る人なく 雪並木

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2011年03月05日

クラーク像の傍のアカナラの木

 雪の季節、落葉樹の枝に枯葉が残っているのをほとんど目にしない。たまに枯葉が枝にある木があると、目立つものである。北大構内の中央ローンの北西の角に、クラーク博士の胸像がある。北大の象徴であるこのブロンズ像は簡素なもので、置かれている場所も、像の背後に立ち木がある程度の、人目を惹くものでもない。しかし、像の横にある木に枯葉が残っていて、枯葉なのに花が咲いたかのように見える。枯葉を図鑑で調べてみると、北アメリカ原産のアカナラの若木である。

アカナラの 枯葉飾りて クラーク像

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クラーク像 視界に入(い)りて 枯葉なり

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今朝(3月5日)の一枚

オットセイ 思い出してか 冬カナダ

 三角屋根なので、大雪になると屋根の雪が窓際に落ちて積もってゆく。窓が中二階の高さでも、積雪の高さは窓に達して超していく。窓のところにカナダ土産品のオットセイの石の置物があって、氷山を背景にポーズをとっているように見える。

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3月に入っての大雪

 3月に入ると暖かい日が増えてきて、道路の雪がどんどん解けていく。それを目にしていると、もう春はすぐそこで、大雪が降ることなど思いも及ばない。しかし、まだ冬が続いていることは、大雪になって改めて確認することになる。大雪の日は夜中から除雪車が動き回っている。早朝、雪かきに外に出てみると、除雪用のブルドーザーが目の前を通過していく。ひっきりなしに降る雪には、ひっきりなしの雪かきが必要で、人力の除雪でも続けると庭の雪山がどんどん高くなってゆく。

大雪や 除雪済み道 ブル通過

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雪山の 庭に隆起は 人為なり

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2011年03月04日

「ようそこそさっぽろ」のブログ更新

 札幌市の観光公式サイト、「ようそこそさっぽろ」のブログの担当部分「花・まち」の更新がありました。「札幌農学校の昔に思いを馳せる雪の北大構内」というタイトルで、北大をレポートしています。F氏から貸与されたノートPCの画面が横長なので、インターネット画面を横に重ねてコピーできるので、このブログに投稿する画像作成にはなかなか便利です。Fさんありがとう。

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 公式サイトへの今回の記事には、下の北大交流プラザの写真を載せています。この写真には補足説明をつけておきます。書籍販売コーナーに並んでいるのは爪句集豆本シリーズです。これは取材中に偶然目に留まったもので、北大関係者が販売に関して配慮してくれているのでしょう。さて、この爪句集シリーズ売れているのかどうか、少々気になります。

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今朝(3月4日)の一枚

ブルドーザー 一戦交え 冬将軍 

 昨日から大雪である。雪が解け道路が顔を出していたのに、また冬将軍の反撃である。新聞には、リビアでの体制派軍と反体制派軍との戦いの一進一退が報道されているのが、ここではブルドーザーを投入して、冬将軍とのもみ合いである。

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雛祭りに並んだ雛人形

 雛祭りには、見る子供も居ないのに雛人形が並べられる。内裏雛の一対で、雛壇を設けるまでもない。一揃いあるのは紙製の折雛で、これはもらってから長いこと雛祭りになると飾っている。内裏雛の並べ方は、向かって男雛が左、女雛が右が一般的だそうで、これは皇室の天皇皇后の並び方からきているのではないかといわれている。雛人形が南を見て、左の東方向から日が昇るので左を上座とすれば、向かって男雛が右、女雛が左も理屈が通る。京都などではこの配置で置かれている。

男雛 いわくありげな 顔の傷

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折雛で 官女がよろけ 内裏前

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2011年03月03日

3月に入っての大雪

 札幌は雪国である。3月に入って桃の節句に大雪である。今年の札幌は雪の少ない年といわれていても、降る時には感心するほど降り積もる。春に向かって雪解けも進んで、積雪は締まってきているのに、その上に積もった雪の高さは、人の背丈のフェンスを超えている。夜中に除雪車の入った道路は、日中新しい雪で埋まっている。庭木の八重桜や楓の木も雪を枝に受け止めている。松の木は葉が残っていて、葉に雪が積もっている。その雪の重量は相当なもので、枝折れが心配である。

松の木は 雪の重さに 呻いたり

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フェンスの 高さに届き 弥生雪

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今朝(3月3日)の一枚

雛祭り 外の雪見て 紙人形

 雛祭りの日の朝は雪かきである。窓の外の雪景色を背景に折紙の雛人形を撮ってみる。この紙の雛人形が我が家にやって来てからもう二昔は経っているだろうか。手作りの紙人形なのにどういうものか捨てられることもなく、毎年飾られている。

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驚きの月の瘦身速度

 月の満ち欠け速度が意外にも早いのを、明け方の月を撮ってみて、新発見したかのように気がつく。1日置くぐらいではともかく、2日間もすれば、明らかに月の形が変化しているのがわかる。2月から3月の月替わりの、中1日を置いての三日月の写真を比べると、これは激痩せである。窓際に置いてある彫刻像もスタイルが良いけれど、三日月の瘦身術には驚いているのではなかろうか。ただ、痩せるのも速いけれど、太るのも目を見張るほどである。天空を巡りながらの月の身体変化である。

驚きは 月瘦身の 速さかな

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明け空に 探す三日月 円弧なり

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2011年03月02日

雪の季節に開花した胡蝶蘭

 胡蝶蘭の蕾が膨らんできて、3月に入ると一輪開花した。この種の鉢植えの花の開花期はどのように定まってくるのだろうか。室温の中にあるので、温度による季節感を感知するとも思われず、さりとて日の出時間を計って季節を知るようなこともないのではなかろうか。以前咲いて、散った時からの時間を記憶していて、それに拠って新しい花芽を出してくると考えるのが一番妥当なところのようである。胡蝶蘭が見る窓の外は、朝は晴れていたのに、吹雪模様に変わってきている。

胡蝶蘭 一輪咲いて 月弥生

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窓外は 花より白く 吹雪なり

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今朝(3月2日)の一枚

三日月は ダイエットしてか 痩せ細り

 月は一ヶ月で満ち欠けを繰り返す。明け方の月を見ていると、一ヶ月は意外と早い周期で、数日もすれば月はその姿を変えている。数日前に身がまだ太めだった三日月は、ダイエットの効果があったかのように痩せ細って、もうすぐ新月となる。

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開拓民の肥桶担ぎからのデザイン

 大通公園を挟む南北の大通に、両腕を伸ばし天秤棒で容器を支えているような街路灯がある。背の高いものと、低いものがある。これは人が桶を担いでいる様子をデザインしたものといわれている。人とは開拓民であり、桶は肥桶である。この肥桶をラッパ管と記述している記事を見かけたが、インターネットで調べてもこの用語は見つからなかった。撮影は早朝で、ビルの間から顔を出した朝日が、街路灯を輝かせて射している。夜ではなく、早朝に街路灯が点ったかのようである。

この形 肥桶担ぐ 開拓民

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早朝は 朝日が点し 街路灯

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2011年03月01日

雪まつりの後の「泉の像」

 大通公園のシンボル的存在の「泉の像」は、ニッカウヰスキーの依頼で本郷新が制作している。屋外の彫刻は全季節性のものがよいのだけれど、具象的な像ではこの条件を満たすのが難しい。特に、裸婦やそれに近い彫刻を、雪の季節に見るのは寒々としている。トウシューズを履いたこの三人のバレリーナの像も、雪まつりのイベント時にはスノーボード競技会場の下になって、その姿を隠している。雪まつりが終わって姿を現しても、雪で覆われた公園では近寄って見る人もいない。

踊り子を 見る人もなく 雪舞台

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雨水(あまみず)の 流跡(ながれあと)見え 泉像

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今朝(3月1日)の一枚

胡蝶蘭 子に代わり見て 雛人形

 3月は雛祭りで、雛人形を飾る。雛祭りが終わったら雛人形は早々にしまわなければ、女の子は嫁にゆけない、とかいった言い伝えがあるようで、雛人形を長く見るためには雛祭りの前に飾ることになる。開花した胡蝶蘭が雛人形を見ている。

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2月終わりの白樺林の日の出

 雑木林で白樺の木がかたまって生えている。白樺はシラカンバとも呼ばれ、カンバはアイヌ語で樺を意味するとの説明を読んだけれど、本当のところはどうなのだろうか。白樺の樹皮をガンビと言って、焚きつけに用いたものだが、ガンビとカンバは語源的につながっているのだろうか。白樺は雪に映える木で、朝日が雑木林から顔を出してくると、周囲の黒く見える木に囲まれていても、存在感がある。朝日は木の間から顔を出したり、隠れたりして、早々に雑木林の上に出てしまう。

薄白く 雪と白樺 日の出時

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焦点を 木に合わせる間 朝日逃げ

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