2010年11月30日
表情の見えない札幌水天宮の狛犬
創祀は1884(明治17)年に久留米水天宮から分霊を受けたことによっており、1888(明治21)年に現在地に社殿を建てており、1952(昭和27)年宗教法人となっている。祭神は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、安徳天皇、高倉平中宮、平二位時で、高倉平中宮は平徳子(建礼門院)、平二位時は平時子(二位の尼)である。この他に大國魂命、大己貴命、少彦名命が合祀されている。
神社の説明板を読むと、御神徳として、安産、子供の守護、商売繁盛、水難火難除災招福、交通安全と祈念のカテゴリーが並ぶ。札幌の繁華街すすきのを考えると、水商売繁盛の祈念が多そうである。
狛犬は一対あり、古そうであるけれど、作製年代は刻まれていない。阿吽の両狛犬は左右対称の同じポーズで、玉を抱えている。狛犬の尻尾は立っているデザインが多いなか、尻尾は身体に被さった感じで、その分下半身が大きくみえる。狛犬は貌を強調することもあって、頭でっかちなものが多いところ、水天宮の狛犬は頭部は比較的小さく見える。
狛犬はかなり高い基礎と献台の上に置かれていて、見上げる角度で写真を撮ることになり、貌の表情を撮るのが難しい。阿形の狛犬は天に向かって吠えているようにも思える。狛犬をあまり高いところに設置するのは、狛犬を見たり写真を撮ったりすることには不都合である。
貌つきは 高き所で 不明なり
狛犬は 天に吠えたて 水天宮