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2012年04月12日

越冬した蚊の仲間

 庭の雪解けを見ているガラス戸の外側に大き目の蚊のような虫が張り付いている。越冬していて、暖かくなったので現われてきたようである。翅が二枚なので双翅目(ハエ目)の虫であることはわかっても、絞り込んで同定できない。しかし、どんな場所で厳寒期を過ごしたのだろうか。凍りついて半死状態でいて、春先溶けて生き返ることも考えられるけれど、専門家に聞いたこともないので、本当のところはわからない。雪が解けて、いよいよ虫の登場の季節を迎える前触れである。

ガラス戸に 虫の張り付き 春通知

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確認は 広げた翅で 双翅目

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2011年10月14日

雪虫のマクロ撮影

 雪虫をマクロ撮りしようと思っていた。雪虫は何時現われるかと機会を窺っていたら、10月の半ばの暖かい日に雪虫が飛んでいる。空中に浮いているような飛び方なのだが、小さ過ぎて飛んでいるところは撮影が難しい。百日草に留まったところを撮ってみると、蕊程度の大きさである。下半身は白い毛で覆われている。この体毛のせいで、花後の綿毛の先に留まると、どこからが雪虫の身体か見分けがつかないほどである。雪の妖精のようなこの虫が飛び交うと、雪の季節は目前である。

雪虫は 飛び出し蕊(しべ)か 百日草

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雪虫と 花後の雪球 雪予兆

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2011年10月04日

ノラニンジンの花後に居座るアカスジカメムシ

ノラニンジンの花には色々な虫が居座っている。なかでもよく見かけるのはカメムシで、アカスジカメムシが居る。このカメムシの名前の通り黒地に赤い筋が入っているので、一度覚えると次からは名前がすっと出てくる。ノラニンジンを餌にする虫なので、食料倉庫に居座っているようなものである。ノラニンジンの花後は丁度身を隠すのにも都合が良く、他のカメムシにもこの食料倉は人気がある。違った種類のカメムシが同居していたりして、過密状態になっているのを見かける。

カメムシは 食料倉(くら)に 居を構え

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アカスジも ブチヒゲも居て 人気部屋

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2011年10月03日

頬髯に見るブチヒゲカメムシ

 エノコログサにカメムシが張り付いている。カメムシの鞘翅部分を顔に見立てると、両脇の縁取りのブチ模様は髯に見えてくる。これがブチヒゲの名前の由来らしい。イネ科の害虫でもあるそうで、イネ科のエノコログサに取り付いているのは理にかなっている。時々見かけるカメムシで、ホオズキの実の上にも居た。雨上がりで、雨で濡れたホオズキの実が陽を反射して光っている。これがカメムシの足元のフットライトのようで、カメムシ全体が黄色く照明されたように見えてくる。

甲羅顔 ブチの髯見え 名の由来

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カメムシを 鬼灯(ほおずき)照らし 黄に光り

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2011年10月02日

歌を口ずさんでしまうオケラ

 「手のひらを太陽に」の歌詞の中に「ミミズだって、オケラだって、アメンボだって」の一節がある。ここでミミズとオケラが並べられているのは自然である。どちらも土の中で暮らしているからである。秋に入って、猫の額ほどの畑を掘り起こしていたらオケラが出てきた。歌詞にあるオケラは通称で、ケラが種の名前でコオロギの仲間になる。翅があって、これを擦り合わせて発音器にし、コオロギと同様に鳴く。手の中に入れると、かなり強い力で指の間に潜り込もうとして面白い。

堀り出され 戸惑うケラを 間近撮り

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楽師ケラ 楽器の翅(はね)の 披露なり

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2011年09月30日

北大第一農場で飛ぶモンキチョウ

 9月の終わりに、北大第二農場に秋の景観を撮りにゆく。トンボは飛んでいるものの、もう虫の季節は終わりで、虫との遭遇はあまり期待していなかった。ポプラ並木に垂直に、農場を貫く道端に野菊の花が咲いていて、これを撮っているとモンキチョウが飛んでくる。蝶の飛び姿を撮る機会に出合うことは珍しいので撮ってみる。パソコンで拡大した画像を見ると、翅が下で胴体が上になった飛び姿を確認する。ポプラの黄葉が始まれば、飛ぶ蝶の代わりに、黄葉が舞うことになる。

飛ぶ蝶を 野菊が誘う 9月末

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羽ばたきの 瞬間見せて モンキチョウ

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口器を伸ばしたハチの飛び姿

 ハチが吸蜜のため花に近づいてくる。花に近寄るハチの写真を撮ると、花の前で空中に停止のホバリング状態で写る。しかし、実際は、翅を高速に動かしていて、翅の運動の軌跡がわずかに写っている。花に止まる直前のハチは、長いストローのような口器を既に垂らして、吸蜜動作に直ちに入れるように空中で準備である。ハチの身体は毛皮のコートを着ているようで、これに花粉をつけて運ぶのが吸蜜の代価である。この毛皮の作業服を見れば、花も蜜のサービスをしたくなるだろう。

高速で 動かす翅(はね)の 軌跡かな

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気が急くか ストロー口を 伸ばしおり

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ハナアブの飛び姿

 ハナアブが花に近づこうとしている。腹部の模様からヒラタアブの種類のようである。ハナアブが蜜のある花であるとの認識を何で行っているのだろうか。大きな複眼から視覚によると考えるのが妥当かもしれない。アキノキリンソウにはすでにガガンボが取り付いていて、ハナアブはガガンボに遠慮しながらの吸蜜となる。ガガンボの方は身体を直接花に付けないので、花粉を運ぶ役目を放棄して盗蜜とでもいえ、ハナアブの方は身体に花粉をつけて運ぶから、蜜の代価を払っている。

蜜盗む ガガンボの居て アブ遠慮

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飛ぶ身体(からだ) 花粉を運び 蜜代価

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2011年09月29日

怒り顔を背負ったナガメ

 ナガメの鞘翅のデザインは黒地に黄色の太線のシンプルなものである。芸術家のインスピレーションを一気に表現した大胆なデザインともいえそうである。このデザインは、多くのカメムシの種類の中でも見分けがつき易い利点がある。加えて、名前のナガメも「菜の花につくカメムシ」を約めたもので、覚え易い。見る角度で、ナガメの背中の模様は人の怒った顔に見えてくる。虫の目を惹く模様は警告の意味が込められているそうで、この顔は人間にその意図を伝えているかのようだ。

大胆な デザイン見せて ナガメなり

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近づけば 警告発し 怒り顔

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2011年09月28日

秋を迎えた石狩浜のトンボ

 秋晴れの良い天気で、石狩浜の灯台のパノラマ写真を撮るのが目的で出かける。「鮭まつり」のイベントが行われていて、集落のあるところは車で混雑しているけれど、灯台とその周囲に延びる木道には人影がまばらである。カメラの三脚を設置した木道につなぎトンボがじっとしている。トンボと灯台を同じ画面に入れるのは無理である。途中寄った喫茶店のベランダの手すりにトンボが止まっていて、その向こうに砂浜の枯れた草と石狩湾の群青の海、その上に青い空が広がっていた。

木道で 道を譲らぬ トンボかな

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石狩の 青き海空 赤トンボ

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種の同定はお手上げのイトトンボ

 イトトンボはその細身の身体を斜めにして草の間を飛んでいたりするので、なかなか見つけられない。イトトンボはどれも似ていて、種を同定しようと撮った写真と図鑑やネットの画像と比べても、これだと確信が持てない。同定には眼後紋も重要で、これはイトトンボの目の後ろにある青い紋である。この紋が目のように見えて、イトトンボがこちらを伺っているように思えてくる。それにしても細身の胴体が真直ぐ伸び、昆虫美形コンテストでも行ったら上位入賞間違いなしである。

眼後紋 こちら伺う 目の如し

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真直ぐに 細身の伸びて 美形なり

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2011年09月27日

全方向に視線を飛ばすハエ目の複眼

 標題はハエ目(め)ではなくハエ目(もく)のことである。昆虫の分類群を表していて、ハエ目にはハエ、アブ、ガガンボその他の種がさらに細分化されている。そのハエ目に属するハナアブやハエの目、つまり複眼の写真を撮ってみると、身体の大きさと比較してあれほどの大きさの目になっているのか不思議である。人間の目(単眼)など、身体全体に占める割合はハエ目の虫と比べたら格段に小さい。ハエ目の昆虫はあの大きな目でどれだけ多くの視覚情報を得ているのだろうか。

複眼で 視線を放つ 全方位

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どこを見る ハエの複眼 アイマスク

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2011年09月26日

翅の写らないコンボウアメバチの飛び姿

 コンボウアメバチは、名前になった棍棒を抱えて、草むらの上を飛んでいる。速い飛び方ではなく、空中を漂っている感じである。うまくフォーカスが合うと、その飛び姿をカメラで捕らえることができる。オートフォーカスで撮った写真を見ると、黒い頭・胸部と細い接合部で繋がった棍棒状の腹部がはっきりと見える。確かにこの腹部は棍棒である。長い後脚を重そうに垂らして飛ぶ。しかし、翅は写っていない。飛び方がゆっくりしていても、翅は高速で動かしていて、写らない。

空中に 漂う棍棒 撮り捕らえ

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後脚と 胴体見えて 翅(はね)見えず

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2011年09月25日

虫同士のニアミス

 ザトウムシはその長い脚を8本持っているので、同じく脚が8本のクモの仲間になる。ワカバグモの前をザトウムシが歩いて行く。ワカバグモにその長い脚が捕まえられたとしても、ザトウムシは脚だけを残して逃げるのだろう。事実、このザトウムシの脚は6本で、すでに2本を失っている。カメムシの両手を合わせているところを撮って、後で拡大して見ると、赤い粒のような虫が写っている。もし脚が8本であればダニの可能性が高いのだが、小さくてこの写真だけではわからない。

ザトウムシ ニアミス相手 ワカバグモ

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カメムシの 拝む手の横 粒の虫

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2011年09月24日

虫の背中に現われる人面

 虫は意図してデザインしている訳ではないと思うけれど、これは人の顔と思える模様を背中で表現しているものがある。ミミズクの背中に現われているのは、帽子を被った年寄りの顔である。目、鼻、口に頬髯や顎鬚も見事で匠の技である。虫達の人面コンテストがあれば、優勝に限りなく近い。エゾアオカメムシと思われる幼虫の背中には、シンプルなデザインのにっこり顔である。子供は人間に限らず動物でも可愛いものだが、カメムシまで背中で可愛さを表現するものかと感心する。

ミミズクの 年寄り顔は 匠技

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可愛さは 背中の笑顔 幼な虫

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2011年09月23日

ルリ色の目立つ雄のシジミ蝶

 小柄ながらルリ(瑠璃)色の目立つシジミ蝶が目につく。ツバメシジミのようである。翅の裏は青味がかった灰白色に斑点があり、種の同定に参考になる。しかし、似たシジミ蝶にはルリシジミやヒメシジミもいて、種の同定は写真だけでは難しい。ルリ色の翅をもつものは雄で、雌は黒茶の冴えない色である。動物や虫の世界では、雌よりも雄の方が一般的に目立つ身体つきや色になっている。雄が雌の気をひくためかな、と真偽はさておいて、人間とは反対であるところが面白い。

雄蝶(おすちょう)は 目立つ瑠璃(るり)色 シジミ蝶

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種の同定 翅裏で見る 色模様

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ハナアブを誘うツユクサの無言劇

 花が虫を誘って声を掛けているように思えるシーンがある。ツユクサの周囲をキタヒメヒラタアブと思われるハナアブが飛び回っている。ツユクサは蕊を出して手招きしているかのようである。ここで花のセリフを考えるのも面白い。「早くいらっしゃい」とか「じらさないで」とかはどうだろうか。画面に別のツユクサが写ってくればセリフも変る。「こっちの方がいいわよ」、「ほかの言うことなんか聞かないで」と、花同士でハナアブを囲んで火花を散らして場面も想像できる。

ツユクサが ハナアブ誘う 無言劇

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ハナアブを 誘う手管の 競い合い

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2011年09月22日

鳥のミミズクと同名のヨコバイ科の虫

 ミミズクと聞けば鳥のミミズク(木菟)を思いだすけれど、虫にもミミズク(耳蝉)が居たのは知らなかった。鳥の方は、耳のように見える羽角が付いているものの総称で、虫の方は、鳥のミミズクに耳のある頭部の格好に似ていることからの命名らしい。ヨコバイ科に属していて、ヨコバイは文字通り横に歩くことに由来している。セミに似たところがあり、小さな体にある翅はセミの翅のようである。葉の上のミミズクは動こうとせずじっとしていて、何をしているのか不明である。

ミミズクは 虫にも居たり 耳の見え

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セミに似た 翅(はね)を合わせて 休みたり

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貝の蜆(しじみ)を名前で連想するベニシジミ

 小さな身体ながら、翅の紅色が目立つ蝶が飛んでいる。ベニシジミである。この蝶の名前を口に出すと、貝のシジミ(蜆)を音の連想で思い出す。命名の上でなにかつながりがあるのかな、とぼんやり考える。この蝶の漢字名は紅小灰蝶で、紅は翅の表、灰は裏側の色を指しているのだろう。蝶に近づいて表も裏も撮りたいところだけれど、人が近づくのを察知するとすぐに飛び去ってしまう。夏に現われる個体は色が紅色よりは茶色に近いものが多い。雄に比べて雌は色がくすんでいる。

気取られず 近づきて撮る ベニシジミ

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灰色は 翅(はね)の裏なり 紅小灰蝶(べにしじみ)

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2011年09月21日

同定に時間のかかるニホンカブラハバチ

 ハバチ(葉蜂)の成虫を見つける。写真画像で調べるとニホンカブラハバチとそれに良く似たカブラハバチが候補に挙がってくる。このような極似した虫の判別に情熱を傾けるマニア(あるいは専門家)のサイトもあって、両種の詳しい違いなどが解説されている。中胸楯板とか後腿節端の特徴の違いなどが記述されていても、手持ちの写真だけでは判定が難しい。「最も普通種」を一番のよりどころにして、ニホンの付いた種と判定する。写真を撮るのは一瞬でも、調べに時間がかかる。

成虫で 葉を食さずに 葉蜂(はばち)なり

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後脚の 黒斑(くろまだら)見て 種の同定

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夜蛾のホソバセダカモクメの幼虫

 ノゲシの茎に、黒と黄色の模様の幼虫が居る。ノゲシを食べているようである。ネットでヤガ(夜蛾)科のホソバセダカモクメの幼虫であることを突き止める。幼虫の旺盛な食欲を見ると、葉物野菜の害虫であることを納得する。少し色の違った幼虫もいる。幼虫は脱皮を繰り返して蛹に近づくので、齢の違う同種の幼虫である。幼虫の人目を惹くデザインに対して、成虫の色や姿かたちは平凡で冴えない。幼虫の派手派手しい色は警告色であるといわれていて、確かに黄色信号である。

幼虫に 花も狙われ ノゲシかな

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何齢か 夜蛾の幼虫 不明なり

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2011年09月20日

寄生蜂のコンボウアメバチ

 長い身体をフラフラさせて飛んでいる明るい橙色の胴体の蜂似の虫が居る。コンボウアメバチである。胴体を棍棒に擬え、その色を飴色と表現しての命名である。寄生蜂の一種で、クスサンと呼ばれる大型のガの幼虫に卵を産みつけ、クスサンの蛹から羽化する。なかなか止まってくれないハチで、追いかけて草むらで翅を休めたところを撮ってみる。頭部と胸部が黒く、腹部の先も黒い。産卵管が見えないので、雄のようである。胴体が飴色で透き通った翅も筋のところが飴色である。

飴色の 棍棒下げて 寄生蜂

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草むらで 翅を休める 隙を撮り

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撮影条件で別の種に見えるクロヒカゲ

 ジャノメチョウ科のクロヒカゲは撮影条件で別の種の蝶に見える。これはクロヒカゲに限ったことではないだろうが、この蝶の場合、撮影条件の影響が顕著である。フラッシュ撮影したクロヒカゲは、翅裏の目玉模様がはっきり写るけれど、翅の色が明るい褐色になっている。一方、自然光の下では、本来の黒褐色の色で写る。目玉模様はそれほどはっきりしなくて、写真の蝶では後翅の一部が千切れて、模様が見られなくなっている。この目玉模様は写真の撮り方では輝く輪で囲まれる。

フラッシュが 黒翅(こくし)を変えて 明褐色

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クロヒカゲ 目玉千切れて 黒褐色

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2011年09月19日

長い口で蜜を吸うクチナガガガンボ

 アキノキリンソウにガガンボが取り付いている。花の蜜を吸っているようで動かない。その様子をマクロ撮影して、ガガンボの写っているところを拡大してみる。長い脚で花に足場を作り、長い吸い口を伸ばして花に突き立てている。脚が長いから口も長くなければ蜜を吸うことができないので、この長い口は必然の進化の結果である。ガガンボが花に居る時はペアか数匹以上が群れていることが多い。蚊を大きくしたような体型でも、蚊と違い血を吸われることがないので安心である。

長い口 長脚合わせ 進化なり

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ガガンボが ペアで蜜吸う キリンソウ

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ミドリヒョウモンの雄雌判定

 タテハチョウ科のヒョウモンチョウは種類が多く、翅に現われる豹紋が微妙に違っている。撮ってきた写真の翅の模様を図鑑のものと比較して、ミドリヒョウモンと判定する。名前にある緑の修飾語は、後翅裏側が緑を帯びることによる。オレンジ色のものが雄、少し褪せた色のものが雌で、写真に撮った異なる色のヒョウモンチョウを比べて、雄と雌の区別も同時に判定をする。判定をより確かなものにするためには、蝶を採取して調べるとよいのだろうが、そこまでする気はなかった。

色の濃き ミドリヒョウモン 雄判定

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翅(はね)ちぎれ 蝶の季節も 僅かなり

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2011年09月18日

背中模様で色々な型のテントウムシ

 一口にテントウムシと言っている昆虫は、背中の模様で種々の型がある。道路横の草むらのところで見つけたテントウムシは、黒の地に黄の斑点がある。図鑑で見ると、黒色型二つ紋型となっているから、模様で同種内の型の違いにしている。ナミテントウとも呼ばれ、無紋から二つ紋、四つ紋、十九紋とある。これらの型とは別にして、ナナホシ、トホシ、ジュウウサンホシ、ニジュウヤホシは種が異なる。どうして一方は同種の型別けで、他方は別種にしているのかはわからない。

名の通り 黒地に黄紋 二つあり

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見ようでは 警告模様 大目顔

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2011年09月17日

クロスジヒラタヒメバチと推定した蜂

 蜂らしき翅虫が尻のところから長いものを出しているのは、大抵産卵管で、これにより他の幼虫や蛹に卵を産み付ける寄生蜂とみなしても間違いはない。ただ、形は似ていても詳しい種に辿りつくのは専門家でもなければ難しい。ヒラタヒメバチまで候補を絞り込むことができた、黒一色の蜂がいる。ここからさらに種を同定するため、図鑑やネットで調べてクロスジヒラタヒメバチではないかと推定してみる。この推定が正しいのか否かは、自分だけではこれ以上は何ともいえない。

産卵管 見つけて判定 寄生蜂

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翅越しに ヒラタヒメバチ 胴くびれ

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2011年09月16日

武将の出で立ちのアシアカカメムシ

 コスモスの花の上に脚の赤いカメムシがいる。この特徴を名前にしてアシアカカメムシである。肩のところに角状の張り出しがあり、鎧を着ているようにもみえる。黒い鎧に赤具足とみれば、武将の出で立ちみたいでもある。早朝では、カメムシの背中に朝露の細かな水滴が付いていて、汗をかいたようである。ただ、汗をかく季節は過ぎて涼しい朝の大気である。カメムシは一所からあまり移動しないようで、時間が経ってから再び見ると、背中の水滴は消え、乾いた鞘翅を見せている。

鎧着て 赤具足付け 武将なり

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花と虫 朝露消えて 日の開始

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産卵管の長いオオホシオナガバチ

 尻の部分から長い管を垂らしたハチが飛んでいる。後で調べてオオホシオナガバチにたどり着く。このハチは寄生蜂で、長い管は産卵管である。この産卵管を他のハチなどの幼虫に突き立ててその体内に産卵する。幼虫からみれば恐怖の長剣を持つ殺し屋である。長い産卵管を持つハチには、シラホシオナガバチやコンボウケンヒメバチが居て、写真画像からの見分けはつき難いところがある。しかし、頭部から前胸部にかけての黒黄の模様からオオホシオナガバチに一番近かいと見た。

長尾見え 尻に下げたる 産卵管

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産卵管 幼虫狙う 殺し剣

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2011年09月15日

雄が雌より小さなフキバッタ

 最初、大きなフキバッタに小さなのが乗っているのを目にしたとき、親が子を背中に乗せているのかな、と思った。しかし、これは親子ではなく雌雄のペアで、虫の世界の常識で、上に乗っている方が雄である。生き物の雄雌は、雄が雌より大きなことはあっても、小さなことはないと漠然と思っていた。しかし、雌の背中に乗る雄の方が小さく体重が軽い方が自然の理にかなっている。ペアになっている時は動きが止まっていて、カメラを近づけても動かないので接写には好都合である。

雌背負う 子にあらずして 雄バッタ

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接写にも 動くことなく ペアバッタ

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2011年09月14日

黒いスーツのキバラヘリカメムシ

 黒一色でお洒落するのは、人間でも難しい。しかし、黒で決めるカメムシも居る。キバラヘリカメムシがそうで、上から見ると黒のスーツを着こなしているようである。白い脚に半分黒いソックスを穿(は)いていて、これもなかなかのセンスである。名前の通り腹部は黄色で、黄色の線や黄色と黒の線状のチェック模様が翅の縁取りになっている。カメムシのファッションコンテストがあれば、渋み好みの審査員が推しそうである。身体のサイズの小さなカメムシで、見落しが多い。

黒スーツ キバラヘリカメ お洒落なり

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ソックスも 黒白決めて 渋好み

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産卵期を迎えるアザミオオハムシ

 虫にも棲む適地があるようで、一匹居る場所注意して見ると同じ虫がいて、場合によっては集団になっていたりする。名前にアザミがついているこのハムシはフキの葉なども食べているようで、フキの葉の上に一匹見つけたと思っていたら、次々に目に入ってくる。前足の爪を立てて葉にしっかり身体を固定させている。中にはお腹の大きなものも居て、秋に向かう今頃が産卵期のようである。腹部が大きくなると、鞘翅の上着から下着が見えているようで、だらしない感じもしてくる。

葉の上で 落とされまいと 爪を立て

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上着から 下着はみ出て 産卵期

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錆色のサビヒョウタンナガカメムシ

 サビヒョウタンを漢字で書くと「錆瓢箪」であろう。昆虫の名前に錆の修飾語を用いるのは、サビキコリの例と同様に、体表面の色合いが錆の印象を与えることによっている。身体の形を瓢箪で表現しているけれど、中間でくびれた瓢箪の形には似ていない。アップルミントの葉の上に居るところを撮っていて、葉の大きさと比べても小さなカメムシであることがわかる。脚の表面が光を反射させ、金属で出来ているように見える。黒光りする脚の方は錆がついている様子には見えない。

錆色が 翅(はね)に現われ カメムシ名

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錆瓢箪 合掌前脚 黒光り

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2011年09月13日

鞘翅のデザインの大胆なナナホシテントウ

 ナナホシテントウは、名前の通り鞘翅の赤い部分に黒の斑点が7個ある。黒の斑点は筆で絵付を行ったようなシンプルなもので、赤に黒の配色も大胆である。この目立つデザインは警告のためであるといわれているけれど、テントウムシの中でも出色のものである。顔部の眼の横に白い斑点があるのも洒落た感じである。テントウムシはアブラムシ等を食べるので益虫とされている。成虫は冬を越すといわれているけれど、北海道の厳しい冬をどのようにしてやり過ごしているのだろうか。

名の通り 七星あるか 数えたり

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大胆な 鞘翅(さやはね)デザイン 目立ちたり

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ウニのようなテントウムシの幼虫

 この幼虫を見た第一印象は、海中のウニである。どうして地上の生き物が、木の枝のような棘を身体に付けてウニもどきのような格好をしているのだろうか。オオニジュウヤボシテントウの成虫が集まっているツル性の植物の葉の裏側にいたので、このテントウムシの幼虫のようである。幼虫はいずれ蛹になり、成虫に変身する。幼虫は越冬してから蛹になる解説を読んで、身体の棘は零下になる物の表面から離れているために必要なのかと考えてみるけれど、当たっているだろうか。

葉の裏が 海の底なり ウニ似虫

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幼虫は テントウムシで 意外なり

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2011年09月12日

円らな瞳のオオコシアカハバチの幼虫

 葉の上を幼虫が移動している。幼虫は大別すると毛虫と青虫になる。毛虫は少々恐ろしげに見えるけれど、青虫の方は愛嬌のあるものも居る。この青虫は肉の突起を背負っていて、先端の頭部には円らな瞳がある坊主頭で、可愛いいといった表現を当てはめてよい。頭を下げ伏目がちなので、頭を上げた両目の揃った写真を撮ろうと突いたら、丸まってしまった。死んだふりでもしているのだろうか。ネットで調べて、オオコシアカハバチ(大腰赤葉蜂)の幼虫であることを知った。 

人見知り 円(つぶ)らな瞳 伏目なり

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丸まりて 仮死状態を 見せるなり

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身体の前後のわからないカバイロキバガ

 この虫を初めて見たとき、身体の前後の見当がつかなかった。第一、木の葉の部分のような物体が、翅があって飛ぶ蛾であることも皆目わからなかった。後で調べるとキバガ(牙蛾)の種類で、カバイロ(樺色)キバガのようである。牙蛾の名前が付いているからには牙を隠し持っているのだろう。しかし、その牙は見ていない。蛾は天敵に対する擬態で、前後をわからなくしているものがいるそうで、この種類もそうなのかと思ってみる。樺色の方は木の葉や幹に似せた色の擬態だろう。

小葉片 前後惑わし キバガかな

樺色は 擬態色なり 枯葉上


28個の斑点のあるオオニジュウヤホシテントウ

 写真に撮ってきたテントウムシの種名を調べていたらオオニジュウヤホシテントウと一致する。しかし、この名前の意味がわからない。漢字名を探すと「大二十八星天道」である。天道はテントウムシのことであり、28個の星に見立てた斑点があることからの命名である。写真で斑点を数えてみると、確かに28個ある。身体が植物のウドンコ病のような粉がついているけれど、ウドンコ病菌を食べるテントウムシも居るとの解説もあり、これはウドンコ病菌を付けているのかもしれない。

身の粉は ウドンコ病の 白き菌?

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名の数字 片側数え 14星

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2011年09月11日

舞妓には見えないクロマイコモドキ

 金色の細長い虫がイタドリの葉の上に止まっている。近づくと飛んでいってしまう。何の虫か見当がつかなかったけれど、ネットで調べるとクロマイコモドキというガの一種である。マイコモドキを漢字にすると舞妓擬であり、舞妓のようなという意味である。このガをどう見れば舞妓に見えるのだろうか。黒が頭についていても、目玉を除けばどこにも黒い色は見られない。訳のわからない命名であるけれど、それなりの理由があるのだろう。金色の細身の身体で、美しいガである。

イタドリの 花をバックに 舞妓かな

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名にあれど 舞妓に見えず 金色蛾

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親似の赤黒模様のマダラナガカメムシの幼虫

 カメムシの成虫の写真を撮って見慣れてくると、幼虫を見て、どの成虫に対応するかを判定して当たるようになってきた。当然、カメムシの幼虫であることも判別がつかず、ついたとしても外れることもある。成虫の特徴を幼虫時の身につけている種類は当たる率が高い。マダラナガカメムシは、成虫に赤と黒の模様があり、幼虫にもこの色と模様の特徴が出ている。この幼虫に近寄って写真を撮ろうとすると、草の葉や蕾に身を隠そうとする。成虫も逃げるのが速く、行動も似ている。

親に似て 赤黒模様 背に背負い

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近づけば 頭隠して 逃げを見せ

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2011年09月10日

インターネットで探し当てたシナヒラタヤドリバエ

 花に集まるハエとアブは、種類によっては見分けが難しい。触覚と口の形を見るとよいのらしいけれど、撮った写真から判定は困難だ。写真に撮ったものがハエかアブかの同定のため、インターネットで全体の形で似ているものを探して、シナヒラタヤドリバエに到達する。雰囲気からも何となくハエの感じはする。ヤドリバエは、他の昆虫に卵を産み付けて寄生する習性のものを指している。写真のヤドリバエは腹部が立派で、それを誇示するかのように、止まっても翅で体を隠さない。

肥満体 翅(はね)で隠さず ヤドリバエ

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アブよりは ハエの雰囲気 ヤドリバエ

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黒筋の無いクロスジアオシャク

 このシャクガは青味がかった翅地に白い筋が入っていて、優雅な雰囲気である。白筋なのに種名が黒筋というのが解せない。インターネットで調べると、前記の疑問を呈する書き込みをいくつも見るけれど、名前の由来の説明を見つけることはできなかった。シャクガの方は尺蛾で、幼虫が尺取り虫であることから、この名前になった。尺取り虫は面白い歩き方で見る者を喜ばしてくれるけれど、尺蛾の方はこれといった芸を見せることもなく、その見応えのある姿を売りにしている。

青尺に 黒一筋も 無かりけり

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尺取りの 虫の面影 無かりけり

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2011年09月09日

漢字名では錆樵のサビキコリ

 コメツキムシ科の虫で、名前を漢字にすると錆樵(木樵)である。樵の名は多分木に取り付いていることからで、錆は体の表面が錆びたように見えるので、それらの言葉をつなげたのだろう。平地でも良く見られる虫とのことで、確かに庭の草の間に居た。しかし、この虫を見るのは初めてである。一緒にぼけて写っているアリと比べても、大きな虫ではなく、虫に注意がいっていないと、目には入ってこない虫のようである。それにしても、色々な名前の虫がいるものだと感心する。

サビキコリ 身体(からだ)の錆が 名に変わり

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大きさは アリには負けじ サビキコリ

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命名の由来が判然としないウスイロカギバ

 早朝散歩時に、葉の上に止まっている蛾を見かけることがある。そのなかに、白の翅に薄い茶色の横縞が入っているものがあり、調べるとウスイロカギバである。種名にある「カギバ」の意味がよくわからない。翅が鉤状になっているから、という説明があっても、どう見れば翅が鉤に見えてくるのだろうか。「バ」の方も「歯」なのか「葉」なのか、はてまた他の漢字を当てたものか判然としない。名前の由来がわからないと、種名を知ったことの意味が半減して、すっきりしない。

散歩道 蛾に近づきて 接写なり

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この形 何処に鉤ある カギバガ科

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緑色のエゾアオカメムシの幼虫

 小さな、ほぼ円形の虫が葉の上で動いている。エゾアオカメムシの幼虫である。カメムシは幼虫から成虫になるまで姿形を変えるので、幼虫を見て即成虫を思い浮かべるのは、予めの知識が必要である。ただ、幼虫と成虫は似通った点もあり、エゾアオカメムシの場合、それは身体の緑色であろうか。アオというよりミドリカメムシなのだろうが、「青々とした葉」の表現のように、青は緑を意味するからこの名前でもよいのだろう。ノラニンジンの花後が幼虫の揺り篭になっている。

アオカメは 幼虫時から 緑なり

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幼(おさな)カメ 花後揺り篭に 篭りたり

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2011年09月08日

小さなハナアブのヒメヒラタアブ

 小さなハナアブが止っている。ヒラタアブの仲間のようで、それも身体の小さなヒメヒラタアブらしい。図鑑にはキタヒメヒラタアブやホソヒメヒラタアブの写真が並んでいて、そのわずかな違いを撮った写真で見分けるのは難しい。昆虫の同定が主目的でもないので、ヒメヒラタアブとしておく。キンシバイの花で蜜を吸っているこのハナアブの写真を大きくして見ると、花の奥にハナグモが隠れているのを発見した。写真を撮った後にハナアブの運命がどうなったかは見届けていない。

ハナアブは ヒメヒラタアブ 同定し

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ハナアブの 運命いかに 隠れクモ

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モンキチョウの大きな緑眼

 モンキチョウはシロチョウ科の1種である。よく見かける蝶であるけれど、マクロ撮影で見るその大きな緑眼は、生き物の器官とは思えないほどである。作り物の緑の球を、サイズを間違えて蝶の頭部にはめ込んだように見えてくる。モンキチョウの顔には、この緑の目玉しかないかのように場所を占めている。これだけ大きな目玉であれば、解像度は高いに違いない。緑眼の中に黒い点状のものが見えるのだが、これはカメラを構えたこちらの像が反射して映っているのかもしれない。

顔部には 目玉しかなく モンキチョウ

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緑眼に こちらの影か 点の見え

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同定に自信のないカスミカメムシ

 透き通る翅で飴色の身体の小さなカメムシがいる。図鑑やインターネットでこのカメムシに似たものを探してみるのだが、一致するものが見つからない。しかし、カスミカメムシらしい。カスミカメムシの種類は多く、同定は霞を掴むようである。以前はメクラカメムシと称されていたのが、差別用語への配慮から現在の名前に変更されたそうである。メクラといっても複眼の目は付いていて、最初の命名が不適切でもあった。この目は瞳のように映る部分があって、単眼に見えてくる。

同定は 霞み掴みの カスミカメ

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複眼に 瞳の影で 偽(ぎ)単眼

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2011年09月07日

イヌタデの花穂に居座るホソハリカメムシ

 台風の影響の雨が小止みになったので、庭に出てみるとイヌタデの花穂に小さなカメムシが居る。肩先が尖っていて、裃(かみしも)をきちんと着ているようである。ホソハリカメムシである。両肩の尖った部分を針と表現したのだろう。カメラを近づけるとカメムシはそれを避けようと動くけれど、狭いタデの花穂の先では、身を隠すのも難儀のようである。上向きから下向に態勢変えてみたりしている。翅のところが雨で濡れているけれど、カメムシにとっても雨は嫌なのだろう。

ハリカメムシ 裃(かみしも)付けて 雨上がり

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イヌタデで ハリカメムシが 一休み

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ノラニンジンの花後に棲み付くアカスジカメムシの幼虫

 ノラニンジンの花後は虫にとって良い棲家を提供する。いかにも虫の巣になりそうな花後の中にカメムシが居る。アカスジカメムシの幼虫である。赤筋は成虫になってから目立つ筋状の模様で、幼虫では前翅に当たる部分に筋が見られる程度である。筋の色も赤くはない。自分で巣作りをした訳でもないのに、大威張りで花後の巣の内に陣取っている。巣の内が暗いこともあって、はっきりした写真が撮れなかった。花の巣の外に出てくることもあるので、この時は近づいて接写である。

花後を巣に カメムシ幼虫 潜み居り

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アカスジの 特徴出して 花後の縁(へり)

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片脚のもげたコバネヒメギス

 葉の上で動くものがある。コオロギに似た虫が居る。しかし、動きが鈍い。コオロギなら、人影に気づくと素早く身を隠すのに、葉の上でもたもたしている。良く見ると後ろの片脚を失くしている。これでは敏捷に動けない。天敵にでも噛み取られたのだろうか。カメラを近づけると葉の中に入って、じっとこちらを見ている。コオロギにしては翅がない。キリギリス科のコバネヒメギスのようである。小さな声でチチ、チチと鳴くそうであるけれど、声と姿を同時に確認したことはない。

ヒメギスは 片脚失くし 難儀なり

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葉に隠れ 障がいの虫 動き止め

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ミズヒキの葉のようなカメムシの幼虫

 ミズヒキの細い枝に緑色のカメムシがしがみつくようにして居る。成虫のカメムシには翅があり、前翅の硬い革質部分に膜質の翅の部分が付いている。このことから半翅の名前がついている。カメムシの成虫と幼虫の違いは翅が有るか無いかである。ミズヒキの枝のカメムシは翅がなく、幼虫である。身体全体が緑色なので、エゾアオカメムシあるいはアオクサカメムシあたりの幼虫ではないかと思われるけれど、はっきりしない。ミズヒキの花にカメムシの緑が葉のようでもある。

ミズヒキの 花に添えたる カメムシ葉

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幼虫は 翅(はね)の見られず カメ甲羅

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2011年09月06日

身体の特徴が名前になったオオフタオビドロバチ

 庭に昨年移植したミズキに花が咲いて、ハチが吸蜜中である。黒い腹部に黄色い帯びが二本見える特徴のあるハチである。この特徴を名前に盛り込んだオオフタオビドロバチである。虫穴や筒状のところに泥を塗って巣作りをするため、ドロバチの名前が付けられたのだろう。頭部や腹部、胸部が楕円体かその変形体で、それらをつなげて身体全体を構成したみたいである。腹部と胸部の間が極端にくびれている理由を考えてみて、身体を捩るときに便利なせいかな、程度しか思いつかない。

黄の帯を ミズキに見せて 蜜を吸い

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女性には 羨望の的 胴くびれ

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強風の日は葉にしがみつくキイロホソガガンボ

 台風の影響で風が強い。蝶やトンボは強い風の中でも飛んでいる。彼らは飛ぶのが得意な昆虫とみえる。風が無くても飛ぶのが下手なガガンボは、こんな日はひたすら葉にしがみついている。長い脚の関節を利用し葉の縁に脚をかけ、身体を固定して、風に飛ばされないようにしている。長い脚はこんな時に役立つのかと脚の秘密を発見したみたいである。カメラを近づけても動かないので写真に撮り易い。身体の上部に、黄色の地に三本の縦の線が特徴的で、キイロホソガガンボである。

長き脚 身体(からだ)固定の 用具なり

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キイロホソ ガガンボ種名 見つけたり

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2011年09月05日

花に潜む殺し屋ハナグモ

 ルリタマアザミの花に動かなくなっているハチらしき虫がいる。良く見ると、それを抱えてハナグモが居る。花に蜜を求めてやってくる虫にとり、ハナグモは殺し屋で、ハナグモの名前の響きの良さは詐称のようである。花は、集まる虫たちにとって危険な場所でもある。ハナグモの虫を捕らえるやり方や体つきはワカバグモに似ている。花の陰に隠れ、自分より身体の大きな虫でも捕らえる。ハナグモの存在を知ると、花と吸蜜の関係にあるは虫たちとののどかな風景は一変して見える。

吸蜜の 危険地帯の アザミ花

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殺し屋は ハナグモの名で 詐称なり

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邯鄲の一炊の夢に因んで命名されたカンタン

 鳴く虫の女王と称されるこの虫の名前は、中国の古都邯鄲に由来する。成虫の寿命が短く、「邯鄲の夢(あるいは枕)」の逸話にあるように、栄枯盛衰の一生は一炊の間の夢の出来事であった、との時間の短さを虫の薄命とかけて命名している。一炊とは粟粥を炊く少しの間のことである。葉の上のカンタンは鳴くことはなかったけれど、薄緑の透き通るような身体は、儚い命を表しているように見えてくる。命は短いけれど、触覚は長く、この身体の特徴はカンタンの名前と相容れない。

カンタンの 寿命短さ 一炊夢(いっすいむ)

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儚さを 表す色の 薄緑

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2011年09月04日

森棲馬の意味らしいモリズミウマ

 カマドウマと呼ばれる虫がいる。この虫の名前を漢字で書くと竃馬で竃に棲む馬のように跳ねる虫の意味だと知った。この命名法でカマドウマの仲間達も名づけられているようだ。モリズミウマなら森棲馬、クラズミウマなら蔵棲馬といったところか。このモリズミウマが石ころ道に居た。カメラを向けると最初は石の間に入り込んでいたのが、外に引き出すと、両方の後脚を上にして動かなくなった。死んだふりをしているのだろうか。思いもかけない奇妙な行動に面食らってしまった。

馬の脚(あし) 上げて動かず モリズミウマ

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名に違(たが)い 走りを止めて 石の道

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2011年09月03日

細身のモデルのようなイトトンボ

 身体が茶色のイトトンボを見つける。インターネットで調べるとイトトンボの雌のようである。イトトンボの種類はアジアイトトンボかアオモンイトトンボのどちらからしい。しかし、この2種のイトトンボは非常に似通っていて、写真からは区別が難しい。捕まえての観察が良いと書かれていたけれど、そんな手間暇をかける意気込みもなく、どちらかのトンボであるらしい、で一件落着とする。静かに近づくと、イトトンボはその細身の身体を存分に撮らせてくれるモデルである。

アオモンか アジアか迷う イトトンボ

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カメラ向け 細身の身体(からだ) モデルなり

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幼虫時代に泡の仲に棲むアワフキ

 近づくととんで逃げる小さな虫がいる。飛ぶのか跳ぶのか、逃げる動作は素早い。図鑑で調べるとアワフキムシのようである。名前は泡吹きの意味で、幼虫時代に自分の吹いた泡状の巣の中で生活することからの命名だそうである。泡を巣にする発想を知ると、自然界の思いもかけないアイディアに驚く。セミに近い種のようで、成虫を拡大して見ると、セミの雰囲気の翅を持っている。アワフキに似たものにツノゼミ科やヨコバイ科の虫がいて、小さいので区別がはっきりつかない。

アワフキと 幼虫の巣が 名に固定

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アワフキは 朝露に濡れ 不動なり

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2011年09月02日

脚の長いガガンボ

 ガガンボの脚の長いのはマクロ撮影を行ってみるとわかる。胴体の長さの数倍はあるかと思われる脚全体を画面の中に入れることができない。どうしてこんなに長い脚なのか理由がわからない。敵に襲われたら、長い脚の一部を切り離して逃げる戦略というのも考えられる。しかし、この長い脚のためか飛ぶことは不得手のようで、空中でもたもたとしている。写真のガガンボはキリウジガガンボらしい。名前は幼虫を「切り蛆」と表現したことによるようで、よく見かける種類である。

マクロ撮り 長き脚足 はみ出たり

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懸垂を 花鉄棒で 披露なり

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名前が体を表すハイイロヒョウタンゾウムシ

 虫の名前を見ると、特徴を捉えて付けたものが多い。元々名前というものはそういうものである。ハイイロヒョウタンゾウムシは、色は灰色といってよい。もう少し正確には、茶色っぽい地に薄い青色が重なって、黒い細かな点が体全体にある。離れて見ると灰色に見える。体は瓢箪形で、この名前は自然に出てくるし、忘れない。この虫のチャーミングポイントはその瓢箪形に黒目がついていることで、つぶらな瞳の表現が合っている。触覚も太目で、洒落た感じのするものである。

瓢箪に 細工施し 象の虫

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ゾウムシの 魅力ポイント 瞳なり

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2011年09月01日

笹の葉の上に居るササキリ

 ササキリはバッタ目キリギリス科の昆虫である。ササ(笹)に棲むキリギリスを約めて名前にしたようで、適当な命名である。しかし、確かに笹の葉の上に乗っていたから名前の通りで、適当というより適切な命名というべきか。触覚も後脚も長く、身体全体を写真に収めるには、笹の葉の半分は画面内に入れる必要がある。目玉が飛び出し、触覚が口の辺りから伸びている顔は、どことなくエビに似ている。ササキリの仲間でも身体つき、顔つきが写真のものとかなり異なるものも居る。

ササキリは 名の違えずに 笹の上

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葉の上に 乗りたる海老の 笹の海

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獲物を葉の上で待つワカバグモ

 身体の色が若葉の薄緑色であることから名前が付いたようである。身体の色に近い葉の上の居ると、ほとんど見分けがつかない。これがこのクモの獲物を捕らえる武器のようで、葉の上でじっと獲物が近寄ってくるのを待っている。不運な獲物が葉かと思って近寄ると、クモはその長い前脚で獲物を捕らえてしまう。ガガンボが捕らえられて葉の上に仰向けになっていた。ワカバグモは自分よりも大きな虫でも捕らえて餌にしてしまう。クモの巣を作らない点で怠け者のクモに見えてくる。

緑葉に 緑で紛れ ワカバグモ

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ガガンボは 餌食になりて 不運なり

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2011年08月31日

赤い鉢巻をしたヒトリガ

 ヒトリガの漢字名は火取蛾、燈(灯)取蛾、火(灯)盗蛾とある。名前の意味は、火(灯)に集まる性質を利用して集め取り、退治してしまう害虫の蛾、の意味のようである。焦げ茶色の地に、白い太線が入ったデザインの翅を閉じて休んでいる姿は目立つものである。後頭部に当たるところに赤い鉢巻をしているようで、頭の毛をこの鉢巻で縛っているようにも見える。火祭りに参加する氏子の雰囲気もあり、参加した途端捕らえられる運命を、名前にしている蛾ということになる。

ヒトリガは 名前通りに 火が捕縛

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鉢巻 締めて参加の 火の祭り

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トンボの顔撮り

 トンボは中途半端な距離でカメラを向けると、飛び去ってしまう。ところが、ぐっと接近してカメラを顔の直前に持って行くと逃げない。カメラのレンズを自分の複眼の目と同じようなものに見て、仲間でも居るのかと思っているみたいである。こんな風にトンボの顔に超接近してその顔を撮るのが面白い。どこを見ているのかわからない複眼に太陽の像が反射している。時々顔全体を振って見せて、何か考えている風でもある。それにしてもその造作が動物とは対応がつかない顔である。

複眼で 応える目線 正視なり

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カメラ見る 複眼角度 横目なり

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写真の撮り易いミカドフキバッタ

 このバッタは写真に撮り易い。何せ翅が無いので近寄っても空中に飛び出してしまわない。後脚で跳ぶことはあっても、それほど遠くまで跳ばない。大抵葉の上で緩慢な動きを見せる程度で、カメラで追いかけることが容易である。フキバッタの名の通り、フキの葉が好物のようである。このバッタの仲間にサッポロフキバッタと名づけられた種がいて、一度このご当地バッタに遭遇してみたいものである。バッタが葉の上から顔を出したところをマクロ撮りしてみると、面白い顔に写る。

近づきて 翅(はね)無きバッタ マクロ撮り

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大写し 恐ろし気なく フキバッタ

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2011年08月30日

ハエの仲間のような翅虫

 野アザミの茎のところに、翅のある小さな虫が止っている。複眼があり、顔全体に占める割合が大きい。図鑑やネットを調べても、該当する種類が見つからない。しかし、ハエの仲間のようである。複眼が緑に写っているのは、周囲の緑が反射しているせいかもしれない。翅に黒に白斑点の模様があり特徴的で、ヤチバエも候補だが、違う気もする。ハエやハナアブは種が多いので、同定するのはあきらめる。それにしても注意して良く見ると、草むらにはいろんな虫が居るものである。

野アザミに 隠れ翅虫(はねむし) そっと撮り

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緑眼の ハエの仲間か 図鑑見る

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瑠璃色に輝くルリハムシ

 雨滴の残る葉の上に瑠璃色に輝くハムシが居る。色からしてルリハムシのようである。卵形のハムシで、背中の翅の甲羅の部分にも細かな雨滴が乗っている。瑠璃は鉱石のラピス・ラズリのことで、この鉱石の色が瑠璃色である。宝石でもあり、このハムシは生きた宝石のようでもある。小さな虫なので、フォーカスを合わせ難い上に、瑠璃色をうまく写し取れない。ヤブハギの枝で花に身体をつけるようにしている。花が瑠璃玉を飾っているようにも見え、生き物の作る宝飾品である。

瑠璃玉が 雨滴を載せて ルリハムシ

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ヤブハギが 瑠璃玉飾り 宝飾品

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2011年08月29日

棘で両肩を怒らしたトゲカメムシ

 山際にある住宅街の道を歩いていて、ひっつき虫の実についた黒っぽいカメムシを見つける。このカメムシは肩のところに特徴があって、鋭い棘のようになっている。この特徴から名前が付けられたようで、このようなはっきりした特徴があると同定し易い。それにしてもどういう理由でこのカメムシは棘を背負うようになったのだろうか。他の虫と戦うにしては、両肩の装備なら利用価値は低そうである。相手を威嚇する自慢の棘というのも考えられるけれど、さてどんなものだろうか。

カメムシと ひっつき虫の実 棘交流

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肩の棘 トゲカメムシの 自慢なり

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2011年08月28日

マクロレンズで撮影するオニヤンマ

 大型のトンボが飛んでいる。手にしているのはマクロレンズを装着したカメラで、飛ぶトンボの撮影は無理だろうと思ったけれど、試しにトンボが飛んでいる方向に向けシャッター押し、幾枚か撮ってみる。後で画像を見ると飛んでいるトンボが写っていて、この結果は予想外である。トンボを撮る自分の影がアサガオの花に重なっている。このトンボが止ったところにそっと近づいて本来のレンズの機能を生かしてマクロ撮影である。図鑑の写真と合わせてみて、オニヤンマと同定する。

飛ぶトンボ マクロレンズで 試し撮り

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写したり 顔をアップで オニヤンマ

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ヒトリガの幼虫に見える毛虫

 大きな毛虫が目についた。見事な毛皮のコートを身につけている。写真に撮って見ると、毛が非常に長いことに気づく。どうしてこんなに長い毛で全身を覆っているのかわからない。わからないといえば、この毛虫と成虫とのつながりである。ネットでこの毛虫に近そうなものを探すとヒトリガの幼虫があった。形からクマケムシとも呼ばれている。毛虫の同定は当たらずとも遠からず、といったところか。道路などで移動しているのを見かけたりもして、これぞ毛虫という風格である。

ヒトリガの 幼虫かなと クマケムシ

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一張羅 朝日に光る 毛のコート

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2011年08月27日

種類を同定できないカメムシの幼虫

 カメムシは小さなものが同じ姿で大きくなっていくかと思っていたら、幼虫から成虫になる過程で姿形を変えていくのだと知った。図鑑には成虫のカメムシの成虫の姿が載っていても、幼虫まで載せかねるとみえて、カメムシの幼虫についてはほとんど写真がない。カメムシ分類の知識もないにわか虫撮りであってみれば、カメムシの幼虫らしいと見当をつけるのが精いっぱいで、種類の同定はあきらめる。この幼虫が大きくなればあの成虫になりそうだ、と思いながらの整理である。

ノラニンジン 揺り篭になり 幼な虫

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幼虫は 何のカメムシ 亀甲羅

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2011年08月26日

空中に浮かぶハチ撮り

 止っているハチは沢山撮ったけれど、飛んでいるハチの写真で、ハチにフォーカスの合っているものがほとんどない。ハチが花に止るか離れるかの一瞬を捕まえてシャッターを押すのは、反射神経の機能が衰えていては難事である。それでも何枚も撮った写真には、空中に固定されたハチの姿がある。細かく種類は同定できないけれど、スズメバチはスィートピーの花にやって来たところを狙ってみた。ハナバチは、ほとんど花が落ちてしまったベルガモにやって来たところを撮ってみた。

空中に 固定して見て スズメバチ

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翅(はね)見えぬ ハナバチ狙う 残り花

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星を十個背負ったトホシカメムシ

 黄土色一色のカメムシを見つける。背中の前の部分に黒紫の点が4つ、背中の小盾板に6つ、計10個の星に見立てた点があり、十星(とほし)と名づけられている。点と同じ程度の大きさで、同じような色の両目が顔のところにあり、十二星に見えなくもない。目と背中の点が同じように見えるのは、外敵に対してこれほど多くの目で見ているのだ、と警告しているのかもしれない。カメムシの目は小さくて、ハエやトンボのように大きな複眼が顔の前面にある虫より、かわいらしい。

カメムシの 背の星数え 十個なり

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どれが目か トホシカメムシ 目くらまし

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顔の面白いハネナガフキバッタ

フキバッタは、名前の通りフキの葉を好んで食べる。フキの葉ではないけれど、葉の上に居たバッタはハネナガフキバッタのようである。イナゴにも似ているけれど、このバッタは長い翅を持っている。身体の緑色が葉のそれに近く、もし翅の茶色が緑であれば、草の色に紛れてしまうだろう。バッタの顔にレンズを近づけて撮ってみる。バッタの顔はその大きな複眼からもユーモラスなところがある。その複眼に、カメラを抱えて近づいている撮り手はどのように映っているのだろうか。

翅長(はねなが)の 修飾語つき フキバッタ

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面白き 顔大写し バッタかな

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2011年08月25日

白花のネジバナで蜜を吸うツチバチ

 白花のネジバナを撮っていると、ハチらしきものが花にやってきた。後で、図鑑などで調べるとツチバチの種類らしい。ツチバチの名前は、地中のコガネムシの幼虫を探してその体内に卵を産みつけ、孵化後に幼虫を食べて育つ、いわば土に巣モドキを作る習性のために命名されたようである。成虫になれば花に集まり、蜜を吸っているようであるけれど、持ち帰る巣がある訳ではない。ネジバナは螺旋状に花が付いているので、ツチバチも花の階段を昇り降りするために身を捩っている。

捩(ね)じれ花 ツチバチ合わせ 身を捩(よ)じり

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ネジバナの 階段昇り 最上階

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名前が19文字もあるアブラムシ

 ツリガネニンジンの花茎のところに、大小の赤いアブラムシが群れている。翅を持ったものも持たないものもいる。ネットで調べてみるとセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシらしい。このアブラムシは渡来のもので、ネット情報での分布には北海道は入っていないけれど、同定が正しければ北海道にも分布していることになる。セイタカアワダチソウに取り付くので、この長い名前になっている。文字数で言うと19文字あり、爪句の17文字より多くて、爪句に名前を詠み込めない。

長き名は 19文字の アブラムシ

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有翅居て 無翅も交じりて アブラムシ

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2011年08月24日

秀逸な仮面を見せるナガメ

 このカメムシの名前のナガメを聞いても連想する物がない。この名前は「菜の花につくカメムシ」からきている。名前の通り菜の花やアブラナ、大根の葉などを食草にしている。このカメムシは背中にはっきりした模様があるので、見分けがつき易い。模様の全体を見て連想するものを挙げるとなると、これはといったものが思い当たらない。しかし、うまい具合に背中の一部が見える状況で、仮面に見える。太い線で無造作に描いた怒り顔の仮面は力強い表現になっていて秀逸である。

カメムシが 菜の花に付き ナガメなり (十音句:放屁虫 登上菜花 成菜龟)

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背を見せて ナガメの仮面 怒り顔 (十音句:现后背 菜龟假面 竟怒目)

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ベルガモの実で休むブチヒゲカメムシ

 流通名がモナルダ・ベルガモという花がある。花弁が炎のように立ち上がって咲くように見えるので、タイマツバナとも呼ばれている。この花が終わると、実が球状に並んで現われる。花弁が一つ残って、実でできたボールから松明の残りの炎が一つ突き出したみたいである。その傍にカメムシが休んでいる。ブチヒゲカメムシである。実のところに取り付いているので、実もカメムシの餌になっているのだろうか。カメムシの生態については詳しくないので、この点よくわからない。

松明を かざしカメムシ 花実上

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カメムシと 花実関係 不明なり

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2011年08月23日

朝寝坊のエゾツユムシ

 薄緑の葉に隠れるようにして、葉と同じような色の虫が動かないで居る。キリギリスの仲間と見当がついたけれど、種はわからない。後で調べるとエゾツユムシらしい。似たような虫にツユムシやセスジツユムシがいるけれど、撮った写真の見立てで、エゾツユムシとする。触覚や足が非常に長い。この種の虫は近づくと逃げられるのだが、身動きもしない。早朝なので眠っているのかな、とも思ってみるけれど、これだけ明るくなっているなら虫の活動する時間で、随分朝寝坊である。

朝日中 身動きもせず 朝寝かな

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葉の色に 肌色合わせ 隠れおり

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シャクの上のキアゲハの幼虫

 北大の遺跡保存庭園に野の花を撮りに行った時、庭園入口のところでセリ科のシャクの花に大きな幼虫が多数いるのが目に入る。黒や橙の模様がはっきりしている太目の体つきのもので、キアゲハの幼虫である。幼虫にも齢があり、各齢のものが同居している。4回脱皮して、地が薄緑色の5齢目の幼虫がいる。この終齢の青虫が脱皮してさなぎになる蛹化を経て、蛹から羽化して成虫のキアゲハの誕生である。アゲハチョウは、幼虫時代に脱皮を繰り返して大きくなっていくのである。

終齢の キアゲハ幼虫 蛹化(ようか)待ち

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4齢と 5齢が同居 シャクの上

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2011年08月21日

種の同定をあきらめた身近に居るゴミムシ

 古い木の柵のところで黒い虫が動いている。ゴミムシと呼ばれるグループのどれかの種のようである。名前の通り、人間の定義のゴミのあるところで多く目にする虫である。ゴミムシは似た種類が多いようで、ネット情報でも同定の難しさが語られていて、知識不足も手伝って、種の同定は最初からあきらめた。もっとも、見てくれもよくなく、詳しく知りたい気にもならない点がそうさせているのも否めない。それにしてもゴミムシとは不名誉な名前で、虫から抗議を受けそうである。

種の多く 同定あきらめ 身近虫

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ゴミムシは 不名誉な名で 黒き虫

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種類を確定できないハムシ

最初見た時テントウムシかと思った。しかし、背中に斑点がない。ネットで調べるとハムシのようで、似たようなハムシの3候補が挙がる。フジハムシ、ヤナギムジハムシ、ドロノキハムシである。こうなると虫の居た木や身体の大きさのような付加情報が種類の同定に必要となる。しかし、写真を撮るのに気を取られていて、余分な情報は残していない。昆虫図鑑を作る目的でハムシの写真を撮っているのでもないので、これらの種類のハムシのどれからしい、ということで決着である。

初見では テントウムシと 誤認なり

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3候補 いずれ決まらず ハムシなり

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2011年08月20日

身体のデザインの洒落たマダラナガカメムシ

 甲虫の背にある模様がはっきりしているものは種の同定がし易い。マダラナガカメムシもそのような部類にはいる。このカメムシは赤い地に黒い左右対称形の模様になっていて、細長の身体全体が何か仮面のように見えてくる。赤と黒の色の組み合わせは、なかなか洒落た感じである。マダラといったありきたりの修飾語でなく、もっとインパクトのある名前にしたらよかったのに、と少々残念である。山が近くにあるような道路脇でも目に留まり、身近な感じがするカメムシである。

カメムシの デザイン優れ 赤と黒

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雨の日は 朱色のくすみ 夏の朝

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豆に針金を刺したザトウムシ(座頭虫)

 このクモに似た虫は変わっている。細い針金を関節で折り曲げ、豆の形の身体に刺したようである。拡大してみても、体のどちらが前か後ろかわからない。命名の仕方もユニークで、ザトウムシは座頭虫と書く。長い足で周囲を確かめながら歩行する様子を、目の見えない座頭が杖で前を探りながら歩いて行くのに擬えてこの名前になっている。実際には小さな目が付いているので、座頭の名は当たってはいない。8本の足を器用に動かして歩行するけれど、それにしても長い足である。

ザトウムシ アザミに見せて 長き脚(あし)

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前後ろ 豆の身体(からだ)で 不明なり

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2011年08月19日

象に擬(なぞら)えて命名されたゾウムシ

 虫に興味が無かった頃には、虫が視界に居るのに気づいても、近づいて見ようとはしなかった。虫の写真を撮るようになってから、虫の形の違いが認識できるようになってきて、葉の上に見つけた小さな虫はゾウムシとわかる。ゾウムシは頭部から伸びている突起が象の鼻を連想させることからの命名である。突起の長さは虫の種類によってかなり異なる。草地で見つけたゾウムシの同定を行おうとするのだが、図鑑にもネットにも同じような画像が見つからず、種類の同定はあきらめる。

朝散歩 ゾウムシ見つけ 夏盛り

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像の鼻 虫にありかと 写真撮り

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2011年08月18日

百日草に止るウリハムシモドキ

 ハムシは小さいので、注意して探さないと目に入らない。百日草にハムシが取り付いている。ウリハムシモドキのようである。ハムシは棲み付く植物を名前の頭にもってきて、キュウリのようなウリ科の植物を生活の場としているとウリハムシの名前が付く。これに「モドキ」が付くと元のハムシに似ている、といった意味である。ウリハムシとウリハムシモドキが、どこが似ていてどこが違うかをインターネットで調べてみる。わかったような、わからないような理解の仕方である。

雨上がり ハムシ近寄る 百日草

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雄雌(おすめす)の 小さき虫居 ハムシなり

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雨上がりの庭で見たセマダラコガネ

 雨が降っている時は虫も葉の裏や木の枝で雨に当たらないようにしているので、雨上がり直後に虫を見つけるのが難しい。それでも濡れた葉の上に姿を現す虫もいて、小さな甲虫を見つける。図鑑で調べるとセマダラコガネである、名前の通り背中が褐色の斑状になっている。触覚の先が3本に分かれているのが特徴であるけれど、その特徴を拡大してうまく撮れなかった。傍にヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)の赤い花が見え、虫の大きさの推定に役立つかと画面に入れてみる。

背の斑(まだら) 名前になりて コガネムシ

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コガネムシ 赤き花見る 雨上がり

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2011年08月17日

行啓碑横のカラマツのヒョウモンチョウ

 幌西(こうさい)児童会館の横の「皇太子殿下御手撒落葉松」碑とそのカラマツ3本を見に行って、カラマツの一本にヒョウモンチョウが止っているのを写真に収めた。ヒョウモンチョウはよく見かける蝶であるけれど、多数の種類があり、この写真だけからは種類の見分けがつかない。カラマツの方は昭和天皇が皇太子であった1922(大正11)年の札幌行啓時に、手撒きのものから苗を育て大きくした木である。碑と並んで「札幌報恩学園発祥の地」碑があり、同学園は上野幌に移転した。

カラマツで 豹紋見せて 威嚇なり

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お手撒きの 碑とカラマツが 並びおり

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マツムシソウに止るキアゲハ

 キアゲハがマツムシソウの花巡りをしている。松虫が名前に取り入れられているのは、花後が、松虫の鳴き声に擬えて松虫鉦と呼ばれる仏具に似ているからだとの解説を読んだ。また、松虫の鳴く頃に咲く花であるためとの説もある。虫の名前の付く花に蝶が蜜を求めてやってくるのは、相性がよいせいか、などと爪句の材料を探しで考えたりする。キアゲハは花に止っても絵になる蝶である。羽の黄の地に黒の模様が入り、後翅に青と赤の色模様があり、これがアクセントとなっている。

虫同士 相性の良く 蝶と花

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翅(し)模様に 赤青ありて アクセント

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2011年08月16日

葉の上で雨に当たる緑色のカメムシ

 雨の日なのに、雨の当たる葉の上にカメムシが居る。流されるようなことがなければ、雨はそれほど気にならないのかもしれない。身体全体が緑色である。似たような画像のカメムシをインターネットで探して、ツヤアオカメムシあたりかと見当をつける。類似のカメムシに、艶のないアオクサカメムシがいる。ただし、雨で濡れている状況では艶があるように見えているのかも知れず、同定にはあいまいな点がある。カメムシを撮った写真に、偶然何かの幼虫がいて、葉を食べていた。(十音句は中国人I君のコメントから)

雨当たる 葉の表面で 艶を出し(十音句:负雨滴,绿叶之上,出艳丽)

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葉を食べる 幼虫も居て 雨降り日(十音句:食绿叶,幼虫亦有,降雨时)

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獰猛感のあるムシヒキアブ

 川の整備のための石組みのところに、ハエとアブを足して2で割ったような虫が居る。調べてみるとムシヒキアブ科に属するものである。ムシヒキアブは昆虫を捕らえて刺し、麻痺させて体液吸うアブである。その習性を知ると、恐ろしげに見える。同じような種類が多く、同定が難しいけれど、シオヤアブあたりだろうか。上手稲神社の境内の水準点の標石に止っているものも撮ってみた。東京湾の平均潮位を基にして全国の水準点が定められる説明があり、東京湾の文字が見えている。

恐ろしき ムシヒキアブが 止り居り

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水準点 東京湾の 文字の見え

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2011年08月15日

漢数字「三」の模様からの命名のコミスジ

 この蝶の名前をコミスジと聞いてもどんな意味なのかわからない。漢字名では「小三條」である。前翅(ぜんし)に2本、後翅に1本の白い帯状の模様があり、羽を広げると漢数字の「三」に見えることからの命名である。蝶の名前も以外と他愛の無い命名である場合がある。よく見かける小型の蝶で、散歩道で出会って写真を撮った。かなり長い期間見られる蝶で、動きがそれほど速くないので、写真に撮り易い。蝶の止った先にツユクサの青い塊が写っていて、夏の盛りである。(十音句は中国人I君のコメントから)

コミスジは 羽の模様が 「三」に見え(十音句:小三条,羽有条纹,若见三)

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コミスジの 目にツユクサの 青映り(十音句:小三条,眼映露草,现青光)

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種の同定の難しいカメムシ

 写真を撮ってきたカメムシの同定のため、図鑑やインターネットに載っているサンプル画像と比べてみる。似通ったものがあっても、これだと思えるものが見つからない。カメムシは幼虫から成虫になる段階でも姿形を変えていくので、ますますわからない。写真に撮ったものはクサギカメムシではないかと思うけれど、外れているかもしれない。カメムシは一般に悪臭を出すけれど、そのうちでもクサギカメムシは臭いといわれている。刺激を与えなければ悪臭を浴びることはない。

カメムシが 両手叩いて 朝体操

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刺激せず クサギカメムシ 無臭なり

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朝の散歩道に居たハエの仲間

 ハエが好きになれない虫であるのは、多分腐ったものに群がる習性を知っているせいなのだろう。どこを見ているのかわからない複眼の目玉や、身体や脚に生えている体毛もイメージを悪くしている。朝の散歩時に、山際の道に茂っている葉の上に止まっている大型のハエを撮ってみる。調べると、これはニクバエ科のナミニクバエである。クロバエ科のキンバエも葉に止っている。光沢のある金属色であるけれど、コガネムシのような良い名前はつけてもらえず、疎まれる存在である。

葉に止る ニクバエ撮りて 朝の道

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光れども 疎まれる虫 クロバエ科

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2011年08月14日

巣の掃除をするクモ

 クモの巣には必ずしも餌になる虫がかかる訳でもない。上からの落下物や風による飛翔物が巣にひっかかる。このような事態が起きると、クモはただちに不要な物の排除と巣の補修に取りかかる。葛(クズ)の花弁が巣にひっかかった。クモは素早い動作で、糸を切り、花弁を落としてしまう。仕事を終えたクモはやれやれといった感じで巣の中で一休みである。この作業を見せてくれたクモの種類は図鑑が手元に無いので調べなかった。もっとも有ってもクモ図鑑を見るのは敬遠である。

掃除夫の クモが除くは 葛の花

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掃除終え 糸をつないで 一休み

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2011年08月13日

朝の散歩で出会ったコガネムシ

 イタドリの花に紛れるように光る虫が居る。コガネムシである。図鑑で調べるとマメコガネのようである。移入したアメリカで大害虫となり、ジャパニーズ・ビートルと悪名が高い虫である。フキの葉の上に動かないでいるのはヒメコガネらしい。フキの葉を食べた縁のところに頭をつけていて、食べて一休みあるいは朝寝、といった様子である。活動は夜間の方が活発であるそうで、朝や日中は寝て過ごすのかもしれない。朝日に当たって、コガネムシに共通する金属色で輝いている。

イタドリの 花に紛れて マメコガネ

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ヒメコガネ 食事の後の 朝寝なり

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オニヤンマらしい水辺のトンボ

 トンボが目に付く季節に入っている。西区の中の川の流れを見ていると、河川整備工事で置かれた岩にトンボが止っている。川の流れに近づいて見ることができず、望遠レンズを使用して撮った画像からオニヤンマと判定してみた。太陽によるトンボの影が岩に投影されて、遠目にはつなぎトンボかと見間違う。川の近くに動かず止まっているところをみると、この川で幼虫時代を過ごして、成虫になって間もなくのトンボなのかも知れない。都会の整備された川でも様々な生き物が居る。

陽の影で つなぎトンボと 見間違え

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この川で 育てられたか オニヤンマ

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2011年08月09日

エノコログサに張り付くブチヒゲカメムシ

 口に出す時は「猫じゃらし」と呼んでいるエノコログサにカメムシが張り付いている。身体の両脇にある白黒のブチ模様が目だっている。ネットで調べるとブチヒゲカメムシである。甲羅を顔に見立てると、両脇のブチ模様は髭に見えてきて、ブチヒゲの命名の由来らしい。イネ科の害虫でもあるそうで、イネ科のエノコログサに取り付いているのは理にかなっている。カメムシをつけた猫じゃらしを猫の前で振れば、猫は飛びついてくるか敬遠するか、どちらなのか試してみたくなる。

甲羅顔 ブチの髭見え 名の由来

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カメムシが 効果を消すか 猫じゃらし

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ノラニンジンに居座る虫

 ノラニンジンの花には色々な虫が居座っている。なかでもよく見かけるのはカメムシで、アカスジカメムシは名前の通り黒地に赤い筋が入っているので、一度覚えると次からは名前がすっと出てくる。ノラニンジンを餌にする虫なので、食料倉庫に居座っているようなものである。ノラニンジンの花の上にカミキリムシが居て、図鑑で調べてみると、トラカミキリムシの一種とわかる。しかし、ホソトラカミキリあたりかなと思うけれど、同定するには虫の知識に乏しく、確信が持てない。

カメムシは 食料蔵に 居を構え

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花の上 カミキリムシが 動くなり

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2011年08月01日

三角山頂上のアゲハチョウ撮り

 三角山頂上の夏の名物はアゲハチョウである。山頂付近一帯にアゲハチョウの幼虫が好む木の葉があるためなのかもしれない。アゲハチョウの止ったところを写真に撮ろうとするのだが、なかなか止ってくれない。狙っていて、やっと三角点の礎石や山名の標識のところに止ったところを撮ってみる。黄色い羽にある黒い線で描かれた模様は、何に似ているか考えても、これといったものに結びつかない。赤と青の色が試しに羽の模様に描き込まれたようにあり、羽絵に変化を与えている。

山頂で 蝶をモデルに 撮影会

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山画廊 黄紙に墨の 羽絵なり

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2011年07月19日

ラベンダーとミツバチ

 雨が上がるとミツバチがラベンダーに集まってくる。雨降りで密集めの仕事が遅れたのを取り戻そうとしているかのようである。花の間をせわしなく動き回っていて、ミツバチにフォーカスを合わせるのが難しい。飛んでいるところを撮ったものは大抵ぼけた写真になっている。ミツバチのように仕事をしている訳ではないので、良い写真が撮れなくても困ることはないのだが、それでも花の上を飛ぶ蜂で、花にも蜂にもフォーカスが合ったショットを期待してシャッターを押してみる。

ラベンダー 青さで誘い 蜂と人

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飛ぶ瞬間 狙うカメラの 重さかな

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2011年06月21日

ベニシタンの花に集まるミツバチ

 ベニシタンの赤い実はいつも目に留まっているのに、花の方はよく見たことがない。そこで、この木花が咲く頃、小さな花の蕾の写真を撮ってみた。写真を撮っている最中にミツバチが集まってきて、この木花は結構密を出すようである。何枚も撮ってみると、ミツバチが花の上でホバリング状態で写るものがある。これは面白いとシャッターを押しても、ミツバチの飛翔動作が激しいと画面に取り込めない。取り込めてもピントが合わない。それでも何枚かは見られる写真になっている。

ミツバチが 狙う先には ベニシタン

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ホバリング しているように 蜂写り

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2011年05月05日

春の殺し屋

 庭の雪が解け、早春の花も顔を見せ始め、地面を見るともうアリが忙しなく動き回っている。生き物達の活動の季節がやって来たのを実感する。そんなおおらかな気分でアリ達を見ていると、この小さな虫は残虐な殺し屋であることを知る。土か草むらからか顔を出した何かの幼虫を、寄って集って攻撃している。大きさでは自分の何倍もある幼虫を、数を頼んで弱らせ、巣まで運ぼうとしているのである。春はまた、生き物達の生存を賭けたドラマの始まりでもあるのを垣間見せられた。

冬を越し アリに見つかり 不運なり

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群がるは 春の殺し屋 憎憎し

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2011年04月29日

五ノ戸の森の越冬クジャクチョウ

 道新文化センターの講座の受講生と北区篠路にある五ノ戸の森にアオサギを見に行った。お目当てのアオサギもカタクリ、エンレイソウ、エゾエンゴサク等々の早春の山野草も予定通りに見ることができた。ここで予想外だったのは、クジャクチョウがフキノトウに止まっていたことである。この時期に蝶の成虫に出会うとは驚いた。驚きながらの写真撮影である。雪で埋まる札幌で、この蝶は越冬したことになり、どこにどのようにして冬を過ごしていたのか、考えてもわからない。

フキノトウ 簪(かんざし)挿して クジャクチョウ

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越冬の 四つ目で見られ 五ノ戸森

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2011年03月24日

春の雪の上の蜘蛛

 雪が解け、それが所々で凍って氷になって光っている。その雪の上を、黒いものが動いている。蜘蛛である。土の中の凍結が解けて、蜘蛛も土から出て動き出したようである。雪の無くなったところから間違って雪の上に出てしまったのだろう、土とは勝手が違う雪の上では歩き難そうである。蜘蛛を追いかけてマクロ撮影を試みるが、相手もレンズから逃れようと必死の様子で、うまく画面内に捕らえることができない。4月に入れば雪も解け、山道に蜘蛛たちの巣も見られるだろう。

間違いて 雪の上出て 歩行難

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レンズから 必死に逃げる 4脚対

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2010年10月25日

小UFOのように写る雪虫

 11月に入れば北大の植物園は冬期の休園となる。今年の植物園も見納めかと、園内の紅葉を見ることも兼ねて入園してみる。今年の紅葉は今一で、カメラを手にしても、撮ってみたい紅葉も目にはいらない。園内の道を歩いていると雪虫が飛んでいる。小さな羽虫で空中に浮遊するこの虫にフォーカスが合った写真が撮れても、風景の中ではゴミのような点にしかならないだろう。ただ、雪虫が動くので、写真に撮ると小UFOが空中に浮かんでいるようで、雪虫の存在を示してくれる。

雪虫が 漂う軌跡 小UFO

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雪虫は 幹にかかりて 白き点

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2010年09月27日

サラシナショウマの花に集まるガガンボ(大蚊)

 サラシナショウマの房状の花に、よく大型の蚊のような羽虫が止まっていることがある。時には、この虫が花穂に所狭しとばかりに群がっていたりする。この虫はガガンボである。この羽虫の名前は「蚊が姥(かがうば)」の転訛、「蚊の母(ボ)」が語源と諸説ある。蚊のように刺したりはしないのだが、見た目には大きな蚊であるので、ガガンボがいると花に近づくのをためらってしまう。それにしても、どうしてサラシナショウマにこの虫が集まるのか、疑問が残ったままである。

升麻花 蕊より細い 羽虫脚

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ガガンボの 団体迎え 花茶店

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2010年09月20日

絵の世界のトンボの影

 光が物に遮られると影ができるのは道理のことで、取り立てて言うほどのこともない。しかし、トンボの影を写真に撮ると、道理の世界から絵の世界に変わる。屯田防風林の遊歩道の木製ベンチにトンボが止まっている。強い陽の光でトンボの影がベンチに上に写し出されている。胴体部分は、平凡な黒い影でも、透き通る羽の部分の影は、羽の先端の茶色の部分までが、木の板の表面に投影されている。陽の画家が、ベンチをキャンバスにしてモデルのトンボの絵を瞬時に描いている。

本物が 影絵に止まる ベンチ上

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陽(ひ)の画家が ベンチに描く トンボの絵

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2010年09月19日

空沼岳頂上岩場のトンボ

 標高1251mの空沼岳の頂上は岩場になっている。眺めの良い山で、南の方向に恵庭岳とその横に支笏湖の湖面が見える。この山は支笏洞爺国立公園の中に位置を占めている。北の方には、大都会札幌市の南区の市街地の一部が視界に顔を出す。西には羊蹄山が、その円錐状の山容を見せている。秋も近づいて、トンボが山頂の岩場の上を舞っている。岩場に止まるトンボも居て、近づいて写真に収めてみる。紅葉は未だ始まらず、赤とんぼの尾の赤色が紅葉を先取りしているようである。

衝突す 西向く視線 羊蹄山

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身の赤さ 紅葉先取り 赤トンボ

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空沼岳万計沼の赤トンボ

 空沼岳の中腹に万計(ばんけい)沼という沼がある。周囲で「ばんけい」と発音していて「盤渓」かと思っていると、万計沼の標識が現れる。沼の面積は約1万5千㎡で、空沼岳にある湖沼では3番目に大きなものである。沼の岸辺近くの岩の上に赤トンボが止まっている。足場の悪いところをトンボに近寄って写真を撮ってみる。トンボの背後に晩夏の空と沼の周囲の木々が水面に映っている。万計の文字と読みがどこから来ているのか、下山後インターネットで調べたがわからなかった。

トンボ撮る 万計沼に 晩夏空

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足水面(みなも) 近づき撮りて 赤トンボ

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2010年09月04日

亀に似たカメムシ

 形や色、体の模様の異なるカメムシを時折目にするけれど、カメムシは何種類いることやら。個々のカメムシの種名を判別できないので、違った種類でも単にカメムシと呼ぶしかない。草花の茎を抱えてじっとしているので、虫でもマクロ撮影には格好の被写体になる。下手に触ると悪臭の洗礼を受ける。カメムシはその名の通り亀に良く似たものがいる。さらに、小さな目と頭の先に飛び出している触角が特徴的で、種類によっては、どこに目があるのか見分けられないものもいる。

カメムシは 茎に張り付く 緑亀

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どこに目が 黒き点見て 判じ物

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2010年09月03日

大食漢のベニスズメの幼虫

 花の写真を撮っていると、ベニスズメの蛾の幼虫が茎に取り付いている。茎の先は花も葉もきれいに無くなっていて、推測するところ、この幼虫が食べたらしい。体つきからして大食漢のようである。指を近づけると、威嚇するかのようにゆっくり頭を上げる。頭の部分だけを見ると、愛玩用の犬の顔、いや坊主頭の人の顔にさえ見えてくる。幼虫が取り付いている花をネットで調べると、北海道には自生しない希少種のオオアカバナの園芸種で、本来なら貴重な希少種が食べられている。

連想は 坊主頭か 愛玩犬

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希少種が 大食虫の メニューなり

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2010年09月02日

花綿毛に止まるナガカメムシ

 都会の河川整備で、石組の壁の下に小川が流れている。壁の上は遊歩道になっていて、砂利道に草花がまばらに咲いている。中には花が綿毛に変わっているものもある。偶然、綿毛に止まっているナガカメムシらしき虫を見つける。赤と黒の色が目立つものであったため、目に留まったけれど、種類はわからない。それにしても、この虫の背中に広がるデザインは奇抜である。何かがこちらを向いているようにも見える、敵となるものへの威嚇の意味を込めたデザインなのかと考えてみる。

デザインを 赤黒で決め 奇抜なり

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艶出しの 身体(からだ)磨きの 花綿毛

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2010年09月01日

毒草トリカブトとミツバチ

 日本の三大毒草の一つであるトリカブトに、ミツバチが寄ってきて蜜を集めている。トリカブトは塊根に毒があり、附子(ぶし)と称されている。トリカブトの毒は塊根のみならず、花全体にもあり、花粉にも及ぶといわれている。このため、ミツバチがトリカブトの花粉を身につけないようにと、養蜂家はトリカブトの咲く場所を避けるのだそうである。花粉より、トリカブトの蜜に毒があるのかどうかの方が問題だろうけれど、蜜に毒性成分が含まれているのかどうかは調べていない。

毒草の 様子伺い ホバリング

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鳥兜 蜂の全身 覆いたり

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2010年08月30日

朝寝坊のモンキチョウ(紋黄蝶)

 蝶は意外と朝寝坊である。早朝の散歩に合わせた写真撮影ではこれは都合が良い。草に止まっている蝶は、花のように動かないので、カメラを近づけてマクロ撮影ができる。モンキチョウ(紋黄蝶)を撮ってパソコンの画面で見ると、緑の目玉が印象的である。モンキチョウの目玉が緑色であるのは今まで気が付かなかった。周囲の緑が目に映っているかのようである。雨の降った後では、動かない蝶の羽の縁に細かい水滴が着いている。これでは、水滴が乾くまで飛ぶのは延期であろう。

コンタクト 緑入れたか 紋黄蝶

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水滴の 乾くを待つ間 朝寝坊

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2010年08月26日

ヒペリカムの蜜を吸うミツバチ

 花の蜜はどこら辺にあるのだろうか。ヒペリカムの花で蜜を吸っているミツバチと思われる蜂のマクロ撮影の写真を見てみると、実に成長する子房の下辺りに蜜があるようだ。花の一番奥まったところに蜜があれば、蜂も花に身を近づけことになり、長く伸びた雄蕊の先端がハチの体に触ることになり、花粉をハチの体に付けることができる。蜂の方も雄蕊を抱えて体を固定させ、長く伸ばした吸い口を子房の下に入れて蜜を吸っている。蜂の吸い口は意外と長く伸びるようである。

ヒペリカム 蜂を招いて 止まり蕊(しべ)

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吸い口と 雄蕊の長さ 競い合い

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2010年08月23日

秘境駅の豊ヶ岡駅のイナゴ

 自転車を抱えて列車に乗り、降りた駅からはサイクリングで駅巡りをすることをチャリ鉄と称して、JR札沼線沿線でこれを行ったことがある。帰りの駅に選んだのは、秘境駅の評判の高い豊ヶ岡駅である。この駅のプラットホームで一両のワンマン列車を待つ間、線路脇に咲く野の花や、花に群がるカラスアゲハを撮ってみた。ホームには、赤錆びた鉄パイプにイナゴが居て、カメラを向けると逃げる素振りをみせる。ホームにはイナゴの他に動くものもなく、炎暑の中の静寂があった。

秘境駅 イナゴと我が 列車待ち

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近づけば 逃げる素振りの イナゴかな

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